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かつての日本の実質的な国有企業 ウィキペディアから
郵便局株式会社(ゆうびんきょく、英語: Japan Post Network Co.,Ltd.)は、過去に日本国内で郵便局を運営していた実質的な国有企業[注釈 1]である。2012年(平成24年)10月1日付で郵便事業株式会社を吸収合併し、商号を日本郵便株式会社に変更した。
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郵便局株式会社 本社 (日本郵政ビル) | |
種類 |
株式会社 郵便局株式会社法による特殊会社 |
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市場情報 | 非上場 |
略称 | 郵便局 |
本社所在地 |
日本 〒100-8798 東京都千代田区霞が関一丁目3番2号 (日本郵政ビル) |
設立 | 2007年10月1日 |
業種 | サービス業 |
事業内容 |
郵便やゆうパックに関する窓口業務、 銀行代理店業務、保険募集業務など |
代表者 |
代表取締役会長・古川洽次 代表取締役社長・永富晶 |
資本金 | 1,000億円 |
売上高 |
1兆2,084億4,700万円 (2012年3月期) |
営業利益 |
334億1,700万円 (2012年3月期) |
純利益 |
188億2,600万円 (2012年3月期) |
純資産 |
3,007億円 (2012年3月31日現在) |
総資産 |
3兆1,209億7,800万円 (2012年3月31日現在) |
従業員数 |
11万767人 (2011年9月30日現在) |
決算期 | 毎年3月31日 |
主要株主 | 日本郵政株式会社 100% |
主要子会社 | 株式会社郵便局物販サービス |
外部リンク | 閉鎖 |
特記事項:銀行代理店許可番号:関東財務局長(銀代)第404号 |
通称は「郵便局会社」、愛称は「JP 郵便局」(英通称はJP NETWORK)。コーポレートカラーは「ゆうびんきょくオレンジ」。
2005年(平成17年)10月21日に公布された郵政民営化関連6法の中の郵便局株式会社法で規定されていた、郵便局および郵便窓口業務を活用して行う地域住民の利便の増進に資する業務を営むことを目的とする株式会社(特殊会社)として2007年(平成19年)10月1日に設立され、旧日本郵政公社から主に郵便局や社宅の施設運営および所要の施設・職員等を承継し営業を開始。
発足時点では日本のコンビニエンスストア最大手・セブン-イレブン店舗数の約2倍、約24,600店舗(局)を持つ日本最大の店舗網ができた。郵便事業・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険といった日本郵政グループの他事業会社に比べ、従業員数に占める管理職の割合が高く、全従業員(11万8000人)の5人に1人が郵便局長であった。
初代の最高経営責任者(CEO)兼会長にイトーヨーカ堂執行役員物流部長の川茂夫、最高執行責任者(COO)兼社長にスミセイ損害保険社長の寺阪元之が就任した。2009年(平成21年)11月18日付で、寺阪に代わり、寺阪と同じ住友生命保険出身でスミセイビルマネージメントの会長であった永富晶が社長に就任、同年12月1日付で、ゆうちょ銀行代表執行役会長に転出した川と入れ替わる形で、三菱商事出身の古川洽次が代表取締役会長に就任した。
第180回国会で成立した「郵政民営化法等の一部を改正する等の法律」(平成24年法律第30号)の規定により、2012年(平成24年)10月1日[1]付で郵便事業株式会社を吸収合併し、商号を日本郵便株式会社と改めた。
郵便事業・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険・独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構より委託を受け、郵便局の窓口及び渉外社員により、郵便・貯金・保険の商品の販売やサービスの提供に加え、各種取次業務・損害保険や生命保険の販売などの新サービスの販売・提供をする。委託元会社から支払われる委託手数料や新サービスの媒介による手数料や売上収入が郵便局会社の収益源となっている。製販分離・収益源は手数料収入といったこれまでにないビジネスモデルを構築していた。
委託手数料の比率はゆうちょ銀行が3に対し、かんぽ生命が2、郵便事業会社が1であり郵便局会社の手数料収益の半分はゆうちょ銀行が占めていた。
2008年(平成20年)10月に東京都目黒区の旧日本郵政公社社宅跡地(現在は郵便局会社が所有)に郵便局会社と三井不動産レジデンシャルとの共同事業による分譲マンション事業を展開することが発表された。
渉外社員配置郵便局では、民営化以前は郵便課・貯金課・保険課(局によっては貯金保険課)といった組織となっていたが民営化以降、窓口社員と貯金関係渉外社員を営業部、保険関係渉外社員をお客さまサービス部と改組された。
民営化以前は郵便貯金・簡易保険の営業・集金などの渉外業務は「郵政外務職員」という採用区分の国家公務員(簡易保険ではセールスパーソンという愛称があった)が担っており、地方の普通集配局では郵便の集配も兼務するケースがあったが、郵政民営化の分社化により集配と貯金・保険の渉外業務の兼務は不可能となった。
郵便の集配業務は郵便事業、ゆうちょ銀行直営店併設局ではゆうちょ銀行が貯金の渉外業務を担当する事になり、左記に該当しない外務職員がゆうちょ銀行・かんぽ生命代理店の郵便局会社に渉外社員として引き継がれた。かんぽ生命の支店併設局については、個人向けは郵便局会社の渉外社員、法人向けはかんぽ生命の営業社員が担当。
郵政民営化以降も引き続き、切手やはがき、収入印紙の売りさばき、郵便物やゆうパック等の引受を行っていた。ただし、不在通知書による郵便物の引き取りは郵便局の窓口ではなく、ゆうゆう窓口(郵便事業)で取り扱う。はがきや切手類の交換は郵便局会社の窓口のみで取扱うため、一部の例外を除きゆうゆう窓口では取り扱わない。
ゆうちょ銀行および独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構の銀行代理店として、通常貯金や為替・振替等の銀行代理業務と国債や投資信託・変額年金の販売等を行う金融商品仲介業務を行う。その結果、郵便局の窓口で従前通りの金融サービスを受けることができる。
ただし、ゆうちょ銀行直営店が併設されている郵便局では貯金(銀行代理店)業務は取り扱わない。
また、ゆうちょ銀行直営店が併設されていない中央郵便局クラスの貯金窓口など、一部拠点では外貨両替・外国為替の取り扱い、トラベラーズチェックの販売・買取[注釈 2]も手がけており、外貨両替商でもある。
郵便局では、かんぽ生命保険および独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構の代理店として、保険商品の販売や保険金請求・各種手続きといったアフターサービスを郵便局の保険窓口で受けることができる。郵便貯金・簡易生命保険管理機構に承継された簡易保険契約についても、代理店として保険金請求・各種手続きも従前通り受け付けている。
民営化以前より、バイク自賠責保険の募集も保険窓口で行っている。
一部の郵便局ではかんぽ生命以外の生命保険代理店業務・損害保険代理店業務も行っている。なお、変額年金保険は銀行窓販商品として貯金窓口あるいはゆうちょ銀行の担当である。
封筒などのレターセットや文房具など、郵便事業の商品とは直接的に関与しない商品の販売や、PSC(現郵便局物販サービス)から継承したカタログ販売の取り扱いを行っている。なお、民営化に伴い、収入印紙の販売についても、郵便事業の扱いではなく、郵便局会社の物販の扱いとなっている(販売業務は郵便窓口が担当する)。
また、一部の郵便局で行われている宝くじの受託販売は民営化前は郵便貯金の窓口が担当してきたが、民営化後は物販の扱いとなり、郵便窓口が対応する。
「郵便局のお取次ぎ」サービスは物販事業の扱いとなっている。
JPローソンは、郵便局および日本郵政の施設内に出店する形態のコンビニエンスストアである。2008年2月にローソンと業務提携し、株式会社郵便局物販サービス(2012年3月までは日本郵便←郵便局会社)が運営するローソンのフランチャイズ店舗という位置づけである。同年8月開店の日本橋郵便局を皮切りに10店舗余り展開されている。
日本郵政公社時代から展開された『ポスタルローソン』は、郵便局内の敷地をローソンに貸し出して同社が店舗運営を行う形態であるという点が異なる。ポスタルローソンは順次JPローソンに切り替えられる予定であるが、2014年3月現在も北海道庁赤レンガ店(日本郵政グループ札幌ビル内)など残存している。
また、日本郵政グループの運営ではないものの、郵便局とローソンを隣接させた店舗(東京ドームシティ内や京都府立医科大学内など)や、過疎地のローソン店内に簡易郵便局を設置した店舗が存在する。
2008年7月16日に一般企業が提供する各種サービスのチラシやパンフレットを郵便局に設置し、申込を斡旋する総合生活取次ぎサービス(通称『郵便局のお取次ぎ』)が発表され、同年8月より首都圏の一部郵便局から順次展開し、2010年(平成22年)2月より全国展開を開始した(簡易局は同年4月より)。郵政民営化当初から新たな手数料ビジネスとして期待されていたが、2014年3月31日を以ってサービスを終了した。
主な“お取次ぎ”は以下の通り
2008年10月よりかんぽ生命保険の商品では対応できない補償をカバーする、日本郵政グループ外の生命保険会社が郵便局向けに開発した保険商品を保険代理店として保険担当者が募集契約を行う。2008年10月より日本生命保険と東京海上あんしん生命保険の法人向け保険商品、アメリカンファミリー生命保険会社(アフラック)のがん保険と住友生命保険の民間医療保険(第三分野保険商品)を販売を開始。
2007年10月より損害保険会社7社(当時)と代理店契約を締結し、自動車保険の募集契約を保険担当者が行う。生命保険とは異なり、乗り合い型代理店として各社と保険料や補償内容を比較して申込ができるようになっている。当初は東京支社・関東支社・南関東支社内の一部郵便局に限定されていたが、後に全国展開されている。
JPローソンで行われていた封筒・便箋・バースデーカードや筆記用具など文房具の販売を2009年6月より全国の郵便窓口で開始した(一部局をのぞく)。
郵便事業(日本郵便)直営となる旧郵便専門局を除く全ての郵便局が郵便局会社の店舗となった。その際、普通郵便局・特定郵便局の分類は廃止され、すべて郵便局会社の管理下に置かれた。唯一、簡易郵便局の分類は残されたが、民営化によって業務内容や設置方法等が変わった。
郵便の集配業務は日本郵便に移管されたため、ゆうゆう窓口を除く全ての窓口と貯金、保険の渉外のみが民営化後の「郵便局」ということになった。また、ゆうちょ銀行直営店が設置される局の窓口では、郵便局会社による貯金のサービスは実施されず、郵便・保険のみのサービスとなる。なお、かんぽ生命保険については直営店設置の局であっても、窓口業務はすべて郵便局会社が担当する。このため、日本郵便支店、ゆうちょ銀行支店、かんぽ生命支店が併設して置かれている郵便局においては局長とは別に各会社の支店長が存在している。
ゆうちょ銀行直営店が設置された局では、出入口に郵便局会社と銀行のロゴマーク・店名・コーポレートカラーが表示(一部の局では看板も設置)され、局内は窓口サインの色の違いや郵便局会社と銀行の事務室が壁で仕切られており、ゆうちょ銀行の直営店であることが分かるようになる。
ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険は「完全民営化・グループからの分離」が当初の最終方針となっていたため、郵便局以外の場所に設置された直営店がある(単独店舗である秋田市と郡山市のゆうちょ銀行直営店はかつての貯金事務センターの建物に設置された)。かんぽ生命の直営店は法人業務のみに特化しており、一部支店を郵便局以外の場所に設けた。
郵便物(主に特殊取扱の郵便物やゆうパック)の消印、差出人控等の受付印等に使われる日付印を郵便局会社で押した場合、年のところにアンダーバーが入った。なお、郵便事業の日付印にはアンダーバーはない。これらの区別は郵便事業再統合で廃止された。
一部の郵便局局舎(主に旧集配郵便局に多い)は郵便事業株式会社が所有・管理していたものがあって、この場合郵便局会社はもちろん、併設されているゆうちょ銀行直営店・かんぽ生命直営店は郵便事業株式会社に家賃を払って入居するかたちをとっていた。また、郵便局前にある郵便ポストは郵便事業会社の管轄となっていた。これらも再統合後に管理が日本郵便に一本化された。
現金や信書などを扱うため郵便局には防犯カメラが設置されているが、防犯カメラがあると郵便局員のやる気が落ちるという理由で、撤去されることになった。費用はおよそ32億円が掛かる予定である。
民営化後に、郵便局店舗ごとに「局所コード」と呼ばれる6桁の番号が別途符番されているが、これは従来からの5桁の局番号の後に0を追加して6桁にしたものである。これは、ゆうちょ銀行の取扱店番号を6桁で表示する場合と同じ法則となっており、分室の場合は親局の局番号の後につくアルファベット部分を数字に置き換えたものとなる(たとえば、局番号が87001の郵便局の場合、局所コードは870010となる。また、局番号が87001Aの分室の場合、局所コードは870011のようになる)。
基本的に旧公社時代からの名称を継承したが、同じ建物に入っている郵便事業会社、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の各支店は郵便局の名称と異なる場合があった。基本的に中央郵便局と同じ建物に入っている場合は名称に「中央」が入らず、同名の郵便局があって名称が重複する場合は地名が付くなどの違いがあった。
ポストで収集された郵便物はそれぞれ「大阪」「横浜」「北海道深川」「群馬大泉」「東京千歳」「横浜緑」「相模原橋本」「名古屋緑」「伊賀上野」「丹波」「廿日市大野」「山口小郡」「肥後大津」「宇佐四日市」「宮古島」の消印が押された。
郵便事業の支店同様、「中央局」に併設された直営店は、すべて中央が取れた支店名・店名となる(日本郵便移行後の例外として、2015年12月に当時の名古屋中央郵便局名古屋駅前分室から移転改称した、名古屋中央郵便局と同時に移転し、ゆうちょ銀行名古屋駅前店から改称して発足した名古屋中央店がある)。
民営化当初は、福岡店が福岡東郵便局に併設されていたが、後に福岡東店に改称されている(福岡東局への併設は変更なし)。
移動郵便局は昭和初期には登場していた[3]。
災害などで通常の業務や利用が困難になった場合、車両型郵便局を派遣して簡易的な業務を執り行う事が出来るため東北地方太平洋沖地震などで臨時営業で利用された[4][5][6]。
(単位:億円) [注釈 3]
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