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『ゼルダの伝説』シリーズ1作目 ウィキペディアから
『ゼルダの伝説』(ゼルダのでんせつ、The Legend of Zelda)は、任天堂から発売されたゲームソフト。ゼルダの伝説シリーズの一作目にあたる。表記はパッケージやタイトル画面では『THE HYRULE FANTASY ゼルダの伝説』となっている。日本では1986年2月21日にファミリーコンピュータ ディスクシステム用として、日本国外のディスクシステムが発売されなかった地域ではロムカセットとして発売された。
ジャンル | アクションアドベンチャー |
---|---|
対応機種 |
ファミリーコンピュータ ディスクシステム |
開発元 |
任天堂 情報開発本部 SRD |
運営元 | 任天堂 |
プロデューサー |
山内溥 (エグゼクティブプロデューサー) 宮本茂 |
ディレクター |
宮本茂 手塚卓志 |
デザイナー |
宮本茂 手塚卓志 |
シナリオ | 照井啓司 |
プログラマー |
中郷俊彦 副島康成 I.MARUI |
音楽 | 近藤浩治 |
美術 |
宮本茂 手塚卓志 |
シリーズ | ゼルダの伝説シリーズ |
人数 | 1人 |
メディア |
ディスクカード両面 1メガビットロムカセット |
稼働時期 |
1986年2月21日 1987年8月22日 1987年11月27日 |
対象年齢 |
CERO:A(全年齢対象) ESRB:E(6歳以上) PEGI:7 OFLC:G |
コンテンツアイコン | Mild Violence |
売上本数 |
651万本[1] 約169万本[2] (販売:92万本[3] 書き換え:44万回[3]) |
その他 |
型式: FMC-ZEL |
任天堂のディスクシステムの第一弾ソフトとして発売された[4]。当時のパソコンゲームは『ハイドライドシリーズ』『ドラゴンスレイヤー』『ザナドゥ』といった剣と魔法のファンタジー世界観を持つアクションRPGが人気を博しており、『ゼルダの伝説』はパソコンのフロッピーディスクの容量に対抗できるディスクシステムを生かしたゲームとして開発された。そして『ゼルダの伝説』は大きな人気を博し、その後もシリーズ作品は継続して作られている[4]。
ディスクライターでの累計書き換え回数は第3位を記録する[5]。当時書換用として生ディスクの需要があり、書き換え用のディスクとして複数枚を購入する客が多かったことと、ディスクシステムでのゲームとしては最安値であったことから、異例のロングセラーとなった。
プレイヤーは主人公のリンクを操作しながらゲームを進める。
リンクは剣と盾、そして各種アイテムを常に装備しているほか、ライフ(体力)が割り振られている。このうち剣は主に近距離攻撃の手段として用いるが、ライフが最大の場合に限り、剣から放たれるビームによる遠距離攻撃が可能となる(ソードビーム)。盾は敵から放たれる弾や矢を防ぐことができる。ただし、盾で防ぐことができるのは正面からの攻撃のみである。また、自分が攻撃しているときやロウソクなどのアイテムを使用する際は盾を一時しまうため、攻撃を防ぐことができない。アイテムにはブーメランといった武器や、迷宮のキーといった迷宮内の仕掛けを解くための道具[6]などがある。一部の武器は入手に当たってライフの制限があり、たとえば剣の中でも強力なマジカルソードは、LIFEが12以上で手に入れられる[6]。マイクは隠し効果として特定の場面で効果(後述)がある。
敵に接触したり弾に当たったりしてライフが無くなってしまうとゲームオーバー。
なお、ハードのメモリ容量の都合上[注 1]、本作と『リンクの冒険』ではゲーム中の文章は「ヒトリデハキケンジャ コレヲ サズケヨウ」といった具合に、片仮名で表記が行われている。
また、ゲーム本編をクリアすると、高難易度モードである「裏ゼルダ」が解放される[4]。
リンクが進んでいくマップはフィールドとダンジョンの2つから成っており、俯瞰視点で表現される。画面の端に移動した際に進む方向に自動で画面切り替えスクロールをしながら移動していく。
フィールドマップは横に16画面・縦に8画面の全128画面で構成されており、各画面ごとに出現するモンスターが設定されている。マップの中にはそれぞれ1〜8のLEVELが設定された8つの迷宮の入り口があり、通常はLEVELの低いものから攻略していく。この他にも、手に入れたルピーでアイテムを購入できる店(それぞれ値段・売っているアイテムは異なる)や、(ルピーを払っての)情報収集、ルピー(この世界のお金)を使ったギャンブル、隠し部屋などが多く用意されている。フィールドマップでゲームオーバーになった場合・または中断した場合、どれだけゲームを進めていても、ゲームを開始するときは常に同じ地点(洞窟に入ると剣が入手できる画面)から始まる[6]。
ダンジョンマップは最初は全容が明らかになっていない。また各画面は扉で繋がっており、一部の扉は敵を全滅させないと閉まったまま、鍵で開かなければ進めないなど、進む上での障害となる[6]。各LEVELの迷宮には1〜2つずつアイテムが隠されており、これを入手し、使用することでフィールドマップの探索範囲が広がっていく。ボスを倒すと命の器が出現すると同時に、トライフォースのある部屋に進め、これを手に入れると迷宮をクリアしたこととなる。その際、体力が全回復し、迷宮の外に転送される。ダンジョンマップでゲームオーバーになった場合は迷宮の入り口から再開となる。
アイテムを入手したり先に進むためには、マップ上に散在する謎を解く必要がある。謎は裏技的にほぼノーヒントで設置されていることもある。
そして8つすべてのトライフォースのカケラを集め、隠された知恵のトライフォースを復活させることで、LEVEL9の迷宮の深部へ行けるようになる。
名称は2つあるものは、左が説明書、右がゲーム中での名称。※はダンジョンの宝物。
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Aボタンはソードで固定。Bボタンはサブ画面で選択して使用する。
大魔王ガノンの軍勢がハイラル地方にある小王国を攻めこみ、力のトライフォース(魔力の三角形)を奪う。これに対し小王国の王女であるゼルダ姫は知恵のトライフォースを8つのカケラに分けて各地に隠し、乳母のインパに秘密を託した。そのことを知ったガノンは姫を捕え、唯一そのことを知る乳母インパも追われる身となった。絶体絶命の状況で、少年リンクが疾風のように現れてインパを助けた。彼はインパの事情を聞き、姫の救出を決意するが[7]。力のトライフォースを持つガノンの潜む"デス・マウンテン"に踏み込むには8つのカケラに分けられた知恵のトライフォースを集めて完成させなければならない。リンクは大魔王ガノンを倒し、姫を救うことができるか…[8]。
本作では地上の敵と地下(ダンジョン)の敵に分かれており、地上の敵がダンジョンに登場することはなく、その逆もまた然り。また、敵によっては赤と青の2種類が存在し、総じて青の方が攻撃力・耐久力が高い。
ダンジョンの最深部の1つ手前のボス部屋に巣食い、トライフォースの欠片を守るモンスターたち。いずれも耐久力が普通の敵より数段上。場所によっては中ボスとしての登場もある。ボス部屋およびそれに隣接した部屋では唸り声が聞こえる(ボスによって異なり、計3種類)。
当時、宮本茂はインディ・ジョーンズシリーズをはじめとするアドベンチャー映画を気に入っており、ゲームでもこのジャンルを取り入れたいと考えていた一方、パソコンゲームにおいて流行していたコンピュータRPGにも興味を抱いていた[9]。そこで、「剣と魔法」という世界観を土台に宝探しを主題としたゲームを作ろうと思い当たった[9]。
本作はROMカセット作品『スーパーマリオブラザーズ』と並行して開発され、ディレクターの手塚卓志や作曲家の近藤浩治など、双方の作品に参加した者もいた[9]。
1985年2月1日、宮本はコピーボードを用いて最初の仕様書を作成した[10]。この段階では、単に「アドベンチャー」という題名しかついていなかったものの、全体構成からアイテム、さらには敵キャラクターに至るまであらゆる部分が練られていた[10]。 一方で、敵キャラクターの中には、「タコ」(オクタロック)や、「ゴーマ」(目玉)など、現在とは異なる名前が割り振られたキャラクターもおり、中には「八戒」や「牛魔王」など、『西遊記』にちなんだ名前が付けられたものもいた[10][注釈 1]。それから2週間近く後の同年2月13日にはグラフィックのラフスケッチが作られた[10]。
限られたメモリの中でなるべくたくさんのダンジョンを作るため、パズルのように区分けする形でダンジョンマップが作られたものの、手塚のミスでデータの半分しか使われなかった[11]。それを聞いた宮本は咎めるのではなく、残りのデータを利用してクリア済みプレイヤー向けの高難易度ダンジョン「裏ゼルダ」を提案した[11]。
本作におけるユーモアとしては、敵であるはずのモリブリンがリンクに多額のルピーを渡す際につぶやく「ミンナニ ナイショダヨ」がある[9]。これは宮本が少ない文字数でどう表現するか工夫する中で思いついたフレーズである[9]。このセリフには複数の意味合いがあり、一つは「この場でルピーがもらえることは、(リンクの)友達や家族には内緒だよ」という意味であり、もう一つは「(敵であるはずの)リンクにルピーを渡すことは仲間への裏切り行為になるので、黙っていてほしい」という意味である[9]。
作曲を任された近藤浩治は、ディレクターの手塚卓志から出された指示があいまいだったことに加え、並行して手掛けていた『スーパーマリオブラザーズ』との世界観の違いに思い悩んだ[9]。特にオープニングテーマは「タイトルミュージック」としか発注書に記載されていなかったため、当初はオープニングテーマにふさわしいということでモーリス・ラヴェルの『ボレロ』をファミリーコンピュータ向けに編曲したものを用いていたが、ゲームの完成直前になって『ボレロ』の著作権の消滅がディスクシステムの発売日よりも後であることが発覚する[9]。ディスクシステムの発売日を変更するわけにはいかず、急遽別の場面で用いられていた曲をオープニングテーマ向けにアレンジしたものが用いられることとなった[9]。宮本はこのオープニングテーマについて、マカロニ・ウエスタンのような哀愁が凝縮されつつも、勇ましい感じがするので、これから冒険を始めようとする曲にはふさわしいと左尾昭典とのインタビューの中で述べている[9]。
本作のオープニング画面の最後では、アイテムが表示されたのちにリンクが「詳しいことは本を見てください」というメッセージを残す演出がとられている[9]。 この「本」とはソフトに付属するミニブックのことであり、ディスクライターでの書き換えを通じて購入されるケースを想定し、購入した「証」として取り入れられた[9]。 このミニブックは、取扱説明書や攻略本としての側面のほかに、世界観の補強という役割を持ち合わせている[9]。 また、ディスクシステムが発売されていなかった北米ではROMカートリッジとして発売されており、そちらではマニュアルではなくヒント付きのマップとして用意された[9]。「何も見ずにプレイした方が面白いのに」という宮本の考えから、マップに封をし、「これは最後の手段だ」というメッセージを付け加えたが、結局多くのユーザーが封を解くこととなった[9]。
No. | タイトル | 発売日 | 対応機種 | 開発元 | 発売元 | メディア | 型式 | 価格 | 売上本数 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ゼルダの伝説1 | 1994年2月19日 | ファミリーコンピュータ | 任天堂 情報開発本部 | 任天堂 | 1メガビットロムカセット | HVC-ZL | 4,900円 | 『ワリオの森』と同時発売 | |
2 | BSゼルダの伝説 | 1995年6月7日 | スーパーファミコン (サテラビュー) |
任天堂 情報開発本部 | セント・ギガ | BS-Xデータ放送 | ||||
3 | どうぶつの森+ | 2001年12月14日 | ニンテンドーゲームキューブ | 任天堂 | 任天堂 | 8cm光ディスク | DOL-P-GAFJ | 6,800円 | 約100万本[注 2] 約271万本[14] |
ディスクシステム版の移植、データ内のみ収録 |
4 | ファミコンミニ05 ゼルダの伝説1 |
2004年2月14日 2004年6月2日 |
ゲームボーイアドバンス | 任天堂 情報開発本部 | 任天堂 | ロムカセット | AGB-P-FZLJ-JPN | 2,000円 | 約22万本[13][出典無効] | ロムカセット版の移植 |
5 | ゼルダコレクション | 2004年3月18日 | ニンテンドーゲームキューブ | 任天堂 情報開発本部 | 任天堂 | 8cm光ディスク | ||||
6 | ゼルダの伝説 | 2006年11月9日 2006年12月2日 2006年12月8日 |
Wii (バーチャルコンソール) |
任天堂 情報開発本部 | 任天堂 | ダウンロード | 514ポイント | 『ゼルダコレクション』版の移植 | ||
7 | ゼルダの伝説1 | 2011年12月22日 2012年7月5日 |
ニンテンドー3DS (バーチャルコンソール) |
任天堂 情報開発本部 | 任天堂 | ダウンロード | CTR-N-TAEJ-JPN-1 | 514円 | ロムカセット版の移植 | |
8 | ゼルダの伝説 | 2013年8月28日 2012年8月29日 |
Wii U (バーチャルコンソール) |
任天堂 情報開発本部 | 任天堂 | ダウンロード | 514円 | 『ゼルダコレクション』版の移植 | ||
9 | ゼルダの伝説 | 2016年11月10日 | ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ | 任天堂 | 任天堂 | 本体内蔵 | CLV-101 | 5,980円(税別) | ディスクシステム版の移植 | |
10 | ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online | 2018年9月19日 | Nintendo Switch | 任天堂 | 任天堂 | ダウンロード | Nintendo Switch Online加入者専用 | ディスクシステム版の移植(+α) | ||
11 | ゲーム&ウオッチ ゼルダの伝説 | 2021年11月12日 2021年11月13日 |
ゲーム&ウオッチ | 任天堂 | 任天堂 | ゲーム&ウオッチ (カラースクリーン) | HXB-001 | 5,480円(税込) | ディスクシステム版、および海外ロム版の移植 | |
項目 | キャラクター | 音楽 | 操作性 | 熱中度 | お買得度 | オリジナリティ | 総合 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
得点 | 4.45 | 4.33 | 4.07 | 4.51 | - | 4.27 | 21.63 |
発売当初、ファミコン雑誌『ファミリーコンピュータMagazine』誌上で製作スタッフであった宮本茂と手塚卓志による謎解き質問コーナーが連載された。また、『ファミ通』創刊号では、ディスクシステム発売記念RPGとして記念すべき最初の新作紹介に、2ページに亘りエンディング画面つきで特集された。
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