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大阪府大阪市浪速区から松原市に至る阪神高速道路の路線 ウィキペディアから
阪神高速14号松原線(はんしんこうそく14ごうまつばらせん、Route 14 Matsubara Line)は、大阪府大阪市浪速区のえびすJCTから大阪府松原市の松原JCTへ至る、阪神高速道路の路線である。急カーブに加え、鉄道をオーバーパスするため、急勾配があり、事故発生率の高い路線である。また阪和道や西名阪道と接続されているため非常に交通量が多く平日の朝夕の時間帯は上り線の環状線合流を先頭にした渋滞が頻発している。
出入口 番号 |
施設名 | 接続路線名 | 起点 から (km) |
備考 | 所在地 | |
---|---|---|---|---|---|---|
- | えびすJCT | 1号環状線 | 0.0 | 大阪市 | 浪速区 | |
14-01 | 天王寺出口 | 0.6 | 環状線方面出口 | 天王寺区 | ||
14-02 | 阿倍野入口 | 0.7 | 環状線方面入口 | 西成区 | ||
14-03 | 文の里出入口 | あびこ筋 | 3.2 | 松原方面出入口 | 阿倍野区 | |
14-04 | 駒川出入口 | 南港通 | 4.8 | 大阪市内方面出入口 | 東住吉区 | |
14-05 | 平野出入口 | 国道479号 | 6.9 | 松原方面出入口 | 平野区 | |
14-06 | 喜連瓜破出入口 | 国道309号 | 7.7 | 大阪市内方面出入口 | ||
- | 瓜破TB | - | 9.1 | |||
14-07 | 三宅出入口 | 国道309号 | 9.5 | 大阪市内方面出入口 | 松原市 | |
- | 三宅JCT | 阪神高速6号大和川線 | 10.5 | |||
- | 三宅ミニPA | 大阪市内方面 2012年9月10日廃止 | ||||
14-08 | 大堀出入口 | 大阪府道2号大阪中央環状線 | 11.4 | 大阪市内方面出入口 | 大阪市 平野区 | |
14-09 | 松原JCT | E26 近畿自動車道 E26 阪和自動車道 |
12.1 | 松原市 | ||
E25 西名阪自動車道 天理方面 |
阪神高速の道路情報ラジオの冒頭は「こちらは阪神高速路側○○(局名)です。午前(午後)○○時○○分現在の道路情報をお知らせします。」と放送される。
24時間交通量(台) 道路交通センサス
区間 | 平成17(2005)年度 | 平成22(2010)年度 | 平成27(2015)年度 |
---|---|---|---|
えびすJCT - 天王寺出口 | 112,182 | 86,317 | 85,676 |
天王寺出口 - 阿倍野入口 | 74,867 | 81,805 | 80,320 |
阿倍野入口 - 文の里出入口 | 74,867 | 78,043 | 76,841 |
文の里出入口 - 駒川出入口 | 74,867 | 83,523 | 83,270 |
駒川出入口 - 平野出入口 | 74,867 | 70,931 | 70,215 |
平野出入口 - 喜連瓜破出入口 | 74,867 | 74,828 | 75,466 |
喜連瓜破出入口 - 三宅出入口 | 74,867 | 67,816 | 67,757 |
三宅出入口 - 三宅JCT | 74,867 | 56,112 | 59,432 |
三宅JCT - 大堀出入口 | 59,432 | ||
大堀出入口 - 松原JCT | 74,867 | 47,116 | 51,979 |
(出典:「平成22年度道路交通センサス」・「平成27年度全国道路・街路交通情勢調査」(国土交通省ホームページ)より一部データを抜粋して作成)
2021年12月10日、阪神高速は、喜連瓜破付近の橋梁の老朽化に伴う架け替えなどを行う更新工事のため、2022年6月1日から約3年の予定で喜連瓜破 - 三宅JCTの区間について終日通行止とすることを発表した。
2022年6月1日より、喜連瓜破 – 三宅JCT間での改修工事が開始された[8]。
喜連瓜破付近の橋梁は、1980(昭和55)年に供用が開始されたコンクリート橋である[9]。主要幹線道路が交わり交通量の多い瓜破交差点内に橋脚を立てず、かつ経済的という理由から、橋桁の中央付近にヒンジ部を設ける構造を採用した[9]。有ヒンジラーメン橋と呼ばれるこの構造は、合理的な設計として建設当時は一般的であった[10]。しかしながら、経年とともに設計時の想定を上回る垂れ下がりが生じ[11]、中央付近では沈下は30cmを越えた[12]。対策が必要となり、橋脚の追加、斜張橋への変更、ヒンジ部の剛結などの案が出たが[13]、最終的には「下弦ケーブル」により補強する案が採用された[12][13]。2003年、垂れ下がりを解消するためにケーブルによる補強工事を実施した[11][12]。既存の橋に対する下弦ケーブルでの補修は例のない試みであったが[13]、これにより中央ヒンジ部の垂れ下がりは20cm程度まで回復した[14]。
垂れ下がりは一定レベル回復したものの抜本的な対策ではなかった。その後橋桁中央での沈下は24cmに至った[14][15]。また、上部構造においてもコンクリート強度が基準強度を下回るなど健全性に懸念があった[14]。長期の健全性・耐久性を確保するために、ヒンジ部のない鋼製連続桁への架替え工事を実施することとなった[10]。
本橋梁の架替え工事を実施するにあたり、周辺環境への影響や交通量の多い直下の交差点等への交通影響を、極力抑えることに主眼をおいた[10]。
一般道路の通行を妨げないように、既設橋桁撤去では高速道路上にレールとして使うための仮設桁を敷設し、移動作業車を用いて既設コンクリート橋を両側から低騒音工法にて徐々に撤去していく工法を採用した。また、新たに架設する橋桁部は軽量で強度の優れた鋼製の橋桁を高速本線上で予め組み立て、多軸台車を用いて送り出す工法で架設する。
このように、騒音や一般道路への交通影響を最小限とする工法が必要となることから、約3年の工事期間を要する予定となった。
なお阪神高速によると、片側の通行を確保しながら工事を進めた場合、10年以上の工事期間を要する可能性があるという[9][16][17]。
工事の実施に伴い、喜連瓜破 - 三宅JCT間の区間は終日通行止めとなる。松原JCTの近畿自動車道連絡道の開通や三宅JCTで接続する6号大和川線が全線開通したことで、近年松原線を広域迂回するルートが整備されたこともあいまって、長期通行止を伴う更新工事に着手することとなった[3]。
通行止期間中は松原線の三宅出入口および平野入口(出口は利用可)が閉鎖される。この通行止に伴い、
などの各調整措置が取られる。また、阪神高速の通行料金は実際の走行経路にかかわらず最短経路を基準として定められており、同一の出入口間について6号大和川線から湾岸線を経由して走行した場合にも松原線経由と料金は同一である(現金・ETC車共通)[18]。
その後、橋脚架け替えが順調に進捗し工期の短縮も見込まれることから、2024年10月の段階で阪神高速は当初の想定より3か月早く、同年12月中に同区間の通行を再開する見通しを発表[20]した。その後、同年11月13日に同区間の通行止を「2024年12月7日5時」で解除し、通行再開とすることを発表した。これにより前述の迂回に伴う料金調整措置も終了となる[6]。
阪神高速などの都市高速道路は、広い道路や河川を導入空間として作られることが多いが、14号松原線の阿倍野入口 - 平野出入口間は、南海平野線の上に作られたこともあり、高架下に幹線道路や河川が並行しない区間となっている。なお、この区間では松原線と同時並行で地下鉄谷町線の工事も進められ、松原線の開通後の1980年(昭和55年)11月27日に開通(南海平野線は同日を最終運行日として廃止)した。
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