立川 談春(たてかわ だんしゅん、1966年6月27日 - )は、落語立川流所属の落語家、俳優。一般社団法人落語立川流副代表。出囃子は『鞍馬』。
- 初めて聴いた立川談志の落語が「芝浜」であり、好き嫌いや良否を考えるスキも暇も与えてくれない高座に衝撃を受け、その場で談志への入門を決意する[5]。
- 中学生時代に親に連れて行かれた戸田競艇場で見た加藤峻二に憧れて競艇選手の養成所を目指したが、入所資格の身長を超えていたため断念[6]。噺家となってからも、「競艇ナビゲーター」として競艇中継に度々出演するほか、競艇雑誌、新聞のコラムも執筆している。また、2015年5月の加藤の引退記者会見にはゲストとして現れ、花束を贈呈している[7]。
- かつて、競艇マクールで、競艇選手・関係者にインタビュー・交流する「立川談春師匠の 俺と一緒に飲みに行こうぜ!」を連載していた。
- 1990年代には弟弟子立川志らく、兄弟子朝寝坊のらく(前名:立川談々)と共に、「立川ボーイズ」として深夜番組『平成名物TV ヨタロー』に出演した。一時期は本名でミュージカルに出演することもあったが、真打昇進を志らくに先を越されてからは一念発起。真打トライアルで演じた『包丁』は「俺より上手かった」と師匠談志に言われたことを談春は著書『赤めだか』に書いている。
- 福田和也の勧めにより季刊文芸誌『en-taxi』(扶桑社)で、談志との逸話や前座時代のエピソードを記したエッセイ『談春のセイシュン』を連載 (NO.9 - NO.19)。2008年4月20日、『赤めだか』と改題し同社より単行本として刊行された(ISBN 978-4594056155)。
- 2011年11月の師匠談志の死後、一転してメディアへの露出を増やした。理由として談志という大きな広告塔が落語界から失われた事が大きく、弟子である談春は師の志を継承して落語を広く一般に認知させるためにメディアに出ていくことにしたとのこと[8]。
- 笑福亭鶴瓶、三浦友和と飲んでいた際に呼び出された事がきっかけで嵐の二宮和也とは『赤めだか』がテレビドラマ化される前の2012年4月から面識があった。
- 2014年に放送された情熱大陸では「今、最もチケットが取れない落語家」と紹介された[9]
- 国際政治学者の三浦瑠麗と友人である。三浦の夫である三浦清志が逮捕された当日は三浦の事務所を訪れて一緒にウィスキーを飲んでいたと「炎上上等対談(第2回)」(オンライン配信、文藝春秋)で語っている。
- 既婚。子どもはいない。東京都の井の頭恩賜公園で妻にプロレス技をかけて血まみれにしたことがある[10]。
入門した男性の全員が廃業しているため、女流の小春志が一番弟子にして唯一の弟子である。
廃業
- 立川はる一
- 立川春太[11][12]
- 立川はるく
- 立川春吾
- 立川春樹
- 立川はるか
- 立川春松
- 立川春太郎
- 立川春来
- 立川ちはる
- 立川春次郎
噺家が闇夜にコソコソの配信企画では誕生日プレゼントを手渡した弟子に対して「ふざけてんのかテメェ」と怒鳴りながら受け取ったプレゼントを投げつける動画が配信されていた[要出典](現在は配信されていない)。自我のない状態に弟子を置くため、まずプライドを徹底的に叩き壊すと語っている[13]。昇進に厳しい落語立川流の中でも談春一門は特に厳しいとされ、厳格な試験を課す上に以下の条件が設けられている。この基準を満たしたのは立川春吾のみ[注釈 2]。
- 談春門下の前座でいられる期間は入門してから5年間で、それまでに二つ目に上がれなければ破門される。
- 二ツ目昇進の試験は1度限り。
ビートたけしが「立川梅春」を名乗って高座に上がることがある。2015年3月のテレビ番組内において発言したのが発端だが[14]、同月の立川談春三十周年記念落語会(国立演芸場)で客演して以来[15]、実際に名乗っている。
オンライン配信
- 文蔵組落語会(第3回)- (2020年4月22日、三代目橘家文蔵組・トリプルフィールドネットワーク)
- 炎上上等対談(第2回)- 立川談春✕三浦瑠麗「芝浜と夫婦の情愛」(2023年3月21日、文藝春秋)- ゲスト
CD
- 20年目の収穫祭(2005年7月21日、プライエイド)
- 『九州吹き戻し』
- 『文七元結』
- 来年3月15日(2006年3月15日、プライエイド)
- 『紺屋高尾』
- 『明烏』
- 『父さんとポチ』
ビデオ
- 平成名物テレビ ヨタロー(1991年5月、ナイタイ出版)
- 平成名物テレビ ヨタロー2(1991年12月、ナイタイ出版)
書籍
- 赤めだか(2008年4月、扶桑社)(2015年12月、扶桑社文庫) - 第24回講談社エッセイ賞受賞。テレビドラマ化され、2015年12月28日、TBSで年末ドラマ特別企画「赤めだか」として放送。
- 談春 古往今来(2014年9月、新潮社)
- 古典と新作 らくご絵本 夢金(2017年2月、あかね書房)- 著:立川談春、編集:ばばけんいち、絵:寺門孝之
- 橘蓮二写真集 噺家 立川談春(2010年4月、河出書房新社)
- ボクらの時代 芸とロック 悩みながら前に進む(2011年11月、扶桑社)- 斉藤和義・千原ジュニアとの共著(番組内容の書籍化)
関連書籍
- 橘蓮二(写真)吉川潮(文)『高座の七人』(2001年12月、講談社文庫)
- 八木忠栄『落語はライブで聴こう』(2005年9月、新書館)
- 橋上寿子『恋寄席通い』(2006年7月、現代書林)
- 瀧口雅仁『平成落語論 - 12人の笑える男』(2009年2月、講談社新書)
- 阿川佐和子『阿川佐和子の会えばドキドキ この人に会いたい7』(2009年11月、文春文庫)
- 広瀬和生『この落語家をよろしく』(2010年6月、講談社)
- 立川志らく『立川流鎖国論』(2010年11月、梧桐書院)
- 奥山コーシン『放送作家が教える売れる雑談』(2010年9月、産経新聞出版)
- 立川談志・福田和也・石原慎太郎・立川談春『談志 名跡問答』(2012年4月、扶桑社)
- 広瀬和生『噺家のはなし』(2012年5月、小学館)
- 藤山直樹『落語の国の精神分析』(2012年11月、みすず書房)
- 橘蓮二『カメラを持った前座さん』(2013年8月、ちくま文庫)
- 立川談志『立川談志 東横落語会 CDブック』(2015年3月、小学館)
- さだまさしとゆかいな仲間たち『うらさだ』(2018年10月、小学館)
注釈
こはるに関しては入門してから6年での昇進であり本来は破門が妥当だったが、談春一門の総領弟子としてのまとめ役に鑑み1年の猶予が与えられた。
ナレーションブースにカメラが入っており、放送上は顔を出している。
親交のあるさだまさしのステージトークネタを、落語家がカヴァーするという作品。
出典
『赤めだか』文庫本版 (2015年11月、扶桑社文庫) pp11 - 14
「この人の月間日記 妻が血まみれになった」(『文藝春秋』株式会社文藝春秋、 2018年1月号 )
後に立川春吾になった者とは別人。初高座を迎えるはずの当日、家の事情で廃業。
いずれも尾崎世界観の担当日。2019年4月4日は担当初日、2020年9月22日は担当最終日。