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赤胴鈴之助
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『赤胴鈴之助』(あかどうすずのすけ)は、福井英一と武内つなよしによる日本の漫画作品、およびそれを原作とするラジオドラマ、映画、テレビドラマ、テレビアニメである。
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概要
北辰一刀流千葉周作道場(千葉が興し、指導した玄武館が実在する)の少年剣士、金野鈴之助の活躍を描く。父親の形見である赤い胴(防具)を着けることから「赤胴鈴之助」と言われる。
本作は、福井が過去に執筆した『よわむし鈴之助』を『少年画報』連載用にリメイクしたものである。連載作品であるが、1954年(昭和29年)発行の同誌8月号[1]に第1話が掲載されたところで福井が急死したため、当時新人漫画家であった武内が後を継いで執筆し、見事に人気作品に育て上げた[2]。連載は1960年(昭和35年)12月号まで続けられた[3]。
連載終了後の1969年には、小学館の『ビッグコミック』第3号に読み切り作品『赤胴鈴之助 ああ青春』が掲載された。
1970年には日本文華社(現・ぶんか社)の『特集漫画トピックス』において、青年になった鈴之助が性に目覚めて悶々とする続編『青年赤胴鈴之助』が描かれている。武内つなよし本人による作品だが、絵柄は本編と違って劇画タッチである。
1972年 - 1973年にはテレビアニメの放送と並行して、小学館の学年別学習雑誌各誌でコミカライズ作品の連載が、そして同社の『週刊少年サンデー』で2度目の連載が行われた(全20話)。ただし作者名義は、学年別学習雑誌連載版では「竹内(武内)つなよし / 七条門 / 鷲見千秋」[4][5]、「武内つなよし / スタジオBell」[6]、「武内つなよし / ひゃくた保孝 / 尾崎みつお」[7]、少年サンデー連載版では「武内つなよし / スタジオBell」[8]となっている。
アニメ終了後の1977年には、信濃毎日新聞夕刊に『新・赤胴鈴之助』が週一連載されていたが、本編とのつながりはキャラクターのみであり、ストーリーの関連性は特に無い。
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あらすじ
少年剣士・鈴之助は、江戸に出て父の友人である千葉周作に弟子入りし、修行を積んで心と技を磨く。そんな鈴之助に、兄弟子・竜巻雷之進との確執や、幕府転覆をもくろむ鬼面党との対決など、様々な事件が起きる。だが、鈴之助はいかなる苦難にも負けず、正義と剣の道を貫いていく。
必殺技は、千葉周作の紹介で飛鳥流に弟子入りして伝授された「真空斬り」、物語後半では、それまで片手の手刀で2つにしていた「竜巻」を、両手で交差させながら同時に斬ることによって4つにする「十文字斬り」(後述されるアニメ版では「十文字真空斬り」と称す)にパワーアップする。
単行本
以下の5冊は小学館クリエイティブより出版された復刻版。
- (2007年11月)ISBN 978-4-7780-3049-0
- (2007年11月)ISBN 978-4-7780-3050-6
- (2007年11月)ISBN 978-4-7780-3051-3
- (2008年1月)ISBN 978-4-7780-3059-9
- (2008年2月)ISBN 978-4-7780-3062-9
ラジオドラマ
1957年1月7日から1959年2月14日までラジオ東京(現・TBSラジオ)で放送。全42話。日本水産(現・ニッスイ)の一社提供[9]。
当時小学生であった吉永小百合や藤田弓子が公募で選ばれて出演した。また、当時15歳であった山東昭子も語り手として出演している。生放送の回や公開録音の回もあった。
キャスト(ラジオドラマ)
主題歌(ラジオドラマ)
エピソード(ラジオドラマ)
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映画
1957年から1958年にかけて大映製作の映画9作品が公開された[2]。途中で主演俳優が交代しているが、これは鈴之助役の梅若正二が人気を得たことで不遜な態度をとるようになり、スタッフから嫌われたためとされる[10][11]。
梅若正二編
- 第一話 - 「赤胴鈴之助」(1957年5月21日公開。モノクロ作品)
- 第二話 - 「赤胴鈴之助 月夜の怪人」(1957年6月18日公開。モノクロ作品)
- 第三話 - 「赤胴鈴之助 鬼面党退治」(1957年8月13日公開。モノクロ作品)
- 第四話 - 「赤胴鈴之助 飛鳥流真空斬り」(1957年8月25日公開。モノクロ作品。併映は『透明人間と蝿男』と『頭突きと空手チョップ』)
- 第五話 - 「赤胴鈴之助 新月塔の妖鬼」(1957年9月21日公開。カラー作品)
- 第六話 - 「赤胴鈴之助 一本足の魔人」(1957年12月28日公開。カラーワイド作品)
- 第七話 - 「赤胴鈴之助 三つ目の鳥人」(1958年3月11日公開。カラースコープ作品。1971年には『ガメラ対深海怪獣ジグラ』の併映作品として再公開)
- キャスト
桃山太郎編
- 第八話 - 「赤胴鈴之助 黒雲谷の雷人」(1958年11月15日公開。モノクロスコープ作品)
- 第九話 - 「赤胴鈴之助 どくろ団退治」(1958年12月21日公開。モノクロスコープ作品)
- キャスト
- 赤胴 鈴之助 - 桃山太郎
- しのぶ - 浅野寿々子(浅野順子)
- 他の配役は梅若正二編と同様である。
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テレビドラマ
要約
視点
1957年のほぼ同時期から、大阪テレビ放送(現・朝日放送テレビ)とラジオ東京(KRテレビ、現・TBSテレビ)による2種類のテレビドラマが製作・放送されている。斎藤良輔の著書『日本のおもちゃ遊び』(朝日新聞社)によると、本作は日本初のテレビキャラクター玩具が発売された作品である。玩具はヒットし、後年の『月光仮面』や『鉄腕アトム』への流れを作った。
また1979年と1985年には、フジテレビが単発のテレビドラマを製作・放送している。
このほかに、江木俊夫主演によるテレビドラマも存在したとされるが、詳細は明らかになっていない[13]。全3回程度であったようだが、打ち切られたのか当初の予定通りだったのかも、やはりハッキリしていない。
大阪テレビ版
1957年9月20日から1958年10月3日まで放送。全55話。
当時はまだテレビドラマでも行われていたスタジオ生放送方式の作品であった。
KRテレビ版
1957年10月2日から1959年3月25日まで放送。全55話。放送時間は毎週水曜 18:15 - 18:45。
好評であったラジオドラマをテレビドラマ化したもので、同様に日本水産の一社提供で放送。この作品もスタジオでの生放送方式であった。
出演は、尾上緑也(6代目尾上松助)、小林重四郎、高杉哲平、神田正夫、吉永小百合(テレビ初出演)[14]、五月みどり、野沢雅子、大平透、大塚周夫など。
フジテレビ版
1979年版
1979年6月12日にフジテレビの『火曜ワイドスペシャル』枠で放送された、人気作品をリメイクする企画『TVスーパーヒーロー傑作選』で放送。主演は郷ひろみ。また竜巻雷之進役は志垣太郎[16]。
1985年版
1985年7月8日にフジテレビの『月曜ドラマランド』枠で、『おさわがせ剣士 赤胴鈴之助』というタイトルで放送。
内容は他作品と大幅に異なり、現代(1985年当時)の剣道音痴な男子高校生が江戸時代にタイムスリップし、剣豪となるという設定。主演は木村一八で、本作が初主演。共演は『月曜ドラマ』常連の小松政夫と塩沢ときのほか、一八の実父・横山やすしや西川のりお、島田紳助、チャンバラトリオなど。脚本は萩原芳樹、演出は大黒章弘。
エピソード(テレビドラマ)
1957年版とほぼ同時期に新造された鉄道車両の阪神3301・3501形電車は、上半分がクリーム色、下半分が朱色のツートンカラーで登場したことから「赤胴車」と呼ばれた。このカラーリングは阪神電気鉄道の優等列車用車両の標準塗装となり、60年以上経った2020年6月初めまで運行されていた[17]が、2025年より阪神8000系全車に順次塗り直されていくことが決定した[18]。
2022年版
2022年、『まったり!赤胴鈴之助』のタイトルで青年剣士・鈴之助が現代にタイムスリップするという独自の設定でリメイク。
→詳細は「まったり!赤胴鈴之助」を参照
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アニメ
要約
視点
1972年4月5日から1973年3月28日までフジテレビ系列で放送。フジテレビと東京ムービーの共同製作。全52話。過去にラジオドラマ版や実写版を一社提供していた日本水産が筆頭スポンサーとなっていた(他社との複数社提供)。
キャスト(アニメ)
スタッフ
- 原作 - 武内つなよし
- 作画監修 - 楠部大吉郎
- 演出 - 吉田茂承
- 作画監修補 - 小田部羊一
- 美術監督 - 影山仁
- 撮影監督 - 三沢勝治
- 録音監督 - 山崎あきら
- 音楽 - 渡辺岳夫(作曲)、松山祐士(編曲、ノンクレジット)
- 編集 - 越野寛子
- 効果 - 片岡陽三
- 録音技術 - 三浦千治
- 作画 - 今沢哲男、才田俊次、前田実、木村圭市郎、山口泰弘、湖川滋、近藤喜文、有原誠治、山田道代、香西隆男、本多敏行、青木雄三、福富博、塩山紀生、須田裕美子、金田伊功、村田耕一、中村英一、富沢和雄 他
- 美術 - 伊藤雅人
- 背景 - 川本征平、窪田忠雄 他
- 撮影 - 若菜章夫、大和田亨、石川欽一
- 仕上 - スタジオロビン、イージーワールド、スタジオジュニオ
- 演出助手 - 加藤良雄、菅野英雄、御厨恭輔、熊崎哲男、仙石鎮彦、斉藤正俊、田中実、加藤俊三、宮島博信、野中保男、松元理人
- 制作協力 - Aプロダクション、映音、東京現像所
- 制作 - フジテレビ、東京ムービー
主題歌(アニメ)
- オープニングテーマ
- 「がんばれ!赤胴鈴之助」
- 作詞 - 藤島信人 / 作曲 - 金子三雄 / 編曲 - 渡辺岳夫、松山祐士 / 歌 - 東京城北少年少女合唱団
- ラジオドラマや実写版の主題歌を流用したものであるが、歌詞が一部変更されている。
- 初期のオープニングに使われている曲は1コーラスであるが、中期以降のオープニングでは2コーラスとなっている。『東京ムービー アニメ主題歌大全集』(規格 - VHS、LD)には2コーラスバージョンのみが収録されている。
- 東八郎はこの曲の歌詞「仲間」を「なまか」と訛らせて歌い、持ちギャグにしていた。
- ハウス食品の1970年代の商品、たまごめんのCMでこの曲をベースにしたCMソングが使われた。
- とんねるずの「がじゃいも」には、本曲冒頭にある台詞のパロディが入れられている。
- エンディングテーマ
各話リスト
放送局
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- フジテレビ(制作局):水曜 19:00 - 19:30
- 北海道文化放送:水曜 19:00 - 19:30[20]
- 青森放送:土曜 18:00 - 18:30(1972年9月まで) → 水曜 19:00 - 19:30(1972年10月より)[21]
- テレビ岩手:金曜 18:00 - 18:30 (1973年3月まで) → 水曜 18:00 - 18:30(1973年4月)[22]
- 秋田テレビ:水曜 19:00 - 19:30[23]
- 山形テレビ:水曜 19:00 - 19:30[23]
- 仙台放送:水曜 19:00 - 19:30[23]
- 福島テレビ:土曜 18:00 - 18:30[24]
- 新潟総合テレビ:金曜 18:00 - 18:30[25]
- 富山テレビ:水曜 19:00 - 19:30[26]
- 石川テレビ:水曜 19:00 - 19:30[26]
- 福井テレビ:水曜 19:00 - 19:30[27]
- 長野放送:水曜 19:00 - 19:30[28]
- 山梨放送:水曜 19:00 - 19:30[29]
- 東海テレビ:水曜 19:00 - 19:30
- テレビ静岡:水曜 19:00 - 19:30[29]
- 関西テレビ:水曜 19:00 - 19:30
- 日本海テレビ:金曜 18:00 - 18:30
- 山陰中央テレビ:水曜 19:00 - 19:30[30]
- 岡山放送:水曜 19:00 - 19:30[31]
- 西日本放送:金曜 18:00 - 18:30[31]
- 広島テレビ:水曜 19:00 - 19:30[31]
- テレビ山口:土曜 18:00 - 18:30[32]
- テレビ愛媛:水曜 19:00 - 19:30[33]
- 高知放送:金曜 18:00 - 18:30[33]
- テレビ西日本:水曜 19:00 - 19:30[34]
- サガテレビ:水曜 19:00 - 19:30
- テレビ長崎:土曜 18:00 - 18:30[34]
- テレビ熊本:月曜 19:00 - 19:30[35]
- テレビ大分:金曜 18:00 - 18:30[36]
- テレビ宮崎:木曜 19:00 - 19:30[37]
- 南日本放送:木曜 19:00 - 19:30[37]
- 沖縄テレビ:水曜 19:00 - 19:30[38]
劇場版
1972年7月22日、『東宝チャンピオンまつり』で初期エピソードの再編集ブローアップ版が上映された[39]。上映時間は55分[39]。同時上映は、『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』(リバイバル)・『ミラーマン 生きかえった恐竜アロザ』・『天才バカボン 別れはつらいものなのだ』・『かしの木モック ぼくはなかない』の計4本[39]。
ネット配信
トムス・エンタテインメントがYouTubeに開設した「TMSアニメ55周年公式チャンネル」で、2019年4月23日から第3話までがネット配信されている。ただし、制作クレジットはオープニング・エンディングともに本放送当時のものでなく、「製作・著作 トムス・エンタテインメント」とクレジットされた再放送用静止画像に差し替えられている。また、オープニングテーマは2コーラスバージョンのものが使われている。
また同チャンネルで、2019年12月11日からオープニングとエンディングの両映像が配信されている。こちらも製作クレジットは全て再放送用静止画像に差し替え、またオープニングは2コーラスバージョンを配信するも、タイトル表示前の剣道&名乗り部分は省かれた。なおエンディングの内、第2バージョンは配信されていない。
エピソード(アニメ)
広島東洋カープの投手であった金城宰之左の名前は、本作アニメ版の鈴之助から取られたものである[40]。
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歌舞伎
2021年8月13日~22日、東京都本多劇場で新作歌舞伎「赤胴鈴之助」が上演。主演は尾上松也。松也は1957年版テレビドラマで主演を務めた尾上緑也の息子。翌2022年のテレビドラマ「まったり!赤胴鈴之助」でも主演を務めている。
松也が主宰する自主公演シリーズ「挑む」のファイナル公演でもあり、正式タイトルは『尾上松也歌舞伎自主公演「挑むVol.10 ~完~」新作歌舞伎「赤胴鈴之助」』。動画配信サイトNetflixで本編が2022年6月16日世界配信された。また歌舞伎に初挑戦した生田斗真を追った『生田斗真 挑む』もNetflixドキュメンタリー映画として同日配信された。
- 配役
- スタッフ
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パロディ
『月刊アフタヌーン』2007年3月号の別冊付録「アフタヌーン創刊20周年・永井豪 漫画家生活40周年記念『豪ちゃんマガジン』」(永井豪特集)に、『赤褌鈴乃介』という美少女剣士が主人公のパロディ作品が掲載された。
脚注
参考文献
外部リンク
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