スーパーマリオ64
NINTENDO64専用ソフト ウィキペディアから
『スーパーマリオ64』(スーパーマリオろくじゅうよん、英: Super Mario 64)は、任天堂が1996年6月23日に発売したNINTENDO 64用の3Dアクションゲーム。NINTENDO64本体と同時に発売された。また、翌年の1997年7月18日には、振動パック対応の『スーパーマリオ64 振動パック対応バージョン』が発売されている。略称は「マリオ64」。
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ジャンル | 3Dアクション |
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対応機種 |
NINTENDO 64 iQue Player Wii、Wii U(バーチャルコンソール) Nintendo Switch(NINTENDO 64 Nintendo Switch Online) |
開発元 | 任天堂 |
発売元 | 任天堂 |
プロデューサー | 宮本茂 |
ディレクター | 宮本茂 |
プログラマー |
西田泰也 谷本義典 矢嶋肇 岩本大貴 岩脇敏夫 河越巧 Giles Goddard |
音楽 | 近藤浩治 |
美術 |
中野祐輔 日野重文 小泉歓晃 滝澤智 有本正直 |
シリーズ | スーパーマリオシリーズ |
人数 | 1人 |
メディア |
[N64] 64Mbitロムカセット [VC] ダウンロード販売 |
発売日 |
NINTENDO64 1996年6月23日 1996年9月29日 1997年3月1日 iQue Player 2003年11月17日 Wiiバーチャルコンソール 2006年11月19日 2006年12月7日 2006年12月8日 Wii Uバーチャルコンソール 2015年4月1日 2015年4月2日 NINTENDO 64 Nintendo Switch Online 2021年10月26日 |
対象年齢 |
ESRB:K-A(N64版) CERO:A(全年齢対象)(VC版) ESRB:E(6歳以上)(VC版) ACB:G ELSPA:3+ |
売上本数 |
1191万本(2022年末時点)[1] 192万本(2022年末時点)[2] |
その他 | 振動パック未対応 |
後にリメイク版の『スーパーマリオ64DS』(2004年)が発売されたほか、他機種向けに移植された(#他機種版)。
ゲームプレイ
要約
視点
操作方法
スーパーマリオ64は3Dアクションゲームで、プレイヤーは主人公のマリオを操作して様々なコースを進む。マリオのアクションは過去の作品に比べて非常に多様である[3][4]。ゲームコントローラーのスティックやボタンを使い、歩く、走る、ジャンプする、しゃがむ、這う、登る、泳ぐ、蹴る、物を掴む、パンチするなどが可能だ。通常のジャンプに他の動作を組み合わせることで、二段ジャンプや三段ジャンプ、幅跳び、宙返り[要曖昧さ回避]、壁ジャンプといった特殊なジャンプを行うことができる。プレイヤーはカメラ操作も可能で、このカメラはジュゲム[要曖昧さ回避]がマリオを撮影する形で動き、一人称視点と三人称視点を切り替えられる[5]。
体力、残機、パワーアップ
スーパーマリオ64は、体力制を採用しており、体力は8分割された円形で表示される[6]。ダメージを受けた場合、3種類のコインを集めることで体力を回復できる。黄色コインは1回復、赤コインは黄色コイン2枚分、青コインは黄色コイン5枚分である。また、回転するハートを通過するか、水に飛び込むことで体力が回復する[7]。水中では体力は息が続く時間を表しており、水中にいる間は徐々に減り、浮上することで回復すると設定されている[8]。コースをクリアする際、取得した黄色コイン50枚ごとに1つの残機が追加される[6]。また、1UPキノコは、木やポールなどの隠し場所に配置されており、空中を追いかけてくるものや、地面に落ちて短時間で消えるものもある[9]。
これまでの作品で登場した「スーパーキノコ」や「ファイアフラワー[要曖昧さ回避]」といったパワーアップアイテムは登場せず、代わりに赤・緑・青の3色の半透明なブロックが様々なステージに点在している。このブロックは各地の秘密エリアにある同色のスイッチを押すと実体化し、3種類の特殊な帽子のパワーアップを得られる。ウイングキャップは、三段ジャンプをするか大砲で発射すると空を飛べる能力を持つ[10]。メタルキャップは、敵、火、毒ガスへの耐性を持ち、風や水流に耐えたり、水中で地上のアクションを行ったり、無限に息を続けられる能力を持つ。バニッシュキャップは、透明マリオになり障害物をすり抜ける能力と一部の無敵能力を持つ[8][11]。また、敵キャラのノコノコを倒した際に残る甲羅も一種のパワーアップとして機能し、甲羅を使うことで敵を倒したり、水、溶岩、流砂の上を高速で移動することができる[12]。
設定と目的
ゲームの拠点となるのはピーチ城であり、城内はロビー、メインタワー、地下室の3つの階層に分かれているほか、外には堀や中庭がある[13]。プレイヤーの主な目的は、絵画を探して中に飛び込むことでコースへ進み、そこで「パワースター」を集めることである。パワースターを集めると、城の拠点で行けるエリアが徐々に解放されていく[14]。全15コースそれぞれに7つずつのパワースター(6つは名前付きミッション、1つはステージ内でコインを100枚集めることで取得)があり、さらにゲーム内には秘密やボーナスとして15個のパワースターが隠されている。これらを合計すると、ゲーム内には120個のパワースターが存在する[15]。
各コースには敵キャラクターが配置されているだけでなく、マリオを手助けしてくれたり依頼をしてくる友好的なキャラクターも登場する。例えば、ボム兵の仲間「ボムへい」がマリオの要請に応じて大砲を使用可能にしてくれることがある[16]。一部のパワースターは特定のタスクをクリアした後でしか出現せず、そのタスクはコース名がヒントを与えることが多い。課題には、黄色コインを100枚集める、赤コインを8枚集める、ボスを倒す、対戦相手とレースをする、パズルを解くといったものが含まれる[17]。
ゲームの最終コースは「終わらない階段」によってブロックされているが、この階段はペンローズの階段のような仕掛けになっており、70枚のパワースターを集めることで通過可能になる[18]。「終わらない階段」のBGMはシェパード音階に似た音楽が使用されている。城内には様々な隠しミニコースや秘密が存在し、これらはゲームを完全クリアするために必要な追加のパワースターを含んでいる[19]。
全120個のパワースターを集めた後にゲームを再開すると、ピーチ城の屋根にヨッシーが現れる。ヨッシーはプレイヤーに開発者からのメッセージを伝え、100機分の残機と改良された三段ジャンプをプレゼントしてくれる[15][20]。
開発
要約
視点
ディレクターの宮本茂とアシスタントディレクターの小泉歓晃
1990年代初頭、スーパーマリオの生みの親である宮本茂は、スーパーファミコン向けに『スターフォックス』(1993年)を開発している際、3Dマリオのデザインを構想した。『スターフォックス』はスーパーFXチップを使用しており、処理能力を強化していた。このチップを使って「ミニチュアトレインのようなミニチュア世界」を基盤としたスーパーファミコン用ゲーム『スーパーマリオFX』を開発することが検討された[21]。『スターフォックス』のエンジニアであるダイラン・カスバートによれば、『スーパーマリオFX』はゲームのタイトルではなく、スーパーFXチップ自体のコードネームだったという[22]。宮本はこのアイデアをNINTENDO64向けに再構築した。その理由はNINTENDO64の処理能力ではなく、ゲームプレイに必要なボタン数を満たしているコントローラーが採用されていたからだとされる[23]。
1993年1月のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)では、『スターフォックス』のデビューと共に、マリオの3Dポリゴンアニメのトーキングヘッドが任天堂のブースで披露された[24]。このデモはゲームのスタート画面にも登場しており、ジャイルズ・ゴッダードによってプログラムされた[25]。
スーパーマリオ64の開発は1994年9月7日に任天堂エンターテインメント分析開発部で開始され、1996年5月20日に終了した[26]。宮本によれば、開発チームは約15~20名で構成されていたとされる[27]。キャラクターとカメラシステムの部分から開発が始まり、視点やレイアウトの選択に数カ月が費やされた[25]。初期のコンセプトは『スーパーマリオRPG』のような固定視点のアイソメトリックゲームを基にしていたが、最終的には一部の線形ルートを持ちながら自由に動ける3Dデザインに移行した[25]。これは特にプレイヤーをクッパのアジトへ誘導させるためだったとジャイルズ・ゴッダードは述べている[25]。
当時、参照できる3Dでのジャンプアクションがなかったので、宮本や他のチームメンバーと試行錯誤を楽しみながら進めた。確かに大変な作業だったが、新ジャンルに挑戦する喜びがそれを上回った。
スーパーマリオ64は、任天堂がイラストレーションを外注ではなく社内で制作した初期のゲームの一つである[29]。グラフィックはN-Worldと呼ばれるシリコングラフィックス(SGI)ベースのツールキットを用いて作成された[30]。開発チームはまずマリオの動作を優先し、ステージを作成する前にシンプルなグリッド上でアニメーションをテスト・改良した[25]。3Dイラストは日野重文、野上恒、藤井秀樹、黒梅智明、中野祐輔らが制作し、ゲームのアニメーションは共同ディレクターの小泉歓晃と滝沢悟が担当した[31]。また、小田部羊一がマリオの多方面からの3D図を描き、キャラクターモデル制作を指導した[32]。
小泉は『ワシントン・ポスト』のインタビューで、前例のない3Dモデルのアニメーション作業が難題だったと振り返っている[28]。プレイヤーの奥行き知覚を補助するため、開発チームはエリアの照明に関係なく、すべてのオブジェクトの真下に疑似的な影を配置する工夫を施した。この機能について小泉は「現実的ではないかもしれないが、操作性を大幅に向上させる鉄則のような存在」と語っている[33]。
発売
要約
視点
スーパーマリオ64は、1995年11月に開催された「任天堂スペースワールド」で初めてプレイ可能なプロトタイプとして公開された。このバージョンは開発が50%程度進んだ段階であり、テクスチャマッピングは約2%しか完了していなかった[21][34][35]。この時点では32のコースが含まれていたが、宮本茂は40コース以上を製作する希望を持っていた[21]。しかし最終的には15コースに絞られた[19]。
Nintendo of Americaの会長だったハワード・リンカーンによれば、宮本がコース数を増やそうとしたことが、NINTENDO64の発売を1995年末から1996年夏へ延期する主要な要因になったという[36]。さらに、任天堂の社長であった山内溥は後に、「ゲームクリエイターは妥協すればすぐにゲームを仕上げられるが、ユーザーはその妥協をすぐに見抜く。宮本があと2カ月ほしいと言ったので、条件なしでそれを与えた」と語っている[37]。
1996年のE3[要曖昧さ回避]では、複数のNINTENDO64本体が設置され、スーパーマリオ64をプレイできるデモが公開された[38]。ジャイルズ・ゴッダードによれば、プロジェクトのストレスにより、一部のプログラマーが離脱したり別の部署に移動したという[39]。
広告と売上
当時の任天堂のマーケティング担当副社長だったピーター・メインによれば、スーパーマリオ64はNINTENDO64のキラーアプリとして計画されたという。US$2,000万ドル規模のマーケティングキャンペーンには、『Nintendo Power』の購読者50万人以上へのビデオテープの送付、MTV、フォックス、ニコロデオン[要曖昧さ回避]での広告放映が含まれていた[40][41]。
スーパーマリオ64は1996年6月に日本で、同年9月に北米で、1997年3月にヨーロッパとオーストラリアで正式リリースされた[42][43][44][45]。北米では発売から3カ月で200万本以上を売り上げ、1億4000万ドル(当時)を超える収益を記録した[46]。これは1996年で最も売れたビデオゲームであり[47]、総売上では2002年までに590万本に達した[48]。さらに2008年3月までに全世界で1180万本の販売を記録し、NINTENDO64で最も売れたゲームとなっている[49]。
再発売
スーパーマリオ64DS
→「スーパーマリオ64DS」も参照
強化版リメイクである「スーパーマリオ64DS」は、2004年にニンテンドーDS向けに発売された。オリジナルと同様、物語はパワースターを集め、クッパからピーチ姫を救出することを中心に展開する。ただし、オリジナルとは異なり、ヨッシーが初期キャラクターとなり、マリオ、ルイージ、ワリオがアンロック可能なキャラクターとして登場する[50]。
このリメイク版では、改良されたグラフィック、若干変更されたコース、新しいエリアやパワーアップ、敵キャラクター、さらに追加されたパワースターに加え、タッチスクリーンを利用したミニゲームやマルチプレイモードが特徴である[51]。レビューは全体的に好評であり、グラフィックや追加コンテンツが称賛された一方で、操作性やマルチプレイモードが批判された[52][53]。2021年9月までに全世界で1106万本を売り上げた[54]。
その他の再発売
スーパーマリオ64の特定バージョンは、1996年の「任天堂スペースワールド」でニンテンドー64ディスクドライブ(64DD)の技術デモとして使用された[55]。「ウェーブレース64」と同様、1997年7月18日に日本で「スーパーマリオ64 振動パック対応バージョン」として再発売された。このバージョンでは、様々なバグ修正、振動パックのサポート追加、英語版の音声演技の採用などが改良点に含まれていた[56][57]。
2003年11月には中国専用のiQue Player向けに限定リリースされた[58][59]。2006年末にはWiiのバーチャルコンソールサービスで配信され、解像度の強化やゲームキューブコントローラとスーパーファミコン クラシックコントローラへの対応が追加された[60][61]。
2020年9月には、「スーパーマリオ 3Dコレクション」の一部としてNintendo Switchでリリースされた[62]。このバージョンは「振動パック対応バージョン」を基にアップスケールされたグラフィックや720p解像度に対応し、Nintendo Switch Joy-Conやプロコントローラのボタン配置に適応した操作方法が追加されている。その後、Nintendo Switch Onlineサービス対応のNINTENDO64コントローラにも対応するよう更新された[63]。さらに、2021年10月にはNintendo Switch Online + Expansion PackのNINTENDO64タイトルラインナップにも収録された[64]。
システム
要約
視点
アクション
本作ではキノコ城とその中にある絵画などの中の世界が舞台となっており、マリオは広大で立体的なフィールドを移動する。歩いたり走ったり速度を調整することも可能。
攻撃・モノ掴みと、ジャンプ、しゃがむ(移動で登坂に特化した匍匐前進)ことが可能。攻撃は地上・空中・移動状態などに応じてキックや飛び込みに変化する。空中でしゃがむボタンを押すことで、直下へ急降下するヒップドロップを行うことができ、床のスイッチを押すことができる。
ジャンプアクションは立体的になった本作ではより多様になっている。ジャンプからの着地に合わせて再ジャンプすることで高く飛ぶことができる「3段ジャンプ」。急転換すると同時にジャンプ入力する「側転飛び」。しゃがみ状態でジャンプする「宙返り」。走り状態からしゃがむと同時に即座にジャンプすることで「幅跳びジャンプ」。壁に触れると同時にジャンプする「壁キックジャンプ」。これらを駆使することで、遠くの足場に飛んだり、より高い位置に移動することができる。
本作では、操作するマリオの後ろからジュゲムがカメラで映しているという形となっており、ポーズメニューやRボタンでカメラの位置を変えることが可能。マリオを中心に遠い位置から追従する「ジュゲム」、マリオに密着する「マリオ」、カメラの追従を停止しその場に固定する「ストップ」に切り替えることができる。また、Cボタンユニットで視点の回り込み移動、マリオの視線操作が行える。
ゲームの目的
単純にフィールド最後のゴール地点に到達することがクリア条件であった旧作と異なり、フィールドの各所に隠されたゴールアイテム「パワースター」を見つけ出し、最終ボスであるクッパまでの道を開いていくことがゲームの主な目的となる。フィールドは3Dにより構築された箱庭的表現で構成されており、ゴール地点などは定められていない。探索やアスレチック要素がメインとなっている為、制限時間は基本的には存在しない。
コース
基本的にはキノコ城内にある絵の中に飛び込んでコースに入るという仕組みになっている。ただし一部のコースは、隠し扉の如く単なる壁から入れるようになっていたり、穴だったり、オブジェクトだったりと異なる見た目になっている。コースによっては完全な異世界ではなく、城と物理的につながっているものもある。コース内のフィールドは、絵からの場合、大概は絵に描かれてある内容が反映されたコースとなる。
絵の中に飛び込むと、コース内に隠されているパワースターの獲得条件のヒントとなるタイトルが記載されている複数のイベントの中から一つ選択する画面になり、決定するとコースが始まる。選択したイベントにより、コース内のギミックが変化する場合がある。
また、城自体もコースになっており、内部や周辺を探索可能で、城自体にもいくつかのパワースターが隠されている。それらは「おしろのかくれスター」としてカウントされる。パワースターは隠しを含めて全120枚存在するが、ゲームクリアに最低限必要なのは70枚であり、それ以降は基本的にやりこみ要素として集めることとなる。
その他
本作のゲーム開始直後は3Dモデル化したマリオの頭部全体像が表示され、プレイヤーはコントローラーの操作によって、3Dモデルをある程度変形させることができる。この3Dモデル画面は、勢いの強い横回転や居眠りなど、マリオのちょっとした表情のアクションを見ることができる。
ストーリー
ある日、マリオの元へ、ピーチ姫からキノコ城への招待状が届いた。
喜んだマリオは早速キノコ城に向かう。しかし城はひっそりと静まりかえっていて、様子がおかしい。そして、城の中に入るとどこからともなく「誰もいませんので、とっととお帰りください。ガハハハッ!」というクッパの声が聞こえてくる。
クッパは城を守るパワースターを奪い、その力でピーチ姫やキノピオ達を絵の世界に閉じ込めてしまったのである。このままでは城がクッパに乗っ取られてしまう。パワースターを奪い返すため、マリオは絵の世界の冒険に出発する。
キャラクター
要約
視点
本作のマリオの声はチャールズ・マーティネーが担当[65]。また本作からピーチ姫の名前が日本国内のものに統一された。それまで日本国外では「Toadstool(毒キノコ)」という名前がつけられていた。なお、旧称の名残としてか、日本国外版でのピーチ姫の手紙には「Princess Toadstool. Peach」と書いてある(日本版でも振動パック対応版以降のピーチ姫のボイスの中に同様の表現がある)。
味方キャラクター
- 赤ボム
- 平和を愛するボムへい。マリオの味方をしてくれる。主に大砲の起動を務める。「ボムへいの せんじょう」では黒ボムと戦争している。
- キノピオ
- キノコ城の中に多数いて、マリオにアドバイスをくれる。一部のキノピオはパワースターを一定数集めた状態で話しかけると、自分からもパワースターをプレゼントする。
- ジュゲムブラザーズ[要曖昧さ回避]
- プレイヤーに視点を提供するカメラマンとして登場。マリオに攻撃を仕掛けてくることはない。マリオの周囲に浮かんでおり、鏡の部屋などで視認出来る。オープニングでは片方のジュゲムが他方のジュゲムを撮影していることになる。
- フクロウ
- 木でうたた寝している。隠れている木に登ると姿を現し、ジャンプで掴まればしばらくの間、ぶらさがって空を飛べる。ずっと掴まっていると次第に高度が下がっていき、最終的にはフクロウが疲れて強制的に離される。マリオ単独では登れない上空のパワースターを取る時に必要な存在。
- ノコノコ(レース)
- 敵のノコノコより大きい。さまざまなコースでマリオにレースを挑んでくる。レースに勝つとパワースターをくれるが、途中で大砲を使用した場合は先にゴールすると「ズルッコはなしッスよ」と言われ、パワースターをもらえない(なお、ワープ・特殊帽子・亀の甲羅は使用可)。
- ペンギン
- 雪コースに登場。頼み事を完遂したり、挑戦に勝ったりするとパワースターをくれる。迷子の子ペンギンがいる。
- ペンギンチャンピオン
- 「さむいさむい マウンテン」に登場するスライダーのチャンピオン。レースで勝つとパワースターをくれるが、大幅なショートカットを使うと無効試合となる。パワースターを全て集めると太ってしまう。
- ドッシー
- 地底湖にいる巨大な恐竜。背中に乗るとマリオの向いた方向に泳ぐ。ヒップドロップすると首を下げるので頭に乗る事ができる。
- ウッキィ
- 「たかいたかいマウンテン」に登場するイタズラ好きの小猿。山の頂上付近に登場し、捕まえると空中に浮いている檻を落としてパワースターを出してくれる。
- ワッキィ
- 上記の檻の落下地点付近にいる小猿。捕まえるとマリオの帽子を奪って逃げ回る(帽子が吹き飛ばされた場合もワッキィが持っている)。もう一度捕まえると返してくれる。
- ミップ
- 城地下にいる黄色いウサギ。非常に俊敏な動きで逃げ回るが、捕まえるとパワースターを返してくれる。
- ヨッシー
- 隠しキャラクター。120枚全てのスターを取ると使える城外部の砲台から行ける城の屋根[注 1]にいる。また、話しかけるとスタッフのメッセージを伝えてマリオの残り人数を最大数(100)まで増やし、3段跳びの仕様を変更した上で、どこかへ消え去る。
- 3段跳びを行なうと光り輝く回転ジャンプになり、この時の落下ダメージを無効にする。ただし、回転ジャンプの為か、壁キックは出来なくなる。
振動パック対応バージョン
日本国内のみ発売された、NINTENDO64の周辺機器である振動パックに対応したバージョン。日本より遅れて発売された北米版をベースに作られており、振動機能以外にもいくつか仕様が変更されている。また、オリジナル版や北米版にあった不具合の修正も行われている。
スーパーマリオ64DS
要約
視点
ジャンル | 3Dアクション+タッチペンミニゲーム |
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対応機種 |
ニンテンドーDS Wii U(バーチャルコンソール) |
開発元 | 任天堂 |
発売元 | 任天堂 |
プロデューサー | 宮本茂 |
ディレクター | 池松真一 |
プログラマー |
中郷俊彦 岩脇敏夫 |
音楽 | 永田権太 |
人数 | 1人 - 4人 |
メディア | 128MbitDSカード |
発売日 |
ニンテンドーDS 2004年11月21日 2004年12月2日 2004年12月29日 2005年2月24日 2005年3月11日 2005年3月12日 2005年4月28日 2008年5月25日 Wii Uバーチャルコンソール 2015年12月24日 2015年12月25日 2016年1月6日 2016年8月25日 |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
売上本数 |
1106万本(2023年9月末時点)[67] 130万本(2022年末時点)[68] |
『スーパーマリオ64DS』(スーパーマリオろくじゅうよんディーエス、SUPER MARIO 64DS)は、2004年12月2日に発売されたニンテンドーDS用のアクションゲーム。こちらも、本体と同時発売のローンチタイトルの1つである。
新キャラクターや新コースなど、様々な新要素が搭載されている。また、ニンテンドーDSにプラットフォームを移した事で、タッチペンを利用した操作にも対応している。
プレイヤーキャラクターがヨッシー、マリオ、ルイージ、ワリオの4人に増加し、それぞれ異なる特徴を持っている。ただし、ゲーム開始時にはヨッシーしか使用できず、他の3人を救出しながらゲームを進めていく事になる。
ストーリー(DS)
ピーチ姫から招待状を受け取ったマリオが、ルイージ、ワリオと一緒にキノコ城を訪れる。しかし3人が城から一向に帰ってくる気配がないため、異変を察知したジュゲムブラザーズがヨッシーを城へと向かわせる。そこでヨッシーはクッパの声を聞き、クッパが絡んでいる事を知ったヨッシーは、ピーチ姫を救うためにマリオたちを探しに行く事になった。
ゲームモード
アドベンチャー
ヨッシーを操作してマリオ・ルイージ・ワリオを救出し、パワースターを取り戻すメインモード。マリオ・ルイージ・ワリオを救出すると、そのキャラクターでも操作出来るようになる。
VSバトル
2人から4人まで遊ぶ事ができる、スターを奪い合うモード。ダウンロードプレイのみ対応している(全員がソフトを持っていても親機からダウンロードする必要がある)。また、1人で練習することも可能(コンピューターキャラはなし)。
操作方法はメインモードと同じ。コース内のあちこちにスターがランダムで出現し、取得すると別の場所にスターが出現する(「スライダーレース」のみ例外で、スターの数・位置は固定)。操作するキャラクターはヨッシー固定(色は緑・赤・青・黄の4色)で、へんしん帽子を取ると他の3人に変身出来る。
ミニゲーム
全36種類の1人用ミニゲーム。メニューの右側にこの項目がある。最初に遊べるのは8種類だけで、本編ゲーム内において城にいるウサギのミップを捕まえる事により追加されていく。一部のミニゲームはその後発売された『New スーパーマリオブラザーズ』にも収録され、通信対戦により多人数プレイも可能となっている。
なお、韓国版ではミニゲームが削除されている。
システム(DS)
- 操作方法は「Yダッシュモード」、「タッチモード」、「デスクトップモード」の3種類の操作方法があり、ポーズメニューで切り替える事が出来る。初期設定は「Yダッシュモード」になっているが、タッチスクリーンでも移動出来る。「Yダッシュモード」と「タッチモード」ではボタンの配置から左手でタッチスクリーンを操作する事になるため、DS本体に同梱されていたタッチストラップを使う事が推奨されている。
- ヨッシー以外の場合、帽子をなくした状態でパワースターを取ると、帽子は城1階の入口近くにいるキノピオが持っており、話しかければ取り戻せるため、帽子を失くしたコースまで取りに行く必要がなくなった。また、64版では帽子をなくしたコースにしかなくした帽子は出現しないが、今作では帽子をなくす可能性があるコース全てになくした帽子が出現する。
- 黄色いブロックから登場するノコノコの甲羅を何回でも使用できるようになった。
- ゲームクリアに最低限必要なパワースターの数が80枚に増えた。また、パワースターの総数も64版と比べて30枚増え、全150枚になった。
- 城外部の大砲を使うには150枚全てを揃える必要がある。ただし、ヨッシーがプレイヤーキャラクターになったのに伴い、城の屋根にいたヨッシーは削除されている(オープニングで城の屋根から地上に移動する)。
- フクロウが複数のコースの登場するようになり、ショートカットに使えるようになった。
- ミップが城の地下以外にも様々な場所に出現するようになり、捕まえた時の報酬はミニゲームのカギに変更された。
登場キャラクター(DS)
使用キャラクター
- ヨッシー
- ゲーム開始時から使用出来るキャラクター。パンチなどの攻撃が出来ない代わりに、舌を出すと色々なものを食べる事が可能。反面、物を掴むことができず[注 2]、ヒップドロップなどでレンガを壊したり、テレサを倒したりする事も出来ない。
- 他のキャラクターを救出していれば、ナンバリングコーススタート時に救出したキャラクターに応じた帽子のアイコンが出現し、これをタッチすると帽子に対応したキャラクターに変身してコースに入る事ができる。但し、ナンバリング以外のコースではスター選択画面自体がないためヨッシー以外でスタートできない。
- マリオ
- 2番目に使用可能になるキャラクター。基本能力とアクションは64版と同じで、壁キックのジャンプが使えるのはマリオだけである。
- 城内にある自動ドアの封印はマリオでしか解除できない(一度開ければマリオ以外でも入れる)ため、ゲームクリアにマリオの救出は必須となっている。また、最終コースにはマリオしか入ることができない。
- ルイージ
- 3番目に使用可能になるキャラクター。ジャンプ力が高く、泳ぐスピードも速い。走ったまま水の上をしばらく走り続ける事ができる。
- ワリオ
- 最後に使用可能になるキャラクター。パワーが高く、ワリオでしか破壊できない仕掛けもある。反面、ジャンプ力とスピードは低い。
他機種版
2004年12月2日にニンテンドーDS専用ソフト『スーパーマリオ64DS』が発売された。詳細は後述。
2006年12月2日にWiiにて、2015年4月8日にWii Uにて、本作の振動パック対応バージョンがバーチャルコンソールとして配信された。
2020年9月18日に『スーパーマリオサンシャイン』、『スーパーマリオギャラクシー』とともに収録され、『スーパーマリオ 3Dコレクション』としてNintendo Switchで2021年3月末までの期間限定で販売された。
2021年10月26日より配信された『NINTENDO 64 Nintendo Switch Online』にて、本作の振動パック対応バージョンが初期ソフトの一つとして収録されている[69]。
評価
要約
視点
評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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本作はNINTENDO64の3Dスティックを活かして、3Dで描かれた世界を自由自在に動き回ることができ、後の3Dアクションゲームに決定的な影響を与えた[89]。
批評
スーパーマリオ64は、グラフィックにおいても高い評価を受けている。『GameSpot』はグラフィックについて「クリーンでシンプル」であり、ゲーム世界のディテールを損なうことがないと評価した[81]。『GamePro』は、前例のない技術性能とアートデザインの組み合わせを特に称賛し、これを「史上最も視覚的に印象的なゲーム」と呼んでいる[79]。ポール・デイヴィスはグラフィックを「あまりに驚異的で、思わず立ち止まって見とれてしまう」と表現した[73]。ジョンティ・デイヴィスもビジュアルを「素晴らしい」と称賛し、フレームレートについても尊敬に値すると述べている[72]。ダグ・ペリーはグラフィックをシンプルだが壮大と捉え[19]、『Next Generation』も同様の感想を共有した[84]。『Hyper』のレビュアー、ニーノ・アレゲロプロスはこれを「これまでで最も美しいコンソールゲーム」と呼び、高解像度と当時としては優れたフレームレートが「アニメーションよりはるかに優れて」見えると述べた[82]。『Total!』誌は、グラフィックがピクセル化やギザギザのエッジがないため、「最先端のグラフィックワークステーションから出てきたように見える」と評した[90]。
一方で、カメラシステムに関しては評価が分かれた。『Next Generation』はスーパーマリオ64が従来の『マリオ』ゲームよりも敷居が高いとし、カメラの動きが時に不規則で、理想的なアングルを欠くことに不満を表明した[84]。ネボイシャ・ラダコビッチとダグ・ペリーも、カメラが時に物体に遮られたり貫通したりすることを挙げた[19][91]。『Electronic Gaming Monthly』のダン・シュー、ショーン・スミス、クリスピン・ボイヤーは、カメラが望むアングルに移動できなかったり、意図しない形で急に動いたりすることを理由に、それぞれのスコアから0.5点を減点した[74]。この批判は『Electronic Gaming Monthly』の「史上最高のゲーム100選」リストでも繰り返されている[92]。『Game Informer』は、2007年の再レビューで、現代基準ではカメラが「ほとんど壊れているように思える」と述べた[78]。『Nintendo Power』も、カメラの動きに慣れるための学習曲線に言及した[93]。これに対し、コービー・ディラードはカメラに問題はなく、複雑な環境を移動するプレイヤーをうまく助けていると主張した[85]。『Total!』も、カメラが理想的でないアングルになることは非常に稀であると述べている[94]。ポール・デイヴィスはカメラに批判的でありながらも、理想的な位置への調整が難しい場面があるものの、最終的にはこれを「革命的なゲーム」の「ほんの一つの問題」に過ぎないと結論付けている[73]。
受賞歴
スーパーマリオ64は、ゲームメディアの「年間最優秀ゲーム(Game of the Year)」を含む数多くの賞を受賞し、任天堂のベストセラーとして「Player's Choice」選出作品にもなっている。また、『IGN』[23][95][96]や『Game Informer』[97]、『Edge』[98]、『Official Nintendo Magazine』[99]、『Electronic Gaming Monthly』[92]、そして『Nintendo Power』[100]など、多くのレビュアーによる「史上最高のゲーム」リストにも高く位置づけられている。
『Electronic Gaming Monthly』は、初回レビューでゴールドアワードを授与し[101]、編集者賞および読者賞の「年間最優秀ゲーム」、任天堂64「年間最優秀ゲーム」、アドベンチャーゲームオブザイヤー、そして「ベストグラフィックス」を受賞している[102]。1997年のComputer Game Developers Conferenceでは、Spotlight Awardsで「革新的技術の活用」「ベストコンソールゲーム」、そして「1996年最優秀ゲーム」を受賞している[103]。『Maximum[要曖昧さ回避]』は、国際リリース前に「マキシマム月間ゲームアワード」を授与し、同誌史上最高の評価を受けたゲームと位置づけた[88]。『Digitiser』は、1997年のゲームとしてスーパーマリオ64を最高に位置づけ、『Final Fantasy VII』を次点に選んだ[87]。
日付 | 受賞元 | 部門 | 結果 | 出典 |
---|---|---|---|---|
1996 | Maximum[要曖昧さ回避] | ゲーム・オブ・ザ・マンス(6月) | 受賞 | [88] |
Electronic Gaming Monthly | ゲーム・オブ・ザ・マンス(9月) | 受賞 | [74] | |
ゴールド・アワード | 受賞 | [101] | ||
Nintendo 64年間最優秀ゲーム | 受賞 | [102] | ||
アドベンチャーゲーム・オブ・ザ・イヤー | 受賞 | |||
最優秀グラフィックス | 受賞 | |||
ゲーム・オブ・ザ・イヤー | 受賞 | |||
Game Informer | 受賞 | [97] | ||
Spotlight Awards | 受賞 | [103] | ||
最優秀革新的技術活用 | 受賞 | |||
最優秀コンソールゲーム | 受賞 | |||
1997 | Digitiser | ゲーム・オブ・ザ・イヤー | 受賞 | [87] |
Computer and Video Games | 受賞 | [104] | ||
Golden Joystick Awards | 受賞 | |||
最優秀ビジュアルゲーム | 受賞 | |||
Official Nintendo Magazine | Nintendo 64年間最優秀ゲーム | 受賞 | ||
1998 | ECCSELL Awards | ゴールド・アワード | 受賞 | [105] |
オークション
2021年7月11日にアメリカで行われたオークションにおいて、同オークションに出品された未開封の本ソフトがゲームソフト史上最高額である156万ドル(日本円で約1億7200万円)で落札されたことがオークション会社から発表された。これまでの最高額は同月9日に同じオークション会社に出品され、87万ドル(日本円で約9600万円)で落札された『ゼルダの伝説』(1987年発売)の未開封品であり、2日後に再び記録を更新すると共にゲームソフトの落札額が100万ドル(日本円で約1億1000万円)を超える初めての事例となった[106][107][108]。
関連作品
- コンピュータゲーム
- 本作と同様の「箱庭探索型」のシステムを汲んだ続編的作品として『スーパーマリオサンシャイン』、『スーパーマリオ オデッセイ』がある。なお、『サンシャイン』から『オデッセイ』の間に発売された『スーパーマリオギャラクシー』から『スーパーマリオ 3Dワールド』までの3Dマリオは、「箱庭探索型」では無く「コースクリア型」の形式を取っている[109]。
- 『大乱闘スマッシュブラザーズDX』では本作のキノコ城が「ピーチ城」という名称で、ステージの1つとして登場している[110]。
- オリジナルサウンドトラック
- →詳細は「スーパーマリオ64 オリジナルサウンドトラック」を参照
- NINTENDO64サウンドシリーズ第1弾として1996年7月19日に発売された。発売元は株式会社ポニーキャニオンである。メインテーマやスライダーなど全36曲収録されており、36曲目にはボーナストラックとして「パックンフラワーの子守歌」が入っている。
- 玩具
- エポック社からこのゲームがおもちゃ化された商品「スーパーマリオ64 マリオのアドベンチャーアイランド」が発売されている。さらにレゴからこのゲームのおもちゃ化された商品「LEGO スーパーマリオ64 ハテナブロック」が2021年10月1日で発売された。
続編の発売中止
本作『スーパーマリオ64』の続編として、64DD用ソフト『スーパーマリオ64 2』が企画されていた。ルイージが登場する予定であったが、企画は1999年に中止となった。また、1996年のNINTENDO64スペースワールドにはサンプルのデモ用として『スーパーマリオ64の64DD版(ディスク版)』が登場し、その後オークションなどに出現し話題となった。
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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