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『男どアホウ甲子園』(おとこどアホウこうしえん)は、原作・佐々木守、漫画・水島新司による野球漫画。1970年から1975年まで『週刊少年サンデー』で連載された。1970年から1971年にテレビアニメが放送された。第19回(昭和48年度)小学館漫画賞受賞。
ストレートしか投げない豪腕投手、「剛球一直線」藤村甲子園(ふじむら こうしえん)。甲子園球場の申し子である彼が、持ち前の超剛速球を武器として、女房役・豆タンらと共に甲子園大会優勝を、そして阪神タイガースを目指す。
続編として『一球さん』、およびクロスオーバー作品『大甲子園』がある。
1999年36・37合併号に「20世紀最大の読み切りシリーズ」の一作として読み切り版が復活掲載された。
『ドカベン ドリームトーナメント編』において、藤村甲子園・岩風五郎・東海の竜・小野田信長が阪神の選手として登場した。
前年に花登筺とのコンビで『エースの条件』を連載していたが、本作が「野球漫画家」としての水島新司の出世作である[1]。
当初は水島ひとりで開始した本作だが、水島の胃の不調による休載に危機感を持った担当編集者が『柔道一直線』の主人公・一条直也と藤村甲子園に相通じる要素を感じたことから、同作のメイン脚本家の佐々木守にストーリー担当を依頼し[2]、水島本人も連載の苦境から承知した(後に「私が創案した人物を上手く動かしてくれた」「佐々木さんのおかげで5年間やった」と語っている[2])。しかし、佐々木には野球についての知識がなく、水島から「こんなに野球のことを知らない人は初めて」と言われたという[3](タイトルおよび主人公の名前にもなっている甲子園球場を、水島に指摘されるまで、大阪にあるものだと思っていた)[4]。そのため、野球の試合部分になると一転して、水島が全部話を作るという行程を経ていた[2]。また、連載終了後の権利関係は、水島が単独で執筆したその後のクロスオーバー作品にも本作品の登場人物が頻繁に登場するなど、ほぼ水島側に一任されている状態となっている。
一方、野球漫画の原作に慣れた佐々木は、連載終盤の1974年には本作と並行して、作画のあだち充にとっては初の野球漫画となる『リトル・ボーイ』を『週刊少年サンデー』で連載した。
連載当時のプロ野球選手、コーチ、スタッフが多数実名で登場する。
『男どアホウ!甲子園』(原作と違い、「!」が入る)のタイトルで、1970年9月28日から1971年3月27日まで日本テレビで放映。放送時間は毎週月曜 - 土曜、18時35分 - 18時45分、全156回(全26話)。
各週、月曜日から土曜日の10分枠で各話の第1回から第6回を放映。26週終了後、同枠で1971年9月まで再放送をし、同時に1966年1月3日開始の『まんがホームラン』以来5年9ヶ月続いた18:35枠帯アニメ路線は、事実上終了した。
近畿を舞台とした物語であり登場人物は関西弁で話しているが、第1話放送後に制作会社である日本テレビの近畿出身の上層部が「声優たちの関西弁があまりにひどく、聞くにたえない。来週から標準語にしろ」と要求したため、第3話は標準語の台詞で収録・放映された[7]。しかし、それに反対した脚本の雪室俊一は「それならタイトルをいっそ『男大バカ後楽園』とでもしろ!」と怒り、脚本を降板[7]。その後、やはり違和感が大きかったため局に抗議が殺到し、第4話から関西弁の台詞に戻された[7]。甲子園を演じた井上真樹夫は後年、このことについて『「それっぽい方言なら良い」と業界全体が考えており何ら違和感がない時代』であり[8]、演出側にも「方言なんて適当でいいよ」と言われ出演を承諾、台本に忠実に演じたと語っている[9][10]。
ドラマは概ね原作の高校編に準じるが、南波野球部を襲う数々の危機は、丹波グループと神島グループの対立に巻き込まれる形に整理され、全共闘の結成や学校側の八百長陰謀などは割愛されている。甲子園が丹波や神島と和解し南波ナインが結成された後は、春の選抜大会優勝で最終回を迎えている。(夏の全国大会までは描かれていない。)
後に第1話から第4話を収録したVHSビデオ全2巻がバップから発売された。
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