極悪女王
日本のNetflixドラマ ウィキペディアから
『極悪女王』(ごくあくじょおう)は、鈴木おさむの企画・脚本・プロデュース、白石和彌総監督によりNetflixで 製作され、2024年(令和6年)9月19日より配信されている配信ドラマ[1][2][3]。主演はゆりやんレトリィバァ[1][2][3][4]。
極悪女王 The Queen of Villains | |
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ジャンル | 配信ドラマ |
企画 | 鈴木おさむ |
脚本 |
鈴木おさむ 池上純哉 |
監督 | 白石和彌 |
出演者 |
ゆりやんレトリィバァ 唐田えりか 剛力彩芽 えびちゃん(マリーマリー) 隅田杏花 水野絵梨奈 根矢涼香 鎌滝恵利 安竜うらら 堀桃子 戸部沙也花 鴨志田媛夢 芋生悠 仙道敦子 野中隆光 西本まりん 宮崎吐夢 美知枝 清野茂樹 赤ペン瀧川 音尾琢真 黒田大輔 斎藤工 村上淳 |
オープニング | ゆりやんレトリィバァ「Dump the Heel」 |
エンディング | Awich「Are you serious?」 |
国・地域 | 日本 |
言語 | 日本語 |
シーズン数 | 1 |
話数 | 5 |
製作 | |
エグゼクティブ・プロデューサー | 高橋信一 |
プロデュース | 鈴木おさむ |
制作 | Netflix |
配信 | |
配信サイト | Netflix |
配信国・地域 | 全世界190か国 |
配信期間 | 2024年9月19日 - |
配信サイト |
女子プロレスラー・ダンプ松本が仲間たちとの友情と戦い、さまざまな代償や葛藤を抱えながらカリスマ的人気で1980年代に女子プロレス旋風を巻き起こし、日本史上最も有名なヒールに成り上がっていくさまを描く[1]。
タイトルの「極悪女王」は元々はダンプ松本の愛称ではなく、「極悪同盟」創始者として再評価され始めた2010年代に一部のメディアが用いたキャッチコピーである[5]。
本作品はダンプ松本やクラッシュギャルズたち「80年代の全女女子プロレスラー」をモデルとした「事実に基づいたフィクション」であり、本編及び参考資料などでもたびたび断り書きが掲示されている[6]。その一方で制作過程の影響により、ノンフィクションやドキュメンタリーの要素が多分に含まれた配信ドラマとなっている[6]。
制作、配信、宣伝経緯
要約
視点
企画
2019年(令和元年)[7][8]、当時放送作家だった鈴木おさむが[7][8][3]構成スタッフとして入っていたテレビ朝日のバラエティ番組「すじがねファンです!」で、11月7日と[9][10]11月14日の前後編[9][11]、及び12月7日に放送された「特別編」に[12]ゲストで登場した元女子プロレスラーのダンプ松本[3][13][9][10]と長与千種[3][13]の回で[12]、収録現場で「敗者髪切りデスマッチ」の映像を流した[7][8]。長与千種の長年のファンはこの映像をこれまで一度も観たことがなかったし、二度と観たくなかった[8]。そしてその映像を観ながらファンは収録現場で悔し涙で号泣した[7][8]。その様子をみた鈴木おさむは、今の時代にこの熱量を持つものはなかなかない。この当時はプロレスなどの娯楽と真剣に向き合っていた時代であり、当時の女子プロレスを描くことで[7]その「狂気の時代」を全力で生き抜いた人たちをテーマとして扱いたいと考えた[8]。
そして鈴木おさむは、ダンプ松本と長与千種の「髪切りデスマッチ」の写真と、「極悪女王」のタイトルを付けた表紙の数ページの企画書を作成し[6]、Netflixに持ち込んだ[7][8][14]。これはドラマですか?と聞かれた鈴木は「はい、ドラマです」と答えた。担当者の坂本和隆はこの企画を面白がり採用され[7][14]、この企画書を読んだ坂本の部下である高橋信一が「やりたい」と手を上げた[6]。
そして高橋は映画「孤狼の血」シリーズなどで知られており、大のプロレス好きであった[15]映画監督の白石和彌[3]を監督として迎えた[15][6]。人間の心の奥底にあるドロドロとした感情を描き出す事に長けた作家性を持つ白石により、元女子プロレスラーへの取材を通して見出された、リングに立つ少女たちの妬み嫉み葛藤を軸とした物語として、ダンプ松本と同期レスラーたちの物語として、「闘う少女たちの物語」として、「極悪女王」の制作が始まった[6]。
オーディション
本作にキャスティングされた女子プロレスラー役の俳優はほぼ全てオーディションにより採用された[3][16][17][6]。
「ダンプ松本を演じられる人がいなければこの企画は成立出来ない」と考えられていた[18]。その頃、ゆりやんレトリィバァはマネージャーからダンプ松本が主役のドラマで、主演のオーディションが行われる事を聞き、将来はアメリカで活動する事を考えていたゆりやんは、Netflixはアメリカの企業だし、鈴木おさむと白石和彌が制作する作品で主演を務めれば自分のキャリアにプラスになる。極論言えば「アメリカで売れる」[15]。そんな私利私欲からオーディションに参加した[15][4]。そしてダンプ松本を演じたゆりやんレトリィバァの芝居で制作側の様々な懸念は払拭された[18]。2020年(令和2年)秋[19]、ゆりやんレトリィバァがダンプ松本役に採用された[18][20][7][16][21][22][23]。けれども採用が決まった後は「こんなにありがたい事は無い」と、「極悪女王」完成に向け全力で取り組んでいった[15]。
そして2021年(令和3年)、他の女子プロレスラー役12名のオーディションが行われた[24]。参加した俳優たちの顔は、後々まで白石監督の脳裏に残った[15]。そして剛力彩芽がライオネス飛鳥役、唐田えりかが長与千種役など[15][24][25][26][23]、それぞれ配役が決まっていった[27]。そして俳優たちは文字通り「人生の一部」を捧げて「極悪女王」の制作に参加した[3][15]。
キャスティングは公に明らかにされていなかったのにも関わらず、特に唐田の配役は2022年(令和4年)2月頃に記事にされてしまった[6]。そして同時に「極悪女王」という作品が世間で話題になり始めていった[6]。
身体作りとトレーニング
女子プロレスラー役の俳優は、撮影前に体重増量込みの身体作りと、プロレスのトレーニングを行った[3][28][24][22][17][27][25][29][30][31][32][33]。
ゆりやんレトリィバァは3年掛けて45Kgのダイエットをした直後であったが[15][4]、自分のパーソナルトレーナーである岡部友と相談しながら約2年を掛けて筋肉量増量を含め約40kg体重を増やし[28][20][15][22][19][4][33]ダンプ松本役の身体作りを行った[28][23]。
唐田や剛力など他の俳優に対しては、同じくNetflixの配信ドラマである相撲を題材として制作された「サンクチュアリ -聖域-」の身体作りを参考として、制作統括の長谷川晴彦プロデューサーがこのノウハウをプロレス仕様にアレンジさせたサポート体制が取られた[6]。
栄養管理士や専門医[27]、そして専任トレーナーの指導の元[6][27]、約10kgの体重増加を目指しながら[25][22][19][17]、2022年(令和4年)1月から[34]コロナ禍に配慮されNetflixにより作られた専用ジムで[23]週3回の筋肉トレーニングと[34][33]、「極悪女王」のプロレススーパーバイザーを務めた長与千種[28][13][19][30][31][27][35][36][37][38][39][40]が主宰するプロレス団体「Marvelous」[40][4][30][34]所属選手である彩羽匠や桃野美桜やMariaたちによる[31][39][17][32][41]、皆がそろっての「入門」に近い形での[39]週2回の実践プロレストレーニングの[28][30][31][17][4][34][33]、合わせて週5回のトレーニングが撮影開始の半年前から始まり[29]撮影中も課せられ[29]、合わせて1年と半年もの間トレーニングを行った[24][22][16][23]。
みんなで一緒にご飯を食べに行った[27]。悔し涙を流しながらプロレスの練習に取り組んだ[6]。そして高度で危険なプロレス技習得への挑戦を厭わなかった[34][6]。トレーニングに参加した「負けず嫌いな俳優たち」にとっては「まるで部活動のようだった」青春の日々となった[23][4][30][27][42][33][34][6]。そして女子プロレスラー役の俳優たちは、練習を通じてその仲を深めていった[34][6]。
身体作りに必要な食費はNetflixから出され、様々な料理や飲み物もケータリングとして用意され[42]、また身体に負担を掛けずに増量させるために毎月の血液検査などの健康診断が行われ、メンタルケアも導入されるなど、Netflixによる徹底した体調管理のサポート体制が取られた[16][22][23][4][34][6]。
撮影
2022年(令和4年)6月30日[43]、Netflix公式サイトでダンプ松本役にゆりやんレトリィバァが配役されることが告知された[43]。
同年7月[19][34]にクランクイン[19][34]。主に試合のシーンは「順撮り」で撮影されていった[39]。
プロレス試合のシーンはプロレススーパーバイザーに就任した長与千種がプロレス技の組み立て構成から担当し[35][36][37][27][38]、「99.9パーセント、役者が演じた」と太鼓判を押すほど、感情がぶつかり合う血みどろの激闘でさえもほぼ全て[3]女子プロレスラー役の俳優が自らの身体を張って演じた[3][31][44]。また長与は「松永兄弟」を演じた松永高司役・村上淳、松永国松役・黒田大輔、松永俊国役・斎藤工への「松永兄弟の言動や行動や仕草」や[45]、ゆりやんレトリィバァに対してはダンプ松本の当時の行動やジェスチャーなど[28][45]、自分と関わり合いのあった実在の登場人物たちの演技指導を行った[45]。
白石監督と付き合いが長い美術担当の今村力を中心として[46]、東京都目黒区にあった全女自社ビルの外観セットを実際にビルのあった場所に再現して建てられたり[46][47]、凶器などの小道具[33]、試合で着用する水着や歌唱ライブの衣装[46][33]やエキストラの服装、そして全女の移動バスやトラックのデザインに至るまで[47]、ダンプ松本本人が「そのまんまだ」と感心するほどに[4]、80年代の再現にこだわった[46] [48][33][6]。
そしてインティマシーコーディネーターの浅田智穂も制作に関わり、水着姿でのプロレス試合シーンでの俳優たちの身体の見え方などの心理的なサポートを行った[4]。
また各試合の撮影ごとに、場内が満員になるほどのエキストラが参加し、「極悪女王」撮影時のエキストラの総数は合わせて2万人以上に上った[15]。
これらの道具や衣装やセットやエキストラ、そして前述した俳優たちへのサポート体制なども含め、多種多様かつ様々な費用が掛かったため、1話につき約1億円、5話全て合わせて約5億もの制作費が掛かったと言われている[47]。
俳優たちは試合の撮影に行く時には「試合に行ってきます」と言い合っていた[39][23][45][4]。座長であるゆりやんはキャストやスタッフにも気配りで接し[34][49]、撮影が長引いた時にはリングに上がり、ネタを披露し現場を笑いで和ませていた[34][49]。そしてゆりやんと唐田は、ダンプ松本と長与千種の関係の悪化を体感するために、敢えて仲の良い友だちとしての交友を絶つ期間を設けることまでした[28][23][4][42][33]。
同年10月、ゆりやんレトリィバァが撮影中に受け身を取り損ねて[18][4][50]頭と背中を打ち[50]、撮影が中断された[20][43][31][4]。しっかりとした治療のためゆりやんには2週間の絶対安静期間が与えられ[20][43][50]、その後、インターバルを取るための[31]半年間の追加練習期間を経て、翌年の2023年(令和5年)に入ってから再び撮影が再開された[23]。そして俳優たちは自分の体調を互いに遠慮無く語り合うようになり、サポート体制も更に整えられた[4]。その一方で、この時期に悪評を煽る中傷記事が出てしまった[23][4][50]。しかしこの報道が、記事に抗議出来ない悔しさと[4]、「作品の出来で見返してやる」という反骨心に繋がり、俳優たちや現場の結束を高めることになった[23]。
「髪切りデスマッチ」[39]は約1ヶ月間掛けて撮影され[23]、長与役の唐田自身の髪を、ダンプ松本役のゆりやんレトリィバァがバリカンで切るシーンは[23]同年7月7日に[23]一発撮影で行われた[51]。
そして同年6月某日[46][52]、後楽園ホールで行われた[17][46][52]本作品ラストの試合シーンとなった「ダンプ松本引退試合」の撮影は、長回し長尺のほぼノンストップで一気に撮影された[45]。そしてダンプ松本や長与千種だけではなく、ライオネス飛鳥やブル中野などの全日本女子プロレスに所属し「極悪女王」に登場した元女子プロレスラーたちが集結した[17][53]。撮影中は、試合会場がまるごとタイムスリップしたかのような感覚に陥り[23]、撮影終了時には、参加したエキストラやスタッフ、キャストが皆、全員泣きながら総立ちし、拍手を贈っていたという[45]。
配信前
2023年
2023年(令和5年)10月1日、「クラッシュギャルズ 40周年記念ライブ」が開かれ、長与千種役に唐田えりか、ライオネス飛鳥役に剛力彩芽がキャスティングされた事が公式発表された[54][55][56][6]。そしてダンプ松本も登場し6人揃って記念撮影をしたあと、クラッシュギャルズの代表曲「炎の聖書」を長与、飛鳥、ゆりやん、唐田、剛力の5人で熱唱した[54][55][56][57]。
2024年
2024年(令和6年)2月8日[58]、Netflixラインナップ発表イベント「Next on Netflix 2024」で、ゆりやんレトリィバァが演じる主演のダンプ松本のメインビジュアルと、本編映像が公開された[58]。
7月17日、ゆりやんレトリィバァ、唐田えりか、剛力彩芽の3人で、Netflix公式Instagramアカウントでインスタライブが配信され、「極悪女王」配信開始日が9月19日に決定した事がサプライズで発表された[59][60][61]。そしてティザーアート第一弾が発表されたほか[59][60][61]、ライオネス飛鳥がインスタライブを視聴している事が判明し3人が歓喜したり、またゆりやんが興奮のあまり思わず斎藤工の出演を発表してしまう一幕もあった[59][60][61]。また唐田えりかが「極悪女王」Instagramアカウントを開設。唐田の手により「極悪女王」の情報を続々と発信していった[59][61]。
8月14日、ティザー予告がYouTubeに配信され、追加ティザーアートも公開[35][36][37][38]。仙道敦子が松本香の母・里子役に[35][38]。また「全日本女子プロレス」創業者一族「松永兄弟」の松永高司役に村上淳、松永国松役に黒田大輔、そして先だって出演が発表されていた斎藤工は松永俊国役、音尾琢真が「極悪レフェリー」阿部四郎役[35][36][37][38]。またえびちゃん(マリーマリー)、隅田杏花、水野絵梨奈、根矢涼香、鎌滝恵利、安竜うらら、堀桃子、戸部沙也花、鴨志田媛夢、芋生悠、野中隆光、西本まりん、宮崎吐夢、美知枝、清野茂樹、赤ペン瀧川の出演も発表された[35][38]。そして本作の登場人物の1人である長与千種本人がプロレススーパーバイザーとして参加している事が発表され[35][36][37][38][40]、長与と[39]ダンプ松本、それぞれのコメントも公開された[35][36][37][38]。
8月21日、クラッシュギャルズの名曲「炎の聖書」が発売されて40周年となるこの日、長与千種役の唐田えりかとライオネス飛鳥役の剛力彩芽による「クラッシュギャルズ」の場面画像が公開[62]。8月28日、ゆりやんレトリィバァが演じるダンプ松本の場面画像が公開[63]。9月2日、メイン予告とメイン動画が公開され、プロレス試合シーンが初公開された[64][65][66]。また以前からゆりやんと音楽制作などを通して親交を深めていたAwichが「極悪女王」のために書き下ろした新曲「Are you serious?」が主題歌に決定したと発表された[64][65][66]。
9月7日、長与千種役の唐田えりかがダンプ松本役のゆりやんにサソリ固めを掛けるシーンや「髪切りデスマッチ」などの当時のプロレスの試合を再現したシーンが公開された [67][68]。9月11日、「Are you serious?」が配信開始され、「極悪女王」とのコラボムービーが公開された[69][70][71]。
9月12日[3][15]午前[72]、「極悪女王」配信直前 緊急完成報告会が東京都[3]後楽園ホールビル内「後楽園飯店」で行われ、ゆりやんレトリィバァ、唐田えりか、剛力彩芽、白石和彌総監督が登壇した[3][72][15][73][74][75][76]。会見終了間際にはゆりやんが「大ヒットの為の験担ぎ」として、希望した記者に竹刀打ちをお見舞いし[3]、白石和彌を竹刀でしばき倒しながらも声を震わせ号泣しながら白石監督に感謝する一幕もあった[3][15][73][74][23][75][76]。
同日夜[72]、配信記念イベント[72][76]「ネトフリ極悪プロレス」が後楽園ホールで開催された[41]。ダンプ松本役のゆりやんレトリィバァ率いる「ゆりやん軍団」:ドレイク森松、永島千佳世、DASH・チサコ、ZAP-Tと[76]、クラッシュギャルズ:長与役の唐田えりかとライオネス飛鳥役の剛力彩芽率いる「唐田・剛力軍団」:「Marvelous」所属である彩羽匠、桃野美桜、Maria、川畑梨瑚によるプロレス対決を行った[72][77][78][79][76] [41]。試合前にはVIP席にダンプ松本と長与千種本人が並んで座ると会場内にダンプコールと長与コールが起こり、2人は手を取り合い両手を上げてコールに応えた[77]。またVIP席にはブル中野、クレーン・ユウ、ジャガー横田、そして元ビューティペア・マキ上田たち「極悪女王」に登場した元全女女子プロレスラー本人たちも多数集結した[72][77][78][76][41]。そして試合終了後、ゆりやんがダンプ松本への感謝の言葉を述べ、ダンプ松本は涙を流しながらその言葉に聞き入った[78][79][41]。そしてゆりやん、唐田、剛力、白石和彌監督によるトークショーが行われ[79][78][41]、終盤には全女女子プロレスラーを演じたクレーン・ユウ役のえびちゃん(マリーマリー)、大森ゆかり役の隅田杏花、デビル雅美役の根矢涼香、ラブリー米山役の鎌滝恵利、ジャンボ堀役の安竜うらら、ブル中野役の堀桃子、影かほる役の戸部沙也花、「ビューティペア」・ジャッキー佐藤役の鴨志田媛夢、マキ上田役の芋生悠がリングに上りそれぞれコメントを述べ[72][78][79][41]、最後にはゆりやんの呼び掛けにより、全女元女子プロレスラーたちもリング上に上がり、キャストと本人とで並び、皆で記念撮影を行った[78][79][76][41]。
9月16日から、渋谷センター街を中心に「極悪女王」の広告が掲示展開された[80][81][82]。フラッグ広告の他、店舗のシャッターが閉まるとゆりやん扮するダンプ松本「悪態広告」のシャッター広告が展開された[80][81][82]。この広告は9月29日まで実施された[81]。
配信開始日の前日となる9月18日、[83]、大阪府にあるなんばグランド花月で行われた吉本新喜劇のステージに、ダンプ松本役・ゆりやんレトリィバァと長与千種役・唐田えりかとライオネス飛鳥役・剛力彩芽がゲスト出演した[84]。ゆりやんは座長の吉田裕と「乳首ドリル」芸を息ぴったりに行った[83]。
配信開始当日
2024年(令和6年)9月19日[15][84][85][86]、長与千種役の唐田えりかの誕生日[84][85] のこの日に「極悪女王」全5話が配信開始された[15][84][85][86]。
また同日、本作品の主要エピソードとなるダンプ松本対長与千種の「髪切りデスマッチ」の場面写真も公開された[87]。
同日配信開始後に、ゆりやんレトリィバァ公式Instagramから、唐田えりかと剛力彩芽と共に「配信開始記念インスタライブ」が行われ[86]、主題歌「Are you serious?」を歌ったAwichも途中で参加し「極悪女王」配信開始を祝った[86]。そして同日夜20時から第1話と第2話を鑑賞しながら、他の視聴者とNetflix公式Xアカウントで感想を共有する「ウォッチパーティー」が行われ[84]その後、Netflix公式XアカウントとInstagramアカウントでアフタートークも行われた[84]。
配信開始後
配信開始以降、視聴した人々から大きな反響が上がり、「極悪女王」は大きな話題となっていった[88]。そして小泉今日子や[89][90][91]有吉弘行[92][93]、千鳥ノブ[94][95]、チョコレートプラネット [96][97][98]、みちょぱ:池田美優 [99][100][101]、NON STYLE・井上祐介 [102][103]、ベッキー、ポルノグラフィティ・岡野昭仁、倖田來未、ジェーン・スー[31]、爆笑問題[30][50][104][105][106]、糸井重里などの様々な著名人たちがラジオ番組やインタビュー記事、YouTube配信動画、SNSなどで賞賛のコメントを上げた[46][88]。そしてNYタイムズにも評論記事が掲載された [107][46][88]。
視聴者の中には20回以上も観たという人もいた[47]。また長与千種が海外へ行った時に、「極悪女王」を観た当地のレスラーたちから「素晴らしい!!」と絶賛され、「極悪女王」が海外にも広まっていっている事を実感した[47]。
そして配信第一週目にNetflix週間日本国内ランキング第1位となり[108]、三週連続日本国内ランキング第一位となった[48][109]。
第1週目の9月25日には先日行われた「ネトフリ極悪プロレス」で解説を行った「野性爆弾」・くっきー!と「レイザーラモン」のHGとRGたちプロレス大好き芸人と、そして本編で全女女子プロレスラーのクレーン・ユウ役を務めたえびちゃん(マリーマリー)による「感想会」動画が配信[108][110]。第2週目の10月3日にはゆりやん、唐田、剛力、白石和彌監督、そして長与が制作逸話を語るドキュメンタリー動画と[111][49]、「プロの戦いに挑む」ゆりやん、唐田、剛力を映し出した「プロだから」動画[112]。第3週目の10月9日には、ゆりやん、唐田、剛力による、ダンプ松本とクラッシュギャルズをイメージしたスペシャルフォトが公開され[109]、またゆりやんによる撮影現場案内「セットツアー」動画が[33]それぞれ配信された [109][33]。
配信開始の時期には約30kgの体重減量をしていた[15]ゆりやんレトリィバァは、「極悪女王」から発案した「ダンプ松本雄叫び芸」や[45][41][15]「竹刀振り回し芸」[15][22][105][113][114][45][115][116]、「Netflix起動音芸」[45][117][86]、そして「頭にフォークを刺してデリシャス!芸」を用いて[105][16][114][45][116]、先の「緊急記者会見」や[73][74][75]「ネトフリ極悪プロレス」 [72][77][78][79]のみならず、出演したラジオなどの様々な番組や[22][105][16]、9月29日に愛媛県西予市で開催された松永俊国役の斎藤工発案による移動映画館イベント「cinéma bird」[118][119][113][114]。そして10月5日にはTBS系列の特番「オールスター感謝祭 2024秋」に霜降り明星・粗品の代打で登場したゆりやんが、同番組司会の今田耕司や参加していた霜降り明星・せいや、そして同じく参加していた斎藤工にフォーク芸で襲いかかるなど[120][121]、公式非公式問わずに様々な場所で暴れ回り、宣伝活動を行った[48][109][116]。
10月4日[122][123]、NHKの朝の情報番組「あさイチ」にゆりやんレトリィバァが登場した[122][123]。例の如く竹刀芸で一暴れし司会の博多大吉から制止された後[122][123]、松永俊国役の斎藤工と [124]ダンプ松本本人からの賞賛のコメントが紹介された[125][126][127]。
11月21日、44年の歴史の中で2回目となる「女子プロレス」を特集した[128]雑誌『Number』が発売された[129]。長与千種とライオネス飛鳥の「クラッシュギャルズ」対談記事や[130]、ダンプ松本のインタビュー記事[131]、そしてNetflix配信ドラマ「極悪女王」制作の舞台裏など[6]、様々な「秘話」記事が掲載された[129]。
10月27日には唐田が「Marvelous」の名古屋大会を訪れ、リング上で長与千種と交流し[132][133][134]、11月18日には[135][136][137]ゆりやん、えびちゃん、斎藤工と「極悪女王」スタッフたちが「神取忍還暦祭」を観戦しに訪れ[135][136][137]、出場していたダンプ松本からは、ゆりやんはダンプ松本役の熱演を賞賛され、斎藤工はダンプからのマイクパフォーマンスの洗礼を受けた[136][137]。12月1日[138][139]には、後楽園ホールで「Marvelous」主催による『長与千種還暦祭』が開催された。この時に「極悪女王」の制作スタッフやキャストが招待された[138][139][45]。ゆりやん、唐田、そして「ビューティペア」・ジャッキー佐藤役の鴨志田媛夢から長与にリング上で花束が贈られた[138][139]。またその中には斎藤工と松永国松役の黒田大輔もいた[140][141]。そして長与千種はリングの上で、松永兄弟と松永国松、松永俊国への謝辞を述べた[138][139]。
12月6日[139][142][143]、「東京コミコン 2024」アンバサダーを務めた斎藤工がコミコン事務局に打診し企画された[144][145]「極悪女王」コラボイベントが開催された[144][142][139][143][45][115][116]。「極悪女王」のプロレス練習に協力した「Marvelous」所属の彩羽匠や桃野美桜やMariaたち、そして「STARDOM」による試合が行われた後[143][142][115][116][146][45]、ゆりやん[147]、斎藤工[148]、長与千種[142]、そしてダンプ松本から後継者として指名された「STARDOM」所属のヒールレスラー・刀羅ナツコ[142][149]が参加したトークショーが行われた[143][142][45][115][116]。
「プロレス大賞」話題賞受賞
2025年(令和7年)1月8日[150][151]、ダンプ松本が「極悪女王」の大ヒットによる女子プロレス及びプロレス界全体の活性化に貢献した功績により、東京スポーツ新聞社制定の「プロレス大賞」話題賞を受賞した [152][150][151]。
ダンプ松本は「私は「極悪女王」を制作してくれたスタッフと、演じてくれたゆりやんを初めとした女優さんたちのおかげでここに立っています」と[150]、ダンプ松本、長与千種、ライオネス飛鳥にそれぞれ扮したゆりやんレトリィバァ、唐田えりか、剛力彩芽が描かれたTシャツを着て壇上に上がりコメントした[150]。そして「若いお客さんがプロレスを観に来てくれてプロレス界が盛り上がれば、「極悪女王」だった甲斐があります」とも告げた[150][151]。「Netflixへの入り方がわからない人は若い人に聞いて、まだまだ「極悪女王」を観て下さい」とアピールし[151]、「ゆりやんバンザーイ!!」と賞賛した[151]。
あらすじ
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1974年、松本香は母と妹と貧乏な生活を送りながら生活していた。時々金をせびりに帰ってくる父親は酒乱で暴力をふるい、香の給食費を取り上げる。翌日、母と香は父のいるアパートへ赴くも、そこには愛人と幼い赤ん坊がいた。母と父が争っているなか、愛人の赤ん坊の名前も「カオル」だと知り、その場を走って飛び出す香。その際、転んで手をケガしたところ、プリティ・アトムに声をかけられる。手当てをしてもらうため入れてもらった場所は、全日女子プロレスが興行を行う体育館であった。そこで見たレスラーたちの練習風景を目の当たりにしたことでそれ以来女子プロレスファンになる。
1979年、自らもプロレスラーになりたくて密かにオーディションを受けようと思っていたが、母親の紹介で地元の太陽パン屋へ就職することが決まる。貧しい生活と母親のためにもと決意し初出勤した。
登場人物
要約
視点
主要人物
- ダンプ松本 / 松本 香
- 演 - ゆりやんレトリィバァ[153](幼少期:さとる)
- 父親の不倫、DV、金銭問題を抱えた貧しい家庭で育つ。心優しい少女だが、劣悪な家庭環境の原因である父親を殺したいと思うほど憎んでいる。カリスマ的人気を誇っていたプロレスラーのジャッキー佐藤に幼少期から憧れており、決まっていたパン屋への就職を断り女子プロレスの道へ。昭和55年組。デビュー前は落ちこぼれ組だったが、ある時を機にヒールレスラーとして覚醒。デビル雅美率いるヒール軍団『ブラック・デビル』脱退後に、同期のクレーン・ユウと共にヒール軍団『極悪同盟』を結成し、「ダンプ松本」に改名。リングネームは、松本のラリアットが「ダンプカーみてぇだ」と指摘されたことに由来する[注 1] [154]。極悪同盟のメンバー達にはベビーフェイス(善玉)のレスラーやファンと慣れあう事を禁じ、自らリング外でもヒールに徹し、24時間「ダンプ松本」であり続けようとする。その極悪非道な戦いぶりから、国民的人気レスラーのクラッシュ・ギャルズの最大の宿敵となっていく。極悪同盟の長として、金属チェーン・ハサミ、フォーク等の凶器攻撃、反則行為で数々の流血試合を繰り広げ、最恐の悪役レスラーとなる。
クラッシュ・ギャルズ
- 長与千種
- 演 - 唐田えりか[153][155]
- 55年組。両親が金銭問題で蒸発し、親戚中をたらい回しにされた過去を持つ。同期の松本とは寮で生活を共にする内に親友同士になる。松本同様、デビュー前は落ちこぼれ組の一人だった。空手経験者で、プロレスの練習で逆上して受け身技が取れない空手技を使ったことで先輩レスラーのラブリー米山に目をつけられ、無視される・財布を盗んだ犯人だと決めつけられる等の虐めを受け、プロレスを辞めることを決意するが、最後の試合で自分のやりたいプロレスをして辞める事を決意しする。最後と決めた試合の相手だったライオネス飛鳥とやりたいプロレスが出来たことで彼女と意気投合し、後にライオネス飛鳥と「クラッシュギャルズ」を結成。デビュー直後から輝きを放つスター性があり、ベビーフェイスの国民的人気レスラーに上り詰める。
- ライオネス飛鳥 / 北村智子
- 演 - 剛力彩芽[153][155]
- 55年組で、松本や長与らとはデビュー前に寮で生活を共にした仲。同期や先輩の横田からは本名の「トモ」と呼ばれる。ジャッキー二世と呼ばれ、身体能力抜群のエリートレスラー。自身のデビュー戦での相手であった長与と試合後に意気投合し、長与とベビーフェイスのタッグチーム「クラッシュギャルズ」を結成する。リングの上での純粋なプロレスへの想いが強く、ドラマや歌手等のアイドル的活動には懐疑的考えを持っており、クラッシュ・ギャルズの空前のブームからアイドル活動によってプロレスの練習時間が徐々に短くなっていくことに不満を持ち始める。"ドラマや歌の活動もプロレスの仕事"とアイドル活動に割り切った考えを持つ長与とは徐々にすれ違いが生じていく。
極悪同盟
- クレーン・ユウ [42]/ 本庄ゆかり
- 演 - えびちゃん(マリーマリー)[153][156][42][157]
- 55年組で、松本ら同期と寮で生活を共にした仲。デビュー前は、松本と長与と共に落ちこぼれ組の一人だった。デビル雅美率いるヒール軍団『ブラック・デビル』ではデビル雅美の命令で、覆面レスラー「マスクド・ユウ」として所属したが、ブラック・デビル脱退後に松本とヒール軍団『極悪同盟』を結成し、「クレーン・ユウ」に改名。極悪同盟のNo.2になる。「クレーン」はダンプ松本の「ダンプ」に準えて重機の名がつけられている[158]。ヒールレスラーだが人の良さを隠せず、リングから降りるとベビーフェイスのレスラーと普通に接してしまう為、プライベートでもヒールに徹しようとする松本との間に亀裂が起こる。
- ブル中野 / 中野恵子
- 演 - 堀桃子[153]
- 松本の後に入門した後輩レスラー。ベビーフェイス志望だったが、松本に勧誘され『極悪同盟』へ入り「ブル中野」に改名してヒールレスラーになり、極悪同盟のNo.3になる。リングネームの「ブル」は「ブルドーザー」を略したもので、ダンプ松本の「ダンプ」に準えて重機の名前をつけられている[159]。クレーン・ユウが極悪同盟から離脱後、ダンプ松本のタッグチームの相方として極悪同盟の新たなNo2になる。普段は冴えない性格をしているが、リング上では極悪なヒールレスラーに豹変する。ヌンチャクを武器とする。
- 影かほる
- 演 - 戸部沙也花[153]
- ダンプ松本に似ていることで「髪切りデスマッチ」で影武者として参加した。
ダイナマイト・ギャルズ
ブラック・デビル
ビューティ・ペア
その他全日女子プロレス所属レスラー
- ジャガー横田 / 横田利美
- 演 - 水野絵梨奈[153]
- 松本の先輩レスラー。ベビーフェイス。初代全日本シングル王者、第29代・31代WWWA世界シングル王者などの獲得経験のある全日女子プロレス実力ナンバーワンレスラー。ビューティー・ペアやクラッシュ・ギャルズとブックでの試合を命じられ、太鼓持ちのような扱いをされた続けたことにより、会社への疑心を抱きはじめる。後輩レスラーの飛鳥の才能を認めており、彼女に対して自身が持つ赤いベルトを賭けて実力で戦うことを約束する。飛鳥ほどのレスラーがダンプ松本と長与の影に隠れてしまっている現状に気にかけている。
- ラブリー米山[* 1]
- 演 - 鎌滝恵利[153]
- リングネーム・キャラクターは作品オリジナル。松本の先輩レスラーで、セクシーレスラーとして活躍。厳しいしごきで後輩たちに恐れられる。
- モンスター・リッパー
- 演 - ANNA[161][162][163]
- カナダ出身の巨漢レスラー。松本のデビュー戦の相手をした。その暴走ファイトスタイルから、デビル雅美にはデビル軍団の加入を拒否されるが、後に極悪同盟のセコンドで参加している。
- プリティ・アトム
- 演 - プリティ太田[164][165][166]
- 幼少期の松本が道で転んでケガをした時に、手当てのためにプロレスの興行を行っていた体育館に招き入れた人物。男性ミゼットレスラー。
- リトル・フランキー
- 演 - 野澤健
- アブドーラ・コブッチャー
- 演 - ミスター・ブッタマン [注 2]
- ラ・ギャラクティカ1号
- 演 - Anabel Ramos
- ラ・ギャラクティカ2号
- 演 - AKARI[167]
- ミネルバ葉子[* 1]
- 演 - 花屋ユウ[168]
凡例
- 作品オリジナルのレスラー。
全日女子プロレススタッフまたは関係者
松永3兄弟
「女子プロレスの父」と呼ばれた松永高司を会長として、弟の松永国松と松永俊国の「松永3兄弟」として全女を起ち上げ、女子プロレスで一時代を築き上げる[169]。
なお実際の「松永兄弟」は「松永4兄弟」と称された。そして実際には「5兄弟」であり、高司は三男、国松は四男、俊国は五男である。監督の白石和彌によれば、本当は4人とも描きたかったが、本編の尺の都合により4人を混ぜ合わせて「3兄弟」に分けられ描かれた[170]。そのため「極悪女王」本編内では高司が長男、国松は次男、そして俊国は三男という扱いになっている[33]。
その他
- 阿部四郎
- 演 - 音尾琢真[36]
- 興行プロモーター兼、レフェリー。『極悪同盟』に肩入れしており、極悪同盟に有利に働くよう、極悪同盟側がフォールに入ると超高速でカウントを取ってフォールに持っていく、相手側がフォールに入ると仕方ないといった調子で超低速でカウントを取る、後ろ手に極悪同盟に武器を渡す、極悪同盟が反則行為をしている最中は見ていないふりをする等、徹底して極悪同盟に加勢し極悪なレフェリングを行う。通称「悪徳レフェリー」「極悪レフェリー」とも呼ばれる。
- 臼井延夫
- 演 - 赤ペン瀧川[171]
- トヨテレビのプロデューサー。
- 志生野温夫
- 演 - 清野茂樹[172][47]
- テレビ中継での実況担当。
- リングアナウンサー
- 演 - 神宮寺しし丸[173]
- 上木浩一
- 演 - 池浪玄八[174]
- 全日女子プロレスコミッショナー。
- 実況アナウンサー
- 演 - 枝光利雄[175]
- 吉井
- 演 - しおつかけいいちろう[176]
- 全日女子プロレス興業広報。
- 金森
- 演 - 石神まゆみ[177]
- 全日女子プロレス興業経理社員。
- レフェリー
- 演 - へんみのぶあき[178]
- ホセ・トレス
- 演 - フェルナンデス直行[179]
- 松本対長与の大阪大会を裁いたレフェリー。
松本家
- 松本里子
- 演 - 仙道敦子[36]
- 松本香の母親。夫の金銭問題、DV、不倫で苦労を抱えるが、夫を憎みきれず離婚まではしようとしない。娘思いな優しい性格で、香がヒールレスラーとして活動する事は「演技」である事は理解しているものの、抵抗感を持っている。
- 松本五郎
- 演 - 野中隆光[171]
- 松本香、広美の父親。自己中心的でルーズな面があり金銭問題、DV、不倫等で家族に迷惑をかけている。愛人との間にも娘がおり、自分の娘の香と同じく愛人の娘にも「かおる」と名付けた。
- 松本広美
- 演 - 西本まりん[180](小3時代:柚穂[181])
- 松本香の妹。姉と仲の良い妹だったが、姉が極悪ヒールレスラーになったことから誹謗中傷される日々を送り、あげくに彼氏からも「姉がダンプ松本」という理由でフラれたことで完全にグレてしまい、金髪に特攻服を着た不良少女になってしまう。
長与家
その他人物
- 栗原愛子
- 演 - 田畑智子
- 松本五郎の愛人。幼少時の香と母の里子が五郎の潜伏先であるアパートを尋ねた時、五郎と愛子の間に娘がおり、その娘が五郎によって「かおる」と名付けられたことが発覚した。数年後、高校卒業後にパン屋で働いている香と偶然再会する。五郎とは既に愛想をつかして別れており、香に「あの穀潰し(五郎)が悔しがるくらいに、好き勝手に生きて楽しんだ方が良い」と助言を与えた。この助言をきっかけに、香はパン屋を辞めプロレスラーのオーディションを受けた。
- 愛子の娘・香
- 演 - 永尾柚乃
- 愛子の娘。血縁上は香と広美の異母妹。なお、香は彼女の名前が自身と同じ「かおる」という名前[182]である事を知って大きなショックを受けている。
ゲスト
第1話
- ビューティ・ペア親衛隊
- 演 - 山本眞卯[183](第2話)、各務百香[184](第2話)、田中佳奈子[185](第2話)
- 店主
- 演 - 天田将行[186]
- 香たちから空き瓶を買い取る酒屋の店主。
- 客
- 演 - 坪井篤史[187]
- 酒屋の客。
- 中島
- 演 - 木下弘明[188]
- 松本家の隣人。硝子屋を経営。
- 店員
- 演 - 本木幸世[注 3][189]
- 香が務めた太陽パン屋の店員。
- 高木百合恵、酒井加寿子
- 演 - 丹羽麻佑子[190]、栃洞雪乃[191]
- 80年(昭和55年)組 新人レスラー。
- 奥野まなみ、145番、175番
- 演 - 吉田有希[192]、中村未華[193]、三澄朝子[194]
- 新人オーディション参加者。
- 新人レスラー
- 演 - 春名涼羽[195]
第2話
第3話
- 満男
- 演 - 犬飼直紀[209](第4話)
- 広美の彼氏。
- 松永恵子
- 演 - 周本絵梨香[210]
- 松永高司の妻。
- クラッシュギャルズ親衛隊
- 演 - 三浦綾花[199](第1話・第4話・第5話)、小関千尋[211](第5話)、影吉紗都[212](第4話・第5話)、藤山凜[213](第4話・第5話)
- 店主
- 演 - 俵木藤汰[214]
- 香たちが凶器になるものを探しにきた金物屋の店主。
- 工事関係者
- 演 - 鷲尾英彰[215]、松本哲也
- 金物屋に来た客。
- 社長、タニマチ
- 演 - 上野太[216]、小川あつし
- 全女の面々を接待するスポンサー。
- 沢口武隊長、隊員、隊員
- 演 - 井上賢嗣[175]、海老原恒和[217]、玉木惣一郎
- 香たちが観ているテレビ番組で山中で未確認飛行物体を捜索する探検隊。
- ナレーター
- 声 - 土屋トシヒデ[218]
- テレビのUFO探検番組のナレーション。
第4話
第5話
- 医師
- 演 - 片岡礼子[225]
- 松本五郎の主治医。
- リングドクター
- 演 - 馬上亮[226]
- 松本対長与の大阪大会のリングドクター。
- 養鶏場の主人
- 演 - 赤松新
- 中野と影が訪れた養鶏場の主人。
- 記者
- 演 - BOB[227]
- 長与のジャパン女子参戦表明を取材する記者。
- ダフ屋
- 演 - 松浦祐也[228]
- 松本対長与の大阪大会のチケットを扱う。
- キャスター
- 演 - 竹内義貴
- 全日女子プロレスのトヨテレビの中継放送打ち切りを伝える。
- 新人レスラー
- 演 - 平崎里奈(武井美沙)[229]、大塚澪(太田まゆみ)[230]、岡知里(永田実加)[231]、里中もも、吉田晏子(田代佳代)[232]、江俣智愛莉(岩井文枝)[233]
- 84年組新人レスラー。
- 神取忍
- 演 - 水波綾[注 4][234]
- 長与が対戦を希望したジャパン女子の選手。
- 女の子
- 演 - 板垣樹[235]
- ダンプ松本の引退試合の会場に訪れた女の子。チケットは買わなかったが、高司に導かれ、惹かれるように会場内に入っていく[236]。刀羅ナツコのように「続編の主人公」だと自分を投影させている現役女子プロレスラーもいる[236]。
スタッフ
- 企画・脚本・プロデュース - 鈴木おさむ[1]
- 総監督 - 白石和彌[1]
- 監督 - 白石和彌[1]、茂木克仁
- プロレススーパーバイザー - 長与千種[36]
- 脚本 - 池上純哉[1]
- 音楽 - 木村秀彬
- エグゼクティブ・プロデューサー - 高橋信一[1]
- プロデューサー - 長谷川晴彦、千綿英久
- ライン・プロデューサー - 井上潔
- アソシエイト・プロデューサー - 成瀬保則
- 音楽プロデューサー - 田井モトヨシ
- 美術監督 - 今村力
- 撮影監督 - 鍋島淳裕(J.S.C.)
- 照明 - かげつよし
- 録音 - 浦田和治(J.S.A.)
- 装飾 - 京極友良
- 編集 - 加藤ひとみ、脇本一美
- 音響効果 - 柴崎憲治
- 製作 - Netflix
- 制作プロダクション - KADOKAWA
その他
脚本を担当した鈴木は、オーディション当時に俳優活動を自粛していた唐田を述懐して、「自粛中で初めてのオーディションだったと思うんですけど、そこですごかったのが『この2年間で自分と向き合った』とか、『事務所の社長さんが見捨てることなくやってくれた』とか自分で言うんですよ。普通言わないじゃないですか」と驚きを語った[239]。
史実とは異なる点もあり、本作品では試合進行に関する取り決め(台本)の存在を示唆する「ブック」の言葉が多用された[240]。しかし、ジャガー横田は「ブック」という言葉自体の存在を根本から否定している[241]。また、ジャッキー佐藤が世界タイトルに挑戦した際に会長の松永高司から対戦相手のジャガー横田に対して「負けろ」と指示する場面があるが、ジャガーは「指示されたことは無かった」と否定していることをジャガーの夫である木下博勝が明らかにしている[242]。
またダンプ松本本人は、2024年11月16日、ラジオ番組『サンドウィッチマン ザ・ラジオショーサタデー』(ニッポン放送)に出演した際にこの映画を「70%くらいはホントかな」「あんなもんじゃないですよね」と評しており、いじめやシゴキなどの映画で描写できないような過激な行為が実際にはもっと存在したと証言している[243]。
なお、実際の全女のロゴマークは使用せずオリジナルのデザインとし、劇中では「全日女子(ぜんにちじょし)プロレス」となっている。
関連書籍
80年代の女子プロレスと「極悪女王」の秘話を特集した雑誌『Number』で紹介された解説本を、関連書籍を含めて記載する[244]。
- 井田真木子『プロレス少女伝説 新しい格闘をめざす彼女たちの青春』かのう書房、1990年10月。国立国会図書館サーチ:R100000002-I000002073756, R100000001-I1423245597, R100000136-I1130282269018986752, R100000001-I43111129037883。
- 井田真木子『プロレス少女伝説』文芸春秋〈文春文庫〉、1993年10月。ISBN 4167554011。
- 平塚雅人『ダンプ松本『ザ・ヒール』』小学館、2021年1月。ISBN 9784093887939。
- 原秀則『ダンプ・ザ・ヒール|DUMP THE HEEL』 1巻、ダンプ松本,平塚雅人(原案協力)、小学館〈ビッグコミックス〉、2022年3月。ISBN 9784098612499。
- 原秀則『ダンプ・ザ・ヒール|DUMP THE HEEL』 2巻、ダンプ松本,平塚雅人(原案協力)、小学館〈ビッグコミックス〉、2022年7月。ISBN 9784098613236。
- 原秀則『ダンプ・ザ・ヒール|DUMP THE HEEL』 3巻、ダンプ松本,平塚雅人(原案協力)、小学館〈ビッグコミックス〉、2022年12月。ISBN 9784098614776。
- 原秀則『ダンプ・ザ・ヒール|DUMP THE HEEL』 4巻、ダンプ松本,平塚雅人(原案協力)、小学館〈ビッグコミックス〉、2023年4月。ISBN 9784098615933。
- 原秀則『ダンプ・ザ・ヒール|DUMP THE HEEL』 5巻、ダンプ松本,平塚雅人(原案協力)、小学館〈ビッグコミックス〉、2023年9月。ISBN 9784098625550。
- :原秀則による『ザ・ヒール』のコミカライズ作品。
- 柳澤健『1985年のクラッシュ・ギャルズ』文藝春秋〈文春文庫〉、2014年3月。ISBN 9784167900625。
- 柳澤健『1985年のクラッシュ・ギャルズ』光文社〈光文社未来ライブラリー〉、2023年12月。ISBN 9784334101688。
参考資料
- 『Sports graphic number = スポーツ・グラフィックナンバー 「極悪女王」 秘話。~クラッシュ・ギャルズとダンプ松本の時代~』文藝春秋、2024年11月21日。ASIN B0DMPM8XCF。国立国会図書館サーチ:R100000002-I000000033748-i33257948。
脚注
外部リンク
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