橋本駅 (和歌山県)
和歌山県橋本市にある南海電気鉄道・西日本旅客鉄道の駅 ウィキペディアから
和歌山県橋本市にある南海電気鉄道・西日本旅客鉄道の駅 ウィキペディアから
橋本駅(はしもとえき)は、和歌山県橋本市古佐田一丁目にある西日本旅客鉄道(JR西日本)・南海電気鉄道の駅。標高92 m。
JR西日本の和歌山線と南海電気鉄道の高野線の接続駅で、両路線の全営業列車が停車する橋本市の代表駅。ICカード等の扱いに関しては後述。以前は改札を出ずに乗換が可能な共同使用駅だったが、例年8月に開催されていた「紀ノ川祭」の際には見物客で激しく混雑して改札制限することもあり、2011年の改良工事で改札口が別となった。
和歌山駅から地区駅長が配属される被管理駅で、構内には橋本運転区の事務所(旧橋本鉄道部)がある。
また急病人発生に備えて自動体外式除細動器 (AED) が1台設置され、迅速かつ適切に対応できるように全駅係員が講習と訓練を受ける。「こども110番の駅」にも指定された[1]。
南海の駅番号はNK77が設定されており、日本国有鉄道(国鉄)時代から駅長を配置していたが、書類上の肩書は紀伊清水駅長。現在は紀見峠駅 - 高野下駅間を管理する。かつては難波駅から極楽橋駅方面へ直通する「大運転」の列車車両の増解結作業がしばしば行われていた。現在では大運転の本数が減り、難波駅 - 当駅間を往復するほとんどの通勤車両の急行は当駅 - 高野下駅または極楽橋駅発着の各駅停車と接続する(当駅以遠の最長編成両数がズームカーまたは特急車の17メートル車4両であるため)。南海電鉄では最も東に位置する駅である。
鉄道唱歌第5集(関西・参宮・南海篇)(1900年(明治33年)作詞)43番の歌詞にて、当駅が登場する。なお、作詞当時において現在の南海の橋本・九度山・高野山の各駅は存在していないため、歌詞中の「橋本」は紀和鉄道の橋本駅のことである。
瞬くひまに橋本と 叫ぶ駅夫に道とえば紀ノ川わたり九度山を すぎて三里ぞ高野まで
1 - 3番のりばがJR和歌山線ホーム、4・5番線が南海高野線ホーム(4・5番線ともに上下線関係なく使用)となっており、この各ホームへは橋上駅舎・跨線橋で連絡する。
JR⇔南海の乗り換えの際に改札口を出て切符を買い直す必要をなくすため、跨線橋にそれぞれの簡易券売機と簡易自動改札機が設置(2・3番のりばにも設置)されていた。改札外にトイレが設置されている。
長らく駅舎とJR・南海ホームは老朽化した跨線橋だけで結ばれており、ユニバーサルトイレが無く、南海側は汲取式と、バリアフリー化が遅れていたが、2010年3月からエレベーターの設置をはじめ、同年4月から[14]2011年3月1日[6] にかけて南海橋上駅舎とエレベーター付き跨線橋が駅舎施設の整備が行われた。
駅入口を共有するJRと南海はこのバリアフリー化工事完成に伴って、南海切符売り場と改札口を橋上駅舎に移動。従来の地上改札口はJR専用となり、自動改札機が撤去されて有人改札となる。
南海橋上駅舎にもJR線の券売機・改札口が設置されているが、自由通路ではない跨線橋は南海の留置線を跨いで駅北側までは達しておらず、駅北側から利用するためには従来通りJR駅舎のある南側まで迂回する必要がある。
南海の改札のほぼ正面にJR線の券売機・改札口が設置されており、地上駅舎まで迂回しないで済むように配慮されているが、元乗り換え改札口は分離時に終日無人となった。
南海ではPiTaPaやICOCAがピンク色の券売機または窓口、改札内では精算機で利用できる。また、JRも2020年3月14日からPiTaPaやICOCAが使用できるようになった。
← 南海高野線 難波方面 JR和歌山線 和歌山方面 |
→ 南海高野線 極楽橋方面 JR和歌山線 王寺方面 |
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凡例 出典:鉄道ピクトリアル 2008年8月臨時増刊「南海電気鉄道」 |
和歌山駅が管理している直営駅で、地区駅長が配属されている。
片面・島式2面3線を使用。
以前は改札内にトイレが設置され、1番線の待合室に地元から寄贈された多数の本があり、ミニ図書館の役割を果たしていたが、バリアフリー化工事に伴い撤去。バリアフリー化工事完成後は改札外に移され、引き続き地元の憩いの場となっている。
島式1面2線を使用。難波方面からの複線は当駅までとなっており、極楽橋方面は単線となる。検車区として機能していた留置線が2線あり、夜間滞泊のほか日中の車両留置にも用いられる。
信号装置の関係上、回送・試運転も含めすべての列車が停車し、原則的には、難波方面行き上り列車が4番線、高野山極楽橋方面行き下り列車が5番線から発車する。なお、各番線は特急の発着時や時間帯により両方面ともに使用されるため、発車放送については難波駅と同様、のりばだけでなく行先も案内される。
ホームには特急券自動販売機(硬貨と1000円札のみ使用可)と観光列車「天空」専用の座席指定券売場(発車直前にのみ利用可)があり、編成やドア数・位置が様々な当駅折り返し列車の発着番線と併せて列車停止位置表示機能の付いたフルカラーLED式発車案内表示機がある。また、この発車案内表示機とは別に、LED式の接近案内表示機および極楽橋方面へのワンマン運転用のミラー(ホーム端)が設置されている。駅名標は、2009年以降順次取り付けられた4か国語対応の案内や、駅の標高などが記された[16]、こうや花鉄道仕様のものに変更されている。
当駅以北では駅自動放送設備が充実しているが、当駅で到着後回送扱いとなる列車も多い。また、2005年以降には極楽橋方面列車と難波方面列車が同一ホームに停車し始めるなど、日中時間帯を中心に車両の増解結や回送・入換列車の停車が頻繁にあるため、終日駅係員が全列車に対して出発時機合図(≒発車ベル)を鳴動させるなど、自動放送を導入しづらい事情があった[注釈 1]。そのため、駅自動放送が無く、駅係員が適宜肉声によって案内放送を行っていた。2020年秋からは主要駅と同じ駅自動放送が流れている。
当駅以南の駅で肉声案内放送が行われる駅は、極楽橋駅と高野山駅が主であり、その他の駅では肉声での案内放送すら行われない(但し異常時等は遠隔制御装置を用いて放送が行われる場合もある)。
トイレは2021年にリニューアルされ、個室は全て洋式となった[17][注釈 2]。トイレとホームの屋根は繋がっておらず一旦屋根のない部分を通る必要がある。ホーム屋根の終端部には傘が用意されているがこれは乗務員用であり、傘立てにもその旨が書かれている。また、ユニバーサルトイレについても改札外は一般のトイレと併設されているが、南海側は従来のトイレが狭隘な場所にあるために組み込めず、橋上駅舎下に単独で設置されている(エレベーター裏)。
各年度の1日平均乗降・乗車人員数は下表のとおり。
年度 | JR西日本 | 南海電気鉄道 | 出典 | ||
---|---|---|---|---|---|
1日平均 乗降人員 | 1日平均 乗車人員 | 1日平均 乗降人員 | 順位 | ||
1980年(昭和55年) | 12,816 | 11,284 | — | [県統計 1][県統計 2] | |
1985年(昭和60年) | 12,712 | 10,437 | — | [県統計 1][県統計 2] | |
1990年(平成 | 2年)5,898 | 2,949 | 10,503 | — | [県統計 1][県統計 2][市統計 1] |
1991年(平成 | 3年)3,014 | 10,551 | — | [市統計 1] | |
1992年(平成 | 4年)3,176 | 10,906 | — | [市統計 1] | |
1993年(平成 | 5年)3,204 | 10,970 | — | [市統計 1] | |
1994年(平成 | 6年)3,296 | 11,132 | — | [市統計 1] | |
1995年(平成 | 7年)6,620 | 3,305 | 11,388 | — | [県統計 1][県統計 2][市統計 1] |
1996年(平成 | 8年)3,316 | 11,578 | — | [市統計 1] | |
1997年(平成 | 9年)3,281 | 11,559 | — | [市統計 1] | |
1998年(平成10年) | 3,265 | 11,719 | — | [市統計 1] | |
1999年(平成11年) | 3,199 | 11,244 | — | [市統計 1] | |
2000年(平成12年) | 6,338 | 3,160 | 10,790 | — | [県統計 1][県統計 2][市統計 1] |
2001年(平成13年) | 6,176 | 3,088 | 10,413 | — | [県統計 1][県統計 2][市統計 1] |
2002年(平成14年) | 5,680 | 2,840 | 10,271 | — | [県統計 1][県統計 2][市統計 1] |
2003年(平成15年) | 5,502 | 2,743 | 9,951 | — | [県統計 1][県統計 2][市統計 1] |
2004年(平成16年) | 5,602 | 2,801 | 9,779 | 29位 | [県統計 1][県統計 2][市統計 1] |
2005年(平成17年) | 5,486 | 2,743 | 9,492 | — | [県統計 1][県統計 2][市統計 1] |
2006年(平成18年) | 5,472 | 2,736 | 9,361 | — | [県統計 1][県統計 2][市統計 2] |
2007年(平成19年) | 5,240 | 2,620 | 9,354 | — | [県統計 1][県統計 2][市統計 2] |
2008年(平成20年) | 5,312 | 2,663 | 9,254 | — | [県統計 1][県統計 2][市統計 3] |
2009年(平成21年) | 5,160 | 2,581 | 8,905 | — | [県統計 1][県統計 2][市統計 3] |
2010年(平成22年) | 5,176 | 2,588 | 8,763 | 32位 | [県統計 1][県統計 2][市統計 3] |
2011年(平成23年) | 5,470 | 2,735 | 8,927 | 30位 | [県統計 1][県統計 3][市統計 4] |
2012年(平成24年) | 5,394 | 2,697 | 8,875 | 31位 | [県統計 1][県統計 2][市統計 4] |
2013年(平成25年) | 5,376 | 2,688 | 8,934 | 32位 | [県統計 1][県統計 3] |
2014年(平成26年) | 5,142 | 2,570 | 8,587 | 32位 | [県統計 1][県統計 3] |
2015年(平成27年) | 5,160 | 2,580 | 8,719 | 32位 | [県統計 4] |
2016年(平成28年) | 4,974 | 2,487 | 8,510 | 35位 | [県統計 5] |
2017年(平成29年) | 4,766 | 2,383 | 8,222 | 37位 | [県統計 6] |
2018年(平成30年) | 4,660 | 2,330 | 7,942 | 39位 | [県統計 7] |
2019年(令和元年) | 4,418 | 2,209 | 7,544 | 41位 | [県統計 8] |
2020年(令和 | 2年)3,372 | 1,685 | 5,460 | 43位 | [県統計 9][南海 2] |
2021年(令和 | 3年)3,502 | 1,751 | 5,419 | 45位 | [南海 3] |
2022年(令和 | 4年)3,618 | 1,809 | 6,062 | 43位 | [南海 4] |
2023年(令和 | 5年)6,169 | 45位 | [南海 1] |
上表の通り互いの利用者の比較は、1980年と1985年は国鉄が南海を少し上回っていたが、JRになった後の1990年以降はこれが逆転している。
橋本市の中心街となっている。市役所などの官公庁は当駅から西寄り、国道24号沿いに集中している。
駅前ロータリーに「橋本駅前」停留所があり、下記の各路線が発着する。
橋本市デマンドタクシー
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