Remove ads
高橋幸二による漫画 (1985-1996) ウィキペディアから
『押忍!!空手部』(おす!!からてぶ)は、1985年 - 1996年まで週刊ヤングジャンプにて連載された高橋幸二原作・作画による日本の格闘漫画作品。
1985年、「週刊ヤングジャンプ」紙上での読切掲載からスタートし、1996年まで連載された。当初、主人公は一年生部員の松下正で内容も学園グラフィティものだったが、次第にバトル路線にシフトしていったため空手部主将の高木義志へと変更された。
路線変更後はジャンプの三大黄金律「努力」「友情」「勝利」を余すことなく取り込んでおり、次々に現れる強敵達に対して主人公の高木が修行によって太極拳・神極拳などを身につけパワーアップしては撃破していくという黄金パターンが特徴的である。また一度倒した敵も高木に友情を感じ仲間になるものの、新たに登場する強敵たちにあっけなく撃破されてしまうという典型的な「強さのインフレ」も顕著な作品である。
大阪でも有名な不良高校である関西第五工業高等学校(かんさいだいごこうぎょうこうとうがっこう)、通称「関五工(かんごこう)」。平凡な高校生・松下正は強くなりたくて、関五工の中でもさらに悪名高い空手部に入部した。空手部先輩たちの理不尽なシゴキに耐える松下・斉藤をはじめとする一年生部員たちの日々のエピソードや他運動部への助っ人編、空手部主将・高木義志の首を狙う近隣の不良たちとの抗争編等、関五工を中心としたエピソードが描かれる。
高木を倒し大阪を支配下に置くため、「神戸の三本柱」こと末永禅や龍隆&虎隆兄弟、リック・パワードたちが大阪に奇襲をかけた。続いて始まった神戸軍団による大阪総攻撃。突如襲撃され傷つき倒れる大阪の猛者たち。神戸の三本柱との戦いで重傷を負った高木だが、「三代目大阪魂」として逆襲を開始する。
神戸軍団を撃退し、その後幾度の事件を乗り越えて束の間平和となった大阪。ある日、大阪で名の売れた猛者達に向け一斉に差出人不明の招待状が送りつけられた。高木の元にも届いた招待状。普段は顔を会わす事も無い大阪の猛者達だが、招待状に誘われ一堂に会する事になる。集められたものの一向に現れない差出人に不信の色を隠せない一同だったが、自然と興味は「大阪のワルの頂点『大阪魂(おおさかだましい)』にふさわしいのは誰か?」という議題になる。いずれも劣らぬ大阪のワル達。期せずして大阪のワルの頂点「大阪魂四代目」の座を巡り喧嘩自慢たちの激突が始まるが、それは大阪の弱体化を狙う「死国連合」の策略だった。明かされる高木の過去と大阪魂の誕生秘話。会合の首謀者であり、死国連合のスパイであった忌羅孝を倒し事態を収拾する高木だったが、黒幕である死国連合の手はすぐそこまで迫っていた。
四国から神の軍団・死国連合を率いるは高木のかつての空手の師匠であり、大阪魂の創設者である赤い稲妻こと「初代大阪魂」・神雷功。黒幕の正体を知って一時は戦意喪失する高木であったが新たな力・太極拳を身に付け、大阪を守る為神雷に闘いを挑む。太極拳奥義・発勁によって見事神雷を討ち果たす高木であったが、今回の騒動によって関五工から退学を宣告される。意気消沈の高木に懇意の医師・福島は上京する事を進める。そして自身を狙う不良に刺された折、福島の計らいで死を偽装した高木は仲間たちと別れ東京へと旅立つ。
大阪を離れ東京・新宿でも有名な不良高校の西新宿学院高校に転校した高木。高木は空手部を立ち上げ、ワルの巣窟西新宿学院応援団を撃破するが新宿を支配する「影の五人衆」を敵に回す事になる。それは東京を支配する暴走族・「大東京連合(だいとうきょうれんごう)」と敵対する危険な行為だった。影の五人衆を倒した高木であったが、その裏では渋谷部隊頭・小川小百合による新宿乗っ取り計画が進められていた。そんなある時高木は新宿愚連会による襲撃を受ける。新宿愚連会総長・竹内烈と直接対決する高木をよそに、渋谷部隊による新宿攻撃がスタート。西新宿学院も戦火にさらされる。竹内戦で利き腕を負傷していた高木であったが渋谷部隊を次々に撃退、渋谷部隊最強である副頭・猪狩克裕をも倒した高木は新宿・渋谷2区の頂点に立つ。
渋谷を追われた小川小百合はその復讐に殺し屋・真島朴を差し向ける。かつてない異常な技を繰り出す真島に苦戦するものの、高木はこれを退ける。しかしこの真島が大東京連合六本木部隊頭・真島サブの弟であるとはその時の高木には知る由もなかった。
新宿・渋谷の頂点に立った高木に東京の各地区の頭による会合「ヘッドコングレス」の招集状が届く。それは新宿・渋谷の上納金を狙う大東京連合の罠だった。騙し討ちにより瀕死の重傷を負いながらもヘッドコングレスから生還した高木は墨田・池袋・銀座・六本木の各部隊の頭に戦いを挑む。苦戦しつつも神雷らの助けもあって勝利した高木は、東京を制覇し初代「東京魂(とうきょうだましい)」となった。
東京の頭になった高木は真島サブから関東各地域が互いの不干渉を守るという「関東条約」の存在を聞かされ関東連合総帥・漆原睦夫の元へ挨拶に赴く。絶対的なリーダーである漆原を中心とした関東連合であったが、漆原は癌に冒されておりその将来に一抹の不安を抱えていた。そんな中、関東の動乱を望む“茨城の春風”こと寺本清一らの手により病床の漆原が惨殺される。関東連合に不満を持つ寺本達によって結成された「新関東総和会・殺戮連合(しんかんとうそうわかい・さつりくれんごう)」は東京侵攻を開始。当初、漆原の遺志を継ぎ不戦を誓っていた高木であったが否応無く闘いに巻き込まれていく。
しかし高木の発勁が「千葉の猛牛」こと宗政治の百歩神拳の前に敗退。漆原睦夫の弟・春野に救われた高木は、かつて漆原が関東を統一する時に修めた秘拳・神極拳を学ぶべく谷川岳へと向かう。その頃関東では、東京・神奈川・群馬の連合対、新関東総和会の戦いが繰り広げられていた。劣勢の東京連合…その最終決戦の最中、神極拳を習得した高木が谷川岳より帰還、総和会幹部たちを神極拳奥義・天地神明掌にて次々に撃破する。が、新関東総和会のリーダーである寺本により天地神明掌は破られてしまう。底知れぬ寺本の実力に絶体絶命の危機に何度も陥る高木だったが、仲間達の力を精神力に換え、奥義「真・天地神明掌」を開眼し寺本を倒した。そして、高木は関東連合の新しい総帥となる。
高木に神極拳を教えた黄陳々が、黄家の末弟である黄暗海とその弟子の我王によって殺害された。陳々の最期を看取った高木は、太極拳の師であり黄家の次兄である黄流雲のいる神戸へと向かう。しかしすでに暗海と我王の魔の手が龍隆虎隆兄弟や大阪魂四代目・忌羅に襲いかかる。一旦は危機を脱するものの、暗海と手を組んだ西日本最大の暴力団「集英会」会長・桐山修造の命を受けた我王により忌羅は殺害される。さらに我王と拳を交える高木であったが敗北、流雲は暗海によって連れ去られてしまう。流雲が残した「辰・辰・辰」の言葉から、陳々・流雲・暗海三兄弟の父である黄天昇の奥義「龍天昇」の存在を知った高木達は、大禅寺でその手がかりを捜索し、龍天昇の記された巻物を発見する。
暗海・我王と再び遭遇した高木は巻物を仲間に託して我王と再戦し勝利するも、暗海の弟子・トントンとゲンゲンに巻物を奪われてしまう。暗海の側に寝返った末永から集英会の桐山の存在を知った高木たちは、敵地へ侵入し流雲の身柄と太極寺に代々伝わる龍天昇の奥義が記された巻物を取り戻す。高木達は流雲から龍天昇の「力」とは別に隠された「宝」の正体が兆単位の麻薬だと知らされ驚愕する。龍天昇の巻物奪還と高木抹殺に業を煮やした桐山は大阪中の集英会組員を総動員する。関五工空手部に避難していた高木達だったが、集英会の組員による無差別の襲撃や龍天昇の解読を依頼していた大阪外語研究学院構内で神雷が集英会の組員に殺害された事で、高木は遂に関西・関東の東西連合を大阪に呼び寄せ集英会との全面戦争に突入する。
東西連合は多くの犠牲の末に大阪城へ集結する。巻物の解読結果から龍天昇を会得するには邪極拳が必要だと知り高木はショックを受けるが、かつての敵であった我王から邪極拳の神髄を伝授され遂に龍天昇を習得する。高木はトントン・ゲンゲンとの連戦に突入。見事トントンを打倒するも、ゲンゲンに返り討ちに合い高木は生死の淵を彷徨う。魂となった高木の前に死した神雷と黄天昇の魂が現れる。黄天昇から龍天昇の真の力が「生命力」だと教わった高木は「真龍天昇」を会得し復活する。一方、大阪城に集結した森上達は桐山のいる大阪の集英会事務所を襲撃。桐山は暗海と共に大阪事務所を放棄して逃走を図る。後を追う森上達の前にはゲンゲンが立ちはだかる。善戦するも圧倒的なゲンゲンの前になす術のない森上達。しかしそこへ高木が帰還。理性を消し邪極拳の究極系と化したゲンゲンと新たに得た「生命力」を開放した高木との一騎討ちとなる。両者死力を尽くしながらも最後は高木の二発目の「真龍天昇」によって決着した。
高木達の死闘の裏で脱出する桐山と暗海の前に広島愚連隊を率いる謎の男・赤松剛鬼が現れる。桐山の命乞いをよそに赤松剛鬼は手にしたデザートイーグルで両名を躊躇なく銃殺し巻物を強奪。更に暗海達の後を追って現れた高木達を一蹴すると兼ねてより手配していた機動隊に一斉検挙させる。騒動の首謀者に仕立て上げられた高木は特別拘置所に送致される事となった。
赤松剛鬼の罠にはまり桐山殺しの濡れ衣を着せられた高木は、特別拘置所から関西特等少年刑務所・別名「鬼泣き島」に移送される事になった。鬼泣き島ではルパン・虫・工作という三人の囚人による三つの派閥がいつ果てるともない小競り合いを続けていた。三者のバランスを巧く崩し、ルパンに戦いを挑んだ高木はルパンの正体が剛鬼の師・金周陰である事を知る。周陰にKOされ、改心した虫が自作した傷薬の激痛を利用し幽体となった高木は天昇と再会する。生前、金周陰と因縁のあった天昇は周陰、そして剛鬼も使う「合気」の攻略法を幽体の高木に伝授。復活した高木はルパンこと周陰を見事打倒し鬼泣き島脱出を試みるのだが、そこに剛鬼が来訪する。返す刀で剛鬼をも退ける高木。人生初の敗北を知った剛鬼は復讐を誓って退却し、高木は多くの犠牲を払いつつも鬼泣き島を後にした。
鬼泣き島を脱出し大阪に戻った高木は剛鬼の手によって関五工が廃校になった事を知る。仲間達を人質に取られた高木は剛鬼の格闘技の師にして父・剛之助の金庫番である四人の護鬼達と「デス・ゲーム」と呼ばれる金持ち達の賭け試合で闘う事になった。そこで高木は、デス・ゲームの主催者であり、時の最高権力者である内閣総理大臣・赤松剛之助が自分の実父である事、そして、その息子である赤松剛鬼が腹違いの兄である事を知る。剛之助と対立する政治家であり、高木の母親・志子の夫であった天馬人道から剛之助の母への凶状を知らされた高木は宿命を感じつつデス・ゲームを勝ち進んでいく。途中、更なる力「験力」を得ようと滝行を敢行した高木は自らの煩悩と戦い、遂には神と対話するに至り生命力を倍化させる「験力」を会得する。一方剛鬼はチベットに渡り対高木の修行を行っていた。四人目の護鬼、拳王・鬼龍院茂を苦戦しつつも退けた高木はチベット修行から戻りさらに強力となった剛鬼と最終決戦を開始する。途中、剛之助と母・志子の真実と剛鬼の過去、そして高木自身の過去を交えつつ恩讐を越えた闘いに高木は勝利する。デス・ゲームを終えた高木であったが、会場の外を包囲していた警官隊によって拘束される。護送車で運ばれる高木の姿が周囲の人間の見た最後の姿となった。
最終戦争から16年後、大阪にて4年に一度の東西連合のOB会が催された。高木の仲間達は旧交を温め合うが、肝心の高木のその後を知る者は誰もいなかった。そんな時高木がアフリカにいるという情報が飛び込んでくる。無罪放免で釈放された高木は桃千代と共にアフリカの紛争地帯に渡り、ボランティア団体の一員兼護衛として力なき人々を今も守り続けていたのだった。
ほか
この節の加筆が望まれています。 |
※ヴィジュアルシーンのみの登場で森上真吾はプレイヤーとしては使用できない。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.