Loading AI tools
日本の将棋棋士 ウィキペディアから
稲葉 陽(いなば あきら、1988年8月8日 - ) は、西宮市出身の将棋棋士。井上慶太九段門下。棋士番号は269。アマ強豪の稲葉聡は実兄。関西所属であり、糸谷哲郎、豊島将之、村田顕弘とともに「関西若手四天王」と呼ばれる棋士の一人[1][2]。
兵庫県立高砂南高等学校卒業。既婚[3]。
プロフィール上の出身地は西宮市だが、幼少期に同じ兵庫の加古川市に引っ越しており、加古川市出身として扱われることも多い[4]。2017年現在も加古川市在住で、加古川市からは加古川観光大使を委嘱されている[5]。
三人兄弟の末っ子三男。幼稚園時代に父親の影響で将棋を覚えるが、父と兄(次兄の稲葉聡。長兄については後述。)が全く勝たせてくれないため、最初は逃げていたという[6]。当時は運動好きで主にサッカーをやっていた[6]。加古川市立氷丘南小学校2年のときに井上慶太の主宰する「加古川将棋倶楽部」に兄とともに通い始める[7]。奨励会の入会試験では二次試験で糸谷哲郎と当たり勝利する[8]。第42回奨励会三段リーグ(2007年度後期)で13勝5敗の成績(1位)を修め、2008年4月、19歳でプロ入り[9]。
プロ1年目で10連勝と8連勝を各1回記録したが、金井恒太の11連勝にあと1つ及ばず、将棋大賞の連勝賞を受賞できなかった。
初参加の棋聖戦となる第80期(2009年度)棋聖戦(2008年 - 2009年)において、タイトル経験者でA級九段の谷川浩司、郷田真隆らを破り、8連勝(リーグ戦も無敗)で決勝トーナメント(ベスト8)に進出。さらに、元竜王でA級九段の藤井猛、谷川(2度目)を破って挑戦者決定戦に進出。しかし、木村一基に敗れ、羽生善治棋聖への挑戦権獲得と五段昇段のチャンスを逃した。
さらに、竜王戦では、初参加の第22期(2009年度)竜王ランキング戦6組(2008 - 2009年)で優勝し、本戦トーナメント入りを果たす。その一方で、新人王戦の初戦(2009年1月9日)で女流棋士の里見香奈に敗れ、女流棋士の対男性棋士勝利の最年少記録を献上してしまった。
2010年度の第81期棋聖戦は、前期成績(ベスト4以上)により本戦にシードされる。準決勝で渡辺明に敗れたものの、またもベスト4入りし、次期のシード権は確保した。同年度、第69期順位戦C級2組では稲葉を含む5人が8勝2敗で終えたが、前期順位の差で昇級を果たし、これに伴い五段に昇段した。
第24期(2011年度)竜王戦5組で優勝し、2度目の本戦進出。翌第25期(2012年度)竜王戦4組でも優勝(準決勝勝利時点で規定により六段昇段[10])。
2016年2月18日、第74期順位戦B級1組第12回戦にて畠山鎮七段に勝利し、最終局を残して2位以上が確定。A級昇級と八段昇段を決めた。
2017年2月25日、第75期順位戦A級最終戦で森内俊之九段に勝利し、8勝1敗の成績で首位を保持し、佐藤天彦名人との名人戦の挑戦権を獲得した(2敗で追いかけていた羽生善治と広瀬章人がともに敗れて3敗となったため、結果に関わらず挑戦権は獲得していた)。これにより、2年連続A級に初昇進した棋士が名人戦に挑戦することとなり、20代同士の対局は、1996年の羽生善治名人対森内俊之八段(いずれも当時)以来、21年ぶりとなった。
2017年度の第75期名人戦七番勝負は2勝4敗に終わり、稲葉の名人位奪取は成らなかった[12]。
第76期順位戦A級では、2勝4敗からの4連勝で、自身も含めた6人によるプレーオフとなる。2年連続の名人挑戦権獲得を掛けたプレーオフでは羽生善治に敗れた。第67回NHK杯戦では、中学生棋士として話題になっていた藤井聡太を3回戦で破る等で順調に勝ち進み、決勝に進出。決勝で山崎隆之に敗れ、準優勝となる。第69回NHK杯戦で2年ぶりに決勝まで勝ち進むも、決勝で深浦康市に敗れ、またもや準優勝となった。翌年、第70回NHK杯戦で2年連続で決勝に進出。決勝で斎藤慎太郎八段に勝利し、3回目の挑戦で初優勝を果たした。第79期順位戦A級では2勝7敗でB級1組へ降級するが、翌期の第80期順位戦B級1組では藤井聡太らを破り、9勝3敗でA級復帰を決めた[13]。第36期竜王戦では、1組で優勝を果たした。
基本的には、角換わり、横歩取りなどを多く指す居飛車党である。 どちらかと言えば受け将棋であり、カウンターの鋭さには定評がある。電王戦での二つ名は「泰然自若の冒険家」。
昇段規定は、将棋の段級 を参照。
開始 年度 |
順位戦 出典[22] |
竜王戦 出典[23] | ||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
期 | 名人 | A級 | B級 | C級 | 期 | 竜王 | 1組 | 2組 | 3組 | 4組 | 5組 | 6組 | 決勝 T |
|||||
1組 | 2組 | 1組 | 2組 | |||||||||||||||
2008 | 67 | C242 | 5-5 | 22 | 6組 | 0-1 | 6-0 | |||||||||||
2009 | 68 | C228 | 6-4 | 23 | 5組 | -- | 1-2 | |||||||||||
2010 | 69 | C213 | 8-2 | 24 | 5組 | 0-1 | 5-0 | |||||||||||
2011 | 70 | C129 | 7-3 | 25 | 4組 | 1-1 | 5-0 | |||||||||||
2012 | 71 | C107 | 9-1 | 26 | 3組 | -- | 4-1 | |||||||||||
2013 | 72 | B221 | 6-4 | 27 | 2組 | -- | 2-2 | |||||||||||
2014 | 73 | B211 | 9-1 | 28 | 2組 | 1-1 | 4-0 | |||||||||||
2015 | 74 | B112 | 10-2 | 29 | 1組 | -- | 0-2 | |||||||||||
2016 | 75 | A09 | 8-1 | 30 | 2組 | 1-1 | 4-0 | |||||||||||
2017 | 76 | A 01 | 6-4 | 31 | 1組 | -- | 2-2 | |||||||||||
2018 | 77 | A 02 | 3-6 | 32 | 1組 | -- | 2-2 | |||||||||||
2019 | 78 | A 08 | 4-5 | 33 | 1組 | -- | 2-2 | |||||||||||
2020 | 79 | A 08 | 2-7 | 34 | 1組 | -- | 2-2 | |||||||||||
2021 | 80 | B101 | 9-3 | 35 | 1組 | -- | 2-2 | |||||||||||
2022 | 81 | A 10 | 4-5 | 36 | 1組 | 0-1 | 4-0 | |||||||||||
2023 | 82 | A 07 | 4-5 | 37 | 1組 | -- | 0-2 | |||||||||||
2024 | 83 | A 05 | 38 | 2組 | -- | |||||||||||||
順位戦、竜王戦の 枠表記 は挑戦者。右欄の数字は勝-敗(番勝負/PO含まず)。 順位戦の右数字はクラス内順位 ( x当期降級点 / *累積降級点 / +降級点消去 ) 順位戦の「F編」はフリークラス編入 /「F宣」は宣言によるフリークラス転出。 竜王戦の 太字 はランキング戦優勝、竜王戦の 組(添字) は棋士以外の枠での出場。 |
年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
---|---|---|---|---|---|
2008 | 43 | 30 | 13 | 0.6976 | [24] |
2009 | 40 | 25 | 15 | 0.6250 | [25] |
2010 | 42 | 31 | 11 | 0.7380 | [26] |
2008-2010 (小計) |
125 | 86 | 39 | ||
年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
2011 | 43 | 28 | 15 | 0.6511 | [27] |
2012 | 42 | 31 | 11 | 0.7380 | [28] |
2013 | 34 | 24 | 10 | 0.7058 | [29] |
2014 | 37 | 26 | 11 | 0.7027 | [30] |
2015 | 42 | 29 | 13 | 0.6904 | [31] |
2016 | 32 | 22 | 10 | 0.6875 | [32] |
2017 | 46 | 27 | 19 | 0.5869 | [33] |
2018 | 33 | 15 | 18 | 0.4545 | [34] |
2019 | 43 | 22 | 21 | 0.5116 | [35] |
2020 | 34 | 17 | 17 | 0.5000 | [36] |
2011-2020 (小計) |
386 | 241 | 145 | ||
年度 | 対局数 | 勝数 | 負数 | 勝率 | (出典) |
2021 | 40 | 24 | 16 | 0.6000 | [37] |
2022 | 36 | 19 | 17 | 0.5277 | [38] |
2023 | 30 | 12 | 18 | 0.4000 | [39] |
2021-2023 (小計) |
106 | 55 | 51 | ||
通算 | 617 | 382 | 235 | 0.6191 | [40] |
2023年度まで |
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.