鬼曝し編
以下は角川書店刊『月刊コンプエース』で連載された番外編「鬼曝し編」で新規に登場する人物である。同作品をベースとするDS版「絆」の新規シナリオ「染伝し編」「影紡し編」のメインキャラクターでもある。
声優は主に「絆」のもの。夏美のみPS2版「祭」と「デイブレイク改」にも登場。
- 公由 夏美(きみよし なつみ)
- 声 - 水橋かおり
- 主人公。一年ほど前に興宮から都会へ引っ越してきた少女。
- 明るい性格で、そこそこ友達もいる。御三家の一つで、公由家の親族。髪が長く、いつもお団子ツインテールに結んでいる(「絆」の「澪尽し編」ではストレート・ロングになっている)。胸が小さいことを密かに気にしている。雛見沢村に関しては「ご先祖様の土地」ぐらいの愛着しか持っていない。
- 隣のクラスにいる暁のことが好きだったのだが、逆に彼に告白される。返事をしようとするが、雛見沢大災害など事件が重なりなかなか言うことができない。
- 自分自身無自覚ながら雛見沢症候群を発症し、家族全員を惨殺する。その時の記憶を母・春子が犯行を主導したかのように記憶していた。事件の真相が判明した後、病院で見舞いに来た暁を包丁で刺すが未遂に終わる。
- 後日談では一連の事件については心神喪失で無罪とされたらしく、親戚筋に引き取られた。後に暁と結婚、「藤堂夏美」となる。現在は病院に定期的に診察を受けながら暮らしている。事件当時の記憶を失い、自分の家族を殺したのは藤堂暁だと教えられ生きる目的をもらっているが、実際は事件の真相などを理解しており、暁の人生をめちゃくちゃにしてしまったことを後悔し、また同じような悲劇を繰り返さないように生きている。
- 「染伝し編」でも雛見沢症候群を発症し、家族全員を惨殺するが、その後症候群が末期を迎えてしまい、最後は暁の目の前で狂乱状態に陥ったまま喉を掻き毟り、そのまま息絶えた。
- 「影紡し編」では少々展開が異なり、中学時代に人間関係のトラブルを抱えた際、医師から与えられた薬物(かつてレナも服用していた赤いカプセル)を常用するようになったことで、家庭への不満や劣等感・嫉妬などの"黒い感情"が表に出ることがなく蓄積していき、薬の紛失によってそれが爆発した結果重度の雛見沢症候群と同じ状態になり凶行に及んだ、となっている。家族全員を惨殺した後保護され、一時"黒い感情"は抑えられていたが、同じく家族を惨殺した畠山あおいに感化されて再発し、警察署から逃走。暁との関係を邪魔したとして千紗登を殺害しようとするが、彼女の必死の説得やたしなめによって完全に自我を取り戻した。その後、赤いカプセルが通常認可が下りないほど強力な向精神薬であることが巴の遺した書類から判明したため、裁判で責任能力がなかったと判断され無罪となった。千紗登、暁、珠子らに支えられて社会復帰し、事件から5年後に暁と結婚する。
- 「絆」の「澪尽し編」では、赤いカプセルの正体が、かつて賄賂によって認可されたことが判明し販売中止になった過激な向精神薬に、雛見沢症候群の治療薬(C-103)のデータを加えて改良された未認可の薬であると明かされた。「解々し編」で知り合った巴を「お姉ちゃん」と呼ぶまで慕うようになるが、ふとしたことで千紗登たちとすれ違いが起こり夏美は「影紡し編」と同様の症状になりかけ、巴を襲うが「影紡し編」の記憶を思い出したため、自身の心の中で"黒い感情"を打ち破り、克服する。その後は裏では登場しないが、表で暁や千紗登、珠子と共に綿流し祭に来て魅音たちと会っている。
- PS2版「祭」ではゲストキャラクターとして登場。通っている学校が創立記念日で休校となった際に両親・祖母と里帰りし、雛見沢で綿流し祭を見て回る。魅音や詩音、梨花とは面識があるらしい。出番は前半パートと「綿流し編」の電話のセリフ、「澪尽し編」で昏睡状態になった沙都子の代わりに綿流しのお祭りで遊ぶシーンのみだが、公式ガイドブックに「絆」で初出であるはずの発狂モードの表情が掲載されていたことなどから、開発中は今より多くの出番が予定されていたようである。
- 「染伝し編」では千紗登の紹介で、佐伯病院系列の介護センターでアルバイトを始める。
- おまけなどに出てくるときは、かなり性格がはっちゃけており、「羞晒し編」の応援イラストでも圭一から「間違いなく御三家」だと言われている。
- 藤堂 暁(とうどう あきら)
- 声 - 日野聡
- 夏美の同級生で隣のクラス。夏美の友達である千紗登と珠子の幼馴染。
- 子供のころから絵がうまく、この高校にも美術の特待生としてこの高校に入っている。
- 夏美に告白するが、まだ返事は受けていない。夏美にたいしてなかなか積極的に行動できず、千紗登にヘタレと言われる。だが、夏美を守るという気持ちが強く、夏美の祖母の奇行を見て見ぬフリをしたり、夏美を大石たちからかばったりしている。だが、大石たちと共に事件の真相に近づくことになる。
- 後日談では大学卒業後、5年をかけて夏美を探し出し、本人の意思もあって親戚に軟禁状態でかくまわれていた夏美を連れ出し入籍する。現在は母校の助手をしながら絵の勉強をしている。
- 夏美に真実を隠し、事件の犯人は実は自分なのだと嘘をつき、彼女に生きる理由を与えて支えている。
- 「影紡し編」では上記の通り事件後早い時期から千紗登や珠子らと共に夏美に手を差し伸べ、回復し裁判でも無罪になった夏美と事件から5年後に結婚する。
- 佐伯 千紗登(さえき ちさと)
- 声 - 喜多村英梨、佐藤利奈(粋以降)
- 夏美の友達で暁の幼馴染。DS版絆の「影紡し編」の主人公の一人。
- よく夏美に気がある発言をしては珠子にツッコまれている。だが、番外編では逆に夏美たちのツッコミを彼女が担当している。大病院のお嬢様。
- 「染伝し編」では「鬼曝し編」でお蔵入りとなった暁と夏美との確執も描かれている。実は佳織という妹がいたが、数年前に病によって失っている。千紗登が骨髄移植をすれば助かる可能性があったようで、怖気づいて移植に踏み切れなかったことを後悔している千紗登は、佳織の面影を夏美に見つけ、何があっても彼女の味方でいようと決意している。
- 「影紡し編」で夏美の暴走を止め、惨劇を回避した。喫茶店兼実家で働いている山科守のことを気に掛けている。
- 牧村 珠子(まきむら たまこ)
- 声 - 福井裕佳梨
- 夏美の友達で暁の幼馴染。少々ぽっちゃりした女の子で、千紗登のストッパーとして彼女の行き過ぎた行動を止めている。
- 公由 あき(きみよし あき)
- 声 - 谷育子
- 夏美の母方の祖母。夏美を可愛がっている。
- 雛見沢村出身でオヤシロさまに対する信仰心が非常に厚く、娘夫婦と共に転居することを頑なに拒んでいた。
- 雛見沢大災害の発生以降「オヤシロさまの祟り」を恐れて奇行に走り、魔除けで埋め尽くされた自宅の様子が週刊誌に掲載されてしまう。
- 公由 春子(きみよし はるこ)
- 声 - 平松晶子
- 夏美の母。大災害以降「オヤシロさまの祟り」を恐れる実母・あきの奇行がマスメディアに取り上げられて一家が周囲から奇異の目に曝されていることに気づいている。性格はしっかりしているが時折怖い場面もある。
- 公由 冬司(きみよし とうじ)
- 声 - 藤原啓治
- 夏美の父。婿養子のため、春子に頭が上がらない。ローンがありながらも念願のマイホームを手に入れ、家族と共に平穏な日々を送っている。
- 番外編では暴走する夏美たちを普通に流したりとなかなか肝が据わっている場面もある。
宵越し編
以下はスクウェア・エニックス刊『月刊Gファンタジー』で連載された番外編「宵越し編」で新規に登場する人物である。同作品をベースとするDS版「絆」の新規シナリオ「宵越し編」のメインキャラクターでもある。
- 乙部 彰(おとべ あきら)
- 声 - 宮田幸季
- 主人公。都会に憧れて都会での生活を満喫するが、後先を考えない金遣いの荒さにより大変な金額の借金を背負ってしまう。借金取りに追い回され友人たちにも愛想を尽かされるものの、大見得を切って都会へ出たため両親にも相談できず、練炭で命を絶とうとする集まりに参加して雛見沢を訪れる。
- 同行者が大金の持ち主であることを知り皆が命を絶った後でも自分だけ生き残るよう計画。その企みは成功し大金を下ろせる預金通帳を手に逃亡を図るものの地理に疎い雛見沢という地で迷ってしまう。雨の中でぬかるんだ地面に足を取られて崖から転落。そこへ通りかかった魅音と遭遇し「同行者とはぐれた」というとっさの嘘により雛見沢を脱出する活路を見出そうとする。
- 魅音曰く、24年前「鬼隠し」に遭って行方不明となった北条悟史に似た面影を持つらしい。
- 東京の大学に進学し、一人暮らしを始めるが多重債務に苦しみ大学を中退。以後、経済的にも精神的にも極限状態まで追い詰められ、自殺系サイトへ入り浸っていた。本当は自殺サイトで知り合った芥川、マチ、千秋と共に自殺するはずだったが、千秋が多額の預金のある銀行のクレジットカードを所持していたことを知り、死んだ振りをしてカードを盗み車から逃げ出した。
- 真実を知った魅音には軽蔑され厳しく窘められるが、魅音たちと知り合ったことで一生懸命生きることの大切さを知り、カードを千秋の元に返す。クライマックスでは、園崎組乗っ取り阻止のために活躍するまでになる。
- 荒川 龍ノ介(あらかわ りゅうのすけ)
- 声 - 前野智昭
- 「週刊セブン」編集部に出入りしているフリーライター。
- 心霊スポット特集で雛見沢を取り上げ、23年前の大災害を「オヤシロ様の祟り」とする説に疑問を呈する新説の真偽を確かめるべく現地取材を強行するが、車の中で練炭により一酸化炭素中毒死した複数人の死体を発見。救援を求めるべく灯りが点いていた古手神社の集会所へ駆け込み、乙部たちと遭遇する。
- 極度の見栄っ張りな臆病者だったが、次第に乙部たちと親しくなり、物語後半では怖じ気づくどころか毅然とした態度で乙部たちを援護している。
- ラスト近くで雛見沢に関する一連の謎は解けたものの、記事にする際、魅音の件をどう説明するかで悩んでいる。
- 「絆」に収録された「宵越し編」では、ストーリーの都合上乙部に代わり主人公となっている。立ち絵は「奉」から登場。また、父・龍一も同じくフリーライターであり、「祟殺し編」のラストで登場した記者と同一人物であることが示唆された(「絆」の「宵越し編」での龍一は雛見沢大災害から生き残った人物を取材し、その十数年後水難事故で死亡している)。
- 十和田 八重(とわだ やえ)
- 声 - 新谷良子
- 閉鎖が解除された雛見沢に興味を持ち、同棲相手の工と車で訪れた女性。
- 就職せずに夢を追う工と心がすれ違い、日常的に暴力を振るわれていた。
- 精神的に追い詰められた末に工を雛見沢へ誘い出し、集会所で酔い潰れて眠っている工を殺害。その後、魅音たちに工を殺した犯人が自分であることを告白するが、工が就職先を見つけて二人の関係をやり直そうとしていたことを知り、殺害したことを後悔。魅音に諭され自分の選ぶべき道を考えた結果、自首をして新しい人生をやり直すと誓う。
- 黒澤 工(くろさわ たくみ)
- 声 - 石田彰
- 八重と同棲している男。大学時代に八重と付き合い始めた。プロのミュージシャンになることが夢。
- 八重の運転する車に同乗して雛見沢村を訪れ、古手神社の集会所でビールを飲み明かすが酔い覚ましに外へ出た際忽然と姿を消し、直後に集会所の布団の中から死体として発見される。死因は絞殺。
- 仲間がどんどん夢を諦め就職していく中で、近所の人間が「黒澤工は十和田八重のヒモ」と噂しているところに遭遇してしまい、それがきっかけで八重に暴力を振るうようになる。
- 八重から雛見沢への旅行に誘われたことをきっかけに、八重との関係を修復するため、夢を諦めて就職することを決意。就職先を見つけ、雛見沢への旅行に採用通知をこっそり持参していた。
- 芥川(あくたがわ)
- 乙部が乗って来た車を運転する初老の男性。
- 23年前の大災害発生時、雛見沢村だけでなく日本中で起きた騒動について昔語りをする。知人の借金を連帯保証人として肩代わりしていた。
- 千秋(ちあき)
- 芥川の運転する車に乙部と同乗していた若き未亡人。
- 資産家の夫に先立たれ、莫大な遺産を受け継いでいる。
- 「絆」ではフルネームは堀千秋(ほり ちあき)となっている。
- マチ
- 芥川の運転する車に乙部と同乗していた若い女性。
- 他人には知られたくない過去を抱えているらしい。マチというハンドルネームは本名の「真知子」からとったもの。
- 「絆」では、家族全員を交通事故で亡くしたことになっている。
- 三船(みふね)
- 声 - 柴田秀勝
- 園崎組組長(魅音の父)の片腕だった男。組長の病死後、組の乗っ取りを画策し頭首代行であった茜(魅音の母)を謀殺。
- 魅音を狙い、徒党を組んで雛見沢村を急襲するが、最後は魅音(詩音)に刀で斬り殺される。
- 「ひぐらし令」でも組の乗っ取りを画策するが、圭一によって女装願望を暴かれかつそれを肯定された事で、彼に心酔し、亀田同様圭一を「K」と呼び慕うようになった。
現壊し編
以下は角川書店刊『コンプエース』で連載された番外編「現壊し編」で新規に登場する人物である。
- 鳳 咲(おおとり さき)
- 瑞穂の前に現れた謎の少女。容姿・言動共に中性的。
- 謎の少女
- 詩音の前に現れた謎の双子。二人一組で行動している。カールしたロングヘアが特徴的。
- 住友 ゆかり(すみとも ゆかり)
- 詩音たちのクラス・1年花組の級長。瑞穂がクラスの平均点を下げていることに苛立っている。非常に真面目な性格で融通が利かない。
- シスター・マリア
- 学園の風紀を担当しているシスター。