天王寺区
大阪府大阪市の行政区 ウィキペディアから
大阪府大阪市の行政区 ウィキペディアから
天王寺区(てんのうじく)は、大阪市を構成する24行政区のうちの一つ。天王寺の名は、日本最古の官営寺院であり、聖徳太子建立の四天王寺に由来。大阪都心6区の一角を成す。
大阪市都心部の南東に位置し、大阪環状線内の区の一つである。北・西側は中央区・浪速区、東側は東成区・生野区、南側は阿倍野区および西成区に接する。
区の中部に位置する大阪上本町駅と南端に位置する天王寺駅の周辺に商業地域が広がる。とりわけ梅田、難波に次ぐターミナル駅の天王寺駅周辺は、隣接する阿倍野区の北端に位置する大阪阿部野橋駅周辺の商業地域と共に「天王寺・阿倍野」と位置づけられ、近畿地方でも有数の商業地域となっている。上町台地上は全体的に住宅地が多く、公園、教育機関、医療機関も多い。真法院町、小宮町、北山町には閑静な住宅地が残されている。戸建て住宅やアパートなどの低層住宅も一部地域を除くと少なく、ビルやマンションなど土地の高度利用が進んでいる。
区の人口は1950年代に85,000人あまりを記録して以来地価の高騰や生活環境の稠密化のため長年減少傾向が続いていたが、近年地価の下落や再開発などが進み『交通の便が良い、市内有数の文教地区』としての特性が見直されつつあり、再び増加に転じている。2005年に行われた国勢調査では中央区、西区、福島区、北区に次ぐ+9.0%という高い増加率を記録した。
区の中心駅となる天王寺駅は大阪府の泉州地域や中河内地域南部、大阪市内の天王寺駅以南、奈良県や和歌山県などからの主要玄関口であり、優等列車も停車する。Osaka Metro谷町線やOsaka Metro御堂筋線だけではなく、JRの各線からでも最初のターミナル駅のため、奈良県民や和歌山県民(いわゆる奈良府民、和歌山府民)の利用者も多い。
大阪市の中南部に位置する。南北には上町台地が走り、区域の大半は上町台地上に位置する。
『日本書紀』に593年(推古天皇元年)、聖徳太子の創建と記され、日本最古の官寺である四天王寺によってその名を知られる天王寺一帯は、古代においては難波宮の南端に位置していた。以降も四天王寺は京・堺・平野・奈良方面を結ぶ熊野街道や奈良街道が交わる交通の要衝だったこともあり、門前町が形成されていった。室町後期から江戸時代にかけて度々戦場となり、大坂の陣においても茶臼山は、冬の陣においては徳川方の、夏の陣においては豊臣方の真田信繁の陣営が置かれた。
大坂の陣後に松平忠明によって寺院整理が行われ、天満の北縁と上町台地の空堀以南に寺町群が形成された。そのうち小橋寺町(12ヶ寺)・八丁目東寺町(11ヶ寺)・八丁目中寺町(15ヶ寺)・八丁目寺町(13ヶ寺)の東半分・生玉中寺町(12ヶ寺)・生玉寺町(14ヶ寺)・天王寺寺町(14ヶ寺)・下寺町(25ヶ寺)が当区に位置しており、大阪市24区のうち最も寺院が多い区となっている。下寺町界隈の上町台地の崖線には口縄坂、源聖寺坂、清水坂など天王寺七坂があり今も風情を残している。
夕陽丘の地名は、藤原家隆がこの地から見た大阪湾に沈む夕陽の絶景を歌ったことに由来する。
江戸・明治にかけて早くから住宅地化が進み、特に明治以降は多くの学校や病院が立地したため、現在でも比較的閑静な住宅街である。また1889年には天王寺駅が開設、1895年には後に大阪環状線となる城東線が天王寺駅から分岐・開通し、交通の要衝としても栄えるようになった。また1903年には第5回内国勧業博覧会が開かれ、跡地は天王寺公園となった。
1925年に東区から旧東成郡西高津村と東平野町に当たる地域が、南区から旧東成郡天王寺村・生野村の城東線内にあたる地域が分区されて天王寺区が誕生。1943年の区再編の際に、末吉橋通以南・上町筋以東を東区から編入、千日前通以北・上町筋以西を南区へ移譲、松屋町筋以西を浪速区へ移譲して現在の区域となった。
1934年9月21日、室戸台風による暴風雨があり、強風により四天王寺の五重塔や山門などが破壊[1]。さらに天王寺第五小学校の木造校舎が倒壊するなどして多数の死傷者が出た[2]。
区内では天王寺駅周辺(停留所名はあべの橋)、上本町六丁目(近鉄上本町駅)が路線の拠点となる。
|
|
|
|
|
|
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.