将棋講座(しょうぎこうざ)は、NHK教育テレビジョン2012年3月まで放送された将棋の講座番組である。独立番組として終了した以後は、『将棋フォーカス』(毎週日曜日10:00 - 10:30)に内包され、前半約15分間に放送される。

概要

講師を務めるのは現役の棋士または女流棋士であり、聞き手を務めるのは女流棋士やタレントなどである。講座の詳しい内容は月刊誌のNHKテレビテキスト『将棋講座』(NHK出版)に掲載される。

歴史

1960年に「囲碁・将棋の勘どころ」(土曜日放送、10分番組)としてNHK総合テレビで放送がスタートした[1]1962年に「趣味講座将棋」に改題してNHK教育テレビに移行した。

1981年より「将棋講座」となり、2011年3月までは「将棋の時間」(毎週日曜日10:00 - 12:00)の中の第1部(10:00 - 10:20)として放送された[注 1]

2011年4月に「将棋の時間」という番組名がなくなり、また、「将棋講座」は時間を5分短縮して 10:00 - 10:15 の放送となった[注 2]

歴代の将棋講座

要約
視点

将棋フォーカス」内のコーナーとなり、番組本編とも一体化していた2012 - 2014年度は1年をかけて将棋の上達を目指す講座となった。4月から9月まで(前期)と10月から3月まで(後期)を期間とする半年ごとに講師・テーマが替わる。2012年度は3ヶ月ごとの交替で4人が講師を担当した。1996年度から2011年度までは半年ごとに講師・テーマ・聞き手が替わった。講座の期間には変遷があり、通年(4月から翌年3月まで)であった時期や3ヶ月ごとであった時期などがある。聞き手は基本的に1名であるが2012 - 2014年度は2名であった。

さらに見る 年度と期別, 講座名 ...
年度と期別講座名講師 / 歴代回数聞き手
- 1976年03月高柳敏夫神田山陽
1976年04月 - 08月原田泰夫谷川治恵
1976年09月
- 1977年03月
私はこう戦った真部一男
1977年度やさしい必死のかけ方森雞二
1978年度やさしい将棋入門西村一義
1979年度古い棋譜をたずねて石田和雄石尾和子
1980年度必勝戦法大内延介
1981年度ワンポイント上達法 ここを直せば強くなる青野照市
1982年度楽しみながら強くなろう 内藤九段の入門教室内藤國雄藤森奈津子[注 3]
1983年度将棋は攻め この手で勝とう田丸昇
1984年度ここが急所だ 勝ち方教えます森安秀光
1985年度寅ちゃんのワンポイント初級教室田中寅彦
1986年度谷川流勝ち方教室 大局観が勝負を決める谷川浩司
1987年度中村修王将の新感覚将棋塾中村修江幡幸子
1988年度初級実戦クリニック伊藤果小田切紀子
1989年度格言スピード上達法小林健二
1990年度島朗のハイテク研究室島朗
1991年度なぜ この手が絶対か鈴木輝彦
1992年度今すぐ使える 小野修一の勝てる手筋小野修一清水市代
1993年 04月 - 06月森下卓の将棋相対性理論 だれでもわかる運びの真理森下卓山口喜代
1993年 07月 - 09月塚田泰明の攻めっ気150%塚田泰明大庭美夏
1993年 10月 - 12月神吉、林葉のおしえて!ショーギ神吉宏充林葉直子
1994年 01月 - 03月高橋道雄の振り飛車をやっつけろ!高橋道雄山田久美
1994年 04月 - 06月富岡英作の大局観で好手が見える富岡英作高橋和
1994年 07月 - 09月将棋はこんなに楽しめる 淡路仁茂の将棋メディア活用法淡路仁茂大庭美夏
1994年 10月 - 12月脇謙二のこれだけでショーギが指せる脇謙二神田紅
1995年 01月 - 03月佐藤康光の囲いの急所 寄せの急所佐藤康光橋本真季[注 4]
1995年 04月 - 06月終盤の勝ち方 羽生の法則羽生善治友田幸岐
1995年 07月 - 09月先崎学のまかせて!基礎体力アップ先崎学ほんまゆみ
1995年 10月 - 12月小林健二のスーパーレッスン 四間飛車で勝ちまくれ小林健二2斎田晴子
1996年 01月 - 03月マリオ武者野の電撃大作戦 必ずあなたを勝たせます!武者野勝巳古河彩子
1996年度 前期寅さんの初段一直線田中寅彦2船戸陽子
1996年度 後期中原誠の自然流エッセンス中原誠大庭美夏
1997年度 前期中川大輔の実戦即効!角換わり戦術中川大輔2中倉彰子
1997年度 後期福崎文吾の穴熊指南福崎文吾大庭美樹
1998年度 前期必勝四間飛車 藤井システム藤井猛高橋和
1998年度 後期困ったときに役に立つ 浦野真彦の格言豆事典浦野真彦大庭美夏
1999年度 前期三浦弘行の速攻!振り飛車破り 右四間完全マスター三浦弘行中倉彰子
1999年度 後期ファイター豊川のパワーアップ戦法塾豊川孝弘中倉宏美
2000年度 前期井上慶太の将棋を指そう!井上慶太せがわきり
2000年度 後期行方尚史の技あり中終盤!行方尚史鈴木彩子
2001年度 前期深浦康市の将棋を楽しもう!めざせ実力初段深浦康市中井美穂
2001年度 後期内藤國雄の終盤戦 の終着駅[2]内藤國雄2藤森奈津子
2002年度 前期木村一基の四間飛車破り 急戦の極意[3]木村一基本田小百合
2002年度 後期森内名人力戦振り飛車で勝とう[4]森内俊之碓井涼子
2003年度 前期清水市代の一局お願いいたします![5]清水市代江成正元
2003年度 後期鈴木大介の振り飛車自由自在[6]鈴木大介石内奈々絵
2004年度 前期阿部隆の良い手 悪い手 普通の手[7]阿部隆岩根忍
2004年度 後期久保NHK杯の「さばきの極意」教えます[7]久保利明中倉宏美
2005年度 前期加藤一二三の大勝負この一手加藤一二三吉川精一
2005年度 後期屋敷伸之の囲いの崩し方屋敷伸之鈴木環那
2006年度 前期谷川浩司の本筋を見極める谷川浩司2島井咲緒里
2006年度 後期中井広恵の駒は自然に動かしましょう中井広恵錦織健
2007年度 前期渡辺竜王居飛車対振り飛車渡辺明石橋幸緒
2007年度 後期佐藤康光NHK杯の基本でステップアップ佐藤康光2高橋和
2008年度 前期杉本昌隆の振り飛車ナビゲーション杉本昌隆室田伊緒
2008年度 後期森下卓の相居飛車をマスターしよう森下卓熊倉紫野
2009年度 前期橋本崇載の受けのテクニック教えます橋本崇載中村桃子
2009年度 後期先崎学のすぐわかる現代将棋先崎学2北尾まどか
2010年度 前期[注 5]阿久津主税の中盤感覚をみがこう阿久津主税安食総子
2010年度 後期[注 5]高橋道雄の自由に指そう!楽しい駒落ち高橋道雄2山口恵梨子
2011年度 前期山崎隆之のちょいワル逆転術山崎隆之鈴木真里
2011年度 後期戸辺流 振り飛車で目指せ!初段戸辺誠つるの剛士
2012年 04月 - 06月野月浩貴のイチ押し初級アカデミー[注 6]野月浩貴つるの剛士
岩崎ひろみ
2012年 07月 - 09月藤井猛の“初出し”攻め方フォーラム藤井猛2
2012年 10月 - 12月木村一基の先読み受け方エクササイズ木村一基2
2013年 01月 - 03月屋敷伸之のバランスで勝つ!終盤アプローチ屋敷伸之2
2013年度 前期鈴木大介の振り飛車のススメ鈴木大介2
2013年度 後期井上慶太の居飛車はおもしろい!井上慶太2
2014年度 前期広瀬章人の最強“振り穴”マニュアル広瀬章人2
2014年度 後期豊川孝弘のパワーアップ手筋塾豊川孝弘2
2015年度 前期佐藤康光の勝つための詰みのセオリー佐藤康光3藤田綾
2015年度 後期渡辺流 勝利の格言ジャッジメント渡辺明2
2016年度 前期村山慈明の知って得する序盤術村山慈明渡部愛
2016年度 後期天彦流 中盤の読みとき方佐藤天彦
2017年度 前期船江恒平の終盤は筋よく指そう船江恒平室谷由紀[注 7]
2017年度 後期カズトシ流 主導権をにぎる振り飛車佐藤和俊
2018年度 前期佐藤紳哉のエンジョイ将棋佐藤紳哉
2018年度 後期深浦康市の振り飛車なんてこわくない深浦康市2
2019年度 前期菅井流やんちゃ振り飛車菅井竜也鈴木環那
2019年度 後期太地隊長の角換わりツアー中村太地加藤桃子[注 8]
2020年度 前期阿久津主税の楽しく勝とうB級グルメ戦法阿久津主税2
2020年度 後期稲葉陽の急戦でノックアウト稲葉陽安食総子
2021年度 前期木村一基のまじウケ放談~ NHK杯戦・受けの名局~木村一基3貞升南
2021年度 後期戸辺誠の振り飛車で技を磨こう!戸辺誠2
2022年度 前期さんちゃんの実は楽しい相掛かり三枚堂達也山口恵梨子
2022年度 後期直送! 都成ファームのおいしい振り飛車都成竜馬
2023年度 前期豊島将之の 初段を目指す!スキがない将棋豊島将之
2023年度 後期ようこそ!糸谷ワールドへ糸谷哲郎
2024年度 前期中川大輔の盤上百名山中川大輔2山根ことみ
2024年度 後期剛腕!康光流バーディー振り飛車佐藤康光4
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エピソード

誤りの訂正
番組の中で、講座テキストの記載誤りの訂正が行われることがたまにある。一例として、2007年度前期の渡辺明の講座では、懸賞詰将棋のコーナーで余詰めがある詰将棋を(収録まで気づかずに)出題してしまい、2週間後の放送で正解発表時に渡辺は陳謝し、応募者全員を正解扱いとする措置が取られた。
音楽
  • 番組のテーマ音楽は、講座もトーナメントも、かつては、シンセサイザーを使った現代風でにぎやかなものであった。1994年度から尺八などが用いられた和風で落ち着いた曲調の音楽に変更された。ちなみに、2010年度まで放送された詰将棋のコーナーのテーマ音楽は、『囲碁の時間』の『囲碁講座』のテーマ曲の変奏曲であった。
  • 2004年度後期の久保利明の講座では、最後の方でその回のポイント解説を行うコーナー(定跡編 ここに注意!/実戦編 ここが急所!)があった。第3回放送分からはコーナー開始時に短いテーマ音楽が鳴らされたが不評[誰に?]であった[要出典]。それから1か月余り経った頃に音楽が変更された。
  • 2010年度前期の阿久津主税の講座のポイント解説コーナー「アッ君の目ヂカラ」のテーマ音楽として、番組史上初のハードロックサウンドが使用された。
演出・コスプレ
  • 2006年度前期では、「谷川浩司のワンポイントクリニック」のコーナー(月1回)で一度だけ、谷川が医師の白衣姿、島井が看護師姿というコスプレが披露された。谷川は「一度こういう格好をしてみたかった」と言いながら笑った。
  • 2009年度前期の8月2日放送分で、夏をイメージして中村は浴衣姿で、橋本は浮き輪を持って出演した。
  • 2010年度後期の高橋の講座では、毎回最初の短いトークの後、山口が高橋とともに大盤の前まで移動する際、「皆さん、自由に楽しく駒落ち将棋を指してみませんか」という定番の台詞を歩きながら言う演出があった。大盤まで歩く姿を映す演出は、次の山崎の講座でも引き継がれた。
  • 2011年度後期の12月25日放送分で、戸辺とつるのが二人揃ってサンタクロースのコスチュームで出演した。
  • 2022年度後期以降、講座の途中または初回から「衣装」が用意されるようになった。
    • 2022年度後期の講座では、都成が11月頃から特製Tシャツを着用し始め、1月頃以降は都成・山口恵梨子の両者が特製パーカーを毎回着用した。
    • 2023年度前期の講座では、豊島・山口の両者が5月頃から特製バスケユニフォームを毎回着用した。
    • 2023年度後期の講座では、糸谷・山口の両者が初回から特製のパティシエ衣装を毎回着用した。
    • 2024年度前期の講座では、中川大輔・山根ことみの両者が初回から登山服を着用しリュックを背負ったまま毎回講座を行なった(中川は私物のリュック着用)。
ポーズ・アクション
  • 2000年度前期は、番組のオープニングで、井上とせがわが元気良く「(井上慶太の、将棋を)指そう!」と言いながら、二人で人差し指と中指を揃えて前に突き出した。
  • 2003年度前期の清水の講座では、「と金は遅いようで速いよ!」のキーワードを解説する回において江成が徒競走のような腕の動きのアクション付きで読んだが、それが視聴者に好評で、後日リクエストに応えて、江成がそのアクションを再現する場面があった。
  • 2010年度前期のポイント解説コーナーでは、音楽の後、阿久津と安食が声を揃えて「(アッ君の)目ヂカラぁ!」と言いながら、目の絵が描かれた札を突き出した。
  • 2010年度後期のポイント解説コーナーでは、キュートで悩ましげな音楽の後、山口が「(恵梨子の、駒落ち)新発見!」と言いながら人差し指を立てた。
  • 2011年度前期のポイント解説コーナーでは、音楽の後、山崎と鈴木が「(ちょいワル王子の、逆転)ホームラン!」と言いながらおもちゃのバットを振った(番組開始当初はバットを持たず、素手でシャドスウィングをした)。
  • 2011年度後期のポイント解説コーナーでは、太鼓ほら貝の勇壮な音楽の後、「(今日の)戸辺攻め!」と言いながら、戸辺とつるのがおもちゃのを振った。刀の代わりに手裏剣やサンタクロースの袋を用いた回もあった。
  • 2022年度前期以降、講座の中で「決め台詞」を前面に打ち出す演出が行なわれている。
    • 2022年度前期の講座では、三枚堂が「脳裏に焼きつけろ!」の台詞とポーズを行なう。。
    • 2022年度後期の講座では、都成が「この手がデリシャス」の台詞と「指さし」ポーズを行なう。。
    • 2023年度前期の講座では、山口が「目指せ!」、続けて豊島が「パーフェクトゲーム」の台詞を掛け合い、豊島が「P」の文字のポーズを行なう。
    • 2023年度後期の講座では、糸谷が講座タイトルと同じ「ようこそ!糸谷ワールドへ!」の台詞とポーズを行なう。
    • 2024年度前期の講座では、講座冒頭に中川が「出発!」、続けて山根が「オー!」と掛け合い、また、講座の要所で中川が「厚みにマウンティング!」の台詞とポーズを行なう。

脚注

外部リンク

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