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軍郷(ぐんごう、ぐんきょう)とは、多くの軍事拠点を擁する地域を漠然とさして呼ぶ言葉。特に近現代において、国民国家が擁する軍隊とその関連施設の集中をこのように表現した。字面は、「軍隊の故郷」・「軍隊の町」を意味する。類似表現として、軍都(ぐんと)も使用され、こちらは「軍隊の都市」を意味する。
この語句が指す地域は、中世・近世の日本においては軍事拠点である城を中心に発展した城下町という語句が指す地域と類似した特長を持ち、主に時代によってその呼び名を変化させる。
日本では、第二次世界大戦の終戦までは、師団・連隊の駐屯地、陸軍学校、陸軍病院、工廠・軍需工場など、多くの軍関連施設が点在する地域を「軍の故郷」として「軍郷」と呼んでいた。特に首都東京の関東近郊をはじめ、海軍の拠点が置かれた名古屋市、大阪市、広島市などの主要都市には、多くの軍関係施設が設けられ、軍郷○○○(軍郷習志野)、軍都○○(軍都廣島)と呼ばれた地域が存在した。このような都市では、軍隊が地域の産業に大きな影響を及ぼしている場合が多く、軍旗祭や地域の恒例行事を通じて、住民生活に密接に関わっていた場合が多い。これらの都市は、戦時中には、本土空襲の標的にされ、名古屋大空襲のように大規模な空襲が加えられたり、広島や長崎のように原子爆弾が投下され、多大な被害を出した地域もある。
「軍郷」・「軍都」の言葉は、第二次世界大戦の終戦以降、軍の解体にともに使われなくなったが、相模原市(相模原市#終戦時の軍事施設)の都市計画の事例のように旧軍施設の区画割りが戦後の土地利用[1]に反映されることも多く、現在の都市の成り立ちに大きな影響を及ぼしている。
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