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中村太地 (棋士)
日本の将棋棋士 ウィキペディアから
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中村 太地(なかむら たいち、1988年6月1日 - )は、将棋棋士。米長邦雄永世棋聖門下。棋士番号は261。東京都府中市出身。
2017年に第65期王座戦において初タイトルを獲得[1]。師匠の米長邦雄の影響から将棋の普及活動にも力を入れており[2]、テレビ番組への出演や自身のYouTubeチャンネル(2020年開設)での動画投稿などを行なっている[3][4]。
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棋歴
要約
視点
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将棋との出会いは幼稚園(4歳)の頃。当時は父の仕事の都合により札幌市に住んでおり、冬季は積雪により外遊びが困難だったため、父に室内で遊べるボードゲームを複数種類教えてもらっていたが、その中に将棋があったという。5歳の時の正月に4歳上の従兄と将棋を指し、負けたことが将棋に熱中するきっかけだった[5]。宮城県仙台市から東京都へ引越してきた小学2年生の頃より八王子将棋クラブに通い[6]、プロ棋士への道を意識するようになったのは小学4年頃からだった[7]。
1998年度(第23回)小学生将棋名人戦で4年生でベスト8、準々決勝で当時6年生の戸辺誠に敗北した。2000年度(第25回)の同大会では6年生で決勝進出するも当時5年生の都成竜馬に敗れ準優勝。同年、奨励会試験に合格し、6級で入会。
プロ入り
2006年春にプロ入り(四段昇段)。
2009年度、第40期新人王戦で、決勝三番勝負に進出。広瀬章人との早稲田大学在学生対決[8]となったが、2連敗で敗退。
2010年度、第23期竜王戦で6組優勝(5組昇級)。決勝トーナメントでは初戦で戸辺誠に敗退。
2011年度、勝率0.8511(40勝7敗)を記録し、第39回将棋大賞の勝率1位賞を受賞。勝率8割5分以上は中原誠が1967年に記録した 0.8545(47勝8敗)以来史上2人目で、史上2位(当時)の高勝率[9][注 1]。なお、7敗のうち2敗は新人王戦で奨励会員(三段)から喫した。また、同年度の第70期順位戦C級2組では10戦全勝でC級1組へ昇級[注 2]。
タイトル挑戦
2012年度、第83期棋聖戦では、森内俊之名人や佐藤康光王将のタイトル保持者[注 3]等を破り、挑戦者決定戦で深浦康市に勝利して、自身初のタイトル挑戦を決め、同時に六段へ昇段した。番勝負では羽生善治棋聖に3連敗でタイトル獲得ならず。第60期王座戦でも挑戦者決定戦まで勝ち上がるが、羽生に敗れた。
2013年度、第61期王座戦において、2期連続で挑戦者決定戦まで進み、郷田真隆に勝利、羽生王座への挑戦を決めた。番勝負では第3局までで2勝1敗と初タイトル獲得に王手をかけたが、その後2連敗し、タイトル獲得はならなかった[注 4]。
2015年度、第74期順位戦C級1組では、9勝1敗・1位の成績でB級2組への昇級を決めた。
王座獲得
2017年度、第65期王座戦挑戦者決定戦で青嶋未来五段に勝利、自身3回目となるタイトル挑戦を決めた。羽生王座との五番勝負は10月11日の第4局で中村の3勝1敗で決着し、初タイトルとなる王座を獲得した[1]。同日付で「タイトル1期獲得」により七段に昇段。決着局での勝利時に涙を流す姿が放映された。
2018年は、第66期王座戦にて挑戦者の斎藤慎太郎を相手に2勝3敗で敗北、王座を失冠した。一方、第68期王将戦と第60期王位戦では予選を勝ち抜き挑戦者決定リーグに進出。王将リーグは1勝5敗に終わり、王位リーグ(白組)では3勝2敗と勝ち越すも、リーグ陥落となった。
A級昇級
2021年度、第80期順位戦B級2組では開幕から8連勝し、残り2局を残した状態でB級1組への昇級を決めた。最終的には9勝1敗・2位の成績であった。
2022年度、第81期順位戦B級1組では、最終13回戦で羽生善治に敗れたものの、競争相手であった澤田真吾の敗戦により9勝3敗・2位でA級への昇級と八段への昇段が決まった。順位戦の規定による昇段日が改定された第67期以降、対局に敗れた日が八段への昇段日となったのは史上初[注 5][注 6]。さらに同日時点で竜王戦(第36期)では4組に在籍していたが、順位戦でA級に在位しながら竜王戦では4組に在位した棋士は加藤一二三(2001年)以来史上2人目で、竜王戦で4組に在籍したまま順位戦でA級に昇級した例は史上初[注 7]。
第36期竜王戦では、4組ランキング戦1回戦で宮田敦史に、同昇級者決定戦で佐藤紳哉に、同残留決定戦で川上猛に、それぞれ敗れ5組降級を喫した。順位戦A級に在籍中の棋士が竜王戦では5組以下に在籍するケースは史上初[注 8]。
第53回NHK杯では、広瀬章人、菅井竜也を破るも準々決勝で羽生善治に破れる。
2023年度、第82期順位戦では、A級初参加ながら、佐藤天彦、渡辺明などに勝利し4勝5敗で残留に成功する。
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棋風
横歩取り、角換わりを得意とする居飛車党[10]。中村は自身の棋風について、攻め将棋であると述べている[11]。
奨励会時代およびプロ入り当初は振り飛車党であったが、2006年にデビューしてすぐに居飛車党への転身を図った[11]。振り飛車党の時代は藤井システムを好んで指していた[11]。
人物
家族は両親と姉[13]。「太地」という名前の由来は、「太陽と地球からとった」とされる[13]。
学業
プロデビュー当時は早稲田実業高等部に在学中だった[14]。2007年、早稲田大学政治経済学部に進学[15]。在学中、論文コンクールで優秀な成績を収め、2010年3月25日、同大学の政治経済学術院奨学金(政経スカラシップ)を授与された[16]。
将棋の普及活動
対局と普及の両立を大事にしていた師匠・米長邦雄の影響を受けており、中村は「将棋界のためになる活動は積極的にしていきたいと考えています」と述べている[2]。
2014年4月より首都大学東京において法学系特別講義「将棋で学ぶ法的思考・文書作成」の非常勤講師を務める[17][3][18]。また、一般社団法人生徒会活動支援協会の相談役でもある[19]。NHK総合「NEWS WEB」ナビゲーター(2014年)やNHK Eテレ「将棋フォーカス」司会(2015年〜2019年)などのテレビ番組にも出演していた[3]。2020年にアマチュア棋士の鈴木肇とともにYouTubeチャンネルを開設した[20][3]。
趣味・嗜好
小学2〜3年生までサッカーチームに入っていたが、プロ棋士を意識し始めて以降は将棋に専念した[13]。2023年現在、日本将棋連盟のフットサル部に所属している[21]。
事故
2008年10月、フランスのパリで行われた第21期竜王戦七番勝負[注 9]の第1局で記録係を務めた。会場設営の際に感電する事故に見舞われ、解説で同行していた佐藤康光棋王が「もしものことがあれば私が記録係を務めます」と申し出る程だったが、大事には至らず務めを果たした[要出典]。
交友関係
NHK教育『将棋フォーカス』に出演していた当時の出演者(山崎隆之、伊藤かりん)やスタッフとはその後も交友があり、「太地会」という親睦会を定期的に開いている。山崎が第5回ABEMAトーナメントでチームメイトの一人に中村を指名したのも、『将棋フォーカス』での繋がりが背景にあったとしている[22]。
昇段履歴
→昇段規定については「将棋の段級」を参照
主な成績
要約
視点
獲得タイトル
は2025年5月現在の在位。登場・連覇の 太字 は歴代最多記録。
他の棋士との比較は、タイトル獲得記録、将棋のタイトル在位者一覧を参照。
タイトル | 獲得年度 | 登場 | 獲得期数 | 連覇 | 永世称号(備考) |
竜王 | - | 0 | - | - | - |
名人 | - | 0 | - | - | - |
王位 | 0 | - | - | - | |
叡王 | - | 0 | - | - | - |
王座 | 2017 | 3回 | 1期 | - | - |
棋王 | - | 0 | - | - | - |
王将 | - | 0 | - | - | - |
棋聖 | - | 1回 | - | - | - |
タイトル獲得 合計 1期 / 登場回数 合計4回 (2018年度王座戦終了まで) | |||||
- タイトル戦登場
- 王座:3回(第61期=2013年度 第65期=2017-2018年度)
- 棋聖:1回(第83期=2012年度)
- 登場回数 合計 4回(2018年度王座戦まで)
将棋大賞
- 第39回(2011年度) 勝率1位賞
- 第40回(2012年度) 敢闘賞、連勝賞
- 第41回(2013年度) 名局賞(羽生善治との第61期王座戦五番勝負第4局千日手指し直し局)
記録
- 勝率記録 0.8511(2011年度、歴代3位)[29]
在籍クラス
→竜王戦と順位戦のクラスについては「将棋棋士の在籍クラス」を参照
年度別成績
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著書
単著
- 速攻!ゴキゲン中飛車破り(マイナビ将棋BOOKS)(2011年9月、毎日コミュニケーションズ、ISBN 978-4839939878)
- 中村太地の角換わり 最先端への道案内(マイナビ将棋BOOKS)(2014年8月、マイナビ、ISBN 978-4839953058)
共著
- 若手精鋭が現代将棋を斬る(マイナビ将棋BOOKS)(戸辺誠、村山慈明、永瀬拓矢共著、2013年5月、マイナビ、ISBN 978-4839947125)
- 勝てる将棋の考え方 新・イメージと読みの将棋観(渡辺明、郷田真隆、三浦弘行、鈴木大介、豊島将之、森内俊之、加藤一二三、永瀬拓矢共著、2016年9月、マイナビ出版、ISBN 978-4839961107)
- 先崎学&中村太地 この名局を見よ! 20世紀編(マイナビ将棋BOOKS)(先崎学共著、2018年7月、マイナビ出版、ISBN 978-4839963750)
- 先崎学&中村太地 この名局を見よ! 21世紀編(マイナビ将棋BOOKS)(先崎学共著、2018年11月、マイナビ出版、ISBN 978-4839967703)
監修
- どんどん強くなる こども詰め将棋 1手詰め(2017年2月、池田書店、ISBN 978-4262101538)
- どんどん強くなる こども詰め将棋 3手詰め(2018年3月、池田書店、ISBN 978-4262101545)
- どんどん強くなる こども詰め将棋 5手詰め(2018年5月、池田書店、ISBN 978-4262101552)
- どんどん強くなるマンガこども将棋入門(絵:大岩ピュン、2018年11月、池田書店、ISBN 978-4262101576)
- どんどん強くなる こども将棋 勝てる手筋がわかる本(2019年10月、池田書店、ISBN 978-4262101583)
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出演
テレビ
- NEWS WEB(NHK総合、2014年4月 - )- 2014年度は水曜日コメンテーター3期生[51]、2015年度から祝日・不定期
- 将棋フォーカス(NHK Eテレ、2015年4月 - 2019年3月)山崎隆之・伊藤かりん(乃木坂46)と共に司会を務めた。(2019年10月 - 2020年3月)番組内将棋講座「太地隊長の角換わりツアー」[52]にて講師として出演。(2020年7月5日・7月12日、2021年6月27日・7月4日)向井葉月(乃木坂46)と共に久々に司会を務めた。(これ以外にも向井の将棋指南役として何度か登場している)
- クイズタイムショック(テレビ朝日、2019年9月26日)- 準決勝進出(22名中6名)。
- くりぃむクイズ ミラクル9(テレビ朝日、2020年2月26日)
- あしたが変わるトリセツショー(NHK総合、2022年5月12日)
ラジオ
演じた人
ラジオドラマ
テレビドラマ
- 『うつ病九段』(先崎学原作、NHK BSプレミアム 2020年12月20日):演:渡部豪太
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脚注
関連項目
外部リンク
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