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日本の政治家 ウィキペディアから
萩生田 光一(はぎうだ こういち、1963年〈昭和38年〉8月31日 - )は、日本の政治家。自由民主党所属の衆議院議員(6期)。
萩生田 光一 はぎうだ こういち | |
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内閣広報室より公表された肖像 | |
生年月日 | 1963年8月31日(61歳) |
出生地 | 日本 東京都八王子市 |
出身校 | 明治大学商学部第二部卒業 |
前職 | 八王子市議会議員秘書 |
所属政党 | 自由民主党(安倍派→無派閥) |
称号 | 商学士(明治大学・1987年) |
配偶者 | あり |
公式サイト | はぎうだ光一公式ウェブサイト |
内閣 | 第2次岸田内閣 |
在任期間 | 2022年7月27日[1][2] - 2022年8月10日[3] |
内閣 |
第1次岸田内閣 第2次岸田内閣 |
在任期間 | 2021年10月4日[4] - 2022年8月10日[3] |
内閣 |
第4次安倍第2次改造内閣 菅義偉内閣 |
在任期間 | 2019年9月11日[5] - 2021年10月4日[6] |
内閣官房副長官(政務担当) | |
内閣 |
第3次安倍第1次改造内閣 第3次安倍第2次改造内閣 |
在任期間 | 2015年10月7日 - 2017年8月3日 |
選挙区 | 東京24区 |
当選回数 | 6回 |
在任期間 |
2003年11月10日 - 2009年7月21日 2012年12月18日 - 現職 |
その他の職歴 | |
東京都議会議員 八王子市選挙区 当選回数 1回 (2001年7月23日 - 2003年) | |
八王子市議会議員 当選回数 3回 (1991年5月1日 - 2001年6月5日[7]) | |
第61代 自由民主党政務調査会長 総裁:岸田文雄 (2022年8月10日 - 2023年12月22日) | |
第5代 自由民主党幹事長代行 総裁:安倍晋三 (2017年8月3日 - 2019年9月11日) | |
第4代 自由民主党総裁特別補佐 総裁:安倍晋三 (2013年1月 - 2015年10月7日) |
GX実行推進担当大臣(第2次岸田内閣)、経済産業大臣(第27・28代)、内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構)・産業競争力担当大臣・ロシア経済分野協力担当大臣・原子力経済被害担当大臣・GX実行推進担当大臣(第1次岸田内閣・第2次岸田内閣)、文部科学大臣(第25・26代)、教育再生担当大臣(第4次安倍第2次改造内閣・菅義偉内閣)、内閣官房副長官(第3次安倍第1次改造内閣、第3次安倍第2次改造内閣)、内閣人事局長(第2代)、文部科学大臣政務官(福田康夫改造内閣・麻生内閣)、衆議院文部科学委員会筆頭理事、東京都議会議員(1期)、八王子市議会議員(3期)、八王子市都市計画審議会会長、自由民主党政務調査会長(第61代)、同党幹事長代行(第5代)、同党筆頭副幹事長、同党総裁特別補佐(第4代)、同党青年局長(第41代)、同党東京都支部連合会長を歴任した[8][9][10]。
東京都八王子市に生まれる(現住所は八王子市暁町1丁目[11])。八王子市立第十小学校卒業。八王子市立第二中学校入学、八王子市立ひよどり山中学校卒業。早稲田実業学校高等部卒業[12]。高校在学中に、卒業パーティーのパーティー券を売り歩いて停学処分、高田馬場で東京朝鮮中高級学校の生徒と乱闘になり、二度目の停学となる[13]。当時、早稲田実業から早稲田大学への推薦枠は6割程度と限りがあり、そのため1年間の浪人を経て明治大学商学部第二部に入学して1987年、明治大学商学部第二部卒業[14]。大学在学中から黒須隆一八王子市議会議員(当時)の秘書を務めていた[15]。元日本青年会議所(八王子JC)会員[16]。
1991年、八王子市議会議員選挙に出馬し、当時27歳と最年少で初当選。黒須隆一は1993年に東京都議会議員に転身。1999年、萩生田は3選。
2000年1月23日に行われた八王子市長選挙に、黒須が都議を辞職して立候補し、初当選を果たした。翌2001年6月に行われた東京都議会議員選挙に、黒須の後継として自民党公認で八王子市選挙区(定数5)から立候補し、得票数トップで初当選した[17]。
2003年、第43回衆議院議員総選挙に東京24区から自由民主党公認で出馬し、民主党前職の阿久津幸彦を破り当選(阿久津は比例復活)。
2005年、第44回衆議院議員総選挙で再選。2006年、自由民主党青年局長に起用された[15]。2007年より自由民主党副幹事長[15]。2008年、福田康夫改造内閣で文部科学大臣政務官に任命され、その後の麻生内閣まで務める。
2009年の第45回衆議院議員総選挙では、東京24区で民主党元職の阿久津に敗れ、重複立候補していた比例東京ブロックでも復活できずに落選した。2009年から2012年までの国政復帰までの期間は、学校法人加計学園の運営する千葉科学大学危機管理学部で客員教授を務めた。萩生田は「浪人中でも『客員教授』なら、心理的な落ち着きを感じる。当時の落選組のトレンドだった。給与は月10万円。浪人中の足しになった。助かった」とのちに語っている[18][19]。
落選期間中は統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の八王子市の教会に通い続け、教団の関連団体「平和大使協議会」の平和大使を務めた。「神の国の実現を果たしたい」と力強く語りかけ、多くの信者たちの心をつかんだ。入山聖基教会長[注 1]も「萩生田さんは安倍さんの側近。政界に戻すことが神の計画だ」と信者を指導した[24][22][25][26][23]。文鮮明は、イギリスやイスラエルで宣教を行っていた教団の元広報委員長の阿部正寿を2010年に帰国させ[27]、安倍晋三に接近するよう指令を出していた[28]。同年8月3日には、日本統一教会会長の梶栗玄太郎の長男の梶栗正義、同元会長の小山田秀生が議員会館を訪れ、安倍と面会した[29][30]。
2012年11月16日、衆議院が解散。教団関係者はビラ配りやポスター張りや電話かけ、街頭演説での聴衆の整理など、あらゆる支援を行った。決起集会では多数の信者が動員された[24][22][25][26]。同年12月16日、総選挙が実施され、萩生田は民主党前職の阿久津、みんなの党新人、日本維新の会新人、日本共産党新人の計4候補を下し、3年ぶりに国政に復帰した。
2013年1月、自民党総裁特別補佐に就任[8][31]。同年10月、自民党筆頭副幹事長に就任[32]。
2014年の第47回衆議院議員総選挙では、東京24区で再び阿久津を下し、4選。
2015年6月25日、安倍晋三首相を支持する自由民主党所属議員を中心に設立された文化芸術懇話会に参画した[33][34]。同年10月7日、第3次安倍第1次改造内閣で内閣官房副長官に任命された[35]。2017年8月3日、自民党幹事長代行に就任[36]。
2017年10月の第48回衆議院議員総選挙で5選。
2019年9月11日、第4次安倍再改造内閣が発足し、文部科学大臣に任命された。2020年1月29日、「令和3年大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施大綱」を見直し(記述式問題の導入を見送り)[37]。後の菅義偉内閣でも再任された。
2021年9月29日、任期満了に伴う自民党総裁選挙が行われ、岸田文雄が当選した。岸田はすぐに閣僚の人選ならびに党役員人事に着手。内閣官房長官に萩生田や上川陽子を充てる案が取り沙汰されるが、翌30日、岸田は松野博一を起用する方針を決めた[38]。10月4日、第1次岸田内閣が発足。萩生田は経済産業大臣に横滑りで就任した。
同年10月31日、第49回衆議院議員総選挙で6選。11月11日、細田派は党本部で総会を開き、衆議院議長に就いた細田博之の後任の会長に安倍晋三の就任を決定。「安倍派」が発足した[39]。
同年12月3日の自由民主党東京都支部連合会総務会で、政界を引退した鴨下一郎の後任として新都連会長に選出された[40][41]。
2022年6月18日、参院選・東京都選挙区(改選数6)に向けて生稲晃子の擁立を主導した萩生田は、生稲を連れて密かに統一教会の「八王子家庭教会」を訪れ[42][43][26]、教団側に選挙支援を要請した[24]。安倍晋三の死をはさみ、7月10日に行われた参院選で生稲は得票数5位で初当選した[44]。
2022年8月1日、月刊誌『正論』9月号が発売。安倍晋三の後継問題について、森喜朗は同号の記事で「5人のうちで自然に序列が決まっていく」と語った。5人とはすなわち、萩生田、松野博一、西村康稔、高木毅、世耕弘成であった[45][46]。8月3日、岸田首相は森、自民党参議院議員元会長の青木幹雄、党選対委員長の遠藤利明、党組織運動本部長の小渕優子と港区のホテルで会食。森は内閣改造に触れ、岸田に「安倍さんの遺志もあり、5人をそれぞれ輝く存在にしてやってほしい」と伝えた。特に萩生田、西村の要職起用を求めた[47][48]。8月10日、第2次岸田第1次改造内閣が発足。岸田は、萩生田を自民党政調会長に抜擢し、萩生田の後任の経済産業大臣に西村を充てた[49]。この頃から萩生田らは森のお墨付きのもと「安倍派5人衆」と称されるようになる[50]。
2023年9月13日、第2次岸田第2次改造内閣が発足。政調会長に再任。
同年12月9日、自民党5派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、安倍派座長の塩谷立と5人衆の萩生田、松野、西村、高木、世耕の安倍派の中枢幹部の6人全員が直近5年間でそれぞれ1千万円超~約100万円の裏金のキックバックを派閥から受け、政治資金収支報告書に記載していない疑いがあることが明らかとなった[51][52]。12月14日、萩生田は自民党政調会長の辞表を岸田に提出し[53]、12月22日に辞任した[54]。
2024年1月22日、萩生田の裏金の不記載額は党内3位の2728万円であることが明らかとなった[55][56]。
同年7月の都知事選では萩生田が会長をつとめる東京都連は萩生田名義で「自民党は小池都知事への全面支援を行う」という文言を記した文書を出した[57][58]が、対立候補の石丸伸二の選対本部長は萩生田が主宰する自民党政経塾の塾長代行の小田全宏であることが報じられた[59]。同年7月16日、都知事選と同時に行われた都議補欠選挙の大敗を受け、東京都連会長を引責辞任すると表明した[60]。
同年10月9日、自民党は衆議院議員選挙(10月27日執行)の第1次公認候補として、小選挙区265人、比例代表14人の計279人の擁立を発表した。裏金事件に関係した現職と元職のうち12人を非公認とし、その中に萩生田も含まれた[61][62]。
6月18日(土)八王子家庭教会において、Sの応援激励会を午前10時開場、10時30分より開会(終了は午後12時30分予定)で行います。現在この取組は摂理の中心です。これは、必ず勝利しなくてはらない内容です。多くの皆さんのご理解とご参加をお願い致します。
2023年12月1日、朝日新聞が、自民党5派閥が開いた政治資金パーティーをめぐる問題で、清和政策研究会(安倍派)が、所属議員が販売ノルマを超えて集めた分の収入を裏金として議員側にキックバックする運用を組織的に続けてきた疑いがあるとスクープした[146]。安倍派は2018~2022年に毎年1回パーティーを開き、計6億5884万円の収入を政治資金収支報告書に記載している[147]。一方、収入・支出のいずれにも記載していない裏金の総額は直近5年間で1億円を超えるとされ(のちに5億円に修正[148])、共同通信は「実際のパーティー収入は少なくとも8億円前後に膨らむ可能性がある」と報じた[149]。清和政策研究会の政治資金収支報告書の記載内容は下記のとおり[注 5]。
パーティー券は通常1枚2万円であるため、販売枚数が推計できるが、枚数に対する購入者の比率は2018年から2022年にかけてすべて「0.675」で統一されている。日本大学名誉教授の岩井奉信は「絶対にあり得ない」とし、安倍派は政治資金収支報告書に架空の購入者数を記入したとみられる[159][160]。
同年12月8日夜までに、官房長官の松野博一、高木毅、世耕弘成が直近5年間で1000万円を超える裏金のキックバックを受けた疑いがあることが報道により明らかとなった[161]。12月9日朝、朝日新聞は、松野、高木、世耕のほか、安倍派座長の塩谷立、萩生田、西村康稔についても裏金のキックバックを受けた疑いがあると報じた[51]。12月14日、萩生田は自民党政調会長の辞表を岸田に提出したが[53]、岸田は12月下旬に見込まれる2024年度当初予算案の閣議決定の時期までの続投を指示した[162]。
同年12月20日、『月刊Hanada』2024年2月号が発売。同号が組んだ特集「日本の危機2024」で萩生田、西村、世耕はインタビューに応じ、萩生田は裏金疑惑については、安倍派幹部に就いたのが安倍元首相が亡くなった後だとして「正直、会計のことはよく分かっていない」と語り、西村は「確認作業中」と述べた。また、世耕と西村はそれぞれ将来の首相就任に意欲を示した[163][164]。12月22日付で政調会長を辞任[54]。同日、安倍派においては、議員側の「中抜き」を含む3つのパターンで裏金づくりを行っていたことが関係者の証言により明らかとなった[165][注 6]。12月26日までに東京地検特捜部は塩谷、松野、高木、世耕、萩生田を任意で事情聴取した[168][169]。以上の5人は特捜部に対し口をそろえて、「ノルマを超えた金額が還付されていることは知っていたが、パーティー収入の一部が派閥側の収支報告書に記載されていないことは知らなかった」と話した[170]。次いで12月29日、西村も任意聴取を受けていたことが明らかとされた[171]。12月31日、議員側がノルマを超えて集めた分を派閥側に納入せずに懐に収めた「中抜き」の総額は、2018年 - 2022年の5年間で約1億円に上ることが判明。安倍派の直近5年間の裏金はキックバック分とあわせ約6億円に上るとされる[172]。
2024年1月19日、東京地検特捜部は安倍派の会計責任者を政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪で在宅起訴した[173]。1月26日、特捜部は萩生田ら安倍派幹部7人について、会計責任者との共謀は認められないとして不起訴(嫌疑なし)とした[174][175]。
同年1月22日、萩生田は記者会見し、5年間の不記載の裏金額は計2728万円にのぼることを明らかにした[55]。萩生田の不記載額は党内3位だった[56]。
同年4月4日、自民党は党紀委員会を開き、萩生田を党の役職停止1年とするなど、安倍、二階両派の議員ら39人への処分を決定した[176]。
同月5日、岸田は衆議院内閣委員会で、立憲民主党の山岸一生の質問に対し、役職停止の処分は党本部の役職のみが対象で、萩生田が務める党東京都連会長職には適用しないとの認識を示した。山岸は、既に萩生田が政務調査会長を辞し、現在は党の役職に就いていないとして、「実質おとがめなしだ」と批判。また、萩生田の不記載額が2728万円と党の調査で3位だったことに触れ、「下から3番目の処分にとどまったことは最大のミステリーだ」と述べた[56]。
同年5月2日、東京地検特捜部は萩生田を嫌疑不十分で不起訴処分とし、萩生田の当時の秘書は虚偽記入罪の成立を認めた上で不記載額などを考慮して起訴猶予処分とした[177]。
清和政策研究会(安倍派)の有力議員の一人であった萩生田の処分が「党の役職停止」とされたことについては、「軽いのではないか」という批判もある[178]。ただ、安倍派の事務総長を経験していない点、安倍派幹部らが還付金の取り扱いについて話し合った2022年8月の会合に参加をしていない点[179]などから、塩谷立、世耕弘成、下村博文、西村康稔、高木毅らは萩生田よりも重い処分を受けた。萩生田本人は2024年1月22日に国会内で開いた記者会見の場で、「政治資金パーティーの開催概要や派閥運営に関し、どのようなやり取りがあったのかについては存じ上げません」と説明した[180]。また、処分の量定においては、還付された政治資金の使途の大半を追跡調査し、領収書を添付する形で政治資金収支報告書を修正した点[181]も考慮されたとみられる。
同年5月14日、衆議院政治倫理審査会は、裏金事件に関与しながら同審査会で弁明していない自民党議員44人に出席と説明を求める野党の申立てを全会一致で可決した[182]。同月17日、参議院政治倫理審査会も同様に、弁明していない議員29人に出席と説明を求める申立てを全会一致で可決した[183]。萩生田を含む関係議員73人は全員出席を拒否し、6月23日に通常国会は閉会した[184]。 同年10月6日、自民党総裁石破茂は、本問題に関連して、次期衆院選において萩生田を公認しないこととした[185]。
地方での試験会場不足が予想されるなど経済・地域格差の問題が指摘されていた大学入学共通テストへの英語民間試験の導入を巡り、2019年10月24日のテレビ番組で「身の丈に合わせて勝負してもらえれば」と発言したことが批判を浴び、11月1日に導入を延期する方針を明らかにした[214]。同12月17日には同じく批判が高まっていた記述式問題の導入見送りも表明した[215]。こうした入試改革の問題点が見過ごされてきた背景に文部科学省の風通しの悪さを指摘する声があることを踏まえ、2020年1月7日の職員向けの年頭あいさつでは、「我々より現場を知っているのがみなさん。プロとしての意識を持って、我々に反論する、そういう勇気もしっかりもって頂きたい」と政治家の方針に疑問を抱いた場合は直言するよう職員たちに促した[216]。
小中学校で1人1台のパソコン端末などを使って学ぶ環境を整える「GIGAスクール構想」を掲げ、学校現場のICT化を推進した[217]。当初は2023年度までに段階的に配備を進める予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて急きょ、目標を「2020年度中」と大幅に前倒しさせ、2021年度のスタート時には全国のほぼ全ての市町村での端末配備を実現させた[218]。
小中学校の学級編成を定めた公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律(義務教育標準法)を改正し、小学校のすべての学年の35人学級化に道筋をつけた[219]。文科省の悲願である学級編成の一律引き下げは、約40年間にわたって実現しなかった政策であったが、記者会見で「財布を持っている方が強いっていうのは世の中的にはそうかもしれませんけど、それに負けないために文科大臣になったつもりでおりますんで、しっかり戦ってまいりたい」と述べるなど強気の姿勢で財務省と交渉[220]。最終的に譲歩を引き出した。少人数学級の実現に消極的だった財務省関係者からは、「大敗だ。萩生田大臣を抑えられなかった」との声も出た[221]。
児童生徒へのわいせつ行為で懲戒免職となった教員が過去の処分歴を隠し、教員免許を取り直して再び教壇に立つケースがあることについて、2020年7月22日の衆議院文部科学委員会で「厳しい仕組みに変えていく必要があると認識をしております」と述べ、抜本的解決を目指す考えを表明した[222]。当初は教員免許法を改正し、免許を再取得できないようにする「永久追放」の仕組みを目指したが、刑法など既存の法体系と整合性を取るのが難しく、2021年の通常国会での法改正は見送った。見送りを表明した2020年12月25日の記者会見では、「じくじたる思いがある。わいせつ教員を二度と教壇に立たせないという思いは貫いていく」と悔しさをにじませた [223]。一方、教員の懲戒処分の理由を官報に掲載させるとともに、教員を採用する教育委員会が過去40年分の処分歴をさかのぼって確認できるようにし[224]、わいせつ教員の再登板を実質的に難しくする制度改正に踏み切った。その後、萩生田の問題意識を受け継ぐ形で、自民、公明両党のワーキングチームが、都道府県教育委員会がわいせつ教員に対する免許の再交付を拒否できるようにする新法の制定を検討。野党と調整の上で国会に提出し、2021年5月28日に成立した[225]。萩生田は同年6月4日の記者会見において、この動きを歓迎するとともに、都道府県教委による再交付の適否の判断について、「同じ基準でスクリーニング(選別)ができる仕組みを作ることが混乱を防ぐことになる。制度設計は自治体と連携しながら作り上げたい」と統一的な基準作りに意欲を示した [226]。
教員免許に10年の期限を設け、更新の際に大学などでの講習の受講を義務づける「教員免許更新制」の廃止を決断した。同制度は講習費用やその時間が現職教員の負担となっており、免許保有者が減ることで教員不足につながっているとの指摘もあった。萩生田はこうした声に対し、「仲間の教師からも『果たして本当に有意義なのか』という声を常々聞いてきた。しっかり検証を加えていきたい」[227]と理解を示し、2021年3月、中央教育審議会に制度の抜本的な見直しを諮問 [228]。与党内に慎重論もある中、最終的には中教審に廃止案を提示することを決めた[229]。
有力な国立大学が欧米のトップレベルの大学と渡り合える研究費を確保するため、官民で10兆円規模の基金を創設し、年間数千億円規模の運用益を国立大に分配するスキームを整えた[230]。財務省は当初慎重姿勢を見せていたが、国会答弁などで「大学などの研究力強化を長期的な視野で安定的に支援していく」などと強調し、予算獲得にこぎ着けた。
北海道旭川市で2021年3月、中学2年生の女子生徒が遺体で見つかり、市教育委員会の第三者委員会がいじめの有無などを調査している問題について、文部科学省の児童生徒課長を現地に派遣し、速やかに調査を進めるよう指導した[231]。また、東京都町田市の小学6年生の女子児童が20年11月、同級生からいじめを受けたとする遺書を残して自殺した問題でも、市や都の教育委員会の担当者を呼んで、適切に対応するよう指導した[232]。
JR高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)の周辺の再開発用地で見つかった明治期の鉄道遺構「高輪築堤」について、開発事業者のJR東日本と港区に開発と保存を両立させるよう提案。当初は保存には慎重姿勢を見せていたJR東日本も、遺構の一部を現地保存する方向に転換した[233]。これを受けて、港区が史跡指定を文化庁に求め、2021年8月に文化審議会が史跡に指定するよう答申した。保存に向けた一連の動きのスピード感は「異例」と評された[234]。
2020年の夏の甲子園がコロナ禍によって中止されたことを受け、球児たちが成果を発揮できる場として、代替大会を開催するよう47都道府県の高校野球連盟に求めた。また、同じく中止となった全国高校総体(インターハイ)を巡っても、代わりとなる記録会などの開催を呼びかけた[235]。無観客で2年ぶりに開催された2021年の夏の甲子園では、新型コロナの感染者が出たことで出場辞退を余儀なくされた宮崎商と東北学院の2校の球児たちに励ましのメッセージを送った[236]。
2021年に国内で始まった新型コロナウイルスのワクチン接種を加速させるため、大学を拠点として大学教員や学生、周辺の小中学校の教員などへの接種を進める体制を整えた[237]。また、高校や大学の入試を控える受験生が、感染によって受験できない事態を避けるため、自治体などに対して受験生への優先接種を進めるよう促した[238]。
2021年11月4日、サウジアラビアのエネルギー相・サルマーン・ビン・アブドゥルアズィーズ王子[239]は、日本政府からの石油増産要請について「聞いていない」と記者会見し、また、萩生田氏が大臣就任したのに対し祝意を伝えたが、それについて返礼がないことを暴露。「日本には、新しい大臣は折り返しの電話ができないという法律があるのではないか」と皮肉った[240][241]。この件について、萩生田大臣は急遽11月8日にアブドルアジーズ王子とTV会談を行った[242]。
「コロナ禍」からの経済活動の再開に伴って起きた石油の高騰を前に、前例のない取り組みによって価格の押さえ込みを図った。まず2021年11月16日、ガソリン価格が一定水準を超えた場合、石油元売り会社に補助金を支給する方針を表明[243]。その後、レギュラーガソリンの全国平均価格が1リットル当たり170円を超えたため、実行に移した[244]。翌22年2月、ロシアによるウクライナへの軍事攻撃が始まったことを受け、補助金の引き上げを含めた追加対策を実施することを明らかにした[245]。
経済安全保障などの観点から、国際的に存在感が低下している日本の半導体産業の復活の必要性を訴え、製造拠点づくりや人材育成を国策として推し進めた。就任早々、先端半導体の工場建設を後押しするための「5G促進法」を国会に提出し、2021年12月21日に成立させた[246]。また、文部科学相を務めた経験を生かし、台湾の半導体大手TSMCが熊本県に工場を建設するのに合わせ、九州の大学の高等専門学校などで半導体産業の人材育成に取り組む考えを示した[247]。この構想は、人材育成に向けた九州の産学官共同の組織の設立へとつながった[248]。
新型コロナウイルスによる海外からの部品供給の停滞によって発生した家庭用給湯器の供給難について、自ら主導して解消に努めた。経済産業省は2021年12月10日、業界団体に安定供給に向けた取り組みを要請した[249]が、業界だけでの対応には限界があると判断。事務方に指示を出し、東京・晴海の東京五輪・パラリンピック選手村に設置していた給湯器を、一時的な貸し出し用として活用することを決めた[250]。
2021年11月、経団連の十倉雅和会長に対し、下請け企業に妥当な対価を支払う取引適正化の徹底を要請した[251]。その後、中小企業の取引環境整備に向けた「パートナーシップによる価値創造のための転嫁円滑化施策パッケージ」を取りまとめるとともに、「取引適正化に向けた5つの取組」を実施することを発表した[252]。
米国がトランプ政権時代に決定した、日本を含めた各国からの鉄鋼・アルミの輸入に対する追加関税について、大臣就任直後から撤廃に向けた交渉に乗り出した[253]。鉄鋼については一部撤廃することで合意[254]。アルミについては引き続き交渉する。
岸田文雄首相の指示を受け、2023年度から5年間で43兆円の防衛予算を確保するスキームについて、自民党内での議論の取りまとめ役を担った[255]。増税によって財源の一部を賄うべきとの意見が政府内に根強い中、萩生田は防衛力強化が喫緊の課題であることを認めつつも、「増税ありきではない」と主張[256]。決算剰余金や外国為替資金特別会計の剰余金の活用などを含めた柔軟な対応を求める提言をまとめ、岸田首相に提出した[257]。この結果、当初は念頭に置かれていた「防衛増税」は当面、見送られる見通しとなった。
全国的に教員志願者が減少し、教育の質の維持が不安視されている現状を踏まえ、教員の処遇改善と業務負担軽減を議論する特命委員会を自民党内に立ち上げた[258]。特命委は2023年5月、公立校の教員に支給されている「教職調整額」の引き上げに加え、学校現場を支えるスタッフの大幅な増員なども提言[259]。中央教育審議会も24年5月、特命委と近い内容の提言を盛山正仁文部科学相に提出しており[260]、萩生田らが求めている処遇改善策、負担軽減策の多くが25年度から実現する公算が大きくなっている。
2022年秋の補正予算の編成に向け、エネルギー価格の値上がりによる国民負担の軽減を図る必要性を指摘[261]。電気・ガス料金の高騰対策を講じるよう求める提言を党内で取りまとめ、岸田文雄首相に提出した[262]。こうした自民党の動きなども踏まえ、岸田首相は23年1月から電気・ガス料金の補助に踏み切ることを表明した[263]。
台湾海峡や南シナ海で軍事的圧力を強める中国を意識し、台湾や東南アジア諸国連合(ASEAN)との関係強化を積極的に進めた。2023年7月にはベトナム、ラオス、タイを歴訪し、ベトナムのファム・ミン・チン首相と会談[264]。同10月には台湾を訪れ、祭英文総統との会談を通じて中国の動きをけん制するとともに、半導体の供給について協力していく方針も確認した[265]。
当落 | 選挙 | 執行日 | 選挙区 | 政党 | 得票数 | 得票率 | 定数 | 得票順位 /候補者数 | 政党内比例順位 /政党当選者数 |
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当 | 八王子市議会議員選挙 | 1991年4月 | ―― | 自由民主党 | / | / | |||
当 | 八王子市議会議員選挙 | 1995年4月 | ―― | 自由民主党 | / | / | |||
当 | 八王子市議会議員選挙 | 1999年4月11日 | ―― | 自由民主党 | 6648票 | 40 | 2/53 | / | |
当 | 東京都議会議員選挙 | 2001年6月24日 | 八王子市 | 自由民主党 | 5万3822票 | 24.7% | 5 | 1/8 | / |
当 | 第43回衆議院議員総選挙 | 2003年11月 9日 | 東京24区 | 自由民主党 | 10万8843票 | 44.3% | 1 | 1/4 | / |
当 | 第44回衆議院議員総選挙 | 2005年 9月11日 | 東京24区 | 自由民主党 | 15万552票 | 53.2% | 1 | 1/3 | / |
落 | 第45回衆議院議員総選挙 | 2009年 8月30日 | 東京24区 | 自由民主党 | 12万1867票 | 40.5% | 1 | 2/4 | / |
当 | 第46回衆議院議員総選挙 | 2012年12月16日 | 東京24区 | 自由民主党 | 12万1433票 | 44.2% | 1 | 1/5 | / |
当 | 第47回衆議院議員総選挙 | 2014年12月14日 | 東京24区 | 自由民主党 | 12万6024票 | 51.7% | 1 | 1/4 | / |
当 | 第48回衆議院議員総選挙 | 2017年10月22日 | 東京24区 | 自由民主党 | 12万2331票 | 49.3% | 1 | 1/4 | / |
当 | 第49回衆議院議員総選挙 | 2021年10月31日 | 東京24区 | 自由民主党 | 14万9152票 | 58.5% | 1 | 1/4 | / |
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