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茨城県のNHK放送局 ウィキペディアから
NHK水戸放送局(エヌエイチケイみとほうそうきょく)は、茨城県を放送対象地域とする日本放送協会(NHK)の地域放送局。総合テレビとFM放送で県域放送を行っている。NHK EテレとAM放送(ラジオ第1放送とラジオ第2放送)については関東広域圏扱いとして、管轄の東京本局からカバー・中継されている。
県域放送(放送開始:2004年10月1日、リモコンキーID:1、呼出符号:JOEP-DTV)。県域放送での放送開始はデジタル放送としては初で、アナログ放送を含めれば津放送局以来31年ぶりである。
県内における地上デジタルの中継局の設置は東京タワー(当時)からのNHK放送センター(東京)の電波が殆ど届かない[注釈 2]県北・県央・鹿行[注釈 3]の3地域が優先されたため、これらの地域では山間部などを除くほぼ全世帯で県域放送が受信できる。
東京タワー(2013年5月31日以降は東京スカイツリー)からのNHK放送センター(東京)の電波が受信可能な[1]県南・県西において、県域放送を送出する中継局は筑波中継局、筑波神郡中継局、筑西中継局、八郷南中継局、古河中継局、かすみがうら中継局[1][2]の6局である。なお、県西の坂東市に岩井中継局の設置が一時検討されたが、後に置局不要と判断されている[3]。
これらの地域では、アナログ放送終了以前は混信を防ぐために筑波中継局に指向性がかけられていた他、岩瀬中継局は出力が小さく、水戸局の電波も石岡市など一部を除いて届かなかったため、多くの地域で受信できなかった[4]。県南地域では指向性のかけられていた筑波中継局の限られた受信範囲内の地域と県域放送の再送信を行っているケーブルテレビのサービスエリア以外では県域放送を受信する手段がなく、また県西地域では唯一中継局がある桜川市の岩瀬地区以外ほぼ全域が受信エリア外であった。
アナログ停波後の2011年9月5日に筑波中継局が無指向性化され、県内のほぼ全域で県域放送が受信可能となった[5]。
鹿行地区においては、2013年1月に神栖中継局が新たに設置され[注釈 4]、翌2014年1月末にはかすみがうら中継局も新たに設置された。
県西部と南部の地域では東京スカイツリーなどの近隣都県の送信所や中継局と併用して受信・視聴することになっている。そのため、古河中継局と筑西中継局、筑波中継局の3中継局では教育テレビ(Eテレ)や在京民放テレビ各局の送出は行っていない[6][7]。県西部と南部の居住者で県域放送を受信するには、古河中継局と筑西中継局、筑波中継局のうち、条件の良い中継局向けにアンテナの追加設置と特定地域用のU・U混合器が必要である。設置の際、中継局によってアンテナの種類(垂直偏波・水平偏波)が違うので注意が必要である。また、テレビの受信機[注釈 5]によっては、自動的に茨城県に県域設定をされ、水戸局を1、東京(関東広域)は3または9[注釈 6]などの、空いたチャンネルにプリセットされている場合があり、東京(関東広域)が視聴できなくなる場合もあるため、これを東京都に再設定した上で、再調整する必要がある[7][8]。
県域放送(放送開始:1970年4月6日、呼出符号:JOEP-FM)。
茨城県には県域放送を行う民放FM局が存在せず、NHKが唯一の県域FM放送である。唯一の民間県域放送であるLuckyFM茨城放送はAM局である[注釈 7]。
局名 | デジタル | アナログ | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
総合 | 教育 | 空中線 電力 | 総合 | 教育 | 空中線 電力 | |
水戸 | 20ch | 13ch | 300W | 44ch | 46ch | 30W |
筑波 | 49ch | 20W | 45ch | 47ch | 10W | |
十王 | 47ch | 39ch | 10W | 51ch | 49ch | 100W |
日立 | 20ch | 13ch | 3W | 52ch | 50ch | |
山方 | 26ch | 51ch | 49ch | 30W | ||
常陸鹿島 | 31ch | 16ch | ||||
日立神峰 | 13ch | 40ch | 42ch | 0.3W | ||
御前山 | 16ch | 26ch | 43ch | 45ch | 30W | |
竜神平 | 39ch | 1W | 10W | |||
北茨城 | 42ch | 40ch | ||||
奥久慈男体 | 31ch | 26ch | 35ch | 37ch | ||
里美 | 20ch | 13ch | 43ch | 45ch | ||
水府 | 51ch | 49ch | ||||
笠間 | 31ch | 39ch | ||||
岩瀬 | 52ch | 26ch | 44ch | 55ch | ||
大子 | 20ch | 13ch | 0.3W | 51ch | 49ch | 3W |
那珂湊 | 31ch | 26ch | 0.05W | 37ch | 39ch | 10W |
筑西(加波山) | 52ch | 3W | ||||
神栖(千葉県銚子市) | 44ch | |||||
古河(旭町) | 52ch | 1W | ||||
八郷(加波山) | 20ch | 13ch |
局名 | アナログ | ||
---|---|---|---|
総合 | 教育 | 空中線 電力 | |
石岡 | 40ch | 42ch | 30W |
江戸崎 | 50ch | 48ch | 10W |
大洗 | 37ch | 35ch | 3W |
日立中里 | 51ch | 49ch | |
盛金 | 42ch | 44ch | |
上金沢 | 43ch | 45ch | |
町附 | 42ch | 44ch | |
北茨城平潟 | 52ch | 50ch | 1W |
美和高部 | |||
大子頃藤 | 43ch | 45ch | |
鉾田 | |||
大洋北浦 | 44ch | 46ch | |
日立白銀 | 51ch | 53ch | 0.5W |
常陸太田 | 47ch | 45ch | |
那珂湊平磯 | 36ch | 34ch | 0.1W |
筑波神郡 | 50ch | 52ch | |
水戸谷津 | 59ch | 61ch | |
水戸金山 | 60ch | 62ch |
AM2波はNHK放送センターの管轄であり、中継局を設けていない。FM放送のみ。
茨城県では1971年、郵政省(現・総務省)から県域民放テレビ局用の電波(周波数:アナログUHF34ch、映像出力:5kW、音声出力:1.25kW)が割り当てられた。これに対して、県域民放ラジオ局の茨城放送(現在のLuckyFM茨城放送)を含む8社が放送免許の申請を行ったが、多額の設備投資が必要であること、スポンサーの獲得が難しいことから、2004年までに全社が免許申請を取り下げた。また、デジタル化のため、電波の割り当てが取り消されることになった。
一方、委託放送事業者のつくばテレビ(本社・東京都)は、1997年開局のパーフェクTV!(現在のスカパー!プレミアムサービス)で県域テレビ局のない茨城県の情報発信を目的とした「HITチャンネル・ほっと茨城テレビ」を開局した。しかし、スポンサーの獲得が難しく、加入者数も伸び悩んだため、わずか1年で閉局となり、別分野の専門チャンネルに転換した。
茨城県も、郵政省などに対して県域テレビ放送の開始を要望してきた。平成に入り、「那珂川水害」(1998年)や「JCO臨界事故」(1999年)などの大規模災害が発生したことから、住民に対する避難誘導や情報提供の体制を強化する目的で、県域テレビ放送の必要性が盛んに論議されるようになった。
アナログ総合テレビについては、関東地方の各都県では放送電波の逼迫などの理由から県域放送を見送り、放送センターからの広域放送を続けてきたが、デジタル化によって同一周波数中継(SFN)が可能になったことなどから、デジタル総合テレビでの県域放送の開始が検討されるようになった。ところが、茨城県を除く1都5県に所在する既存の県域民放テレビ局から経営圧迫を懸念する意見が出されたため、まずは県域民放テレビ局が存在しない茨城県で2004年に先行開始することになった。当時のNHK会長だった海老沢勝二は茨城県出身であり、県域放送開始に大きく貢献したといわれている。
次いで、2009年度から3か年の経営計画では、前橋、宇都宮の両局について、地上デジタル放送への完全移行後に県域放送開始の検討を行うことが盛り込まれ、2012年4月1日に県域放送へ移行した。
茨城県内の支局は全て報道専従支局で、旧報道室・通信部からの移行である。
2024年4月1日現在[10]
この他、クラシックコンサートやイベント中継などで茨城が特集された番組をマルチ編成のサブチャンネルで放送することがある。また、番組の合間のスポット[注釈 16]が水戸放送局のお知らせや制作番組の告知になる場合がある。
2015年度までは毎日県域放送枠を設けていたが、2016年度以降縮小し、NHK全体の働き方改革に伴い2018年度以降は平日のみの放送となった[11][10][12]。なお、原則として台風・大雨・地震などの災害時、主な県内の市町村長選挙[注釈 17]の翌日朝には、関東甲信越ブロック枠[注釈 18]を県域枠に変更して放送することがある[注釈 19]。また、特設ニュース中に中断して県域放送に切り替える場合もある。
『いば6』休止時は、18:45 - 19:00に茨城県のニュース・気象情報を放送する。また、その際には『茨城ニュース845』も原則として休止となる場合がある(2018年8月以降)。
現在、以下の新聞で関東1都6県向けの朝刊テレビ面に茨城県向け独自内容の番組を掲載している。いずれも、メインテレビ欄は東京基準のものを載せており、茨城県向けの差し替えがある場合は「(茨城別)」などの但し書きがある。
平日のみ県域ニュース、気象情報、交通情報を放送。なお、『いば6』休止週は放送せず、関東甲信越ブロック版に差し替えとなる場合がある。また、インターネット配信は行っていない。
他に、全国高等学校野球選手権茨城大会・秋季大会の準決勝・決勝の中継を行っている[注釈 26]。なお、高校野球中継の際には11:50 - 12:00の枠が休止となり、試合終了後か第1試合と第2試合の合間にニュースと気象情報・インストルメンタル音楽のみ放送する。
8月下旬の平日の夕方にNHK全国学校音楽コンクール 茨城県コンクール(小学校の部、中学校の部、高等学校の部)も放送する。
「FM放送」以外の番組は地上デジタル放送総合テレビ。
サタデーFM いばゆる(FM放送、毎月第2土曜日 11:00 - 12:00・2018年4月14日 - 2021年3月13日)
祝日・年末年始は2015年度、土曜日・日曜日は2017年度で終了し、関東甲信越ブロックのニュース・気象情報に変更された。
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