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日本のテレビドラマ番組、映画作品 ウィキペディアから
『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』(スペック〜けいしちょうこうあんぶ こうあんだいごか みしょうじけんとくべつたいさくがかりじけんぼ〜)は、2010年10月8日から同年12月17日までTBS系列で毎週金曜日の22:00 - 22:54 (JST) に『金曜ドラマ』枠で放送された戸田恵梨香・加瀬亮のダブル主演の日本のテレビドラマであり、これから派生した一連の映像作品のシリーズ。
SPEC 〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜 | |
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主要な舞台となる警視庁 | |
ジャンル | テレビドラマ |
脚本 | 西荻弓絵 |
監督 |
連続ドラマ 堤幸彦 加藤新 今井夏木 金子文紀 SPEC〜翔〜/〜零〜 堤幸彦 |
出演者 |
戸田恵梨香 加瀬亮 福田沙紀 城田優 神木隆之介 竜雷太 |
製作 | |
制作 | TBSテレビ |
放送 | |
音声形式 | ステレオ放送 |
放送国・地域 | 日本 |
公式ウェブサイト | |
連続ドラマ | |
プロデューサー | 植田博樹 今井夏木 |
オープニング | THE RiCECOOKERS 「NAMInoYUKUSAKI」 (甲の回 - 乙の回) |
エンディング | THE RiCECOOKERS 「NAMInoYUKUSAKI」 (丙の回 - 戊の回) 「波のゆくさき」 (己の回 - 癸の回) |
放送期間 | 2010年10月8日 - 12月17日 |
放送時間 | 金曜日 22:00 - 22:54 |
放送枠 | 金曜ドラマ |
放送分 | 54分 |
回数 | 10 |
公式サイト | |
SPEC〜翔〜〔スペシャルドラマ〕 | |
プロデューサー | 植田博樹 今井夏木 |
出演者 | 戸田恵梨香 加瀬亮 神木隆之介 竜雷太 北村一輝 谷村美月 真野恵里菜 |
エンディング | THE RiCECOOKERS 「波のゆくさき」 |
放送期間 | 2012年4月1日 |
放送時間 | 日曜日 21:30 - 23:18 |
放送分 | 108分 |
回数 | 1 |
SPEC〜零〜〔スペシャルドラマ〕 | |
プロデューサー | 植田博樹 今井夏木 藤井和史 |
エンディング | THE RiCECOOKERS 「NAMInoYUKUSAKI〜天〜」 |
放送期間 | 2013年10月23日 |
放送時間 | 水曜日 21:00 - 22:54 |
放送分 | 114分 |
回数 | 1 |
特記事項: 『ケイゾク』の主要スタッフが制作を手掛けている 映画化作品: 『劇場版 SPEC〜天〜』(2012年) 『劇場版 SPEC〜結〜 漸ノ篇・爻ノ篇』(2013年) |
捜査一課が手に負えない超能力などを使った特殊な事件を捜査するために警視庁公安部が設立した未詳事件特別対策係、通称“未詳(ミショウ)”に配属されたIQ201の天才であり、変人の当麻紗綾と、警視庁特殊部隊 (SIT) 出身で叩き上げの瀬文焚流の2人の捜査官が、常人にはない特殊能力(SPEC)を持った犯人と対決する姿を描く。金曜ドラマ枠では前クールの『うぬぼれ刑事』に続いての刑事ドラマである。
本作品は1999年に放送され、2000年に劇場版が公開された刑事ドラマ『ケイゾク』と同一の世界観[1]であり、両作品を合わせて「ケイゾク・サーガ」[2]、あるいは後述の『SICK'S』を合わせて「SPECサーガ」と呼ばれることもある[3]。堤幸彦や西荻弓絵ら同作品の主要スタッフが本作品にも携わり、竜雷太や徳井優は両作品に同一キャラクターとして出演している。加えて、制作発表当初は仮題として『ケイゾク2』を冠していた[4]。
『TRICK』シリーズなどと同様に、『金曜ロードショー』をはじめとした裏番組などの他局ネタや時事ネタ、出演者・制作スタッフ、舞台裏の事情にまつわる楽屋ネタなどのパロディ的な要素を多く含んだ小ネタを随所に織り込んでおり、台詞や視覚的要素に笑いを誘う演出が多用されているが、『ケイゾク』と同様にハードで謎に満ちた展開がメインとなっている。初期はミステリー的な展開が多いが、物語の後半以降はSPECに関わる陰謀劇を中心に描かれる。例えるなら、某奇妙な刑事ドラマに類義する。
連続ドラマの平均視聴率は10.5%であったが、有料配信やDVD売上は好調を記録し、ザテレビジョンドラマアカデミー賞で4部門を受賞するなど高い評価を得ており、これらを受けて2011年7月8日、続編となるスペシャルドラマ『SPEC〜翔〜』と、映画『劇場版 SPEC〜天〜』が制作されることが発表された[5]。『SPEC〜翔〜』は初回放送直後で映画公開直前である4月4日にディレクターズ・カット版がDVDおよびブルーレイで発売され[6]、2012年東京ドラマアウォードの作品賞優秀賞(単発ドラマ)などを受賞した[7]。『劇場版 SPEC〜天〜』は公開後2012年5月6日現在で動員165万9681人を記録し[8]、最終興収23.9億円のヒット作となった[9]。
さらに漫画化作品『SPEC〜零〜』[10][11]などのメディアミックスに加え、2013年に同作のスペシャルドラマ化、映画第2作の『劇場版 SPEC〜結〜 漸ノ篇/爻ノ篇』の2部作公開をもって本シリーズは完結した[12]。
2018年4月より8月にかけて、「SPECサーガ完結篇」と銘打った配信限定ドラマ『SICK'S 恕乃抄 〜内閣情報調査室特務事項専従係事件簿〜』が、動画配信プラットフォームParaviの第1弾オリジナルコンテンツとして配信された[13]。その後も「覇乃抄」、「厩乃抄」と配信が継続していく予定となっている[14]。
9月28日から11月2日にかけては同じくParaviにて『SPECサーガ黎明篇「サトリの恋」』が配信された[15][16]。
また、制作サイドとファンの間ではソーシャルメディアの積極的な活用があり、ゴールデンタイムの地上波ドラマとしては先進的な取り組みが評価された[17]。
※ストーリー時系列順に記載。
前シリーズ『ケイゾク』については、ケイゾク#シリーズ、続編『SICK'S』についてはSICK'S 〜内閣情報調査室特務事項専従係事件簿〜を参照。
初回は15分拡大し、22:00 - 23:09まで放送されたほか、他の番組の影響を受けた変更や放送休止があった。10月29日は『2010世界バレー女子 日本×ポーランド』放送延長のため22:30からの放送となり、11月5日は『99年の愛〜JAPANESE AMERICANS〜』第3夜の放送のため休止された。
15分拡大部分は再放送時にはカットされ「TRICKの出演者に似せた役者の登場」「当麻が失くした財布を包帯の間から見つける」などの場面が削られている(近年のCSでの再放送ではカットされず元のままで放送されている)。
遅れネット局の秋田放送(日本テレビ系列)では、2話レギュラー放送し、2010年末の特別編成の時間帯に集中放送するという形態で放送された。なお、2009年は同等の形式で『流星の絆』が放送された。第1話と最終回のみ字幕放送を実施。
2012年2月20日から3月26日まで、『SPEC〜翔〜』・『劇場版SPEC〜天〜』のオンエアにさきがけてTBS関東ローカルで再放送された。その他地域でも2012年3月から5月にかけ昼間・深夜帯などでさまざまな形態で再放送された[18]。
2012年8月1日から8月7日まで、関東ローカルで再放送[19]。
2013年10月より、『劇場版SPEC〜結〜 漸ノ篇』公開に先立ちTBS系列各局で連続ドラマ・『SPEC〜翔〜』が再放送されたほか[20]、10月30日に『水曜プレミア』で『劇場版SPEC〜天〜』が地上波初放送された。
2020年6月11日から25日に特別編が放送[21][22](中国放送では、6月18日の第4話を広島選出の現職国会議員と同じく議員である夫人の逮捕を受けてローカルで報道特別番組に差し替えたため、翌日13:55 - 14:55に振り替え。)。
2022年1月27日17:00よりBS-TBSで連続ドラマ『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』の再放送が決まった(4Kは除く)[23]。
以下のあらすじは連続ドラマ版のもの。
出動中に部下を誤射したと疑われ異動命令を受けた警視庁SIT丙部隊長・瀬文焚流は、公安部公安第五課未詳事件特別対策係(通称:未詳)の一員となり、係長の野々村光太郎の下、天才だが変人の捜査官・当麻紗綾とコンビを組む。未詳とは、一見ひまな左遷先であるが、他部署で手に負えない事件や、超能力など科学的に説明のつかない事象に関わる難事件を捜査する部署である。当麻と瀬文は、予言者や千里眼を得たと称する死刑囚からの挑戦、他人に憑依する犯罪者などSPECを持つ者たちの関係する奇妙な事件に、当麻の天才的推理と肉体派の瀬文のコンビで次々と立ち向かってゆく。
ほぼ一話完結方式で進む物語は、中盤から拘置中の予知能力者・冷泉俊明拉致未遂事件などにより、SPECホルダーたちによる秘密組織の存在が判明し、それに対抗し殺人なども含む非合法の治安維持を行う公安零課の暗躍などが描かれる。このような中で、当麻と瀬文は先輩の里中貢の家族や誤射事件で重体になっている部下・志村優作を治療するため、協力してSPEC関連の事件を捜査し、絆を深める。
やがて、瀬文は志村を救うため、当麻の宿敵である一十一(ニノマエジュウイチ)の所属組織と取引するが、約束を破られ志村を殺害される。瀬文が巻き込まれた誤射事件も、SPECホルダー組織によるものであることが明らかになり、瀬文は志村の復讐のため未詳を出て公安零課入りするが、ニノマエはその能力により組織を恐怖支配してトップに立ち、零課を壊滅させるなど悪行を重ねる。当麻はニノマエの無敵のSPECを打ち砕く作戦を立て、勝利するが、その場で彼の正体と、影でニノマエを操ってきた、他人の記憶を操る別の敵の存在を知る。当麻と瀬文は敵に消された記憶を取り戻し、対決により傷を負いながらも、その敵を倒す。
名前横の〈 〉内は年齢。これと読み仮名は本編、公式サイト、ノベライズ、『SPEC公式解体新書』、『SPEC/Booster Book』を出典とする。
『SPEC〜翔〜』は映画第1作『劇場版 SPEC〜天〜』公開1週間前の2012年4月1日に放送された。連続ドラマの約1年後を描き、治療のため休職していた瀬文の未詳への復帰から始まる。黒幕との対決以来瀬文が当麻に不審を抱いていたことと、当麻自身が持つSPECが明らかになる。SPECホルダー・サトリが被害者になる事件の解決とともに、当麻がその能力を封印して瀬文と和解するまでを描き、映画『劇場版 SPEC〜天〜』で登場するSPEC組織の事件へと繋がるラストとなる。
未詳には新メンバーが就任し、でんでんが演じる市柳は映画『天』にも登場する。また、日本を陰で支配する御前会議とその計画する「シンプルプラン」が初めて登場する。主要なゲスト出演者は北村一輝、谷村美月、宅間孝行ほか。
スピンオフのスペシャルドラマ『SPEC〜零〜』は、『劇場版 SPEC〜結〜』2部作の公開と同時期の2013年10月23日に放送された。連続ドラマの約1年前を描き、当麻とニノマエの最初の戦いや、瀬文のSIT時代が描かれる。
映画第1作『劇場版 SPEC〜天〜』は、2012年4月7日より東宝系にて日本公開。『SPEC』、『SPEC〜翔〜』に続く物語。死んだはずのニノマエが組織を率いて反SPEC勢力の御前会議が計画するSPECホルダー抹殺計画・シンプルプランに対抗し、ミイラ死体殺人事件を皮切りとしたテロ活動を開始する。謎の予言「ファティマ第三の予言」の存在が描かれ、公安零課ほか国家レベルの指示のもと、未詳は瀬文の元恋人・青池里子(演:栗山千明)と協力して制圧に向かうが当麻のSPECは意志に反して復活する。対立を経て瀬文と絆を確かめ合う当麻はニノマエがクローンであることを見抜いて倒し、その戦いを眺める謎の青年・セカイ(演:向井理)が登場する。
映画第2作『劇場版 SPEC〜結〜』は、『漸ノ篇』(ぜんのへん)・『爻ノ篇』(こうのへん)の2部作で2013年11月1日・11月29日に連続公開された[24][25]。当初は1部作の予定であったが、物語のスケールが1作に収まりきらなかったということで前後篇に分かれた。「シンプルプラン」によるSPECホルダー抹殺計画の真実と、前作で登場した少女・青池潤(演:森山樹、大島優子)と謎の青年・セカイの正体が明らかにされ、人類の存亡を賭けてそのSPECを開放する当麻の戦いおよび、野々村や瀬文との関係の結末が描かれる。
本作品で登場する特殊能力。当麻の見解では、10%しか使われていない人間の脳の残り90%の部分を発揮することによって発現したものとされている(脳の10パーセント神話)。その能力は予知やサイコメトリー、憑依から念動力など多岐に渡るが、本作品の特徴であるコメディ的要素として、発動する際には独特の振り付けやダンスを踊ったり、ブブゼラを吹く、冷泉のSPECのように漫画『ひみつのアッコちゃん』から引用した呪文を唱えるといったユーモラスな描写で表現されるものも登場する。
SPECを持つ人間の総称。「SPEC HOLDER」の名称は公安によるもの。SPEC HOLDERで構成された集団・組織も存在しているが、組織の数やそれぞれの目的等は不明。また、SPECを持つ者は石油やレアメタルに匹敵する人的資源と見なし、これを確保しようとする国家や石油メジャー、秘密結社等がバックに存在する組織もあり、組織同士の抗争も起こっている。世界を影から動かそうとする目的が見え隠れするものの、組織や集団自体は一枚岩ではなく、組織に従わない能力者や組織に属さない能力者もいる。
なお、「己の回」で当麻が見ていた「SPEC HOLDER LIST」に堤・西荻・今井・植田ら製作スタッフの名前が多数記載されている。
以下の表では、本人の名乗っている能力と実際の能力が違う場合、能力の欄に名乗っている能力、備考の欄に真の能力を表記する。
登場回 | SPEC所有者 | 能力 | 備考 |
---|---|---|---|
甲の回 (第1話) |
一 十一 | 時を止める能力 | 指を鳴らすことで発動。正確には「人の何万倍もの速さで動くことのできる能力」。能力を発動している間に他人に触れると、触れた者も同じ速度で動くことが出来る。様々な能力の中でも極めて強力な特殊能力ではあるが、その分成長が早く、体に常人の数万倍の速度で毒や熱や電流などが回り、常人の倍以上の痛みや苦しみが襲うという大きな弱点もある。 |
脇 智宏 | 運動能力 | 指で天井に刺した注射器を破壊したり、人の肩を骨折させるほどの速度でテニスボールを投擲したり、非常に速い速度で走ることができる。 | |
冷泉 俊明 | 未来予知 | レモンの汁を吸い、呪文を唱えることで未来を予知できる。レモンに限らず占うことは可能で、『翔』ではグレープフルーツやサツマイモを使った。 | |
志村 美鈴 | サイコメトリング | 他人の体や触った物に触れると残留した相手の中のビジョンを見られる。 | |
乙の回 (第2話) |
桂 小次郎 | 千里眼 | 正確には「数百キロ先の音も聞こえるほどの非常に鋭敏な聴覚」の持ち主。 |
丙の回 (第3話) |
林 実(大学助手) | 憑依 | 状態やクセなど肉体的な特徴も相手の肉体に乗り移る特徴がある。他者に憑依している間本体の意識は失われているが、本体が負傷していると憑依中もその部分を使えなくなり、その間無防備な本体に受けた痛みなどの刺激も伝わるという弱点がある。 |
丁の回 (第4話) |
古戸 久子 | 念動力 | 左耳を引っ張ることで発動。怒りで力を最大限に解放した際は、髪が逆立ち、強力な念力を操る。 |
戊の回 (第5話) |
海野 亮太 | 病を処方する | 全身をスキャンして相手の弱っている部分を探し出し、額を当てて対象に適切な病を処方する。応用として体の一部の機能を失わせることもできる。己の回(第6話)・『翔』にも登場。 |
庚の回 (第7話) |
サトリ | 人の心を読む | 指で四角を作り、「サトリます」と言うことで発動する。脳を非常に使うため、夜12時以降は必ず睡魔に襲われるという弱点がある。『翔』・『サトリの恋』にも登場。 |
辛の回 (第8話) |
EXILE・NAOTO | ヒーリング | 神の手を持ち、あらゆる怪我や病気を治し、細胞を再生させる。他人をメッセンジャードールとして使い、能力を行使させることも可能。 |
ブブゼラリーマンズ | 物体の転送 | ブブゼラを同時に吹いて人や自分自身を転送させる。人を高所に移動させたうえで落下させ殺害することもでき、ブブゼラの音を消されると能力行使が不可能となる。癸(起)の回(最終話)・『翔』・にも登場。『天』では水着にゴーグル姿で登場。 | |
壬の回 (第9話) |
東野 幸治郎 | 念動力 | 相手の動きを封じる念動力を口から放つ。 |
癸(起)の回 (最終話) |
地居 聖 | 記憶操作 | 相手のこめかみに指先や拳をあてて記憶を書き換える。指先を軽くあてれば直前の記憶を、拳を両こめかみに長くあてれば長期にわたる記憶を操作することができる。効果は完全ではなく、小さなきっかけで記憶を取り戻されることもある。 |
〜翔(承)〜 | 当麻 紗綾(左腕) | 死者を呼び出す | SPECを使おうとすると左手が光り、地面に左手をついて念じると、死者の頭髪が手に絡みつき、地面から引き上げることで実体を伴った状態で呼び出せる。死者のSPECを使用する際は相手と左手を合わせて回り、当麻も同じ動作をする。死者は地面に沈んで死後の世界へと帰っていくが、呼び出した当麻が意識を失った場合はその場から消える。また冥界と繋がるため、SPECを使用すると冥界の死者から逆に攻撃を受けたり、操られる場合もあるというリスクを背負う。 |
神戸 明 | 瞬間移動 | 特定のポーズをとり「クェッ!」と叫ぶことで発動する。他者を瞬間移動させることも可能。 | |
ゲッツの人 | 念動力 | 「ゲッツ!」と言いながら指を指すことで、指を指した付近の物体を浮かびあげたり、衝撃を与えて吹き飛ばすことが出来る。 | |
ブレイクダンサー | 音を消す | ブレイクダンスを踊ることで、周囲のありとあらゆる音を消し去る。 | |
久遠 望 | コレクション | SPEC HOLDERの血を舐めてDNAを取り込み、そのSPECを使えるようにする。 同時に複数の能力を使用できるが、あくまで模倣品であるため、オリジナルのSPECよりも効果は劣る。 | |
〜天(転)〜 | マダム陽 | 冷さを自在に操ることができる | 「やせた〜い、でも食べた〜い、そんなあなたにハイナウマン」[注 2]と言った後に扇子を扇ぐことで冷気を発生させ、様々な物を凍らせる。テニスやボウリングなどのフォームになると攻撃力が上がる。 |
マダム陰 | 熱さを自在に操ることができる | 「マダム陰、ファイヤー!」と言った後に扇子で扇ぐことで熱気を発生させる。マダム陽との能力を交互に使うことで、敵をフリーズドライの要領でミイラ化させる。 | |
伊藤 淳史 | イガグリ | 腕から先の手の形を、尖った棒状や蛸の足状などに自由に変え、数メートルからかなりの長距離まで届かせることができる。また、自分の体を変化させ、どこにでも入り込むことができる。 | |
ループ親父 | 空間をループさせる | フラフープを体に巻きつけて歩き、周辺の空間をループさせて敵を道に迷わせることができる。 | |
セカイ | 破壊神 | 正面に手をかざし、左から右にスライドすることで、目の前の人間や物質を消すことができる。鏡で反射できるが、自分自身は霊体のため消滅しない。 | |
〜零〜 | 上野 真帆 | 心霊手術 | 自身の手を人間の体内に入れることができる。これによって心臓を握り潰して心臓麻痺を引き起こしたり、体内から取り出したりして殺人を行う。 |
ナンシー | 電気信号を操る | 「夏色のナンシー」の一節を歌って電子と会話し、電気の流れを操ったり、電子機器を操作することができる。電源が入っていない機器でも、電線や電波を伝って遠隔操作する。 | |
ケイト | 予知夢 | 当麻がニノマエに襲われる夢を見たナンシーの友達 | |
白い女(青池 潤) | 創造神 | 体を子供や大人に変えることが出来る | |
〜結〜 漸ノ篇 |
城旭斎 浄海 | 水を操る | 扇子からピストルのように超高速で水を飛ばすことができる。時には連射したり、より威力の強い水を飛ばす。 |
卑弥呼 | 破壊神 | セカイと同じ方法で同じ能力を使うことができる。 | |
白い女(青池 潤) | ヒーリング | 対象に直接触れて発動だけではなく、収束して光線として放つことが可能 | |
〜結〜 爻ノ篇 |
湯田 秀樹 | 死体のゾンビ化 | 死体に乗り移り、操ることが出来る。体をゲル状にして他の体に移動も可能 |
セカイ | 時を止める | ニノマエと同じように指を鳴らして発動させる。 | |
当麻 紗綾(右腕) | 並行世界を繋げる | 右腕を介して発動するが、その真骨頂は複数のパラレルワールドを一瞬重ねる力を持つため、不可逆性を持つ時間を支配することが出来ることで、「ソロモンの鍵」とも言われている。 | |
サトリの恋 | 来田 為右衛門 | サンダーブレイク | 呪文を唱えることで任意の場所に雷を落とすことが出来る。 |
新井 遵子 | 虜(とりこ) | 自身で撮った写真を破って紙吹雪のように舞い上げながら「水金地火木土天海海」と唱えた後、「把握しました」と言いながら手を握ることで、写っていた相手の心を操ることが出来る。つかんだ人間の心は水晶玉に封じ込められる。 |
通称「ミショウ」。本作品における架空の警視庁の部署。オフィスは警視庁地下21.5階に位置し、捜査一課では対処できない目撃証言のほとんどない犯行や、政治・宗教団体などがからむ未解決事件、とりわけ科学では解明できないSPECがらみの事件を扱う部署として、警視庁公安部公安第五課(第五課も現実には存在しない)に設立された[29]。設立を勧めたのは公安部第五課課長兼特務事項担当部長S参事官(警視正)であり[30]、係長に野々村を指名した[29]。漫画『SPEC〜零〜』ではこの人物が前作『ケイゾク』の主人公柴田純であり、当麻を未詳に紹介し、現在も野々村と連絡を取る元捜査一課弐係の女刑事や謎の人物Sと同一人物であることが示唆されている。
だが、表向きは「宇宙人にさらわれたと主張するような頭のおかしい人間や、クレーマーからの訴えをのらりくらりとかわすための苦情処理窓口」「警視庁内のお荷物的部署」とされ、昼行灯扱いの野々村を始めとして問題のある人材の左遷先であるという位置づけである。公安零課からはSPEC関連事件の囮として扱われている。
ミショウ行きのリフトは公安の管理セクションにより、使用が禁じられたために電源を止められていたが、当麻によって勝手に梯子を掛け、使用できるようになった。だが、管理セクションによって今度は壁を作られたため、警視庁の出入り口から桜田門へと回り、国文省側の通気口から入る裏道を通るしか方法はなく、若い人でも徒歩1時間弱はかかる[31]。
通称・Aggressor(アグレッサー、アグレスとも)。陸軍中野学校にルーツを持ち、隠語として「中野」と呼ばれることもある。
公安の中の公安、秘密警察の中の秘密警察と言われ、政府の中でも一部の人間にしか知られていない組織。未詳が出来る以前からSPECの存在を感知・研究しており、社会を混乱させ秩序を乱しかねないという危惧から、SPECを持った人間の存在を公にしないために非合法活動を行い暗躍し続けている。未詳を隠れ蓑として使っている。
また、老夫婦、親子連れなどの一般人になりすまして監視活動を行う者たち、果ては犬までもがスタッフとして所属している。
この零課のトップが津田助広である。津田はパブリック・ドメインとして存在しており、そのシステムは津田と同じ顔の影武者が何人もいて、津田Aが死ねば津田Bが、Bが死ねば津田Cが現われるというもので、これによって公安零課を世界最強の組織たらしめているという。その中でも津田の大元は代々宗家として受け継がれ、『天』では第24代宗家が登場する。御前会議にも出席を許されている。津田の候補となる人間は優れた素質を持った者がスカウトされ、選ばれた者は職務に対する誇りを持ち自らを究極の公務員と自負している。
津田によって処分すべきと判断されたSPECホルダーや関係者は殺害され、その後国会議事堂内の本部でだるまに名前を書き、殺した後に名前に×印をつけて部屋の中にずらりと並べられている。
確保されたSPECホルダーたちは一様に殺害されるわけではなく、その身の安全を守るため保護施設に移送する場合もあり、その中でも絶対安全とされる保護施設はデッドエンドと呼ばれ、公安零課以外には知られていない極秘の存在である。デッドエンドは厳重な警備が敷かれ核攻撃にも耐えるとされ、多数のSPECホルダーが収容されている。
企画段階であった2010年時点では、本作品のようなSFドラマは深夜ドラマ向きとされていた。プロデューサーの植田博樹は、これをプライムタイムの枠で行うため「ケイゾク2」を冠し、『ケイゾク』の続編として超能力物であることを隠して編成部と交渉していた[4]。主演の戸田と加瀬は契約時には『ケイゾク』の続編であるとされていることを知らず、制作発表の報道などでそれを知り驚いたという[37]。これについては、植田と堤が手がけたドラマ『愛なんていらねえよ、夏』の視聴率で「敗北」し[38]、今後自分たちの企画が通らないであろうことを危惧して熱海温泉で話し合った際に『ケイゾク』の続編をやることを発案したが、前作の主演2名(中谷美紀、渡部篤郎)がオファーを受けなかったため、『SPEC』の企画に「ケイゾク2」の仮タイトルを付けて始めたとのちに明かしている[39][40]。
タイトルは初め「ミショウ」とされていたが、意味が分かりづらいということで、本作品における特殊能力を表す語「SPEC」に決まった[41]。
植田によれば、シリーズとしては連続ドラマが「起」、スペシャルドラマ『SPEC〜翔〜』が「承」、『劇場版 SPEC〜天〜』が「転」と、起承転結の流れが考えられており、「結」も2012年3月時点では構想の段階でラストまで考えられていた[4]。なお、『天』の最後に当麻が「『結』をやると思ったら大間違いだぞ!」と言ったり、瀬文が「『欠』でいいか?」と当麻に尋ねながら「欠」と書かれた紙を持っていたりしていることから、いかにも続編があることを示唆しており、2013年公開の『結』で実現した。
また、本シリーズを10年スパンの企画にすることも考えられていたが、主演の戸田と加瀬が『結』で完結させることを望み、同作品を最後とすることになった[42]。
漫画『ジョジョの奇妙な冒険』の劇中の展開や設定、登場人物に多くのジョジョのオマージュが多い。「天」では実際にジョジョの単行本とジョジョ立ちをする登場人物が登場した。また視聴者からの投稿4コマ漫画にジョジョ風の絵で描かれた登場人物の漫画が投稿された。[43]
番組公式ツイッター(spec_loc)は2012年6月現在で約47,521人にフォローされている。公式アカウントでは、連続ドラマ放送後半で低視聴率に対し「視聴率、ダメでした。関係者の皆様、大変申し訳ありませんでした」といったツイートを投稿している。また、リアルタイムで作品の解説をしたり、制作当事者の声を伝えるなど、「濃い情報」を提供することに力を入れており、終了後も映画公開に至るまでドラマ版のDVD発売の情報や、映画の作業風景などを継続して伝えた[44]。
ほかに、一十一ならば1月11日など、人気キャラクターにちなんだ日にハッシュタグを付けて一斉に劇中のセリフをツイートするなどの企画が行われたが、これは視聴者からの発案で始まったものであった[41]。2012年4月1日のスペシャルドラマの際は、放送中にテレビのリモコンのdボタンを押すとデータ放送で放送実況用アカウント(spec_show、既に閉鎖済み)にあてた関連タイムラインが表示されるという試みが行われ、放送時間中のTwitter投稿数は1分当たり平均231件であった[17]。
これらの試みはテレビとソーシャルメディアの連携として先進的な取り組みであり、特にゴールデンタイムの番組として積極的に行われた姿勢が評価され、『SPEC〜翔〜』は日経デジタルマーケティングと『日経エンタテインメント!』主催による「ソーシャルテレビ・アワード 2012」大賞を受賞した[17]。
『ORIGINAL CONFIDENCE』は、映画公開前に『SPEC〜翔〜』など関連作の発売やプロモーションを集中させたことに加え、Twitterにより生の声を伝えて「コアファンの熱量を維持させた」ことが、視聴率が伸びなかったにもかかわらず映画をヒットさせた鍵の一つであると分析している[44]。
アカウントspec_locは、2012年7月31日に終了が宣言され[45]、8月1日一旦閉鎖のあと8月3日に復活した。
戸田と加瀬の本作品におけるキャスティングは、それまでの両者のイメージとは違うものであり、本作品の大きな魅力であったと評価されている[46]。
また、加瀬のキャスティングのアイデアを出したのは今井プロデューサーで、第5・6話ゲストの大森南朋も元同級生であった彼女の発案による[47]。
このほか、一 二三役を演じる篠原恵美は『紳助社長のプロデュース大作戦!』の企画としてアラフォーの一般女性を対象に公募したオーディションで選抜された。その模様は2010年10月12日の同番組で放送。一 十一役の神木と高橋茂雄(サバンナ)が審査員となり、最終的には最終候補4人がそれぞれ神木を相手に芝居をしたシーンから島田紳助が選んだ。
本作品はロケーション撮影が基本[50]のため、多数のロケ地がある。以下は代表的なもの。
主題歌はTHE RiCECOOKERSによる、ドラマのために書き下ろされたオリジナル曲である。このバンドの起用は堤幸彦監督の指名によるもので、全10回の放送で流れる主題歌のアレンジを、各回ごとに違うバージョンにする、という希望が出された。THE RiCECOOKERSはこれに応え、初めに作成された日本語詞の楽曲「波のゆくさき」に加えて同曲の英語詞バージョン「NAMInoYUKUSAKI」を作り、この2曲を合計10パターンにアレンジした。
これはドラマの毎回のタイトルバック映像を、各回ごとに違うパターンにするという演出に合わせたものである。本作品のタイトルバックはフラッシュバック映像を使用しているが、『ケイゾク』のタイトルバックでも同様の演出が行われていた。
実際の放送においては、甲の回から戊の回までは「NAMInoYUKUSAKI」、己の回以降は日本語の「波のゆくさき」が使用された。また、甲の回と己の回、乙の回と庚の回、丙の回と辛の回、戊の回と壬の回のアレンジは同じである。また『翔』では「波のゆくさき」のCD版アレンジの長めのバージョン、映画『天』ではさらに新しいアレンジの「NAMInoYUKUSAKI〜天〜」が使用されている。
また、連続ドラマ放送時は、各回の放送後から次週の放送終了までの間、TBSの公式携帯サイトから主題歌の各回毎のアレンジ版の着うたをダウンロードできるようになっていた。
2011年3月23日に発売されたDVDとBlu-ray Discは、発売から年度末(3月末)までの9日間で60,300枚(映画版公式サイトの発表では12,000セット[57])を売り、東京放送ホールディングスの2010年度の年間売上第1位となった[58]。2014年5月20日付の累計売上数は209,788枚[59]。オリコンチャートによる記録では、2012年4月4日付週間チャートでDVDは初登場19位、売上は3,206枚、Blu-rayは初登場4位、3,243枚で[60]、翌週4月11日付では38位、累計3,643枚となっている[61]。
2012年4月4日発売の『SPEC〜翔〜』ディレクターズカット版のBlu-ray Discはオリコン週間ブルーレイディスク(BD)ランキング(4月16日付)でドラマ部門の1位となり、総合部門でも2位を記録、初週の売り上げは約6000枚であった。DVDも同チャートで総合10位、初週売上4000枚となった[62]。BDの週間ランキング2位の成績は、テレビドラマ作品としては同年10月22日付で『鍵のかかった部屋 Blu-ray BOX』が1位を獲得するまでは他の2作品とともに最高位であった[63]。
また下記にあるように、GYAO!ストアでの有料動画配信が上位を記録している。TBSペイテレビ事業部担当部長によれば、有料動画配信は「異常なほど売れた」といい、『ケイゾク』もこの時期に売れ行きが伸びている。理由として堤幸彦の演出の人気を挙げ、有料であるがゆえに「とんがった演出家の作品など、『持っておきたい』ものは人気が高い」と分析している[64]。
このほか、関連商品のうち書籍11種類については、2012年12月現在、累計91万部を売り上げている[65]。
本作品は評論家からもさまざまな評価を得た。
コラムニストの亀和田武は『週刊文春』の連載コラムで2度に渡って取り上げ、「暴力に覆われた二〇一〇年の世界を描き切る『SPEC』」と評し、また特に戸田の演技を「ヤンキーにして小悪魔女優という奇跡」「物語がスケールアップしていく速度に合わせて、彼女の演技も幅を増し、微細なニュアンスまで表現していく」とその魅力を表現して絶賛した[69][70]。一方、今井舞は同じく『週刊文春』のドラマ記事で「今期ワースト」「全てが『これ、面白いでしょ』の押しつけ」などと批判している[71]。
評論家の宇野常寛は「圧倒的なクオリティ」「〔堤幸彦を越えられない〕ドラマ業界の未来が心配になる」など、全体的に高く評価し、J・J・エイブラムスなどの日本国外のドラマの手法を取り入れつつ日本特有の文脈を加えたと指摘した。また、『ケイゾク』をトラウマ理論的人間観やサイコ・サスペンスがブームとなっていた同時代を斜めに見て作られた「90年代の総決算」とした上で、『TRICK』を経て、異能力があふれる世界を描く本作品を「過剰な『本物』、過剰な現実にどう立ち向かうかが主題になっている」「ゼロ年代の総決算」としている[72]。
話数は十干と起承転結で表記されている。本項では便宜上数字の話数も併記している。
話数 | 放送回 | 放送日 | サブタイトル[73] | 演出 | 視聴率 |
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1 | 甲の回 | 2010年10月 | 8日魔弾の射手[注 4] | 堤幸彦 | 11.5%[74] |
2 | 乙の回 | 10月15日 | 天の双眸 | 8.2% | |
3 | 丙の回 | 10月22日 | 漂泊の憑依者 | 加藤新 | 10.1% |
4 | 丁の回 | 10月29日 | 希死念慮の饗宴 | 今井夏木 | 11.6% |
5 | 戊の回 | 11月12日 | 堕天刑事 | 堤幸彦 | 12.1% |
6 | 己の回 | 11月19日 | 病の処方箋 | 金子文紀 | 10.0% |
7 | 庚の回 | 11月26日 | 覚吾知真 | 加藤新 | 9.6% |
8 | 辛の回 | 12月 | 3日魑魅魍魎 | 今井夏木 | 10.1% |
9 | 壬の回 | 12月10日 | 冥王降臨 | 堤幸彦 | 9.0% |
10 | 癸(起)の回 | 12月17日 | 百年の孤独 | 12.9%[75] | |
平均視聴率 10.5%[44](視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
『SPEC 〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜 オリジナル・サウンドトラック』 | ||||
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SPEC の サウンドトラック | ||||
リリース | ||||
録音 | 2010年 日本 | |||
ジャンル | サウンドトラック | |||
レーベル | Anchor Records | |||
チャート最高順位 | ||||
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SPEC アルバム 年表 | ||||
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