厚生労働省
日本の省庁 ウィキペディアから
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厚生労働省(こうせいろうどうしょう、英: Ministry of Health, Labour and Welfare、略称: MHLW)は、日本の行政機関のひとつ[4]。健康、医療、福祉、介護、雇用、労働、および年金に関する行政[5]ならびに復員、戦没者遺族等の援護、旧陸海軍の残務整理を所管する[注釈 1]。日本語略称・通称は、厚労省(こうろうしょう)。
Ministry of Health, Labour and Welfare | |
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厚生労働省本省庁舎(中央合同庁舎第5号館) | |
役職 | |
大臣 | 福岡資麿 |
副大臣 |
鰐淵洋子 宮崎政久 |
大臣政務官 |
塩崎彰久 三浦靖 |
事務次官 | 伊原和人 |
組織 | |
上部組織 | 内閣[1] |
内部部局 |
大臣官房 医政局 健康・生活衛生局 医薬局 労働基準局 職業安定局 雇用環境・均等局 社会・援護局 老健局 保険局 年金局 政策統括官 人材開発統括官 |
審議会等 |
社会保障審議会 厚生科学審議会 労働政策審議会 医道審議会 薬事・食品衛生審議会 がん対策推進協議会 肝炎対策推進協議会 中央最低賃金審議会 労働保険審査会 中央社会保険医療協議会 社会保険審査会 疾病・障害認定審査会 援護審査会 国立研究開発法人審議会 |
施設等機関 |
検疫所 国立ハンセン病療養所 国立医薬品食品衛生研究所 国立保健医療科学院 国立社会保障・人口問題研究所 国立感染症研究所 国立障害者リハビリテーションセンター |
特別の機関 |
自殺総合対策会議 死因究明等推進本部 中央駐留軍関係離職者等対策協議会 |
地方支分部局 |
地方厚生局 都道府県労働局 |
外局 | 中央労働委員会 |
概要 | |
法人番号 | 6000012070001 |
所在地 |
〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2 北緯35度40分22.8秒 東経139度45分10.8秒 |
定員 | 33,759人[2] |
年間予算 | 33兆1686億2352万7千円[3](2024年度) |
設置根拠法令 | 厚生労働省設置法 |
設置 | 2001年(平成13年)1月6日 |
前身 |
厚生省 労働省 |
ウェブサイト | |
www |
2001年(平成13年)1月の中央省庁再編により、厚生省と労働省を統合して誕生した。予算規模は中央省庁の中で最大である。
厚生労働省設置法第4条は計118項目の所掌する事務を列記している。具体的には以下の事項に関する事務がある。
内部組織は一般的に、法律の厚生労働省設置法、政令の厚生労働省組織令及び省令の厚生労働省組織規則が階層的に規定している。
当省の施設等機関は以下の7区分がある。国立児童自立支援施設(現在はこども家庭庁に移管)および国立障害者リハビリテーションセンター[注釈 6]は慣例上、「国立更生援護機関」と総称される。
厚生労働省検疫所は以下の13検疫所の下に14支所と80出張所が置かれている。
地方支分部局は地方厚生局と都道府県労働局の2区分がある。都道府県労働局は47各都道府県に1つ設置されている。
太字は人事ブロック基幹局(北海道・宮城・埼玉・東京・新潟・愛知・大阪・広島・香川・福岡)
主管する独立行政法人は2024年4月1日現在、以下に示す通り、中期目標管理法人10、国立研究開発法人7の計17法人である[9])。行政執行法人は所管しない。
国立病院機構は、以前は役職員が国家公務員である「特定独立行政法人(現・行政執行法人)」であったが、独立行政法人通則法の改正法(平成26年6月13日法律第66号)施行に伴い、2015年(平成27年)4月1日から中期目標管理法人となり、役職員は国家公務員ではなくなった。
主管する特殊法人は2024年(令和6年)4月1日現在、日本年金機構(年金局)のみである[10]。旧社会保険庁の後身にあたる。なお、2025年4月に国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合して特殊法人として国立健康危機管理研究機構が設立される[11]。
特別の法律により設立される民間法人(特別民間法人)には2024年(令和6年)4月1日現在、以下の11法人である[12]。以前は労働基準局所管の鉱業労働災害防止協会(略称:鉱災防)があったが、2014年(平成26年)3月31日に解散した。全国健康保険協会は、現在の資料では特別の法律により設立される法人ではなく、特別の法律により設立される民間法人とされている。
特別の法律により設立される法人には健康保険組合連合会(保険局)、国民年金基金連合会(年金局)及び船員災害防止協会(労働基準局)の3法人がある[13]。船員災害防止協会は国土交通省との共管である。任意団体には総合型健康保険組合の連合体である総合健康保険組合協議会がある。
2024年度(令和6年度)一般会計当初予算における厚生労働省所管の歳出予算は33兆8190億6892万8千円である[3]。歳出予算全体の(114兆3812億3556万9千円)のおよそ3割を占め、国の行政機関(13府省2庁2院)の中で最大である[注釈 7]。
機関別の内訳は以下のとおりである。
主管する一般会計の歳入予算は8079億9472万円であり、その大部分は弁償及返納金6085億9751万7千円である。
厚生労働省は労働保険特別会計を所管し、内閣府と年金特別会計を共管している。また、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、デジタル庁、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省及び防衛省所管[注釈 8]の東日本大震災復興特別会計を共管する。
労働保険特別会計は、労災勘定、雇用勘定及び徴収勘定に、年金特別会計は基礎年金勘定、国民年金勘定、厚生年金勘定、健康勘定、子ども・子育て支援勘定及び業務勘定に区分して経理されている。
一般職の在職者数は、2023年7月1日現在で32,095人(男性21,002人、女性11,093人)である[14]。内訳は、本省が32,002人(男性20,933人、女性11,069人)、中央労働委員会は93人(男性69人、女性24人)となっている。
行政機関職員定員令に定められた定員は、特別職1人を含めて 33,759人[2]である。本省および各外局別の定員は省令の厚生労働省定員規則に定められており、本省33,661人、中央労働委員会98人(事務局職員)と規定している[15]。
2024年度一般会計予算における予算定員は特別職が21人、一般職が24,156人の計24,177人である[3]。これとは別に特別会計の予算定員として労働保険特別会計に9,246人(厚生労働本省 - 230人、都道府県労働局 - 9,016人)、年金特別会計業務勘定に356人(厚生労働本省 - 175人、地方厚生局 - 181人)[16]が措置されている。一般会計予算定員の機関別内訳は以下の通りである。
職員の競争試験による採用は、国家公務員採用総合職試験(院卒者試験)、国家公務員採用総合職試験(大卒程度試験)、国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験)、国家公務員採用一般職試験(高卒程度試験)、労働基準監督官採用試験及び食品衛生監視員採用試験の合格者の中から行われる。
一般職職員は非現業の国家公務員なので、労働基本権のうち争議権と団体協約締結権は国家公務員法により認められていない。団結権は認められており、職員は労働組合として国公法の規定する「職員団体」を結成し、若しくは結成せず、又はこれに加入し、若しくは加入しないことができる(国公法第108条の2第3項)。
2023年3月31日現在、人事院に登録された職員団体の数は連合体6、支部59となっている[17]。組合員数は15,642人、組織率は55.6%となっている。この組織率は13府省庁2院の中では農林水産省(57.5%)の次に大きい。全厚生職員労働組合(全厚生)、全日本国立医療労働組合(全医労)、全労働省労働組合(全労働)、東京職業安定行政職員労働組合(東京職安労組)、大阪労働局職業安定行政職員労働組合、沖縄非現業国家公務員労働組合労働支部、および中央労働委員会事務局労働組合(中労委労組)などが現存する。全厚生と全医労は「厚生省労働組合共闘会議」を形成している。また以上2労組と全労働は国公労連(全労連傘下)に加盟している。中労委労組は中立系である。
中央官庁で勤務する官僚は、国会対応に追われ、連日の泊まり込みや、過労死ラインを超える月150時間ほどの残業が常態化している[18]。中でも年金・保険・労働政策を所管する職員は、他省庁よりも残業時間が長く「強制労働省」や「拘牢省」などと揶揄されているが、一般職(事務職)の国家公務員に対して労働基準法や労働安全衛生法は拘束力がなく、厚労省の出先機関である労働基準監督署による立ち入り調査もない[19]。近年では、長時間労働を抑制する働き方改革に乗り出している[20][21]。
東京大学医科学研究所公共政策研究分野教授の武藤香織によれば、新型コロナウイルス感染症の流行において、日本国政府の情報発信が遅れた理由として、厚労省のマンパワーが常態的に不足するなか、各種の対応で職員の仕事量が許容量を超え、情報発信に手が回らなかったことが原因としている[22]。
過酷な業務に耐えかねた若手や中堅のキャリア官僚が退職し人手不足が深刻化したことから、2022年には総合職の課長補佐級を中途採用すると発表した[23]。
一般職の幹部は以下のとおりである[24]。
厚生労働省が執筆・編集する白書など年次報告書には、「厚生労働白書」、「労働経済白書」、「海外情勢報告」、「働く女性の実情」、「母子家庭の母の就業の支援に関する年次報告」、「ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)がある。ものづくり白書はものづくり基盤技術振興基本法8条にもとづき、国会に報告する「ものづくり基盤技術の振興施策」を収録した法定白書であり、経済産業省・文部科学省とともに執筆している。広報誌には月刊の『厚生労働』がある[25]。2009年度(平成21年度)までは厚生労働問題研究会が発行主体であったが、2009年(平成21年)3月31日をもって解散したため、2009年(平成21年)4月号からは中央法規出版が編集・発行元となった。さらに、2012年(平成24年)4月号からは、日本医療企画が編集・発行元となった。
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