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日本の私立大学 ウィキペディアから
東京工科大学(とうきょうこうかだいがく、英語: Tokyo University of Technology)は、東京都八王子市片倉町1404-1に本部を置く日本の私立大学。1947年創立、1986年大学設置。大学の略称は工科大(こうかだい)、TUT。
東京工科大学は理工・文理・医療・芸術分野の各学部を設置している。また、実学主義を掲げている[1]。大学関係者が欧米諸国の大学を訪問し参考にされていることから、教育研究内容・施設・設備等々欧米風の感がある[2][3][4]。
以前は英語でTokyo Engineering Universityと表記していたが、Tokyo University of Technologyに変更された。東京工科大学サイトのURL表記等にteuとあるのはその名残である。
独立行政法人産業技術総合研究所など多数の研究所や企業が入居している建物がキャンパス内にあり、研究チーム・開発プロジェクト等を組むなど対外連携を積極的に行っている。
東京工科大学は学際的であり、リベラル・アーツ教育や外国語教育を重視している。メディア学部、応用生物学部、コンピュータサイエンス学部、デザイン学部は、コース制を導入しているため履修の自由度が高い。
国際的教養やクリティカルシンキング、創造力を身に付けた人材の育成を目指し、教養学環を設置した[5]。また、学生主体の教育を目指し、アクティブラーニングセンターを開設[5]。2014年に業務や教育用システムをフルクラウド化した[6][7]。2015年に前掲のラーニング・アウトカムの設定を行い、ルーブリックを一部科目で採用し、その評価をGPAに換算している[7]。さらに、サービスラーニングやインターンシップ、コーオプ教育が実施されており[5][8]、フレッシュアップセミナーや再試験プログラム等の学生サポートも行われている[7]。
メディア学部・応用生物学部・コンピュータサイエンス学部及びデザイン学部は、1学部1学科制を敷いている。2009年度より、担当教員が学生の相談を受けたり、教員と学生との交流を図るアドバイザー制を導入している[7]。学部及び大学院においては早期修了一貫プログラムを導入しており、このプログラムの適用対象者になりそれを利用した場合、学部を3.5年で、大学院修士課程を1.5年でそれぞれ卒業・修了でき、学部入学後5年で大学院修士課程までを修了可能である[9][10]。東京工科大学には、同じ学校法人として日本工学院専門学校、日本工学院八王子専門学校、日本工学院北海道専門学校、東京工科大学附属日本語学校があり、これら教育機関と教育研究など様々な連携を行っている[11]。教職員同士の交流も盛んである[11]。さらに、資格取得希望者等のために同法人専門学校内に大学生専用クラスを設け、ダブルスクールを可能にしている[11]。大学生と専門学校学生との交流面においては、クリエイティブ・ラボにての共同作業・学園祭の共催・サークル活動の共同活動などが挙げられる[11]。このように、より広い人との交流を可能にしている面も東京工科大学の特色の1つである。
(沿革節の主要な出典は公式サイト[12])
東京工科大学の起源は、1947年に片柳鴻により創立された創美学園まで遡る[13]。
創美学園は、1947年5月に東京都大田区女塚3丁目(現在の西蒲田5丁目)に開校した[13]。
カラーテレビ時代が到来した1964年には、東京オリンピックの実況中継にNHK技術職員として学生が運営に当たっている[13]。
1976年7月には、現在姉妹校である日本工学院専門学校が専修学校制度に基づいて開校した[13]。後に日本工学院八王子専門学校・日本工学院北海道専門学校を開校した[13]。
1985年には、国際科学技術博覧会(つくば万博)にレーザーディスプレイシステムを研究成果として出展した[13]。万博でただ一つのレーザーディスプレイということもあり、マスコミで大きく取り上げられた[13]。
1986年4月に東京工科大学を開学した[13]。これにはフランス大使の協力を得ていたこと、当初は工学部と合わせて芸術関係の学部も同時に開設予定であったことを、芸術・美術関係にも造詣の深い片柳鴻が2008年4月の東京工科大学入学式で自ら述べている。
近年では、マサチューセッツ工科大学や南カリフォルニア大学等々の大学機関、独立行政法人産業技術総合研究所や東京都八王子市、りそな銀行等々の研究所や官公庁、企業等各種機関との関係を深め、産学官連携による研究開発を積極的に行っている。
メディア学部は、1999年に八王子キャンパスに設立された。日本で初めてのメディア学部として誕生した。これには、初代学部長に就任した相磯秀夫の尽力もあった。学部内プロジェクトの一つにゲーム制作があり、その成果を東京ゲームショウで披露している[18][19][20]。また、2008年には新たな学部内プロジェクトとして、TUT MUSIC SUPPORT(TMS)が立ち上げられた[21]。このプロジェクトはアーティストの支援を行うプロジェクトであり、アーティストとしては玉城ちはる、BUNNY THE PARTY、ペリドットカフェ、乱舞虎、fuu、ダイスケ等が所属している[22]。このうち、fuuとダイスケは東京工科大学の学生である[23][24]。
(詳細は「 東京工科大学メディア学部 」を参照)
応用生物学部は、2008年に八王子キャンパスに設立された。旧・工学部の主に機械制御工学科並びに電子工学科を発展統合し、2003年に開設されたバイオニクス学部が前身である。設立に際しては、初代学部長に就任した軽部征夫も貢献した。2010年より、応用生物学部臨床工学技士コースは、医療保健学部臨床工学科に統合移管された。2020年度より2専攻4コース体制となった。
コンピュータサイエンス学部は、2003年に八王子キャンパスに設立された。旧・工学部の主に情報工学科並びに情報通信工学科を発展統合し設立された。2020年度より2専攻体制になった。
デザイン学部は、2010年に蒲田キャンパスに設立された。2020年度より2専攻4コース体制になった。
医療保健学部は、2010年に蒲田キャンパスに設立された。同学部臨床工学科は、2010年より応用生物学部臨床工学技士学科コースからの統合移管によって開設された。2021年度より理学療法学科、作業療法学科が募集停止となり、リハビリテーション学科が設置される。
工学部は、2015年に八王子キャンパスに設置され、機械工学科、電気電子工学科、応用化学科の3学科から成る。教育の柱としてサステイナブル工学を掲げ、工学以外の視点も養い、広い視野から社会の持続的発展に貢献できる人の養成を目指す[25]。また、メディア学部とコンピュータサイエンス学部で試験的に導入しているコーオプ教育を本採用し、工学部の全学生が8週間程度の就業体験を行うとしており、在学中における長期の就業体験が特徴の一つとなっている[26][27]。さらに、英語教育にも注力するとしている[28]。
(詳細は「東京工科大学工学部」 を参照)
現在募集停止の学部は以下の通りである。
工学部(1986年-2003年)
1986年の開学に合わせ、電子工学科、機械制御工学科、情報工学科が設立された。1994年に、情報通信工学科を設立した。2003年にバイオニクス学部(現・応用生物学部)、コンピュータサイエンス学部に統合された。
バイオニクス学部(2003年-2008年)
2003年に工学部を統合し設立された。2008年に「応用生物学部」へ名称変更された。
教養学環
東京工科大学は、人間形成や社会生活において必要な一般知識、教養の涵養を目的に、2012年より「東京工科大学教養スタンダード」を立ち上げた。その目的達成のために同年に設置された、学部からは独立した教員組織及び教授される学部横断型の科目群。講義内容としては、人文科目群、社会科目群、外国語科目群、情報・数理・自然科学科目群、ウェルネス科目群、社会人基礎科目群で構成される。
1993年の開設当初より、先端・境界領域分野の研究を主眼に置いている。東京工科大学大学院に対する外部からの客観的評価としては、MOT&MBA RatingsによるMOT・MBA大学院格付けで、2008年に日本国内教育機関109コース中40位(MOT分野のみでは、日本国内教育機関53コース中15位)にランクされた[29][30]。
バイオ・情報メディア研究科は工学研究科およびメディア学研究科を統合し、生命医科学および起業分野を加え2005年に設立された。
工学研究科(2018年4年新設)
デザイン研究科(2018年4年新設)
医療技術学研究科(2021年4年新設)
現在募集停止中の研究科は以下の通りである。
工学研究科(1993年-2005年)
工学研究科は1993年に修士課程、1995年に博士課程が設立された。2005年にバイオ・情報メディア研究科に統合された。
メディア学研究科(2003年-2005年)
メディア学研究科は2003年に設立された。2005年にバイオ・情報メディア研究科に統合された。
研究所
センター
図書館
研究室及びプロジェクト
東京工科大学に開設されている研究室及びプロジェクトの紹介を、以下サイトから閲覧出来る。
私立大学学術研究高度化推進事業
IPA未踏ソフトウェア創造事業
大学発事業創出実用化研究開発事業
特色ある大学教育支援プログラム
現代的教育ニーズ取組支援プログラム
先導的教育情報化推進プログラム事業
アジア人財資金構想 高度専門留学生育成事業
産学連携による実践型人材育成事業
大学教育再生加速プログラム
GPA
学生の成績評価方法として、GPAを採用している[55]。ラーニング・アウトカム(学修到達目標)を設定しており、2015年時点で一部科目においてルーブリックによる評価を行いGPAに反映している[7]。東京工科大学では、将来的にこのルーブリックを用いた評価方法を標準にする予定としている[7]。
東京工科大学教授、学長を歴任した相磯秀夫の厚意により創設された。毎年5名の卒業論文、修士論文にて優秀と認められた学内の学生に授与される。
各種団体、サークルがあり、学園祭や文化・スポーツイベントなどの活動を展開している。
毎年秋頃に学生の企画・運営で開催される八王子キャンパスの学園祭[56]。 2004年までは大学単独で「大学祭」として年1回、全17回開催された。 2005年より大学と隣接する同法人の日本工学院八王子専門学校との学生が協力し、「紅華祭」として学園祭を行っている[57]。 これら学生で構成される紅華祭実行委員会により、大学と専門学校との共催で、学生中心の学園祭が行われている[56]。
毎年秋頃に学生の企画・運営で開催される蒲田キャンパスの学園祭。2010年より大学と隣接する同法人の日本工学院専門学校との学生が協力し、学園祭を行っている。大学の蒲田キャンパス及び医療保健学部、デザイン学部開設以前は同専門学校の学生が単独で行っていた。
東京工科大学には、体育会、文化会、体育系同好会、文化系同好会がある。2008年2月現在確認出来たもので、64の公認団体と2の非公認団体がある。
東京工科大学学生によるサークルに属さない学生活動も行われている。
東京工科大学は、次の主な団体に加盟している。
東京工科大学同窓会
東京工科大学の人物一覧のページに記載する。
八王子・蒲田両キャンパスは、片柳鴻が設計をしている[70]。
東京工科大学八王子キャンパスの主な施設に関する情報は、以下のサイトから閲覧できる。
東京工科大学蒲田キャンパスの主な施設に関する情報は、以下のサイトから閲覧できる。
食堂としては、Student Canteen、FOODS FUU、セントラルプラザの3つの建物がある[79]。一般に学食と言われるような定食やお弁当は、Student Canteenで販売されている[79]。FOODS FUUには、入れ替えを含めかなりの数の有名チェーン店が入居しており、有隣堂とセブンイレブン(以前はサンクス)、ネットカフェも開業している[80]。出店当時のサンクスは日本国内のコンビニエンスストアで最も広い店舗面積を有していた。これは混雑する時間帯を見込んだ上で、通路の幅を広くする等のゆとりを持たせているためである。なお、サンクスは2018年2月に閉店し、同年4月にセブンイレブンが開業している。セントラルプラザには、日本マクドナルドが入居している[79]。日本マクドナルドが1988年6月にキャンパス内に片柳学園店を開業したのは、大学としては初めてであった。現在セントラルプラザの建物全てをマクドナルドが使用しているが、開業当時にセントラルプラザはなく、講義棟Dの1階に出店していた。
食堂としては、FOODS FUUがある[81]。FOODS FUUには、八王子キャンパスと同様に有名チェーン店やコンビニエンスストアが入居している。また、八王子キャンパスと同じくFOODS FUU正面に庭園があり、八王子キャンパスと合わせて大学全体として統一感を出している。
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体育館の中には様々な施設が含まれるが、なかでも特徴的なのはボウリング場がある点である。このボウリング場は「美ら海ボウル」と名付けられている[82]。開学当初は日本の大学に唯一つのボウリング場という点で話題になった[82]。ボウリング場敷設には、勉強や研究の合間にリフレッシュできるようにとの配慮がある。一般のボウリング場よりは若干小ぶりである。現在は管理が難しいという理由から利用不可である。[82]。トレーニングルームには、一般的なジムに置かれているようなトレーニングマシンが整えられており、誰でも利用できる。
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美術館周辺に日本庭園があり[83]、ドラマ「美味しんぼ」の撮影にも使用された[84]。
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JR横浜線八王子みなみ野駅すぐのところに第1学生会館と第2学生会館及び第3学生会館がある[85]。部屋のタイプには2タイプあり、日曜日と大学休業期間を除き朝食と夕食が用意される。第3学生会館の食堂は一般開放されており、特にランチタイムは近隣住民の利用者も多い。この食堂は一般の学生食堂と変わらないため、安さと量を兼ね備えたメニューとなっている。第3学生会館2階には、由井市民センターみなみ野分館が入居しており、幼児用のプレイルームやみなみ野に関する民俗資料室を無料で、会議室等を有料で利用できる[86][87]。
東京工科大学は、国内外複数の大学や機関と協定及び提携を結び積極的な学術交流を行っている。
協定大学・機関所在国 | 協定大学・機関名 | 協定の内容 | 協定締結年月日 |
---|---|---|---|
アメリカ合衆国 | イリノイ大学[96] | ||
カーネギーメロン大学[96][97] | 学術交流 | 2001年4月 2003年5月 2005年10月 | |
マサチューセッツ工科大学[96][98] | |||
南カリフォルニア大学[96][97] | 学術交流 | 2003年4月 2006年4月 | |
シンテロン研究所[97] | 学術交流 | 2015年9月 | |
ミズーリ大学セントルイス校[97] | 学術交流 | 2016年4月 | |
イギリス | ヨーク・セント・ジョン大学[96] | 毎年8月~9月に海外語学授業を実施 | 2003年1月 |
インドネシア | グナダルマ大学[97] | 学術交流 | 2010年10月 |
スラバヤ工科大学[97] | 学術交流 | 2013年5月 | |
ディアン・ヌスワントロ大学[97] | 学術交流 | 2015年10月 | |
バンドン工科大学[97] | 学術交流 | 2015年12月 | |
インドネシア国営石油ガス研究所[97] | 学術交流 | 2015年12月 | |
スンバワ工科大学[97] | 学術交流 | 2016年2月 | |
サウジアラビア | アルイマーム・ムハマンド・ビン・サウード・イスラーム大学[97] | 学術交流 | 2010年7月 |
アルジョウフ大学[97][99] | 学術交流、教員派遣 | 2011年6月 | |
エファット大学[97] | 学術交流 | 2010年7月 | |
スウェーデン | ゴットランド大学[100] | 学術交流 | 2012年2月 |
ウプサラ大学[97][101] | 学術交流 | 2013年9月 | |
タイ | モンクット王工科大学トンブリー校[97] | 学術交流 | 2010年11月 |
チュラーロンコーン大学[97] | 学術交流 | 2010年8月 | |
ラーチャモンコン工科大学ラタナコーシン校 | 教育カリキュラムや学校運営システム等のノウハウ提供 | ||
中国 | 中国伝媒大学[96][98] | ||
北京科技大学国際学院[97] | 編入学生受け入れ | 2009年6月 | |
北京中医薬大学[102] | 学術交流 | 2002年4月 | |
北京理工大学[97][98] | 学術交流 | ||
ドイツ | ベルリン工科大学[97][98] | 共同研究 | 2004年4月 |
Hamburg Media School[97] | 学術交流 | 2015年11月 | |
日本 | 学術・文化・産業ネットワーク多摩 | ||
大学コンソーシアム八王子 | |||
日本マレーシア高等教育大学連合 | |||
八王子未来学 | |||
三鷹ネットワーク大学 | |||
大妻女子大学 | 単位互換 | ||
恵泉女学園大学 | 単位互換 | ||
サレジオ工業高等専門学校 | 単位互換 | ||
創価大学 | 単位互換 | ||
多摩美術大学 | 単位互換 | ||
中央大学 | 単位互換 | ||
東京家政学院大学 | 単位互換 | ||
放送大学 | 単位互換 | ||
東京純心大学 | 単位互換 | ||
ヤマザキ動物看護短期大学 | 単位互換 | ||
フランス | ペルピニャン大学[97][98] | 共同研究 | 2004年10月 |
ISART Digital[97] | 学術交流 | 2015年12月 | |
マレーシア | 経営科学大学[97] | 学術交流 | 2008年3月 |
リムコックウィン創造技術大学[97] | 学術交流 | 2010年7月 | |
台湾 | 南台科技大学[97] | 学術交流 | 2016年1月 |
中央研究院 資訊科学研究所[97] | 学術交流 | 2016年6月 | |
トルコ | サバンチ大学[97] | 学術交流 | 2016年2月 |
香港 | 香港城市大学[97] | 学術交流 | 2016年4月 |
メキシコ | モンテレイ大学[97] | 学術交流 | 2016年7月 |
フィリピン | デラサール大学[97] | 学術交流 | 2016年7月 |
オランダ | ライデン大学[97] | 学術交流 | 2016年9月 |
東京工科大学は、様々な学会に参加し研究発表等を行っている。
東京工科大学は、企業、研究機関及び官公庁と産学官連携による共同研究等を行っている。
主な産学官連携団体
2012年10月7日と10月8日に開催された「紅華祭」にて、ホワイトスペースを利用するワンセグ型エリア放送が実施された[124][125]。
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