『BLEACH 』(ブリーチ)は、久保帯人 による日本の漫画 作品。『赤マルジャンプ 』(集英社)2001 WINTERに掲載された読み切り版 を経て、『週刊少年ジャンプ 』(集英社 )にて2001年36・37合併号から2016年38号まで連載された[4] 。悪霊を退治する死神 の代行者になった高校生・黒崎一護 と仲間たちの活躍を描く剣戟バトルアクションコミック[2] [9] 。
概要 ジャンル, 漫画 ...
BLEACH
ジャンル
少年漫画 [1] 、剣劇バトルアクション[2] 、学園漫画 [3]
漫画
作者
久保帯人
出版社
集英社
掲載誌
週刊少年ジャンプ
レーベル
ジャンプ・コミックス
発表号
2001年36・37合併号 - 2016年38号
発表期間
2001年8月7日[4] - 2016年8月22日[4]
巻数
全74巻
話数
全698話 (本編:686話 + 過去編:12話)
漫画:カラブリ!
作者
久保帯人
出版社
集英社
掲載誌
Vジャンプ
レーベル
ジャンプ・コミックス
発表号
2005年1月号 - 2007年9月号
発表期間
2004年11月20日[5] - 2007年7月21日[6]
巻数
全1巻
話数
全37話
漫画:BLEACH4コマ コマブリ
作者
大場敦 『BLEACH』(原作:久保帯人)より
出版社
集英社
掲載誌
最強ジャンプ
レーベル
ジャンプ・コミックス
発表期間
週刊少年ジャンプ増刊最強ジャンプ:2011年夏号、秋号 最強ジャンプ:2012年1月号 - 2013年4月号
巻数
全2巻
話数
全17話
漫画:BLEACH 獄頤鳴鳴篇
作者
久保帯人
出版社
集英社
掲載誌
週刊少年ジャンプ
レーベル
ジャンプコミックスDIGITAL
発表期間
2021年36・37合併号(2021年8月10日[7] )
巻数
全1巻
話数
全1話
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漫画
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漫画
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第50回小学館漫画賞 少年向け部門受賞。2022年7月時点で全世界シリーズ累計発行部数は1億3,000万部を突破している[11] 。
2000年代の『週刊少年ジャンプ』を代表する[12] 看板作品のひとつであり[13] 、小説化 、テレビアニメ化 、トレーディングカードゲーム化 、コンピュータゲーム化 、ミュージカル化 、劇場アニメ化 、実写映画化 などの多様なメディアミックスが展開された。
『週刊少年ジャンプ』2021年36・37合併号には、本編完結後の新たなエピソードを描いた読み切り作品「BLEACH 獄頤鳴鳴篇 」(ブリーチ ごくいめいめいへん)が掲載された[7] 。また、2020年3月に始動した「BLEACH20周年プロジェクト」の一環として、原画展 が開催されたほか[15] 、テレビアニメ『BLEACH 千年血戦篇 』の放送が開始された[2] 。
基本用語
魂魄 (こんぱく)
作中における、霊魂の呼び方。
人間に限らず、全ての生き物は肉体に魂魄を宿しているという設定だが、「魂」と「魄」を別ける区分はない。また、自身の肉体と「因果の鎖」で繋がっている。
なお、霊体であるため霊感のない者には見えることはない。また、魂魄と肉体は生きている間密接な関係にあり、魂魄が傷を負った状態で肉体に戻った場合は肉体にもその傷が現われる。
本作では、このように霊的物を構成している主要物質を霊子(れいし)といい、それに対し肉体等現世のあらゆるものを構成している主要物質を器子(きし)という。生物が現世で死に、肉体が朽ちると、魂魄は最終的には尸魂界か地獄に行き着く。また、死神を含めた魂魄が死ぬと身体が崩れ霊子となる。
整 (プラス)
虚(ホロウ)に堕ちていない、通常の霊魂。
基本的に人畜無害だが、何かに強い未練がある場合はその対象に因果の鎖を絡めとられ、憑き霊や地縛霊となる。
成仏や死神の魂葬により尸魂界へと送られた彼らは流魂街の住人となり、生まれ変わりの時を待つ。
霊力を持たないほとんどの整(流魂街の住人)は歳をとらず、食事も必要としない。ただし子供を作ることはできる。霊力を持つものは死神の素質を有し、時間ではなく霊力の成長に伴って歳を取り、食事も必要となる。
半虚 (デミ・ホロウ)
虚に堕ちかけている整(プラス)のこと。
胸の孔はまだ空きかけで仮面はない。だが無理にその孔を空けてしまうと、虚化が進んでしまう。
魄動(はくどう)
魂魄が発する、霊力の波紋。
これを察知することで、存在や生死を判断できる。
因果の鎖 (いんがのくさり)
生きている間、常に自身の肉体と魂魄を繋いでいる鎖。
通常、人間の魂魄を身体から抜いて(幽体離脱 時)も肉体から鎖の長さ分しか移動することはできない。これが切れると魂魄は肉体に戻れず死亡、更にそのまま放置すると鎖の切れた部分から霊体に向かって侵食が進み、それが霊体まで到達すると人は虚となる。この鎖を引き抜く、もしくは胸をいじって孔を広げると、虚化が加速する。魂葬を行うことで虚化を回避する場合が多いが、この状態から霊力を引き出して死神になるという一か八かの危険な回避方法もある。しかしこの方法は潜在的に死神の力を秘めている魂魄にしか通用しないため、一般的な人間の魂魄にはまず当て嵌まらない手段である。
霊力 (れいりょく)
魂魄が持つ、霊なるものに働きかける力の事。
霊力が高いほど霊体の動きは俊敏になり、実の肉体を遥かに上回る運動能力を発揮できる。霊力の高さ=戦闘能力の高さであるケースが多いのは、このためである。また、斬魄刀の能力も持ち主である死神の霊力に比例するため、隊長格の持つ斬魄刀は一様に他の死神を凌ぐ強力さを誇る。
霊圧 (れいあつ)
霊体が発する霊的な圧力のこと。
霊力が高い者ほど発する霊圧も強くなるため、霊圧で相手の霊力の高さを計ることもできるが、発生源である霊体のコンディションによって常に強弱の波がある。また、一定以上の霊力を持たない霊体からは霊圧は発せられないようである。
なお、霊圧は単なる威圧感などではなく、ある程度実質的な圧力を持っているようで、一点集中で放たれれば相応の破壊力を持つ。大虚 の放つ虚閃 や一護の斬魄刀『斬月』の技「月牙天衝 」などは、高密度の霊圧を利用して圧倒的な破壊力を実現している。
霊圧を発する者と受ける者に差があると、それはプレッシャー・威圧感から始まり、差が広がるにつれて息苦しさを覚えるなどの体調不良を引き起こす(いわゆる『あてられる』)。例としては、卍解習得前の一護が剣八から霊圧を感じた時や、卍解習得直後の恋次が朽木白哉ににらまれた時は空から押しつぶされそうになるほどの圧力を感じたがそれだけで、逆に山本元柳斎が怒りを持って発した霊圧を席官クラスの死神が受けた際は呼吸困難に陥って動く事すらままならなかった。
霊圧の差があまりにも絶大な差になると、霊圧を受ける側はあてられるのを通り越して霊圧の感覚が麻痺してしまい、あたかも霊圧を発していないかのように感じられるようになる。また、死神などある程度の霊圧を持つものに対してこれほどの霊圧の差を持つ存在が一般人など特に霊力を持たない存在に近づくと、一般人の側は肉体・魂魄ともに構造を維持することができずに消滅してしまう。
尸魂界の貴族の間では霊圧の強さを表す単位として「霊威」が用いられており、「○等霊威」(○は漢数字 )と表記される。数字が小さいほど強力な霊圧の持ち主とされ、一般隊士は二十等、副隊長レベルは四等 - 五等、隊長格は三等以上に相当する。霊威が三等以上の者は霊圧が強すぎて尸魂界でも現世でも還元できないため、罪状の有無に関わらず死後地獄に堕とされる事が『獄頤鳴鳴篇』で明かされている。
死神
本作の死神は、人間の寿命を遥かに超える時間を生きており、死覇装(しはくしょう)と呼ばれる黒い着物に斬魄刀(ざんぱくとう)と呼ばれる刀を帯刀している。
霊界 にあたる尸魂界 (ソウル・ソサエティ)にある護廷十三隊 という組織に所属しており、迷いし霊・整(プラス)を尸魂界に送ったり、現世を荒らす悪霊・虚から現世を護り、尸魂界と現世にある魂魄の量を均等に保つことが役目の調整者である。通常人間5万人に1人の割合で現世に配属されるが、必要に応じて増員される場合がある。相当霊感 のある人間でなければ、その姿を見ることはできない。
なお、劇場版第1作『MEMORIES OF NOBODY 』での浦原の発言によると、流魂街出身の死神(生前、現世に人間として生きていた者)は、生前の記憶がないらしい。
一般的に真央霊術院を卒業した者が死神になるが、ごく稀に死神から能力を譲渡された人間(例:黒崎一護)や改造魂魄(例:九条望実)、輪廻を外れた魂魄から抜け落ちた記憶の集合体・思念珠(例:劇場版第1作の茜雫)が死神になることもある。
入隊後は、人事異動も何度かあり、昇進や他の隊へ移ることも何度かある。
個人の事情でやむを得ず隊から離れるときは休隊、復隊の目処が立たないときは除籍となる。「護廷十三隊は高尚な組織である」という中央四十六室の建前上、隊士本人の意思で隊を離れること(脱退)はできない仕組みとなっているが、実際は周囲と隔離する必要があると判断された死神を後述の「蛆虫の巣」に連行・収監し、これによって隊を離れた死神を脱退扱いとしている。
戦闘方法は、個々の死神特有の斬魄刀による戦術(斬術)を主にしながら、白打(素手による体術)、歩法(移動術)、鬼道(呪術)を絡めた4種類の戦術(「斬」「拳」「走」「鬼」)。それぞれの詳細については各項目を参照のこと。
斬魄刀 (ざんぱくとう)
死神が持つ、特殊な能力を持つ刀 。
その役割は整を尸魂界へと送る「魂葬」を行うことと、斬り伏せることで虚を浄化し、その魂を整として尸魂界へと送ること。
所持者自身の魂の精髄を写し取ることで鍔などの僅かな形状変化とともに唯一無二の斬魄刀として鍛え上げられる。この状態へと至った斬魄刀は「始解」や「卍解」などの能力解放を行うことで固有能力が使用可能になる。
能力解放は、一般的には所持者が解号(特定のキーワードと斬魄刀の名)を唱えることで行われるが、これは使用者の技量により省略も可能。
また斬魄刀は刀であると同時に自我を持った魂魄でもあるため、所持者は「刃禅」という儀式を行うことで、己の精神世界内に存在する斬魄刀の本体と対話することができる。斬魄刀の本体はその名にちなんだ姿のものから違うもの、人型から獣型まで幅広い。また、斬魄刀の性格も乱菊と灰猫、弓親と瑠璃孔雀のように瓜二つなタイプから痣城と雨露柘榴のように真反対なものまで幅広い。
中には珍しいと言われるタイプの斬魄刀も幾つか存在し、卯ノ花の「肉雫唼」と刳屋敷 の「餓樂廻廊」は生物系として珍しいとされている。
二刀一対の珍しい斬魄刀として京楽の「花天狂骨」と浮竹の「双魚理」、一護の「打ち直された斬月」が存在するが、浮竹の斬魄刀は「肺に憑いていた霊王の右腕が影響した」結果とされ、京楽の斬魄刀は「花天が狂骨という斬魄刀を生み出した」為に二刀一対となった事が京楽から語られ、一護の斬魄刀は刀と「鞘」で解放する為に二刀一対に「見えているだけ」である事が判明し、二刀一対の斬魄刀は存在しない模様。
稀ではあるがアニメでの由嶌欧許の墨月暈や刀獣事件の霧風のように、持ち主の死神の力を大幅に超えた力を持つ斬魄刀も存在する模様。
斬魄刀は持ち主である死神の霊力に比例して大きくなるが、持ち主である死神は持ち易いように斬魄刀の大きさを意図して縮小している。霊力が大きくなるほど斬魄刀の大きさを縮小する力も向上するため、ほとんどの斬魄刀は同じ大きさである。
斬魄刀人気コンテスト(正式名称・斬魄刀票)が開始される(実際のエントリーには破面・滅却師など大混戦状態)など、読者の人気や関心が高い。
始解 (しかい)
斬魄刀の能力解放の一段階目。解放と共に形状が変化し、固有の特殊能力が付加(解放)される。
解放後の形状や特殊能力は斬魄刀ごとに千差万別だが、能力ごとにある程度の系統に分類することができる(直接攻撃系、鬼道系、炎熱系、氷雪系、流水系など)。席官クラスの死神のほとんどが始解を習得しており、斬魄刀戦術の基盤とも言える技術である。
対話と同調とは、斬魄刀本体の存在を認識し、その名を知ること。斬魄刀の本体が存在する死神の精神世界で、斬魄刀の本体と対話を行う。斬魄刀との同調を深めることで、死神自身の霊力が飛躍的に上昇することもある。
基本的に始解では刀を持って発動するが、矢胴丸リサと斑目一角に関しては始解時に斬魄刀の鞘も一緒に使う為(斬魄刀の柄の底に鞘をつけて繋げるようにする)、始解で槍や棍など長い武器に変化するものは鞘も始解のために必要になる可能性がある。また、一護の打ち直された斬月は刀と鞘で解放し、二刀一対のような形になる。
なお、死神は基本的に斬魄刀を日本刀状態で持っている事がほとんどだが、拳西は現世にいる時は常に始解した状態で所持していた為、少なくとも隊長クラスで斬魄刀の了承があれば始解のまま保持も可能と思われる。
卍解 (ばんかい)
斬魄刀の能力解放の二段階目で本体の具象化と屈服が必要となる。
始解同様に変形、特殊能力の付加などが伴うが、基本的に始解の能力・特性を強化したものである場合が多い。戦闘能力は一般的に始解の5倍から10倍と言われており、その強大さ故に斬魄刀戦術の最終奥義とされている。
ただし卍解に至るのは才能のある者でも10年以上の鍛錬が必要とされ、使いこなすにはさらに多くの年月が必要となる。また、卍解を会得したのちも、鍛錬によってさらに形状や能力が変化・向上する例も存在する。
なお、卍解は剣八以外のこれまでの隊長は全員が習得しているらしく、副隊長や稀に席官(斑目一角など)でも習得している者が何人か存在する他、痣城 のように特殊な習得方法の場合も存在する。
具象化とは、対話の際に死神が精神世界に赴くのではなく、斬魄刀の本体を死神のいる世界に呼び出すこと。卍解に至るのが困難とされる理由は、具象化に至るのが困難なためである(そのため、卍解修得者は例外なく尸魂界の歴史に永遠にその名を刻まれる)。具象化した斬魄刀の本体を倒すことを屈服と言い、これに成功して初めて卍解を修得できる。
卍解した斬魄刀は非常に強力だが、解放した霊力に比例して刀自体も巨大になるのが常であり(一護の『天鎖斬月』等の例外もある)、力・動きを完全に制御し使いこなすには会得してから更なる鍛錬が必要とされる。また、卍解状態を持続するには莫大な量の霊力が必要であり、隊長格の死神といえど長時間保つことは難しい。
卍解が破損した場合、その破損箇所を完全に元に戻す技術は存在しておらず、龍紋鬼灯丸のように修復される度に性能は本来より著しく劣化していく模様。例外として狛村の『黒縄天譴明王』などは、破損すると所有者自身も負傷するほどに斬魄刀と所有者が極端に強く結びついているため、所有者の傷が癒えると卍解も復活する。また、マユリの『金色疋殺地蔵』に関してはマユリが「様々な改造」を行っている特殊な状態のため、自爆などの後も復活できる。
浅打 (あさうち)
自らの斬魄刀を持たない下級の死神に渡される、無銘の斬魄刀の事。
護廷十三隊隊士全員は、真央霊術院の院生時代にこの刀を一時貸与されて、入隊と同時に正式授与される。
銘のある斬魄刀の全ては、この刀が原型になっている。この刀と寝食を共にし、練磨を重ねることで魂の精髄を刀に写し取ることによって"己の斬魄刀"が創り上げられる。
その為、霊術院を出ていない更木剣八も死神の死体から奪うことでこの刀を手に入れ、現在の斬魄刀を創り上げた。
その全ては零番隊の二枚屋王悦によって創られており、彼は浅打をその性質上から「何にでもなれる最強の斬魄刀」と称している。王悦によれば尸魂界の開闢以来、この刀を持たずに"己の斬魄刀"を目覚めさせた死神は、一護を除いて誰一人としていないとの事。
詳しい製造方法は明かされていないが、複数の死神の魂魄から作られた改造虚「ホワイト」と成り立ちが似ている(一護は浅打ではなくホワイトを斬魄刀として使っていた)と言及されていたり、大量の魂魄が折り重なった存在である大虚をもとに作られた斬魄刀「已己巳己巴」が小説に登場していたり、同じく大虚達が破面化する際に自身の仮面をもとに斬魄刀を作り上げていたりすることから、製造には複数の魂魄が必要であると思われる。
白打 (はくだ)
隠密機動や二番隊がよく用いる、素手による体術。
近接ゆえに状況によっては危険が伴う。最高戦闘技術として高濃度に圧縮した鬼道を身に纏い戦う瞬閧 (しゅんこう)があり、これは白打と鬼道の合わせ技と言える。夜一と砕蜂と四楓院夕四郎 が会得している。
歩法 (ほほう)
白打を攻撃体術とすると、こちらは移動補助体術。
直接的に攻撃するための技ではなく、斬魄刀等の戦術に絡めることで戦闘を有利に進めるためのもの。極めれば眼にも映らぬほどの高速移動・瞬歩ができ、朽木白哉はそれに回転を掛け、閃花という技に発展させた。夜一や砕蜂などもこれを得意とし、特に夜一は瞬神の異名を持つ。
鬼道 (きどう)
死神が戦闘で用いる霊術の一つ。決まった言霊 を詠唱 したのち、術名を叫ぶことにより術が発動する。
相手を直接攻撃する「破道 (はどう)」と、その他の用途(捕縛・防御・伝令等、攻撃に使用される術もある)に用いられる「縛道 (ばくどう)」がある。
破道・縛道共に、それぞれに一番から九十九番まで様々な効果を持つ術が多数存在する。概ね数字が大きい術ほど、強大な威力を発揮し、数字が大きいほど使える死神は少なくなる。また、相当な才能がある人物であれば鬼道・破道・縛道を自分で編み出し作り出す事も出来る模様。
上記の他には回復・治療用の鬼道である「回道 」があり、卯ノ花烈や虎徹勇音など四番隊が得意としているが、これは四番隊所属歴がなくても才能のある者なら使うことができ、雛森は四番隊所属ではないが使用しており、ルキアも初期の頃には使用していた。
また、握菱鉄裁が使用した四十六室から使用を禁じられた「禁術」、山本元柳斎重國が使用した、何がしかで犠牲となった少なくとも四肢の1つを媒介に発動する「犠牲破道」という扱いの難しいもしくは扱える人物が限られるような術や、零番隊の兵主部一兵衛 がユーハバッハ との戦いで使用した「裏破道 」といった術も存在するが、詳細は明かされていない。
基本的に訓練を受けることで使えるようになる術であるため、正規の死神の訓練を受けていない黒崎一護 や更木剣八 のように使えない死神もいる。また、誰でも簡単に使えるものでもないため、苦手と公言している阿散井恋次 や暴発させてしまった大前田希千代 、脳筋な十一番隊員のように苦手な者もいれば、「鬼道の達人」と評される雛森桃 、戦闘で様々な鬼道を操った吉良イヅル や朽木白哉 のように得意とする者もいる。
また、極めれば大前田希ノ進 のように80番台を詠唱破棄で難なく使用したり、藍染や浦原等のレベルであれば90番台を詠唱破棄で難なく使用したりできる他、希ノ進の擬似詠唱のような技術を編み出したり、浦原やハッチなどのように新しい鬼道・縛道・破道を編み出すなんて芸当も可能。
鬼道の発動においては詠唱は必須ではなく、作中では詠唱を省略して放つ「詠唱破棄(えいしょうはき)」という技術も登場するが、術の威力は劣ると描写されている。そのほかにも2種類の鬼道の詠唱を並行して行うことで、鬼道の連発を可能とする「二重詠唱(にじゅうえいしょう)」、術を詠唱破棄で放った後から詠唱を行う事で、その威力を強化する「後述詠唱(こうじゅつえいしょう)」、大前田希ノ心が使用した発動したい回数分の詠唱と同じ効果を発揮する「擬似詠唱」などの技術も登場している。
魂葬 (こんそう)
いわゆる「成仏 」のことで、簡単に言えば現世を彷徨う死者の魂を昇天させることである。斬魄刀の柄尻の部分を死者の魂の額に押し付け、「死生」と書かれた判を押すことで、尸魂界へと転送することが出来る。但し、力みすぎると転送する際に死者の魂魄が痛みを感じる。作中では、シバタユウイチ が黒崎一護の斬魄刀で魂葬されて、阿散井恋次と雛森桃 と吉良イヅル の真央霊術院在籍時代に、恋次たちを含めた死神見習いたちが行っている。
義骸 (ぎがい)
霊力を失い弱体化した死神が回復するまでの間、人間に成りすますために用いる仮の肉体。
基本的に人型で使用者と同じ容姿をしており、死神の霊力を回復させるために高濃度の霊子でできている。また、霊子で構成された霊体でありながら、別の霊体(死神)が入り込むことができたり霊感のない人間にも見えていたりと、器子で構成された人間の肉体のような性質も持ち合わせている。霊力の回復以外にも、任務などで現世に長期滞在する場合にも用いることがある。
ルキアが一護に死神の力を譲った際に使っていた義骸は、技術開発局のこだわりから運動能力などは一般的な人間と同じになっていると思われたが、実際は浦原がルキアの霊力を削ぎ、死神の魂魄から人間の魂魄に成り下がらせるために作ったものであることが後に判明する。前述通り、義骸は高濃度の霊子体であるため、自然に放たれる霊力を感知して尸魂界が死神の居場所を把握する仕組みになっている。浦原はルキアに貸与し使用させた「霊子を含まずに使用する死神の霊力を分解する特殊な義骸を開発したことで、尸魂界から追放された」と(表向きは)されている。
義骸から出ることを「義骸を脱ぐ」という。
義魂丸 (ぎこんがん)
丸薬の形状をしており、肉体に入った時のみ擬似人格を持つ魂魄として作用する特殊な道具。千年血戦篇で、当時の十二番隊隊長の曳舟桐生 が創り出した「仮の魂」と、それを「体内に取り込む」技術である「義魂」という概念を元に生み出された。
肉体から魂を強制的に抜き取るために用いられる。「名前が可愛くない」と女性死神協会からクレームがつき「ソウル・キャンディ」と改名されるが、男性死神は現在でも義魂丸と呼ぶ傾向がある。パッケージには多数の種類があり、女性死神に一番人気のパッケージはうさぎのチャッピー。ルキアによれば「中の人格は108人の死神学者達がはじき出した『理想の人格』が入っている」とのことだが、どういう訳かコン を始め、珍妙な人格ばかりである。
死神代行戦闘許可証 (しにがみだいこうせんとうきょかしょう)
通称「代行証」。正式に死神代行として認められた者に渡すとされている手形。
悟魂手甲と同じ効果があるため、一護はルキアがいなくても死神化できるようになった。尸魂界にも死神代行に関する法律があり、現れた死神代行が有益と判断されたらこれを渡すという決まりがある。肉体を魂魄から抜く以外に普通の人間には見えず、虚が近づけば死神代行に大音量で教えるという機能もある。これは、霊力のないものには聞こえない。形状は絵馬 に似ており、×印の上にドクロのようなマークが描かれている。石田はこの代行証に違和感を覚えていた。また、ルキアの後任として現世に来た死神、車谷善之助 はこの存在を完全に否定し、一護が代行をしていることも知らされていなかった。代行証は2つあり、1つは一護、もうひとつは先代の死神代行・銀城空吾 が持っている。
一護は、在宅時にはこの代行証をベッドに括りつけており、外出時にはたいていズボンの尻ポケットに入れて携帯している。現世に帰ってすぐの頃は、浮竹 曰く「見た目より危険な道具で、普通の人間には見えないよう視覚防壁を発生する」らしいので、そのままズボンに縛り付けてぶら下げていたが、たつき には見えていた。
一護が死神の力を無くして以降は、備わっていた機能を失い何の変哲も無い板となっていたが、一護が「XCUTION」の元で死神の力を取り戻すために修行してからは、一護が会得した完現術 の媒介として使用されるようになる。
代行証の役目は持ち主の監視と制御であり、死神代行の動向調査・霊圧の吸収と分析が、これを通じて行われていた。計画発案者は浮竹。同時に、所持者には初代死神代行の銀城を誘き出すための“餌”としての役割があり、一護が代行となる以前はその所持者も銀城諸共殺される手筈となっていた。
小説「Can't Fear Your Own World」では銀城に渡す代行証に監視機能をつけて監視することを発案したのは綱彌代時灘で、それを浮竹に命令したのは四十六室であり、命令された浮竹は最初は反対するも立場の低さから最終的には銀城を信じた上で監視機能をつけることを決断したことが明らかとなった。
地獄蝶 (じごくちょう)
死神を尸魂界から現世に案内したり、伝令を伝えたりする役割を持つ黒い揚羽蝶。現世と尸魂界を行き来する場合は、地獄蝶を一人一匹ずつ付けなければ正規ルートを通ることが出来ず、現世と尸魂界の狭間を経由することになる。また、地獄蝶を扱えるのは死神だけである。普段は瀞霊廷で飼育されており、尸魂界編では行木理吉 が地獄蝶の扱いに手こずっていた。
限定解除 (げんていかいじょ)
『限定霊印』で制御されている霊力を解放することを指す。
死神の中でも特に強大な霊力を有する護廷十三隊の隊長と副隊長は現世に来る際、現世の霊なるものに不要な影響を及ぼさぬよう『限定霊印』と呼ばれる印により、霊力を本来の2割程度に抑制されているが、戦闘において制限状態では不利だと判断した場合、限定解除を行うことで本来の戦闘能力を発揮できる。ただし、限定解除を使えるのは尸魂界に限定解除許可を申請し、許可が下りた場合のみと説明されている。
虚(ホロウ)
現世を荒らす悪しき霊体で、その正体は死んだ人間の魂が何らかの理由を経て堕ちたもの。
それ故に仮面の下には生前の人物の顔がそのままあり、死神は虚を倒す際は情が湧かないように仮面を割らないよう、かつ手早く倒す模様。
基本的には虚圏に生息しており、餌として魂魄を襲う時や生前のことや家族等への悲しみや憎しみを持ち襲う時のみ現世に現れる。
なお、生前連続殺人鬼だったシュリーカーのように、生前に残虐非道な行いをした虚は死神に倒された後に地獄の扉が開かれ、中から出てきたクシャナーダの腕が持つ刃に身体を貫かれて地獄へと送られる。
滅却師(クインシー)
虚と闘うために集まった、霊力を持ち弓等を操る人間の集団。
虚と戦うための様々な術を体得しているが、そのほとんどは大気中に偏在する霊子を自らの霊力で集め、操る技術を基盤としたもので、内に秘めた自身の霊力を源として戦う死神のそれとは異なる。
全ての滅却師は始祖たるユーハバッハの血をひいており、浦原喜助によると、普通の人間なら少なからず持っている虚への耐性を全く持っていない模様。
人間を襲う虚を尸魂界へ送ることを良しとせず、あくまで虚を消滅させることを目的(無論、自衛の目的が第一ではあるが)としている。かつては世界中に散在していたが、その理念に基づく行動が尸魂界と現世にある魂魄の量を乱し、世界の崩壊が危ぶまれる事態になったため、虚を尸魂界へと送ることを目的とする死神と徹底的に相反し、結果200年前に死神の手により滅ぼされた。
生き残りは極僅かと言われており、当初は石田家の雨竜 、竜弦、宗弦の3人しか登場していなかったが、千年血戦篇にて一護の母・真咲の実家である黒崎家 が名前のみ登場。更に「見えざる帝国(ヴァンデンライヒ) 」と呼ばれる滅却師の集団が、尸魂界への宣戦布告と襲撃を行った。
滅却師に関連する用語の一部にはドイツ語 、およびそれに類似した表現が使われている。
※石田雨竜が使用したものに関しては石田雨竜#使用武器・技 を参照。
霊子兵装(れいしへいそう)
滅却師が扱う武器で、空間に偏在する霊子を集束し、自身の霊力でコーティングすることで弓等の形状を成した兵装で、最もスタンダードな武器。
見えざる帝国の滅却師は「神聖弓(ハイリッヒ・ボーゲン)」と呼んでいる。
バウント編及び千年血戦編では、ボウガンや拳銃やライフルの霊子兵装を用いる滅却師もいた。
神聖滅矢(ハイリッヒ・プファイル)
滅却師の放つ霊子を固めた矢の正式名称であり、彼らの基本戦術。
本編に描写される限りでは「矢」を放つことさえできれば必ずしも「弓」を用いる必要は無いらしく、事実見えざる帝国の滅却師は弓を持たず、様々な装備から「矢」を放って戦う。
五角形の滅却十字(クインシー・クロス )
その名の通り、五角形の滅却十字。
父・宗弦から息子・竜弦に引き継がれた、滅却師の正統後継者の証。
飛廉脚(ひれんきゃく)
足元に作った霊子の流れに乗って高速移動する、滅却師の高等歩法。死神の瞬歩、破面の響転(ソニード) に相当する。
乱装天傀 (らんそうてんがい)
無数の糸状に縒り合せた霊子の束を動かない箇所に接続、自分で自分の身体を操り人形のように強制的に動かす超高等技術。
この術を発動すれば手足が麻痺しても骨が砕けても、霊力の続く限り動き続けることができる。
作中では、尸魂界篇でマユリ戦での雨竜と、千年血戦篇で一護・破面 等との戦闘でキルゲ が使用した。
滅却師最終形態(クインシー・レツトシュティール)
散霊手套を付け七日七夜弓を成すことのできた滅却師が、散霊手套を外した姿。
散霊手套の拡散能力による抑制がなくなったことで、極限まで高まった霊子集束能力を活かした極めて強力な戦闘能力を発揮できる。その霊子集束力は大気中に偏在する霊子のみならず、尸魂界の構造物さえも霊子に分解して引き寄せてしまうほどである。
但し、滅却師の限界を超えた霊子集束能力を発揮することとなり、余程の才のある者で無い限り、一時的な究極の戦闘能力と引き換えに滅却師の力を失ってしまう。
なお、この形態の後に失った滅却師の力を復活させるには、精神と肉体を極限まで削った後、心臓の洞房結節右19mmに霊弓の一撃を受けなければならない。
キルゲ曰く、滅却師最終形態は脆さ故に概念自体が200年程前に死滅した「過去の遺物」で、雨竜の祖父である石田宗弦だけがそれに執心していたという。
純血統滅却師 (エヒト・クインシー)
滅却師以外の血を引かないという意味で、純血の滅却師。
ペルニダとジェラルドを除く見えざる帝国のメンバー、石田家の宗弦 と竜弦 、そして真咲 を含む黒崎家の人物がこれに該当する。
混血統滅却師 (ゲミシュト・クインシー)
人間と滅却師との混血の滅却師。
雨竜の母・片桐叶絵 と石田雨竜の二人が該当し、現在では雨竜が最後の生き残りとなっている。
千年血戦篇から9年前の6月17日、ユーハバッハの"聖別"の対象に全員が選ばれ、彼に滅却師の力を全て奪われた。
封印されし滅却師の王
滅却師の伝承において存在するとされる、封印された滅却師の王。
伝承によると、「封印されし王は900年を経て鼓動を取り戻し、90年を経て理知を取り戻し、9年を経て力を取り戻す」という。
その正体であるユーハバッハ によると、これには続きがあり、最後に「9日間で世界を取り戻す」が加わる。
仮面の軍勢(ヴァイザード)
藍染の罠で虚の力が発症した、特殊な死神の集団。
虚の仮面を被ることで虚特有の力(虚閃など)を発揮し、自らを強化することができる。
破面(アランカル)
仮面を外し、死神の能力を手に入れんとする虚の一団。虚の面を剥ぐことで生まれる。
それぞれにナンバーを持ち、シャウロン・クーファン によると11番以降は誕生順である模様。
特に強いものは1番から10番(あるいは0番から9番)までの番号を与えられ、「十刃(エスパーダ) 」と呼ばれるが、その人物より強い破面が生み出された、または何らかで数字を剥奪された場合は「十刃落ち(プリバロン・エスパーダ) 」となり、数字が三桁になる。
完現術(フルブリング)
銀城 ら「XCUTION」と月島 ・獅子河原 などの完現術を有する人間「完現術者(フルブリンガー)」が持つ能力。また、「変化する右腕」を初めとしたチャドの能力も完現術に該当するとされている。
物質に宿る魂を使役する能力。引き出した魂を自らの魂の力を加えることで大きな力と化し、それを用いることで物質を操ったり、身の回りの物を補助として使うことで自らの身体機能以上の能力を発揮する。
発動の際は「完現光(ブリンガーライト)」と呼ばれる特殊な光が発生する。使い慣れたものであれば物質の形そのものを変えて武器に変化させ、固有の特殊能力を発揮する。
完現術は全能の存在である「霊王」が数多持つ能力の一つであり、彼の切り刻まれた肉体の一部を魂魄内に有している事が完現術者となるための条件である方が小説で明かされた。完現術者は霊王の欠片による高過ぎる霊的資質ゆえ、胎児期にはほぼ確実に母体が虚に襲われており、本人達は虚の影響により完現術が覚醒したと誤認している。
無能力者がほとんどの現世において、完現術者達は強い疎外感を抱えて生きており、その力を手放したいと考えるものも少なくない。初代死神代行かつ完現術者である銀城は、何故か他人から完現術を奪い仲間へと再分配する事が可能であり、実際にこの能力によってただの人間になった人物もいる模様。銀城本人はこれが死神代行の能力であると考えているようだが真相は定かではなく、「滅却師の王」であるユーハバッハの「聖別」と酷似している点についても関連性は不明。
見えざる帝国(ヴァンデンライヒ)
ユーハバッハ がトップとして率いる滅却師の組織。星十字騎士団(シュテルンリッター) ・狩猟部隊(ヤークトアルメー) といった部隊を擁する。
特に精鋭達は副隊長含む死神達から数多くの死傷者を出し、隊長格を圧倒するなど一人一人が一騎当千の実力を有している。虚圏を占領後、破面 を戦闘訓練の必要が無い兵士として利用している。
1000年前の護廷十三隊 との戦いで敗れた後、瀞霊廷内部の「影」の中に隠れ潜んだ滅却師によって作られた。その為、遮魂膜に阻まれることなく瀞霊廷に侵攻することが可能となっている。
滅却師としての詳細は#滅却師(クインシー) を参照。
聖文字(シュリフト)
星十字騎士団メンバーが冠するアルファベットの1文字。
ユーハバッハは他人の魂に眠る固有能力をある程度見抜くことができ、その固有能力を表す英単語の頭文字を当人の魂に刻むことによって、その固有能力を使用可能にすることができる。この際、ユーハバッハは自身の血液を相手に摂取させる必要がある。
ただし、ペルニダ とジェラルド の2名だけは例外であり、彼らが元から持っていた能力になぞらえてユーハバッハが与えたものである。
騎士団メンバーが死亡すると与えられた能力がユーハバッハに戻り吸収され、彼を生かす糧となる。
滅却師完聖体(クインシー・フォルシュテンディッヒ)
見えざる帝国の滅却師達の強化形態。
広義的には滅却師最終形態と同等でありながらも、別種の物であり天地の差がある上位種に定義されている。
しかし、星章化(後述)によって卍解を略奪し所有している間は、身体に負担が掛かるため発動できない。
聖隷(スクラヴェライ)
滅却師完聖体の時に使用可能な"霊子の絶対隷属"の力で、霊子で構成された存在全てを毟り取り自らの力として吸収する。この力は、虚圏や尸魂界に立ち入った者も対象となる(立ち入ると、体が全て霊子となる為)。
血装(ブルート)
血管の中に直接霊子を流し込んで、攻撃能力と防御能力を飛躍的に向上させる戦闘技術。
攻撃用の動血装(ブルート・アルテリエ)と刃を通せないほどの防御力を秘める防御用の静血装(ブルート・ヴェーネ)の二つがある。
欠点として、霊子システムがそれぞれ独立している為に片方の能力しか強化できず、双方を同時強化できない。
影
滅却師の能力の一つ。
影の中に霊子による異空間を作り、それを通じて拠点の作成や移動を行うことができるが、この影の中以外で活動するための限界時間も存在する模様。
星章化 (メダライズ)
死神の卍解を強制的に略奪する技術。卍解を発動した瞬間に、「メダリオン 」と呼ばれる真円状の金属盤を使用することで奪い取れる。
しかし、一護の卍解 だけは一護に虚 の力が混ざっているために奪い取れなかった。
前述の通り滅却師には虚に対する耐性が全く無いため、キルゲ が失敗したことが浦原から説明された。それ故に破面も帰刃 を一人も奪われていなかった。また、一部の奪った卍解はオリジナルより威力が低いものもあり、例として雀部 の卍解を奪ったドリスコール が元柳斎戦で使用した際に「断じてこの程度ではない」と言われ、返り討ちにされている。
二回目の侵攻の最中に浦原が作成した侵影薬により、奪われた隊長達が一時的に虚化することで無効化、所有者が死亡した「残火の太刀」以外は取り戻された。
聖別(アウスヴェーレン)
ユーハバッハが行った滅却師の選別と滅却師の力の略奪行為。
第1の聖別
千年血戦篇から9年前の6月17日(黒崎真咲の命日)、「封印されし滅却師の王」の伝承に従って鼓動と理知を取り戻したユーハバッハが、伝承に従って自らの力を取り戻すために行った。
この時、彼が"不浄"と取り決めた混血統滅却師全員と一部の純血統滅却師(黒崎真咲 )が対象に選ばれ、滅却師の力を全て奪われ、ユーハバッハ自身の力に取り込まれた。
これを逃れたのは石田雨竜ただ一人。
第2の聖別
霊王宮に侵攻したユーハバッハが、王悦に倒された親衛隊4人(ジェラルド、ペルニダ、リジェ、ナックルヴァール)を蘇生させるために行った。
この時、瀞霊廷に残してきた星十字騎士団が対象に選ばれ、天から注いだ光を浴びた者は滅却師の力を命ごと全て奪われ、そうでない者は滅却師完聖体の力を奪われた。それらは親衛隊4人に再分配された。
単行本と小説「BLEACH Can't Fear Your Own World」で確認された、落命を免れた騎士団メンバーは、バズビー、ナジャークープ、リルトット、ジゼル、ミニーニャ、キャンディスの6人。
第3の聖別
真世界城で一護を倒したユーハバッハが、瀞霊廷に向かう際に行った。
この時、交戦中のハッシュヴァルトとジェラルドが不要とみなされた上で対象に選ばれ、彼らから滅却師の力を命ごと奪った。
静止の銀
ユーハバッハの聖別により死亡した滅却師の心臓に現れる銀の血栓 。
聖別を発動させた者の血と混ぜることで、その者の能力をほんの一瞬だけ無効化させる特性を持つ。
特記戦力
ユーハバッハが警戒し一目置いている、未知数によって選ばれた敵対勢力の5人。
黒崎一護
未知数は、潜在能力。特記戦力筆頭にして現世・空座町の死神代行。
元十番隊隊長の父・一心と純血統の滅却師であった母・真咲(故人)を持つ。
更木剣八
未知数は、戦闘力。護廷十三隊・現十一番隊隊長。
唯一、卍解を会得せずに就任した稀有な存在でもある。
藍染惣右介
未知数は、霊圧。護廷十三隊・前五番隊隊長。
尸魂界への謀反により投獄され、総隊長の京楽によって一時的に解放。
浦原喜助
未知数は、手段。護廷十三隊元十二番隊隊長・技術開発局創設者兼初代局長。
兵主部一兵衛
未知数は、叡智。零番隊の一人。
重要用語・道具
崩玉 (ほうぎょく)
浦原喜助 が100年前に開発した、死神と虚 の領域の境を取り除く機能を持つと言われ、その後の彼の運命を決定付けた危険な物質。
死神と虚という相反する魂の壁を取り払うことで、死神(または虚)は本来の魂の限界強度を超えた強さを手に入れることができる。封印されていた状態だった場合、本来の力を出すには覚醒が必要で、完全覚醒には最短で4ヶ月の時間を要するが、隊長格に値する霊圧を持つ者と一時的に融合することで、一瞬だけだが完全覚醒と同等の力を発揮できる。
ビー玉ぐらいの大きさだが、恐ろしく頑丈で開発した浦原ですら破壊・破棄することができなかった。長きに渡り藍染 に狙われ、遂に彼が仕掛けた様々な工作により奪われてしまう。基本的に大虚 が破面 化の対象だがグランドフィッシャー 等、大虚以外で破面化したものもいる(一心 の見解では未完成である模様)。
後に崩玉が意思を持つ物質であること、本来の能力が「崩玉の周囲にいる者の心を、崩玉の意思によって具現化する力」であることが藍染から語られた。浦原が崩玉を「死神と虚の領域の境を取り除く」物質だと思っていること、ルキア の死神の力全てが一護に奪われたこと、織姫 とチャド の能力が発現したのも、崩玉の作用によるものだという。
なお、「崩玉」の理念は浦原のみが最初に発祥したものではなく、藍染にも思い至った理念でもある。藍染は崩玉を完成させようと部下の死神を率いて、幾多の死神あるいは死神に成りうる魂魄 から削り取った魂で完成を目論んだが、上手くはいかなかったため、浦原が作っていた崩玉を自身の崩玉に取り組ませて完成しようとしていた。
浦原が何故このような危険な物を作ったのか、ルキアの体の中に入っていたのかは語られなかった。
王鍵 (おうけん)
霊王・王族の住まう空間へと行くための鍵。創生するには10万の魂魄と半径一霊里の重霊地が必要。
代々護廷十三隊総隊長にのみ在り処が口伝される。その正体は、零番隊に選別された際に霊王の力で変質した零番隊隊士の骨(兵主部は右腕、その他4人は不明)そのもの。
破面篇で藍染が上記の方法で行おうとしていたのは、零番隊自身を創ることであったと千年血戦篇で明らかとなる。そして、零番隊の下で修業を受けた一護は、衣装型の王鍵を与えられた。
その他用語
双殛 (そうきょく)
尸魂界の道具の一つで、巨大な矛と磔架からなっている処刑道具。
基本的には隊長格の者の処刑に使われ、それ故かそれぞれ斬魄刀百万本に値する破壊力と防御力を持つ。
処刑時には、矛は「燬鷇王(きこうおう)」と呼ばれる真の姿「巨大な炎の鳥」になり、これが磔架に磔にされた罪人を貫くことで殛刑は終わる。
旅禍 (りょか)
尸魂界に不法侵入した者を総じて指す。
虚以外でも死神の許しなく入り込んだ部外者は霊魂・人関係なく排除される。「余所者は尸魂界に禍い(災い)をもたらす」という通念から、こういった名称がついた。
転神体 (てんしんたい)
隠密機動の最重要特殊霊具の一つである人形で、浦原喜助 が開発した。卍解の修行に用いられ、転神体に斬魄刀を刺すことで、斬魄刀を強制的に具象化することが出来る。なお、黒崎一護 と浦原喜助以外に、この方法で卍解を会得した死神はいない。
霊子変換機 (れいしへんかんき)
現世のあらゆるものを構成する器子を霊子へと変換する装置。
通常、肉体を持った生物は魂魄の世界である尸魂界に立ち入ることはできず、肉体から抜け出た魂魄も因果の鎖の為に立ち入ることはできないが、この装置で肉体を丸ごと霊体に変えてしまえば、生きた人間でも尸魂界に立ち入ることができる。
浦原がルキア奪還の為に用意した穿界門には霊子変換機が重ねてあり、その為に井上、茶渡、石田も尸魂界へ立ち入ることができた。
侵影薬 (しんえいやく)
千年血戦篇にて、浦原喜助が開発した薬。黒色の丸薬の形状をしており、服用した死神の所有していた卍解を一時的に虚化させる。
『星十字騎士団 』の滅却師から、卍解を取り戻すために使用された。
現世・空座町(からくらちょう)
東京のどこかにある普通の町。上空から見る限り町の外は隣町が続き、山に囲まれている。
ルキアが現世の駐在任務のために赴任した場所であり、担当区域でもある。だがルキアが処刑されるために尸魂界に連行されたため、その後任として十三番隊隊員・車谷善之助 が赴任している。
現代において空座町全域が時代と共に移り変わる重霊地(現世に於いて最も霊なるものが集まりやすい場所)となっている為に王鍵の創生を目論む藍染により、消滅の危機に晒されている。また、ウルキオラ とともに降り立ったヤミー の魂吸(ゴンズイ) により、多くの人々が魂を吸われた。
クロサキ医院
黒崎一心 が院長を務める診療所。黒崎家の住居に併設されている。
空座第一高校
一護らが通う公立高校。通称「空座一高」。不良が多いという伝統を持つ。また、有沢の活躍もあり空手部がかなり強い。
1学期末の時点で、1年生は322名。作中では一護の所属する1-3の生徒しか出ていないが、個性的な面々が集っている。
生徒会長は浅野みづ穂 。また、一護たちが三年生になった死神代行消失篇では、生徒会長を石田雨竜が務めている。
浦原商店
浦原喜助 が店主を務める、生活用品から駄菓子を売っている雑貨屋。
店員は握菱テッサイ 、紬屋雨(ウルル) 、花刈ジン太 。
また、裏業的に現世に赴任した死神を相手に尸魂界から仕入れた道具で商売をしており、ルキアも浦原商店を頼っている他、一時期は恋次も居候していた。
勉強部屋
浦原自らが作り上げた、地下にある天井が青空の模様のだだっ広い空間。そのため地下であるにも拘らず時間がわかりづらくなっている。
一護が死神の力を取り戻すための修行も、ここで行われた。チャド と恋次 も修行のために、ここを使用している。
実は、かつて浦原が双殛の丘の地下にこっそり作った場所に似せて作られている。
絶望の縦穴(シャタード・シャフト)
浦原喜助が一護を再死神化させる際、作った大穴。因果の鎖の自己侵食を活性化させる気体を充満させている。雨が頑張って掘ったため、底は著しく深い。
空座総合病院
石田竜弦 が院長を務める大病院。院内は全面禁煙(但し竜弦は吸っている)。
クロサキ医院に重症患者が訪れた際、同院長同士のツテでここに搬送される事になっている。
バウント篇では、この病院が舞台になって攻防が行われた時があった。
空座防衛隊
空座町を虚から守るために、ドン・観音寺 が夏梨 ・ジン太・雨を呼びかけて結成した部隊。「カラクラスーパーヒーローズ」ともいわれる。
一護達が尸魂界に乗り込んでいる間、一護に変わって虚を退治しているが、その分車谷の出番はほとんど無くなっている。
戦隊もの のような編成となっており、(互いに譲る意思はないため)カラクラレッドを夏梨とジン太が、雨がカラクラピンク、観音寺がカラクラゴールドに割り当てられている。
破面編では「魂葬刑事カラクライザー」と名を変えており、メンバーはカラクライザー・スピリッツ(観音寺)、タイニーデビル(紬屋雨)、ビースト(有沢竜貴)、デリケート(浅野啓吾)、エロティック(本匠千鶴)になっている。また、空中に現れた巨大な合体虚要塞と破面の女幹部を倒す活躍はあった模様。
小説で観音寺が登場した際、カラクラプラチナム(ロカ・パラミア )、カラクラホワイト(ピカロ )、カラクラスカイブルー(石田雨竜)が新たに加入した。
アニメでは観音寺がゴールドを名乗ったために解散したが、観音寺が人気低迷からの再起を図るために、カラクラキング(コン )を迎え、夏梨抜きで再結成した。
XCUTION(エクスキューション)
銀城 が率いる完現術者の集団。
全員この完現術の能力を快く思っておらず、その力を取り除くことを目的に行動を共にしている。
一護に死神の力を取り戻させ、一護にその力を譲渡しようと計画している。
かつては月島がXCUTIONを率いていたが、月島の謀反により、仲間達と彼らが拠所とした死神代行を殺されているとされていた。しかし、実際は銀城空吾こそが件の初代死神代行であり、一護たちに語ったのは全て一護の完現術 を奪う為の銀城たちの作り話であった。
何でも屋「うなぎ屋 」
一護のバイト先で、鰻屋育美 が店長を務める何でも屋。
「安い!早い!安心!」を謳い文句にしているが、店名のため本当の鰻屋だと勘違いした注文の電話が掛かることもある。
尸魂界(ソウル・ソサエティ)
いわゆる霊界 。霊力を持つ貴族や死神達が住む瀞霊廷(せいれいてい)と、その周囲にある死者の魂が住む流魂街(るこんがい)に分かれており、暮らし向きや待遇などが厳然と区別されている。
瀞霊廷の周りには通常は何もないが、通行証を持っていない者が不正に侵入しようとすると、塀の部分に霊王宮から瀞霊壁(せいれいへき) が落ちてきて設置されて、東西南北にそれぞれ設置されている四大瀞霊門(しだいせいれいもん) 、通称・青流門(しょうりゅうもん)、白道門(はくとうもん)、朱洼門(しゅわいもん)、黒隆門(こくりょうもん) のいずれからしか入れない。各門には、尸魂界中から選び抜かれた番人 が警護している。
瀞霊廷(せいれいてい)
尸魂界の中央に位置する貴族や死神たちの居住区。王政により統治されている。通貨単位は環。
尸魂界の最高司法機関・中央四十六室ほか、護廷十三隊、隠密機動、鬼道衆などの実行部隊が置かれている。
流魂街とは違い生活レベルも高いようで電柱や道路などが存在し、現世で使われるような文明の利器はほとんどないが、死神が現世で活動する時には携帯型端末によく似た道具を使っており、技術開発局など一部の機関にはコンピュータのような大掛かりな機械が置いてある。
中央四十六室(ちゅうおうしじゅうろくしつ)
尸魂界全土から集められた四十人の賢者と、六人の裁判官で構成される尸魂界の最高司法機関 。
死神の犯した罪咎は全てここで裁かれ、その裁定の執行に武力が必要と判断されれば、隠密機動・鬼道衆・護廷十三隊等の各実行部隊に指令が下される。絶対的な決定権を持ち、その裁定にはたとえ隊長格といえど異を唱えることは許されない。
藍染達の謀反によって構成員全員が殺害されたため、元柳斎が一時その役目を兼任していたが、藍染捕縛時点で阿万門ナユラ を始めとする新たな構成員が輩出されている。
頑迷な部分が目立ち、浮竹や砕蜂のような柔軟な思考を持つ死神からは石頭や間抜けと嫌われており、京楽にも半ば軽蔑されている。
護廷十三隊 (ごていじゅうさんたい)
尸魂界の護衛および現世における魂魄の保護、虚の退治等の任務をこなす実動部隊。
斬魄刀による斬術を基本とした戦闘を行う。
隊首会 (たいしゅかい)
護廷十三隊の隊長十三人で行う会議。
真ん中に総隊長、他の隊長は二列で総隊長を先頭に向かい合って並ぶ(総隊長から見て右が偶数番、左が奇数番隊の隊長)。
隠密機動(おんみつきどう)
同胞の処刑から情報伝令、敵地へのスパイ活動まであらゆる「裏」の仕事を担う五つの部隊。
本来は護廷十三隊とは別組織であるが、総司令官である四楓院家の当主が護廷十三隊の隊長に就任すると、その隊との結びつきが非常に強くなり、110年前は夜一 が二番隊の隊長職と兼任していたので、二番隊の直属機関のように見えていた。
所属者は白打と歩法に優れ、総括軍団長には白打の最高戦闘技術「瞬閧」が伝えられている。第四分隊の詳細は不明。
隠密機動第一分隊・刑軍 (―だいいちぶんたい・けいぐん)
処刑や刑の執行を担当する、隠密機動の中での最高位。砕蜂 が総括軍団長として兼任している。
先代の四楓院夜一は浦原喜助を助けたため、隠密機動総司令官の座を永久追放された。
統括軍団長の抜刀は、処刑演武の開始を意味する。
隠密機動第二分隊・警邏隊 (―だいにぶんたい・けいらたい)
瀞霊廷を主な担当区域とする諜報部隊。大前田希千代 が部隊長を務めている。
隠密機動第三分隊・檻理隊 (―だいさんぶんたい・かんりたい)
瀞霊廷内で罪を犯したものを投獄・監督する部隊。
かつては浦原喜助 が部隊長を務めていた。
地下特別監理棟 (ちかとくべつかんりとう)
二番隊隊舎敷地内の北西にある幅三十間の巨大な堀の奥にあり、通称「蛆虫の巣(うじむしのす)」。第3地下監獄は"衆合(しゅごう)"。
武器の持ち込みは禁止されており、部隊長は彼らの暴走を素手で制圧できる事が絶対条件である。特別檻理(とくべつかんり)の名のもとに行われる護廷十三隊内部の危険因子を調査・捕縛し監視下に置くことで、捕縛されたものは例外なくここに収容される。
なお、一般の死神(隊長格を含む)にはこの施設・制度の存在は知らされておらず、捕縛・収容された者は「脱退」したと伝えられる。
涅マユリや阿近を始めとする技術開発局の何人かは、ここの出自である。
隠密機動第五分隊・裏廷隊 (―だいごぶんたい・りていたい)
隊士間での情報伝達を行う部隊。瞬歩の使い手が多い。
技術開発局(ぎじゅつかいはつきょく)
瀞霊廷内における様々な技術の研究・開発を行う十二番隊の付属機関。創設者兼初代局長は浦原喜助 。現局長は涅マユリ 。
外科手術的意味合いにより、負傷者の治療及び肉体の欠損部分の再生・補助を行えるため、四番隊と同様に治療を行う事が出来る。
浦原の思惑により、涅マユリをはじめ「蛆虫の巣(うじむしのす)」出身者が複数人在籍している。カラブリ+によると、名前も発覚していない人物も含めて最低9人は所属している。
通信技術研究科 (つうしんぎじゅつけんきゅうか)
鵯州 が研究科長を務めている。
霊波計測研究科 (れいはけいそくけんきゅうか)
鬼道衆(きどうしゅう)
鬼道に秀でた死神によって構成される特殊部隊。護廷十三隊の隊のように、大鬼道長と副鬼道長が仕切っている。
101年前は握菱鉄裁 が鬼道衆総帥・大鬼道長を務めており、有昭田鉢玄 が副鬼道長を務めていた。
真央霊術院(しんおうれいじゅついん)
2000年以上前に山本元柳斎重國により設立された、死神・鬼道衆・隠密機動を育成するための学校。
設立されたころは、死神統学院と呼ばれていたが、現在は死神以外の鬼道衆・隠密機動も育成しているため、今の呼び名になった。現在も「統学院」の名で呼ばれることもある。
入試と卒業試験があり、基本は6年で卒業できるが、飛び級制度があるため特別成績優秀者は通常より早く卒業(作中で判明しているのは、ギン と海燕 )できる。また、飛び級とは行かなくとも檜佐木のように卒業を待たずして護廷十三隊に入る(通常は、卒業後に入隊試験を受けて入隊)ことが内定している者もたまにいる。
授業内容は、剣術・鬼道・実習などがあり、現世に関する学問(小説版で判明)もある。ルキア、恋次、雛森、吉良の四人は同期であり、檜佐木は4人の5回生上。クラスは実力別に分かれており、恋次、雛森、吉良の三人は特進に値する一組であり、ルキアは二組だった。
ルキアの映画での発言によると、日番谷はルキアが朽木家の養子になった後、入学した模様。
王族(おうぞく)
尸魂界を統括する最高司法機関・四十六室のさらに上の存在。護挺十三隊の隊長格ですら、直接に見たことがないほどの高位で、王族の頂点に立つ存在として尸魂界の王(霊王 )がいる。
直接的な支配は行わずに普段は尸魂界の別次元に住んでおり、代々護廷十三隊総隊長にのみ口伝で所在を伝えられる「王鍵」がないと、入ることすらできない。
王属特務(おうぞくとくむ)
霊王の住む空間を守護している。
護廷十三隊より上位の組織で、通称「零番隊 」。
十三隊の隊長 格から王属特務へ昇進することもある。かつて、曳舟桐生 が零番隊に昇進した。
霊王宮(れいおうきゅう)
零番隊 が守護する、霊王 が存在する空間。霊王宮には、霊王と零番隊の他にも住人 がいる。空間内の移動はすべてハンマーでスイッチを叩き、足場に弾き飛ばされる形でのみ行う模様。また、尸魂界での移動には「天柱輦 (てんちゅうれん) 」という柱状の乗り物を使用する(基本的に落下するのみであるため、霊王宮に戻るには空鶴 の大砲等で打ち上げてもらう必要がある)。通常は護廷十三隊の隊長ですら入る事が認められておらず、霊王宮に入るには零番隊に同行するか零番隊の意思で通すかなど、いずれにしても零番隊の力を借りる必要がある。
大きく分けて本殿へ続く入口の「霊王宮表参道 」、霊王が住まう繭のような形状の本殿「霊王宮大内裏 」のほか、本殿を取り囲むように配置された盆のような大地に町が乗っている「零番離殿 」で構成され、離殿はその一つ一つを零番隊の面々が霊王から与えられている。また、緊急時に降りる瀞霊壁は平常時はこの宮を守っているらしい。
麒麟殿(きりんでん)
守護するのは麒麟寺天示郎 。
中には「白骨地獄 」と「血の池地獄 」と書かれた紅白二つの温泉があり、白骨地獄で腐れた血と霊圧を一滴残らず抜き取って、血の池地獄の湯と入れ換えることで治療を行う。しかしその回復力が強すぎるため、並大抵の者は超霊糸で編んだ防護湯衣 を着ていないと過回復により体がグズグズに腐り、破裂してしまう。
なお、浦原と夜一の「遊び場」にあった温泉は、この湯殿を分析して近づけようとしたものである。
臥豚殿(がとんでん)
守護するのは曳舟桐生 。
彼女の"義魂"の神髄を込めたフルコース料理を食べることができる食事処となっている。これによって、自身の霊圧とは別の霊圧を体内に取り込んで、霊力を底上げすることが出来る。
鳳凰殿(ほうおうでん)
守護するのは二枚屋王悦 。
立派な名前に反して実際は断崖絶壁の上に建っている、非常にオンボロな小屋。王悦はそれが自分の離殿だというのを嫌がっている為、表向きはその手前に豪奢なバーを建てて、そちらを鳳凰殿としている。
なお、この離殿にいる死神は王悦のみで、それ以外のバーの男女スタッフ等は全員王悦によって造られた斬魄刀の実体達 で構成されている。
鳳凰殿の地下最下層には滝に囲まれた鍛冶場があり、その滝の水の全ては王悦が卍解を打ち直すのに必要なものである。
その他の瀞霊廷
四大貴族(よんだいきぞく)
尸魂界における貴族の最高位である正一位 (しょういちい)の位を持つ四家を指す。「朽木家」、「四楓院家」等がそれにあたり、他の死神達とは比べ物にならない霊力を生まれ持つことも特徴。「志波家」が没落する前は五大貴族だった。小説「BLEACH Can't Fear Your Own World」によると、五大貴族だった頃から当主が一度に同じ場所に全員集まることは許されておらず、襲撃などで五大貴族の当主を一度に失うのを避けるためとのことである。
朽木家(くちきけ)
四大貴族の一つ。28代目となる現当主は、朽木白哉 。
四楓院家(しほういんけ)
四大貴族の一つ。天賜兵装番を代々努める。四楓院夜一 は22代目にして、初めての女当主だった。23代目の現当主は、夜一の弟の四楓院夕四郎 。
綱彌代家(つなやしろけ)
四大貴族の一つ。小説『BLEACH Can't Fear Your Own World』で判明。四大貴族の中でも、最も強い権力を持つ。綱彌代時灘 は分家の出である。
志波家(しばけ)
元は瀞霊廷・最高位「五大貴族」の一つに名を連ねていたが、現在は没落している。かつてより、流魂街に居を構えていた。志波空鶴 は流魂街の顔役で、空鶴の兄の志波海燕 はかつての十三番隊副隊長 を務めていた。「墜天の崩れ渦潮」を家紋とする。分家と宗家に分かれていて、海燕と空鶴と岩鷲 は宗家の出で、一護の父・一心 は分家の出である。小説『BLEACH Can't Fear Your Own World』では、一心が現世に出奔したことが没落しつつあった志波家の五大貴族の地位の剥奪の決め手になったことが明かされた。
霞大路家(かすみおおじけ)
アニメオリジナル。四大貴族に次ぐ位に存在する上流貴族。代々女性が当主を務めることが習わしとなっている。先代当主が亡くなり、その跡目を継ぐ娘の瑠璃千代 が幼い為、雲井尭覚 が当主代行として内政を仕切っているが、霞大路家を乗っ取るために瑠璃千代暗殺を目論む雲井と、それを良しとしない瑠璃千代の侍従の犬龍 ・猿龍 との間で御家騒動が起こっている。
女性死神協会(じょせいしにがみきょうかい)
女性死神が様々な活動を行っている、何故か尸魂界や死神達に対する強い影響力を持った団体。やちるの無駄遣いにより、常に経済的危機に瀕しているらしい。メンバーは、元を含めた席官クラス以上の女性死神全員。
理事長・卯ノ花烈、会長・草鹿やちる 、副会長・伊勢七緒、理事は各隊の幹部クラスの女性死神・砕蜂、虎徹勇音 、松本乱菊、涅ネム(副会長代理)が担当している。その他に夜一、ルキア、雛森も所属している。
男性死神協会 (だんせいしにがみきょうかい)
男性死神が様々な活動を行っている団体だが、女性死神協会に比べ立場は弱いらしい。活動中は全員腹巻とサングラスを装着している。
理事長・浮竹十四郎、会長・射場鉄左衛門、副会長・伊江村八十千和 、理事は檜佐木修兵、大前田希千代、吉良イヅルの各隊の幹部クラスの男性死神に加え、荻堂春信 や阿近が所属している。
綜合救護詰所 (そうごうきゅうごつめしょ)
瀞霊廷の病院。傷を負った者がここで手当てを受けたり、入院することもある。手術室もあり、ルキアと恋次が緊急手術を受けた。医師は全て四番隊隊員で、四番隊隊舎が病棟となっている。トップは卯ノ花烈 。
日番谷先遣隊(ひつがやせんけんたい)
破面が現世を襲撃した報を受け、現世に派遣された日番谷を筆頭とした部隊。人員は日番谷冬獅郎、朽木ルキア、阿散井恋次、松本乱菊、斑目一角、綾瀬川弓親。当初は元柳斎の命を受け、一護をよく知るルキアと彼女と親しい恋次、恋次が隊長格以外で信頼できる戦闘要員の一角が派遣される予定だったが、弓親と乱菊が現世に行きたがったため、日番谷が引率となった形で編成された(一護曰く「ピクニックかよ」)。
流魂街(るこんがい)
死神によって導かれた死者の霊(魂魄)の大多数が住む、尸魂界内の貧民区。瀞霊廷の周囲・東西南北の4区域からなり、さらに各区域は80の地区に分かれ、それぞれ名称が付けられている(例:西流魂街1地区「潤林安」、南流魂街78地区「戌吊」、北流魂街79地区「草鹿」、北流魂街80地区「更木」など)。地区の数が大きいほど、治安が悪い。地獄に行きたくないというサラリーマンの霊をルキアが魂葬する際、「地獄と違って気安いところ」と説明していたが、治安の悪い地区は気安いとは程遠い環境である。死者は死後尸魂界へ辿り着くと、まず担当の死神により各所へ無作為に振り分けられるため、どの地区へ行くかは完全に運任せで生前の家族に会える者は稀である。ゆえに基本的には、生まれた時代も場所も違う人間が混ざり合って家族のような集団を形成し、生活するのが普通。また、家族のような集団を形成する場合、実年齢ではなく見た目の年齢で役割が決まるようで、兄弟になった者同士の年齢差が親子以上という事も珍しくない(シバタユウイチ の兄になったほりうちひろなりは、昭和22年の山梨で死んだとのこと)。瀞霊廷内との生活格差は歴然たるモノがあるが、霊力の素養を持つ者に限り「真央霊術院」に入学して、死神になる道も開かれている(入隊後も、心情的差別はある模様)。特定の地域からは、草履も履いていない程に生活レベルが落ちる。
街並みは木造の家が多かったり、住んでいる人が着物を着ていたりと、少し江戸時代風。住人は一見して日本人ばかりのようだが、これがどのようになっているかは不明。基本的に腹は減らないらしいが前述の「霊力の素養を持つ者」は霊力を使うと腹が減るため、盗みを働く者もいる。ただし、霊力を持たない者でも水を飲んだり水を盗む描写がある事や、兕丹坊の腕の治療をしていた織姫に水の差し入れがあったことなどから、霊力の有無に関わらず水分の摂取は必要と思われる。
虚圏(ウェコムンド)
現世と尸魂界のはざまにある空間。Hueco Mundoと書かれるようにHueco (Hollow)(虚)の世界。虚は普段ここに潜んでおり、その間はたとえ死神であってもその動向を把握することはできない。
空間は砂漠のようになっており、その砂は白く水は存在しない。石英 のような物質でできていると思われる枯れた木がところどころにある。常に夜で、現世とは月が反転して映る。現世や尸魂界に比べて大気中の霊子濃度がかなり高いため小さな虚なら呼吸をするだけで充分な栄養を得られる上、死神・虚・滅却師などもこの空間では大幅に力が上昇する。
虚夜宮(ラス・ノーチェス)
虚圏(ウェコムンド)内にある、藍染惣右介 など反逆の死神たち・破面(アランカル)らの城。Las Nochesの文字通り(夜)を意味する。無機的な外観で、距離感が狂わされるほど、とてつもなく大きい。城の一部の通路(22号地底路など)にはそこを担当する警備の破面 がおり、彼らが倒されるとその部分は崩壊する仕組みになっている。
アニメ版では、22号地底路での一護たちを襲うトラップなどの描写があり、アイスリンガー がその様子を見ていた。
また、城にある一部の天蓋の内側には藍染が形成した青空があり、藍染はその光の差し込んでいる場所を監視することができる。城のすべての壁面には監視カメラが仕掛けられており、管制室のような場所から内部の様子を確認できる他、廊下の配置を組み換えることも可能である。
元々は「虚園の王」として君臨していた大虚時代のバラガン の城であり、その当時は屋根がついておらず、本人曰く夜空全体を城の屋根としていた。
十刃と黒崎一護達及び護廷十三隊の隊長格との交戦で至る所が損壊するが、「見えざる帝国」のキルゲ・オピー 率いる虚圏狩猟部隊 の襲撃により更に荒廃を極めた。
ネガル遺跡
虚圏内にある遺跡。虚夜宮(ラス・ノーチェス)から、かなり距離が離れた位置に存在する。
千年血戦篇にて、虚圏に来訪した浦原・織姫 ・チャドや破面の生存者らが、キルゲが「何者か」に両断された後、修行のため虚夜宮からここに移動し、集結している。
浦原によると、移動も修行の一つとの事。
メノスの森 (アニメオリジナル設定)
虚圏の砂の底に広がっている、メノスの生息地。そこでは「アシド 」という死神が大虚(メノスグランデ) と長い間戦い続けていたが、虚夜宮(ラス・ノーチェス)に乗り込もうとした一護たちと出会った。その後、ルキアたちを庇って消えたため、消息は不明。
見えざる帝国関連
影の領域 (シャッテン・ベライヒ)
1000年前の護廷十三隊との戦いで敗れたユーハバッハ ら滅却師たちが、瀞霊廷内の影の中に作り出した霊子の空間。
見えざる帝国の滅却師たちは、この空間の外での活動には時間制限がある。
光の帝国 (リヒトライヒ)
かつてユーハバッハが統治していた帝国。当時はザイドリッツ やアルゴラ やヒューベルト が所属しており、後に尸魂界侵攻の為に新設された星十字騎士団の副団長にはヒューベルトが就任している。
銀架城 (ジルバーン)
見えざる帝国内に存在する、ユーハバッハの居城。
真世界城 (ヴァールヴェルト)
霊王宮を制圧し、霊王を取り込んだユーハバッハが霊王宮を再構築して作り上げた、新たな拠点。
銀架城を中心に、真世界城の一部に再構築された零番離殿が枝を通して結びついた、星型に近い形状をしている。
2番枝街 (ツヴァイ・アスト)
真世界城の一部に再構築された、零番離殿の一つ。
門・通路など
穿界門(せんかいもん)
現世と尸魂界を繋ぐ門。門をくぐった先は、現世と尸魂界を繋ぐ通路である断界へ通じている。ここを安全に通ることができるのは地獄蝶を持つ死神、もしくは断界の壁が技術開発局により固定されているときのみ。
黒腔(ガルガンタ)
叫谷の隙間を埋める形で存在する、現世と虚圏を繋ぐ穴。
足場はなく、中を通るには通行する者が霊子を固めて足場を作らなければならない。基本的に普段は閉じており、虚や破面が現世と虚圏を行き来する際に「解空(デスコレール) 」という技で開く。
浦原は黒腔を開く術「繋界儀(けいかいぎ)」を開発しており「我が右手に界境を繋ぐ石 我が左手に実存を縛る刃(やいば) 黒髪の羊飼い 縛り首の椅子 叢雲(そううん)来たりて 我・鴇(とき)を打つ」の口上で術が発動、2本の柱のようなものを基点に、黒腔を開く。後に涅マユリもザエルアポロの研究保管庫の資料を使い、黒腔を完全に解析した。
断界(だんがい)
現世と尸魂界の間にある空間。虚等の外敵を防ぐ為、「拘流(こうりゅう)」という霊体を絡め取る気流で満たされており、更には7日に一度「拘突(こうとつ)」という強力な侵入者排除気流が現れる。外界よりも濃密な時間軸が働いているその為、外界との時間差は2000倍(例:外界で1時間過ごすと断界では2000時間過ごした事になる)。拘突は理の側の存在として認知され、死神では太刀打ちできないものとされているが、崩玉で進化した藍染には容易く破壊された。拘突に追われると、通常は100年単位で時間軸がずらされるため、普通は外界に出た途端に体が付いていけずに死ぬ。拘突の中はどの時間軸にも属していないため、アニメオリジナルストーリー『護廷十三隊侵軍篇』では一護が過去の自分に会ったり、因幡が改造魂魄の情報をそこから取り出している。また、拘流に捕らわれれば、断界から抜けられず死に至る。そのため、かつては現世への通路であると同時に流刑地でもあった。劇場版第1作『MEMORIES OF NOBODY 』では尸魂界で覇権争いに敗れ追放された重権貴族・龍堂寺家 がこの空間に追い遣られている(後にその一族はダークワン という勢力を築く)。
叫谷(きょうごく)
輪廻から外れて断界を彷徨い続けた魂魄が、長い年月のうちに徐々に集まり、その集合体が断界内に発生させた空間(詳細は「劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY#叫谷 」を参照)。
千年決戦篇では、雪緒 とリルカ が小さな叫谷を部屋とレールに作り変え、霊王宮 の零番離殿から霊王宮大内裏へ気づかれずに移動するための手段として利用した。原作において叫谷の存在が明かされるのは初めてであったが、一護は第625話にて「俺は一度叫谷に入ったことがある」と発言しており、単行本第69巻では劇場版の1作目を参照との記述がなされた。
小説『BLEACH Can't Fear Your Own World』では、綱彌代時灘 の命令で、アウラ が黒腔 に最大級の叫谷を発見し、空間内部に新たな霊王宮となる空中楼閣と巨大宮殿を作り出した。京楽たちの追跡を逃れた時灘一派と京楽たち混成部隊の決戦の舞台となる。
転界結柱(てんかいけっちゅう)
浦原が作り上げた特殊な装置。4つの巨大な柱を囲むように転送する場所に設置し、4つの柱を結ぶと半径一零里の穿界門となりその囲んだ場所を転送して別の空間と入れ換えることができる。柱が全て破壊された場合は、転送した場所が元の場所に戻る。柱が一つでも壊された場合でも“転送回帰”が始まり、転送した場所が元に戻り始める。
浦原は本物の空座町を、予め尸魂界に作っておいた偽の空座町に入れ換えるために使用、これにより護廷十三隊は隊長格の死神による戦闘で空座町を破壊することなく、空座町に侵攻した藍染一派を迎え撃つことを可能とした。
地獄
生前に悪事(殺人)を働いた者は、死神によって虚としての罪を濯がれた後、巨大な扉が出現し、開かれた空間に現れた刃に貫かれ引きずり込まれる。虚のシュリーカー はここへ引き渡され、破面のザエルアポロ・グランツ とアーロニーロ・アルルエリ も、絶命後ここに堕ちている。
本編ではあまり触れられることがなかったが、劇場版『地獄篇』と『獄頤鳴鳴篇』でその詳細が描かれている。
『赤マルジャンプ』2001 WINTERに掲載された前身となる読み切り作品。久保の初代担当編集者・浅田貴典 は本作について、「強引にページをもらって、描いてもらった作品でした」と回想している。カットを提出した段階でのタイトルは「スナイプ」であり、最初の予告も同タイトルで掲載された[17] 。本作は読者アンケートにおいて1位を獲得し[17] 、満場一致で本誌の連載会議を通過した[13] 。
2006年2月に発売された『BLEACH OFFICIAL CHARACTER BOOK SOULs.』に収録された[18] 。
あらすじ(読み切り版)
霊媒体質ということ以外は普通の高校生・黒崎一護は、ある日、悪霊の虚(ホロウ)とともに空から落ちてきた死神の少女・朽木ルキアと出会う。虚は一護に取り憑いていた整(プラス)と呼ばれる霊の群れに襲いかかる。整の群れを守るために全ての力を放出したルキアは、力が回復するまでの七日七夜、一護の魂魄に死神の装備一式を組み込み、死神の仕事を手伝わさせることにする。
7日目の夜、霊魂の世界であるソウル・ソサエティからメッセージが届く。そこには新たにソウル・ソサエティへ導く対象者として、一護のクラスメイト・井上織姫の名前が記されていた。一護は整となった井上にソウル・ソサエティへのパスチケットを渡すが、そこに井上の亡き父が現れ、自らが井上をソウル・ソサエティまで案内すると申し出る。父親に手を引かれていく井上を一護は見送るが、井上の父は虚であった。
BLEACH生誕20周年記念原画展「BLEACH EX.」
「BLEACH生誕20周年記念原画展「BLEACH EX.」」は、本作が2021年に生誕20周年を迎えるにあたって開催された初の原画展である[15] 。2020年3月21日にYouTube Live 、Periscope で配信された「BLEACH20周年プロジェクト&久保帯人新作発表会」[注 1] にて開催が発表された[27] 。
本原画展は「『BLEACH』生誕20周年プロジェクト」の中核に位置づけられ[28] 、2021年12月18日から2022年1月16日まで開催された東京会場での展示を皮切りに、全国各地において巡回展が開催された[29] 。その後、2023年12月1日から24日まで「BLEACH生誕20周年記念原画展 BLEACH EX. FINAL」と題した東京凱旋展が開催された[30] 。
開催前日の2021年12月17日は久保帯人公式ファンクラブサイト「Klub Outside」の会員限定プレビューデイとなり、スペシャル回では久保と歴代の担当編集者が出席したトークショーやライブドローイングが行われた[31] [32] 。また、テーマソングと展示イメージソングを提供したシンガーソングライターのキタニタツヤ がサプライズゲストとして登場した[31] [32] 。
楽曲
テーマソングの「Rapport 」はキタニによる本原画展のための書き下ろし楽曲であり、本原画展の開催に先駆けて公式PVにて公開された[15] 。また、キタニが『週刊少年ジャンプ』2021年36・37合併号に掲載された読み切り作品「BLEACH 獄頤鳴鳴篇」をテーマに書き下ろした楽曲「タナトフォビア 」が展示イメージソングとして提供された[40] 。会場内では映像作家・YKBX が同楽曲と久保の描き下ろしイラストを用いて制作した映像が展示された[40] 。
コラボレーション
2021年12月17日から2022年1月16日まで、「『BLEACH』原画展開催記念 東急線スタンプラリー」が開催された[41] 。
秋田会場では、原画展開催期間限定企画として、横手市増田まんが美術館 、増田の町並み案内所「ほたる」、増田観光物産センター「蔵の駅」の3か所でスタンプラリーが開催された[34] 。また、横手市増田まんが美術館では館内のマンガカフェにて本原画展とのコラボカフェが営業された[34] [42] 。
商業的評価
累計部数
日本国内におけるシリーズ累計発行部数は、2017年3月時点で9,000万部を突破した[48] 。2018年2月、実写映画『BLEACH』の公式Twitter は、本作の全世界シリーズ累計発行部数が1億2,000万部を突破したことを発表した[49] [50] 。2022年7月時点で全世界シリーズ累計発行部数は1億3,000万部以上となっている[11] 。
初版部数
久保は漫画家・ふるかわしおり との対談の中で、2002年1月に刊行されたコミックス第1巻の初版は1週間で完売となり、増刷が行われたと述べている[51] 。2004年10月のテレビアニメ化でさらに人気を伸ばし、新刊の初刷部数は100万部を超えて安定した推移を見せるようになった。2006年12月に刊行された第25巻の初刷部数は133万部を記録し、本作の売れ行きはピークを迎えた。翌2007年の初刷部数は前年並みを維持したが、その後じわじわと減少が続き、連載開始10周年を迎える2011年に100万部台を割り込んだ。
さらに見る 巻数, 刊行年月日 ...
初刷部数の推移(出版科学研究所 調べ)
巻数
刊行年月日
初刷部数 (万部)
出典
20
2005年12月2日
119
25
2006年12月4日
133
31
2007年12月4日
131
36
2008年12月4日
120
42
2009年12月4日
115
48
2010年12月3日
103
53
2011年12月2日
80
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オリコンランキング
2008年には316.1万部の年間推定累積総売上を記録し、同年のコミック・シリーズ別ランキングで5位にランクインした[60] 。2009年上半期には356.8万部の上半期推定累積総売上を記録し、同ランキングで『ONE PIECE 』に次ぐ2位を獲得した[61] 。同年の年間推定累積総売上は647.1万部を記録し、年間では『ONE PIECE』、『NARUTO-ナルト- 』に次ぐ3位となった[62] 。2010年には520.4万部の年間推定累積総売上を記録し、同ランキングの5位に位置したものの[63] 、新刊の売上は2009年より減少傾向に転じており[64] [65] [66] 、2012年以降は同ランキングにおいて上位10位圏から姿を消した[67] [注 2] 。
さらに見る 年度, 調査期間 ...
オリコン 年間ヒットランキング「コミック・シリーズ別」
年度
調査期間
推定累積総売上部数
順位
出典
2008
2007年12月24日 - 2008年11月16日
3,161,825
5
[60]
2009
2008年11月17日 - 2009年11月22日
6,471,021
3
[70]
2010
2009年11月23日 - 2010年11月21日
5,204,193
5
[63] [71]
2011
2010年11月22日 - 2011年11月20日
4,187,258
8
[72]
2012
2011年11月21日 - 2012年11月18日
2,974,750
12
[67]
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2012年6月4日に発売された成田良悟 による小説『BLEACH Spirits Are Forever With You 1』、『BLEACH Spirits Are Forever With You 2』は、発売初週にそれぞれ3.7万部、3.5万部の売上を記録し、6月18日付のオリコン週間“本”ランキング総合部門で1位と2位を独占した[68] [73] 。同作は累計発行部数が20万部を突破する話題作となった[73] 。
日本国外での売上
フランスではグレナ からフランス語翻訳版が出版されている[74] 。同国における単行本の累計販売部数は、2007年に27万1925部、2008年に49万2404部、2009年に44万1579部、2010年に37万6921部、2011年に49万5981部を記録し、同国の日本産漫画市場において、それぞれ8位、5位、4位、5位、4位に位置した[75] [76] [77] 。同国のジャーナリスト・Valentin Paquotによれば、グレナから出版された単行本の累計販売部数は、2021年までに556万部を超えており、同社が発行する漫画作品の中では歴代3番目のベストセラータイトルとなっている[78] 。
アメリカではビズメディア から英語翻訳版が出版されている[79] 。アニメ!アニメ! によれば、同国で初巻が出版された2004年7月以降、本作はインターネットの口コミなどによって高い人気を確立し、アニメ作品の展開が行われていないにもかかわらず、同国において既に人気アニメベスト3の地位を築いていたとされる[80] [81] [82] 。2006年9月より有力CATV チャンネル・カートゥーン ネットワーク (アダルトスイム )などで英語吹き替え版のテレビアニメが放映されたことも[注 3] 、単行本の売り上げを伸ばす要因となり、北米 における売り上げが2012年2月までに累計210万部を記録するベストセラーとなった[81] [82] [84] 。全米における単行本の累計発行部数は、2022年4月時点で270万部を突破している[85] 。
Yahoo! JAPAN 検索ワードランキング
2005年12月1日に発表されたYahoo! JAPAN による2005年検索ワードランキングの「漫画、アニメ名 検索キーワードランキング トップ10」では、「BLEACH」が4位にランクインした[86] 。翌2006年7月13日に発表された2006年上半期検索ワードランキングの「テレビ番組名 検索ワードランキング トップ20」では、フジテレビ の恋愛バラエティ番組『あいのり 』に次ぐ2位にランクインし、アニメ番組としては最高位を記録した[87] 。同年12月1日に発表された2006年検索ワードランキングの「漫画、アニメ名 検索ワードランキング トップ10」でも、前年から順位を2つ伸ばして2位にランクインした[88] 。2008年7月15日に発表された2008上半期検索ワードランキングの「ゲーム、アニメランキング 上半期ベスト20」では8位[89] 、同年11月25日に発表された2008検索ワードランキングの「アニメ・ゲームランキング トップ20」では10位[90] 、2009年11月18日に発表された2009検索ワードランキングの「ゲーム・アニメランキング」では9位に位置していたが[91] [92] 、2010年11月25日に発表された2010検索ワードランキングの同部門では24位へと順位を大幅に落としている[93] [94] 。
アニメーション制作はstudioぴえろ [212] 。プロトタイプとして製作された「ジャンプフェスタ・アニメツアー'04」での上映作品を経て[213] [214] 、テレビアニメ『BLEACH』が2004年10月から2012年3月までテレビ東京系列ほかにて放送された[212] [215] 。全366話[212] 。原作沿いのストーリーの合間に、アニメ独自のオリジナルシリーズを織り交ぜつつ[216] 、「死神代行篇」から「死神代行消失篇」の内容を基にアニメ化された[212] 。
劇場アニメとしては、2006年12月16日に『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY 』[217] 、2007年12月22日に『劇場版BLEACH The DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸 』[218] 、2008年12月13日に『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ 』[219] 、2010年12月4日に『劇場版BLEACH 地獄篇 』が公開された[220] 。
2022年10月よりテレビ東京系列ほかにて、前シリーズから約10年ぶりの続編となるテレビアニメ『BLEACH 千年血戦篇 』の放送が開始された[2] 。「千年血戦篇」を分割4クールでアニメ化する予定となっており[221] 、久保は同作で総監修を担当している[212] 。
日本国内では、バンダイ より『BLEACH SOUL CARD BATTLE 』が発売された[222] 。カード化プロジェクトの始動は『週刊少年ジャンプ』2004年40号(2004年8月30日発売[223] )にて発表され[224] 、同年12月18日・19日に開催されたジャンプフェスタ 2005のバンダイブースにて先行発売された[225] 。同トレーディングカードゲーム (TCG) は、2009年7月までに20シリーズが製作された[226] 。
アメリカでは、TCGのライセンスを獲得したスコア・エンタテインメント (英語版 ) によって、2007年5月に『Bleach Trading Card Game 』が発売された[227] [228] 。しかし、2007年から2009年の不況 がTCGの売上に大きな影響を与えたため、2009年4月に発売中止となった[229] 。同TCGは、「2007 Origins Award 」のGame of the Year (Collectible Card Game Category) において、セミファイナリストに選出された[230] 。
テレビアニメ『BLEACH』を紹介するラジオ大阪 制作のラジオ番組『BLEACH “B” STATION 』は、2005年4月から2010年12月まで日本のラジオ大阪などでラジオ放送された[302] [303] 。黒崎一護役の声優・森田成一 がメインパーソナリティ を務め、同作の声優陣が月替りのマンスリーパーソナリティとして出演した[303] 。アニラジ 番組『アニプレックスアワー 』の中で放送され、2007年4月からは同番組内において『NARUTO Radio 疾風迅雷 』との隔週放送となった[303] [304] 。
ロックと剣劇をコンセプトに掲げた『ROCK MUSICAL BLEACH 』は、2005年8月に初演が行われ、その後シリーズ化[305] 。2012年8月より演じられた『新生 ROCK MUSICAL BLEACH REprise』までの累計観客動員数は約18万人を記録した[305] 。2.5次元ミュージカル の先駆け的存在とされ[306] 、長年にわたり興行が行われるヒットシリーズとなっている[307] 。
「死神代行消失篇」をボイスコミック (VOMIC ) 化したもので、2011年8月7日から14日まで開催された「BLEACH10周年記念イベント原宿卍解祭 」にて上映された[313] 。その後、同年9月2日から30日にかけてバラエティ番組『サキよみ ジャンBANG! 』のコーナー「週刊VOMIC」にて放送され[314] 、VOMIC公式サイトでも配信された。全5回[315] 。本作は同年7月にプレスコ 形式で収録された[316] [317] 。
日本人俳優マシ・オカ がピーター・シーガル監督の製作会社Callahan Filmworksに映画化の話を持ち込み、2012年2月にはワーナー・ブラザース が映画化権を獲得したと伝えられた。脚本はダン・マゾーが担当し[319] 、マシ・オカはプロデュースも務めるという報道もあったが、企画は頓挫している[320] 。
上記の経緯の後、映画化権を取得していたワーナー本社が、ワーナー ブラザース ジャパン の小岩井宏悦 に「邦画での製作」を提案し[320] 、最終的に佐藤信介 監督・福士蒼汰 主演で「死神代行篇」をベースに実写映画化が決定[321] 。2018年7月20日に公開された[322] 。
公開前の宣伝などでは『BLEACH 』のタイトルであるが、エンドロール前のポストクレジットでは『BLEACH 死神代行篇 』(ブリーチ しにがみだいこうへん)のタイトルで表示される[323] 。
BD / DVD
発売・販売元はワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント [331] [332] 。
さらに見る 発売日, 規格品番 ...
発売日 規格品番
BD DVD
2018年12月5日 1000733118(プレミアム・エディション) 1000733120(通常版) 1000733119(プレミアム・エディション) 1000733121(通常版)
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サウンドトラック
概要 『映画「BLEACH」 オリジナル・サウンドトラック』, やまだ豊 の サウンドトラック ...
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本作のオリジナル・サウンドトラック。2018年7月25日にカナメイシレコードから発売された[334] 。各楽曲の作曲は、『デスノート Light up the NEW world 』、『いぬやしき 』でも監督の佐藤とタッグを組んだやまだ豊 が手掛けている[335] 。
収録曲
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出典:[335] 全作曲・編曲: やまだ豊。 # タイトル 作詞 作曲・編曲 歌 時間 1. 「序 -BLEACH-」 やまだ豊 1:50 2. 「魂 -KONPAKU-」 やまだ豊 12:21 3. 「虚 -HOLLOW-」 やまだ豊 6:29 4. 「骸 -GIGAI-」 やまだ豊 1:52 5. 「橙 -ORANGE-」 やまだ豊 1:44 6. 「修 -TRAINING-」 やまだ豊 3:14 7. 「斬 -ZANPAKUTO-」 やまだ豊 デビッド・ヴァイヴス 6:24 8. 「友 -NAKAMA-」 やまだ豊 2:58 9. 「威 -BYAKUYA-」 やまだ豊 3:33 10. 「界 -SOCIETY-」 やまだ豊 カストロさとし 4:13 11. 「想 -MASAKI-」 やまだ豊 6:22 12. 「心 -ISSHIN-」 やまだ豊 2:49 13. 「掟 -OKITE-」 やまだ豊 3:31 14. 「志 -KOKOROZASHI-」 やまだ豊 2:35 15. 「刀 -FORCE-」 やまだ豊 3:07 16. 「護 -ICHIGO-」 やまだ豊 3:34 17. 「絆 -RUKIA-」 やまだ豊 3:44 18. 「書 -TEGAMI-」 やまだ豊 2:46 19. 「命 -BLEACH-」 やまだ豊 3:32 合計時間:
76:46
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連載10周年記念
2010年8月に連載が10周年目に突入したことを受け[337] 、これを記念した企画がさまざまメディアで実施された。
2010年12月3日に発売されたコミックス48巻の購入者に、先着で久保描き下ろしの特製コースター(全10種類)をプレゼントするフェアが全国約2,000の書店にて実施された[338] 。同年12月4日に久保が製作指揮を務めた『劇場版BLEACH 地獄篇 』が「週刊少年ジャンプ連載10周年記念作品」として公開された[220] [339] 。公開に先駆け、11月29日発売の『週刊少年ジャンプ』2010年52号には同作と連動した21頁の番外編「imaginary number 01 the unforgivens」が掲載され、劇場にて先着入場者プレゼントとして配布された『BLEACH OFFICIAL INVITATION BOOK The Hell Verse』に収録された[339] 。翌2011年7月1日から8月30日まで、全国6か所にて「BLEACH連載10周年記念公演 ROCK MUSICAL BLEACH 」が上演された[340] 。同年8月7日から14日まで、原宿エリアにて「BLEACH10周年記念イベント原宿卍解祭 」が開催された[341] 。2011年8月から2012年1月にかけて、「尸魂界篇」までを収録した『BLEACH総集編 Resurrected Souls』が、毎月1巻ずつ6巻まで連続刊行された[25] 。2012年6月4日に発売されたコミックス55巻の購入者に、特典として192頁のガイドブック『THE REBOOTED SOULS』をプレゼントするフェアが全国のフェア参加書店にて実施された[342] 。同日には、成田良悟 による連載10周年を記念した小説『BLEACH Spirits Are Forever With You』(全2巻)が発売された[68] [73] 。
BLEACH10周年記念イベント原宿卍解祭
2011年8月7日から14日まで、原宿エリアにて「BLEACH10周年記念イベント原宿卍解祭」が開催された[341] [343] 。
「BLEACH La Corte」と冠されたメイン会場のデザイン・フェスタ・ギャラリーEASTでは、さまざまな企画が催された。1階では120種以上のグッズを販売する「浦原喜助の裏原商店」が、2階ではオリジナルワッフルを販売する「女性死神協会特別推薦 ワッフル屋」が展開。3階では久保がイベントのために描き下ろしたイラストなど、複製原画を20点以上展示する「瀞霊廷寫真館」をはじめ、キャラクターごとに設定されているテーマミュージックを視聴できる「Ritmo y Melodia」、連載10年の歴史と世界観を振り返る展示コーナー「空座町歴史記念館」が設置された。また、リアル脱出ゲーム を手がけるSCRAP とのコラボ企画「一護を探せ!卍解謎解きラリー」が開催された。すべての謎が解けた参加者には「原宿卍解祭特製クリアファイル」がプレゼントされた。このほかにも、本イベント協力している竹下通りと原宿通り の44店舗「護廷十三隊加盟店」で商品を購入すると参加できる抽選会が、デザイン・フェスタ・ギャラリーEAST1階にて開催された[341] [343] 。
本イベントの開催期間中、明治通り のコンセプトカフェ 「Garcon Cafe」は、コラボカフェ「かふゑ・ら・尸魂界」として営業し、死覇装姿で給仕をするギャルソン たちにより、本作をモチーフにしたメニューが提供された[344] 。