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日本において行われる売春の一形態 ウィキペディアから
援助交際(えんじょこうさい)は、日本で金銭などを目的として性行為やデートなどを行う男女交際の形態の1つである。金銭的援助を目的とした男女交際を建前としているものの、実際には売春・買春・人身売買の別称である。典型的には、男性が金銭を支払って女性と性行為を行うことである。18歳未満の者と性行為を行うことが多く、しばしば売春・買春の問題として取り上げられる[1][2]。インターネットが急速に普及した2000年代以降は、SNSや出会い系サイトなどを通じて行われることが多い。略称は援交(えんこう)。
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矢島・宮台(1997)によれば、「援助交際」という用語には3つのルーツがある。1つめは、1980年代前半の愛人バンクにおける「長期的愛人契約」を意味するものである。2つめは、1990年代前半のダイヤルQ2などに関して「売春」を意味するものである。3つめは女子高生デートクラブの間で使われたもので、「売春」行為または「非売春」行為を意味するものである[3]。
元々は日本の若者が使う売春の隠語であった。しかし次第に社会に広まっていき、1996年には「援助交際」という言葉は流行語大賞にも入賞するほど世間一般に知られるようになった。
そのため、現在は援助交際を「円光」、「¥」、「サポ」(サポート)、「○」(円=援助)、「割り切り」などと表現する場合があり、金銭交渉には「ホ別3」(ホテル代は別で3万円、の意)、「ゆきち5」(5万円の意)、「20k」(20×1000=2万円の意)、「いちご(苺)」(1万5千円の意)など、婉曲した表現をする場合が多い[4]。
日本で初めて援助交際が社会問題となったのは1990年代であり、当時の高校生は主に1970年代後半から1980年代初頭生まれのポスト団塊ジュニア世代に当たる。
なお、現在使われている女子高生の略語である「JK」は、元々は2000年代初頭の出会い系サイト全盛期の頃に援助交際を行っていた者が隠語として使用していた、れっきとした援助交際由来の言葉であるが、2000年後半頃からの「KY」ブームで女子高生自らがJKと自称するようになり、2010年代以降は一般層にも浸透したという経緯がある[5]。
女性が金銭を支払う交際の場合は、逆援助交際、逆援、逆サポなどと呼ぶ場合がある[6]。
英語では日本語をローマ字で表した「Enjo kōsai」として紹介されることがある。財団法人大阪府男女共同参画推進財団は、女子学生から主婦までが関わる児童買春や売春として説明している[7][8][9]。
学生の素人売春自体はアメリカと西ヨーロッパにも存在しており、金銭などを得る側を「シュガーベイビー」 (sugarbaby)、支払う側の男性をシュガーダディー (sugar daddy) ・女性をシュガーママ (sugar mama) またはシュガーマミィ(sugar mommy)という[10][11]。
パパ活(パパかつ)は、「パパ」と呼ばれる裕福な男性を客として、食事や買い物などのデートをして、その報酬として金銭を受け取る商売である[12]。客の年齢層が若い場合は「兄活」とも呼ばれる[13]。
パパ活をするのは多くは若年女性だが、若年男性が行う場合もある。2021年には21歳の男子大学生が37歳の男を相手にパパ活を行い、縁を切るときに刺殺された事件も発生している[14]。
「援助交際」と「パパ活」で異なる部分は、男性側の金銭的余裕の差や活動自体に肉体関係が必須ではない点[12][15]、 恋愛感情などを持たない体の関係だけの割り切りが中心である援助交際と違い、買う男性側に女性と交際関係にあるという認識が強い点、売る側に成人女性が多いことなどが挙げられる。
お小遣いとして金銭等を受け取ることが一般的だが、金額の大きさ次第で性交に応じる、つまり売春をする女性もいる[12]。
パパ活を支援する営業形態は、交際クラブやデートクラブと呼ばれる。元々「パパ活」という言葉は、交際クラブ日本最大手のユニバース倶楽部が交際クラブの認知普及とイメージ転換のために作った言葉である[16][17]。現在では、交際クラブ・デートクラブの他に、パパ活を支援するウェブサイトやスマートフォン用のアプリもある[18]。
男性が援助してくれる女性を探す活動をママ活という。2021年時点でママ活専用のマッチングアプリも存在し、東京大学、早稲田大学、慶應義塾大学など高学歴の男子大学生もいるという[21]。
援助交際を行った者が児童(法律によって違うがここでは18歳未満の者)で、その児童に対して客が性交の相手となるよう誘引し、金銭と引き換えに性的行為を行った場合には、日本では児童買春・児童ポルノ処罰法によって、児童買春とみなされる。児童との性行為やわいせつな行為は金銭の収受の有無によらず処罰を受け、さらに、成人が16歳未満の性的同意年齢に達していない少年(男女ともに少年と呼称される。少年法や児童福祉法は性別無関係に20歳未満の者または小学1年生~17歳の者を少年と呼ぶ)を相手にした性行為は、合意の有無に関わらず不同意性交等罪・不同意わいせつ罪が適用される(そもそも法的に有効な「合意」は取れない)。
援助交際の過程で、児童の着用済み下着等の売買が行われる場合がある。また、一時的な交際(カラオケや食事を共にするだけ)という条件で合意し、それに対する金銭の授受が行われることもある。これらは性的行為を伴わないため淫行条例には違反せず、また買春行為にも当たらない。ただし行き過ぎた行為に対しては、青少年保護育成条例や児童福祉法(対象は18歳未満)、未成年略取・誘拐罪(対象は成人年齢引き下げ前は20歳未満、引き下げ後は18歳未満)が適用された事例がある。
援助交際を行った者が成人で、その成人が客が金銭と引き換えに性的行為を行った場合には、パパ活を行った者が売春防止法違反を問われることになる。売春防止法は、売春をする目的で「公衆の目にふれるような方法で、人を売春の相手方となるように勧誘すること」を禁止しており、違反者には6カ月以下の懲役または一万円以下の罰金が課される(同法5条1項1号)。
ここでは、援助交際が行われる舞台の変遷について記載する。
児童との援助交際を防止するために施行される法令は、「青少年の保護」および「買春の処罰」の両方の観点から行われる。ただ現在では、児童が見ず知らずの大人と容易に接触できる手段から隔離する為の施策のみが重点的に議論されており、匿名性の高いコミュニケーション手段が創生されるたびに、法規制で対応しているのが現状である。
また、法規制が強化される度に新たな業種や形態の児童買売が誕生するためいたちごっこが続いている。
児童の持つスマートフォンからインターネットにアクセスする際のフィルタリングの是非や、小中学生にスマートフォンを持たせること自体の是非も議論されている。
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