Loading AI tools
音声合成技術及びその応用製品の総称 ウィキペディアから
VOCALOID(ボーカロイド)とは、ヤマハが開発した音声合成技術、及びその応用製品の総称である[1]。略称としてボカロという呼び方も用いられる。メロディーと歌詞を入力することでサンプリングされた人の声を元にした歌声を合成することができる。対応する音源については、主にヤマハとライセンス契約を締結した各社がサンプリングされた音声を収録した歌手ライブラリを独自に製作し、ヤマハ製のソフトウェア部分と組み合わせて製品として販売されている[2]。なお、VOCALOIDを使用した楽曲はボカロ曲、VOCALOIDを使用して楽曲を作る作曲家はボカロPと呼ばれる。「VOCALOID(ボーカロイド)」および「ボカロ」はヤマハ株式会社の登録商標である。
開発元 | ヤマハ |
---|---|
最新版 | |
対応OS |
Windows 7/Windows 8/Windows 8.1/Windows 10/Windows 11/macOS[注 1] iOS(モバイルボーカロイドエディタ、日本のみ) |
種別 |
音声合成、DTM ボーカルシンセサイザー(歌唱合成) |
公式サイト | ボーカロイド 公式サイト |
また、VOCALOIDの応用製品に設定されているキャラクター群のことを指して、「VOCALOID」という語が用いられることもある。
リアルな歌声を合成するためのソフトウェアであり[3]、「実際に収録した人の声を音声ライブラリとして合成するため、より自然な歌声を合成できるほか、ビブラートやこぶしなど歌声に必要な音程変化や抑揚を指定でき、表情豊かな楽曲を手軽に作れるのが特徴[4]」とされる。VOCALOIDにより、デスクトップミュージック(DTM)において実際に人間の歌声を録音せずとも、パソコンだけで人間らしい歌声のボーカルパートの作成が可能となっている。なおVOCALOIDで作成できるのは歌唱のみであり、伴奏などを作成する場合は別のソフトを使用するなどの手段が必要となる。
VOCALOIDのプロジェクトは「DAISY」というプロジェクト名で2000年3月に始まり、ヤマハとバルセロナのポンペウ・ファブラ大学(Universitat Pompeu Fabra:UPF) Music Technology Groupとの3年間の共同研究の結果、VOCALOIDの信号処理部分が開発された[5][6]。2003年2月にVOCALOIDの発表が行われ[3]、2004年にイギリスのZERO-G社からVOCALOID技術を使用した最初のパソコン向けのパッケージ製品が発売、以降日本国内外の業者からVOCALOID対応の音源が発売されている。2007年に「VOCALOID2」、2011年に「VOCALOID3」、2014年に「VOCALOID4」2018年に「VOCALOID5」にバージョンアップされ、2022年、最新バージョンである「VOCALOID6」が提供された。また、2009年以降ネットワーク経由で音声合成機能を提供するNetVOCALOIDの技術を使用した携帯電話向けサービスをはじめ、パソコンでの音楽製作以外の用途へのVOCALOID技術の利用も行われている。2010年2月に企業向けの提供が発表された合成エンジン「VOCALOID-flex」のような歌声だけでなく喋り(語り)の表現にも対応したバージョンもある[7]。
VOCALOIDの利用目的については開発当初はバックコーラスのような使い方がメインになるとの想定もされていたが、発売後はメインボーカルへの利用も盛んに行われた[8]。特に日本国内においては「VOCALOID2」を採用した「初音ミク」が発売された2007年以降、ネット上を中心にVOCALOIDをメインボーカルに起用した楽曲が数多く発表されるようになり、そうした中の人気楽曲からメジャーレーベルから発売されるものも現れるなど、一つの楽曲文化の様相を見せるようにもなっている[9]。2010年には『EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat.初音ミク』が、VOCALOIDをボーカルに用いた楽曲を集めたアルバムで、初のオリコン週間チャート1位を獲得している[10]。
VOCALOIDという名称は、「vocal(ボーカル)」に接尾辞の「-oid」を組み合わせて作られた造語である。「-oid」は「〜のようなもの」「〜状の」という意味の接尾辞で、「human(人)」と組み合わせれば「humanoid(ヒューマノイド)」、ギリシャ語で男を意味する「andro」と組み合わせれば「android(アンドロイド)」となり、VOCALOIDについては「ボーカルのようなもの」といった意味となる[11]。2003年2月に報道発表に先立って決定された[12]。
ただし、名称の由来とは別に「ボーカル・アンドロイド=VOCALOID(ボーカロイド)」という説明が行われている場合[13]もある。
VOCALOIDの歌声合成技術は「素片連結型」と呼ばれるもので[14]人の歌声の録音から切り出した歌声の素片を周波数領域(周波数ドメイン)で接続、加工することで歌声を合成する。合成の際、強弱やビブラート・息つぎなどの表情の情報を加えることでリアルな歌声が作られる[15]。なお、VOCALOIDの合成技術の名称は「周波数ドメイン歌唱アーティキュレーション接続法(Frequency-domain Singing Articulation Splicing and Shaping)」という名前で発表されている[3]。この名称の「歌唱アーティキュレーション」については「ビブラートや音の断片など歌唱に必要な“声の表情”」として説明されている。ただし、この「周波数ドメイン歌唱アーティキュレーション接続法」という名称は、ヤマハのVOCALOID公式サイトではVOCALOID2、VOCALOID3の説明[16]には使用されていない。
なお、一般向けに販売されているVOCALOIDの合成エンジンは、歌を作成することを前提に開発されており、文章の読み上げには対応していない[17]。また歌唱に係わる表現でも、だみ声やシャウトなどを自然に再現することは出来ない[18]。
パソコン向けのVOCALOIDは当初Windows用のみあったが、2013年8月に一部のVOCALOID3製品でMac OS X対応が行われた[19]。また、パソコン以外のプラットフォームへの対応も進められており、2010年10月にiOS上で動作するiPad、iPhone向けのアプリケーションや、組み込み用のハードウェアとしての提供が発表され[20]、2013年にはニンテンドー3DSへの対応も行われた[21]。
VOCALOIDのシステム構成をVOCALOID2を中心に説明する。大きく分けてユーザーが歌詞やメロディなどを入力する「スコアエディタ(VOCALOID2 Editor)」、音声素片を収録した「歌声ライブラリ」、音声素片を連結して歌声を合成する「合成エンジン」の三要素で構成される。「スコアエディタ」に入力された情報が合成エンジンに送られ合成エンジンが「歌声ライブラリ」から適切な音声素片を選び出し、接続して出力する流れとなる。ヤマハの提供部分である「スコアエディタ」と「合成エンジン」についてはVOCALOID2同士であれば基本的に製品ごとの違いは無いため、既にVOCALOID2製品がインストールされているパソコンに別のVOCALOID2製品をインストールする場合はライブラリの追加だけで使用可能となる。スタンドアローン(再生、WAVファイルに書き出し)。
歌手ライブラリの音声素片は必要な音素の組み合わせを効率的に採取するために作られたスクリプトと呼ばれる専用の歌を録音し、そこから必要な部分を切り出して作成される。英語用のライブラリでは日本語に比べ必要な音声素片が多いことから必要とする録音も多く、データベースの容量も大きくなる[47]。スクリプトは多くの製品では歌詞に特に意味の無い「呪文」のようなものが使用されているが[48]、2010年9月に発売されたVY1で提供者のストレス軽減を狙い歌詞に意味のある単語を混ぜるといった工夫が取り入れられるなど、常に改良は進められている[2][49]。
また、過去の人の歌声を再現する試みも行われており[49]、2011年に昭和を代表する歌手である植木等(2007年没)のライブラリが発表されている[50]。ライブラリを作成するにはボーカルのトラックだけで、かつ必要な音素がそろった録音が必要であることから、亡くなった歌手の声を使ってライブラリを作るといったことは基本的には出来ないとされていたが[51]、植木のライブラリでは、植木の長男比呂公一の歌声で作られたライブラリに、両者の声の違いを数学的に抽出して作成した変換関数をかけるという方法で植木の声を再現している[50]。2014年には、シンガーソングライターhide(1998年没)の歌声をVOCALOIDを活用して再現した楽曲の発売が発表されている[52]。hideの楽曲では、生前のボーカルデータを解析してVOCALOIDに必要な音声素片を取り出し、不足する音声についてはヤマハの声質変換技術を活用し作成された[52]。2019年には、「昭和の歌姫」と呼ばれた美空ひばり(1989年没)の歌声をVOCALOIDを活用して再現した楽曲が発表されている。ひばりの楽曲では、生前の歌や話し声を人工知能に学習させ、それを元に深層学習技術によって歌声を再現する「VOCALOID:AI」という新技術が使用されている[53]。
VOCALOIDのライブラリを作成するには歌声の提供を受ける必要があるが、当初は歌手の協力は得られにくく、歌声の提供者が明らかにされた初めての製品であるMIRIAMでは、ミリアム・ストックリーが自身の歌声の提供を決めるまで2、3ヵ月かかったことを明らかにしている[54]。日本国内のメーカーについても、クリプトン・フューチャー・メディア社では2007年より展開しているキャラクター・ボーカル・シリーズに歌手でなく声優を起用することになったきっかけとして歌手の起用がうまくいかなかったことをあげており[55]、またインターネット社でも2008年に発売したがくっぽいどに続く第2弾の企画において歌手の起用が難航していたことが伝えられている[56]。しかし、2010年にはLilyのような、VOCALOIDを発売することによる歌手の宣伝効果を想定して企画される製品も現れた[57]。2011年以降は、キューンレコード、SBS Artech、1st PLACEといった音楽レーベルや芸能事務所から販売される製品も登場している。
歌声ライブラリ製作工程を2014年時点のヤマハの例で説明する。
ZERO-Gは最初にVOCALOID製品を発売したイギリスのメーカー。当初より音楽のプロの用途を想定したVOCALOIDを販売している一方、2009年にパッケージにキャラクターイラストを用いたSONIKAを発売し、それまでの路線と異なる幅広い利用を想定した製品も手がけている[59][60]。日本国内で発売されている製品についてはクリプトン・フューチャー・メディア社が販売を代行、ZERO-G社のウェブサイトまたは各ソフトの公式サイトでダウンロード販売も行っている。
製品 | エンジン | 発売日 | 言語 | 性別 | 音声提供者 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|---|
LEON | VOCALOID | NAMM 2004 Winter(2004年1月15 - 18日)にてリリース | 英語 | 男声 | - | レオンとローラはボーカロイドエンジンを使用した初めての製品。音声を担当した歌手はイギリスのプロのセッション・シンガーとされるが、名前は明らかにされていない[54]。パッケージには男女の口周りの写真があるだけで具体的な人物像は描かれていない。日本では2004年3月3日に発売された。2013年12月末をもって販売を終了している。 |
LOLA | VOCALOID | 英語 | 女声 | - | ||
MIRIAM | VOCALOID | 2004年7月1日[61] | 英語 | 女声 | ミリアム・ストックリー (歌手) | アディエマスのヴォーカル、ミリアム・ストックリーが音声を担当、パッケージにも描かれている。日本では2004年7月26日に発売された[62]。2013年12月末をもって販売を終了している。 |
PRIMA | VOCALOID2 | 2008年1月14日[63] | 英語 | 女声 | - | ソプラノオペラ歌手の声をもとに作られた製品で、高域に魅力のある声が特徴とされる[64]。英語用のソフトではあるがデモ曲にはイタリア語やフランス語のものも用意されている[64]。日本では2008年2月22日に発売された[65]。 |
SONIKA | VOCALOID2 | 2009年7月15日[66] | 英語 | 女声 | - | 甘く澄んだ(sweet and pure)声が特徴とされ、サンプリング音声に起用されているのは「歌手」や「声優」ではないという。パッケージには緑色の髪に黄色い服を着た少女のキャラクターが描かれており、それまでのZERO-G社製品とは一線を画したものとなっている。日本では2009年8月7日に発売された。 |
TONIO | VOCALOID2 | 2010年7月13日[67][66] | 英語 | 男声 | - | プロの男性オペラ歌手の声をもとに作られた製品。テノールからバリトンの音域を得意とする[68]。日本では2010年8月2日に発売された[68]。 |
AVANNA | VOCALOID3 | 2012年12月22日[69] | 英語 | 女声 | レイチェル・デイ | VOCALOID3としては初の英語女声である。ポップスとケルト音楽を得意とし、クリアでスイートな歌声が特徴とされる[70]。キャラクターはアイルランド人の若い女性という設定で、ブリタンニアをイメージした衣装にシャムロックをあしらっている[71]。日本では2013年4月24日に発売された[72]。 |
Dex | VOCALOID4 | 2015年11月20日 | 英語 | 男声 | Sam Blakeslee | メーカーによればアメリカ英語のアクセントを備えた力強い男声で、ポップス・ロック・EDMに向く。Dainaとのデュエットでは良いパフォーマンスを発揮するとされる[73]。 |
Daina | VOCALOID4 | 英語 | 女声 | AkiGlancy | メーカーによれば若々しくソウルフルでハスキーな女声で、ポップス、ダンス、カントリーに向く。他はDexを参照[74]。 | |
クリプトン・フューチャー・メディアはZERO-Gと共に初代のエンジンからVOCALOID製品を販売している日本の企業。客層を広げる狙いから当初よりパッケージにキャラクターイラストを使用した製品を販売している[59]。特に初音ミク、鏡音リン・レン、巡音ルカの3製品からなる「キャラクター・ボーカル・シリーズ(CVシリーズ)」については、キャラクターが歌うというイメージを前面に押し出しバーチャルアイドル歌手をプロデュースするというコンセプトの製品となっている。VOCALOID製品の販売だけでなく、創作活動のためのコンテンツ投稿サイト「ピアプロ」や、VOCALOID楽曲の配信を行う音楽レーベル「KARENT」の運営なども行っている。
製品 | エンジン | 発売日 | 言語 | 性別 | 音声提供者 | 解説 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
MEIKO | VOCALOID | 2004年11月5日 | 日本語 | 女声 | 拝郷メイコ (シンガーソングライター) | VOCALOID日本語ライブラリの第1弾。ポップス、ロック、ジャズ、R&B、童謡まで幅広く歌いこなすとされる。製品名は音声を提供した拝郷メイコの名前から取られているが、パッケージには拝郷メイコ本人ではなく、アニメ調の赤い服を着た女の子のイメージイラストが描かれている。パッケージにアニメ調のイラストを用いた製品は本製品が初めてで、この路線は後に発売される製品にも引き継がれている。初年度で約3,000本を売り上げ、発売当時におけるDTM市場では異例のヒット商品となった。2014年2月4日に、英語用1つを含む5種類のVOCALOID3対応ライブラリを収録した「MEIKO V3」が発売された。 | |
MEIKO V3 | VOCALOID3 | 2014年2月4日 | 日本語 英語 | ||||
KAITO | VOCALOID | 2006年2月17日 | 日本語 | 男声 | 風雅なおと (スタジオ・ミュージシャン) | KAITOは、VOCALOID日本語ライブラリの第2弾として発売された。パッケージには青いマフラーに白い服を身にまとった青い髪の男性が描かれている。2013年2月15日に、英語用1つを含む4種類のVOCALOID3対応ライブラリを収録した「KAITO V3」が発売された。 | |
KAITO V3 | VOCALOID3 | 2013年2月15日 | 日本語 英語 | ||||
初音ミク | VOCALOID2 | 2007年8月31日 | 日本語 | 女声 | 藤田咲 (声優) | 初音ミク(はつねみく)は2007年8月31日に「キャラクター・ボーカル・シリーズ」第1弾として発売された。パッケージにはKEIのデザインしたアニメ調のキャラクターイラストが使用されており、16歳の少女という設定がつけられている。当時最新のVOCALOID2エンジンの採用、キャラクターの人気などにより発売から約1年で4万本以上を出荷する大ヒット商品となった[75]。VOCALOID2版では、2010年4月に表現の幅を広げるための6種類の追加ライブラリを収録した「初音ミク・アペンド」も発売された。2013年8月31日には英語版のVOCALOID3対応ライブラリを収録した「初音ミク V3 ENGLISH」を発売[76]、同年9月26日には日本語5種類のVOCALOID3対応ライブラリを収録した「初音ミク V3」と、それに「初音ミク V3 ENGLISH」をバンドルした「初音ミク V3 バンドル」が発売された[76]。2016年8月31日には英語版のVOCALOID4対応ライブラリを収録した「初音ミク V4 ENGLISH」と日本語6種類のVOCALOID4対応ライブラリを収録した「初音ミク V4X」、それに「初音ミク V4 ENGLISH」をバンドルした「初音ミク V4X バンドル」が発売された。2017年8月31日には、中国語版「初音ミク V4 CHINESE」が発売された(日本での発売は9月7日)。 | |
初音ミク・アペンド | 2010年4月30日 | ||||||
初音ミク V3 ENGLISH | VOCALOID3 | 2013年8月31日 | 英語 | ||||
初音ミク V3 | 2013年9月26日[76] | 日本語 [注 5] | |||||
初音ミク V4 ENGLISH | VOCALOID4 | 2016年8月31日 | 英語 | ||||
初音ミク V4X | 日本語 [注 6] | ||||||
初音ミク V4 CHINESE | 2017年8月31日 | 中国語 | |||||
鏡音リン・レン | VOCALOID2 | 2007年12月27日 | 日本語 | 女声 (鏡音リン) 男声 (鏡音レン) | 下田麻美 (声優) | 鏡音リン・レン(かがみねリン・レン)は「キャラクター・ボーカル・シリーズ」の第2弾。女声の鏡音リンと男声の鏡音レン、2つ併せて一つの製品としている。初音ミクと同じくパッケージにKEIのデザインによるアニメ調のキャラクターイラストが使用されており、14歳の少年少女という設定がつけられている。音声は下田麻美が一人二役で担当している。2008年7月18日に"act2"と銘打ったライブラリアップデートが行われた。2010年12月27日には6種類の追加ライブラリを収録した「鏡音リン・レン・アペンド」が発売された。2015年12月24日には英語版のVOCALOID4対応ライブラリを収録した「鏡音リン・レン V4 ENGLISH」と日本語6種類のVOCALOID4対応ライブラリを収録した「鏡音リン・レン V4X」、それに「鏡音リン・レン V4 ENGLISH」をバンドルした「鏡音リン・レン V4X バンドル」が発売された。 | |
鏡音リン・レン act2 | 2008年7月18日 | ||||||
鏡音リン・レン・アペンド | 2010年12月27日 | ||||||
鏡音リン・レン V4 ENGLISH | VOCALOID4 | 2015年12月24日 | 英語 | ||||
鏡音リン・レン V4X | 日本語 [注 7] | ||||||
巡音ルカ | VOCALOID2 | 2009年1月30日 | 日本語 英語 | 女声 | 浅川悠 (声優) | 巡音ルカ(めぐりねルカ)は「キャラクター・ボーカル・シリーズ」の第3弾。パッケージはKEIのデザインによるキャラクターイラスト、20歳女性という設定となっている。日本語と英語、2つのライブラリを収録した日英バイリンガルで、得意ジャンルはラテン・ジャズ〜エスノ系ポップス(ワールド・ミュージック)、ハウス〜エレクトロニカ系ダンスとされている。2015年3月19日にはVOCALOID4対応版「巡音ルカ V4X」が発売された。 | |
巡音ルカ V4X | VOCALOID4 | 2015年3月19日 |
PowerFXはスウェーデンのメーカーでVOCALOID2から参入した。日本国内で発売されている製品についてはクリプトン・フューチャー・メディア社が販売を代行している。
製品 | エンジン | 発売日 | 言語 | 性別 | 音声提供者 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|---|
SWEET ANN | VOCALOID2 | 2007年6月29日[77] | 英語 | 女声 | ジョディ (歌手) | VOCALOID2エンジンを搭載した最初の製品。ポップシンガーであり、ダンスミュージック等を想定している。MySpaceのプロフィールではスウェーデン人となっている(Sweet Ann - MySpace)。音声を提供したジョディは、オーストラリアの歌手[78]。「人造人間」的なイメージ戦略をとっており[79]、パッケージには首に縫い目のある金髪で小麦色の肌の女性のイラストが描かれている。日本では2007年9月21日に発売された[80]。 |
BIG-AL | VOCALOID2 | 2009年12月22日[66] | 英語 | 男声 | フランク・サンダーソン (ボイスオーバー・アーティスト) | VOCALOID2の英語ライブラリでは初の男声製品で、クールな中低域ボイスを持つことを特徴とする[81]。公式サイトでのダウンロード販売が先行し2010年1月にDVDパッケージ版が発売された。音声を提供したフランク・サンダーソンは元PowerFX社の従業員の、ボイスオーバー・アーティスト、スタジオ・エンジニア、パッケージには男性のイラストが描かれている[78][注 8]。日本では2010年3月5日に発売された[81] |
OLIVER | VOCALOID3 | 2011年12月21日[83] | 英語 | 男声 | - | VOCALOID3では初めての男声製品で、クラシカルなボーイソプラノの音声を収録している[84]。ライブラリには13歳のイギリス人の少年の声が使われている。制作は海外のUTAUユーザー集団であるUS-teamを中心として行われ、VocaToneも携わっている[85]。公式アートワークはLawlietlkが担当しており、少年合唱団風の衣装を纏い、包帯で左目を被った少年のイラストが用いられている[86]。 |
YOHIOloid | VOCALOID3 | 2013年9月10日[87] | 英語 日本語 | 男声 | YOHIO (シンガーソングライター) | 日本でも活動するスウェーデン出身のビジュアル系シンガーソングライター、YOHIOの声を元にした製品[87]。YOHIOは、スウェーデン語、英語、日本語のトリリンガルで、本製品には英語と日本語のライブラリを収録している[87]。 |
Ruby | VOCALOID4 | 2015年10月7日 | 英語 | 女声 | Misha | 音声提供者のMishaはUTAUでMAKU音ハチの声を担当している。 |
インターネットは日本の老舗DTMメーカーで、初音ミクのヒットに触発される形で2008年に参入した[56]。有名アーティストの歌声で歌わせられることをコンセプトとした、「アーティストボーカル」と銘打った製品や[56]、他社との協業による既存のキャラクターを利用した製品を展開している。同社の製品ではアーティストやキャラクターといった製品のモデルに近い特徴を出すことが追求されているという[88]。
製品 | エンジン | 発売日 | 言語 | 性別 | 音声提供者 | 解説 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
がくっぽいど | VOCALOID2 | 2008年7月31日 | 日本語 | 男声 | GACKT (シンガーソングライター、俳優) | VOCALOID2エンジンでは男性の声を元にした最初の製品で「アーティストボーカル」の第1弾。GACKTの声質をリアルに再現することが重視されている。パッケージには漫画家の三浦建太郎のデザインによるイメージキャラクター「神威がくぽ」のイラストが使用されている。2012年7月13日に、VOCALOID3対応の音源3種類が発売された。なお、がくっぽいどでは、VOCALOID3版からは3種類の音源が提供されているが、その内、がくっぽいど NATIVEについては、VOCALOID2版の声を再現したものである。2015年4月30日にはVOCALOID4対応の音源が発売された。 | |
がくっぽいど NATIVE | VOCALOID3 | 2012年7月13日 | |||||
VOCALOID4 | 2015年4月30日 | ||||||
がくっぽいど POWER | VOCALOID3 | 2012年7月13日 | |||||
VOCALOID4 | 2015年4月30日 | ||||||
がくっぽいど WHISPER | VOCALOID3 | 2012年7月13日 | |||||
VOCALOID4 | 2015年4月30日 | ||||||
Megpoid | VOCALOID2 | 2009年6月26日 | 日本語 | 女声 | 中島愛 (声優・歌手) | メグッポイド(Megpoid)は「アーティストボーカル」の第2弾。パッケージには漫画家のゆうきまさみのデザインによるイメージキャラクター「GUMI」のイラストが描かれている。2011年10月21日に、VOCALOID3発売開始にあわせ、VOCALOID3対応の新音源4種類が発売され、2012年3月16日に、VOCALOID2版の音声をVOCALOID3向けに最適化したメグッポイド Nativeが、2013年2月28日に英語版のメグッポイド Englishが発売されている。2015年11月5日にはVOCALOID4対応の既存5種類に新収録の5種類をセットした、計10種類の音源が発売された。2022年10月13日にはVOCALOID6のAI技術に最適化されたAI Megpoidが発売された。 | |
Megpoid Power | VOCALOID3 | 2011年10月21日 | |||||
VOCALOID4 (PowerFat追加) | 2015年11月5日 | ||||||
Megpoid Whisper | VOCALOID3 | 2011年10月21日 | |||||
VOCALOID4 (SoftWhisper追加) | 2015年11月5日 | ||||||
Megpoid Adult | VOCALOID3 | 2011年10月21日 | |||||
VOCALOID4 (MellowAdult追加) | 2015年11月5日 | ||||||
Megpoid Sweet | VOCALOID3 | 2011年10月21日 | |||||
VOCALOID4 (NaturalSweet追加) | 2015年11月5日 | ||||||
Megpoid Native | VOCALOID3 | 2012年3月16日 | |||||
VOCALOID4 (NativeFat追加) | 2015年11月5日 | ||||||
Megpoid English | VOCALOID3 | 2013年2月28日 | 英語 | ||||
AI Megpoid | VOCALOID6 | 2022年10月13日 | 日本語 英語 中国語 | ||||
Lily | VOCALOID2 | 2010年8月25日 | 日本語 | 女声 | yuri (歌手) | Lily(リリィ)はエイベックス・マネジメント所属の音楽グループ「m.o.v.e」のボーカリストyuriの声を元にした制作した製品で、「m.o.v.e」のカバーアルバム『anim.o.v.e 01』のジャケットイラストに用いられた、KEIのデザインによるキャラクター「Lily」の歌うVOCALOIDとして開発された。「ボーカロイドアーティスト」と銘打っている。VOCALOID2版はエイベックスとヤマハが歌手ライブラリを開発し、販路とユーザーサポートをインターネットが担当という形で、m.o.v.eのアニメソングカバーアルバム『anim.o.v.e 02』と同時発売された。2012年4月19日に発売されたVOCALOID3版はインターネットがライブラリの開発を行い、VOCALOID2版を再現したライブラリと、新しく録音しなおされた歌声を元に作られたライブラリの2種類を収録している。 | |
VOCALOID3 | 2012年4月19日 | ||||||
ガチャッポイド | VOCALOID2 | 2010年10月8日 | 日本語 | 男声 | ガチャピン | フジテレビ系列のテレビ番組ポンキッキシリーズのキャラクター・ガチャピンの声をベースに制作された製品で、インターネットが販売を担当している。本製品のためにガチャピンとは別に「リュウト」という人間の男の子のイメージキャラクターが用意された。2014年9月17日にはVOCALOID3に対応した新音源がダウンロード版のみで発売。 | |
ガチャッポイド V3 | VOCALOID3 | 2014年9月17日 | |||||
CUL | VOCALOID3 | 2011年12月22日 | 日本語 | 女声 | 喜多村英梨 (声優) | CUL(カル)は、2011年1月にテレビ放送されたVOCALOIDの特集番組「VOCALO Revolution」で生まれたオリジナルキャラクターCUL(カル)の声として開発された。 | |
kokone | VOCALOID3 | 2014年2月14日 | 日本語 | 女声 | - | kokone(心響)は、「心に響きわたる歌声の正統派女性ボーカリスト」とされ、ジャンルにとらわれず、広い音域で歌えることが特徴とされる[89]。 | |
Chika | VOCALOID3 | 2014年10月16日 | 日本語 | 女声 | 伊藤千晃 (歌手) | 音楽グループ「AAA」のメンバー(リリース当時)、伊藤千晃の声をベースにしたライブラリで、低音から高音まで幅広い音域と、しっかりとしながらかわいさがあふれている歌声で、従来の約2倍の音素を収録し、よりリアルで自然な歌唱が可能となっている[90]。 | |
音街ウナ | VOCALOID4 | 2016年7月30日 | 日本語 | 女声 | 田中あいみ (声優) | エム・ティー・ケーとのコラボレーション企画で誕生した製品。甘くて可愛い声質の「Sugar」、元気で力強い声質の「Spicy」の2種類のライブラリが搭載されている。また、約140種類のボイスマテリアルも付属されている。 | |
AI 音街ウナ | VOCALOID6 | 2023年6月22日 | |||||
花響琴 | VOCALOID6 | 2024年4月18日 | 日本語 | 女声 | 立花れおん | パワフルでハリのある歌声をもつ本格派シンガー |
AH-Softwareは日本のソフトウェア販売会社で2009年12月に3製品を同時発売し参入した。各製品では人間らしい歌声が追求されており、また参入時には既存の製品に対し重複せず楽器としてバリエーションを増やすことも意識されている[91][92]。
製品 | エンジン | 発売日 | 言語 | 性別 | 音声提供者 | 解説 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
氷山キヨテル | VOCALOID2 | 2009年12月4日 | 日本語 | 男声 | 比山貴咏史 (歌手) | 氷山キヨテル(ひやまキヨテル)は「ボカロ先生」と銘打った製品で、音声を提供した比山貴咏史はVOCALOIDの開発にかかわった歌手である。パッケージには梅谷阿太郎によるメガネをかけ背広を着た青年教師のイラストが用いられている。2015年10月29日にはVOCALOID4に対応した2種類の新音源が発売された。 | |
氷山キヨテル ナチュラル | VOCALOID4 | 2015年10月29日 | |||||
氷山キヨテル ロック | |||||||
歌愛ユキ | VOCALOID2 | 2009年12月4日 | 日本語 | 女声 | - | 歌愛ユキ(かあいユキ)は「ボカロ小学生」と銘打った製品で実際の小学生の女の子の歌声を元につくられており、子供らしい歌声を表現できるとされる。氷山キヨテルの生徒という設定で、パッケージには梅谷阿太郎による赤いランドセルを背負った小学生児童のイラストが用いられている。2015年10月29日にはVOCALOID4に対応した新音源が発売された。 | |
歌愛ユキ ナチュラル | VOCALOID4 | 2015年10月29日 | |||||
SF-A2 開発コード miki | VOCALOID2 | 2009年12月4日 | 日本語 | 女声 | フルカワミキ (シンガーソングライター) | アーティストエディション01と銘打たれた製品で、フルカワミキの歌声の特徴が忠実に再現されているとされる。パッケージには漫画家のコザキユースケによるキャラクターイラストが用いられている。2015年6月18日にはVOCALOID4に対応した新音源が発売された。制作はヤマハであり、VOCALOID2時代の発売元はグループ会社のヤマハA&R(現在は解散)。 | |
miki ナチュラル | VOCALOID4 | 2015年6月18日 | |||||
猫村いろは | VOCALOID2 | 2010年10月22日 | 日本語 | 女声 | 佳館杏ノ助 (歌手) | サンリオウェーブが展開する企画「ハローキティといっしょ!」に登場する、イラストレーターのokamaがデザインしたキャラクター「猫村いろは」(ねこむらいろは)の歌声を表現した製品。VOCALOID製品化以前から存在しているキャラクターだが、パッケージのコスチュームは本製品のために新たにデザインされたものである。音域の広さときれいな発声を追求して制作されているという。2015年6月18日にはVOCALOID4に対応した2種類の新音源が発売された。 | |
猫村いろは ナチュラル | VOCALOID4 | 2015年6月18日 | |||||
猫村いろは ソフト | |||||||
結月ゆかり | VOCALOID3 | 2011年12月22日[93] | 日本語 | 女声 | 石黒千尋 (声優) | 結月ゆかり(ゆづきゆかり)はVOCALOIDを用いた音楽作品を発表している作曲家らから成るクリエイターチーム「VOCALOMAKETS」の企画による製品で、製造・販売をAHSが行う[94]。音を延ばしたときの人間らしさや、息づかいの再現が重視されているという[94]。ブレスや各種のセリフなど非圧縮Wave音源集である「exVOICE」も収録している[94]。キャラクターイラストは文倉十が手掛けた[93]。入力文字読み上げソフト「VOICEROID+ 結月ゆかり」と同時発売[94]。2015年3月18日にはVOCALOID4に対応した3種類の新音源が発売された。 | |
結月ゆかり 純 | VOCALOID4 | 2015年3月18日 | |||||
結月ゆかり 穏 | |||||||
結月ゆかり 凛 | |||||||
東北ずん子 | VOCALOID3 | 2014年6月5日[95] | 日本語 | 女声 | 佐藤聡美 (声優) | SSS合同会社が企画した、ずんだ餅をモチーフにした東北復興支援キャラクター東北ずん子(とうほく ずんこ)のVOCALOID。「ほんわかしたかわいらしい声」が特徴とされる[96]。音声には、これまで入力文字読み上げソフトVOICEROIDなどで声を担当してきた佐藤聡美がそのまま起用されている。2016年10月27日にはVOCALOID4に対応した新音源が発売された。 | |
東北ずん子 ナチュラル | VOCALOID4 | 2016年10月27日 | |||||
紲星あかり | VOCALOID4 | 2018年4月26日 | 日本語 | 女声 | 米澤円 (声優) | 紲星あかり(きずなあかり)は、結月ゆかりと同じく「VOCALOMAKETS」の企画による製品で、製造・販売をAHSが行う。明るい女の子の可愛らしい中にも優しさあふれる声が特徴で、追加音声素材のexVOICE、ボカロPの制作した楽曲データ(WAVEファイル+VSQXファイル)も収録されている。本製品の発売に先行してVOICEROID版が2017年12月22日に発売されている。 | |
桜乃そら | VOCALOID5 | 2018年7月26日 | 日本語 | 女声 | 井上喜久子 (声優) | 桜乃そら(はるのそら)は、VOCALOID5のサードパーティー製品としては初めての製品である。優しく柔らかい声質の「ナチュラル」と、張りのあるのびやかな声質の「クール」の2種類の音源が存在する。入力文字読み上げソフト「VOICEROID2 桜乃そら」と同日発売。 | |
桜乃そら ナチュラル | |||||||
桜乃そら クール |
VOCALOID製品は、2004年以降複数の企業から発売されているが、ヤマハが自社で企画、開発した製品が自社ブランドで販売されるようになったのは2010年からである。ただし「SF-A2 開発コード miki」はヤマハグループであるヤマハA&Rから制作・発売されているため、グループを含めればmikiがヤマハ最初の製品となる[注 9]。2010年9月に、まず音声の提供者やソフトのキャラクターのイメージのついていない製品の需要に応えることを狙い、それまでのVOCALOID製品とは異なりキャラクターを設定せず音声の提供者も明らかとしない「VYシリーズ」の提供をはじめ[2]、2011年12月からは自社企画以外の製品の販売も行っている。なお、2010年9月発売の「VY1」、2011年4月発売の「VY2」については、製品の企画、制作はヤマハであるが、販売についてはVOCALOID関連製品の公式販売サイト「VOCALOID STORE」を運営する日本の情報関連企業ビープラッツが行っていた[2]。
製品 | エンジン | 発売日 | 言語 | 性別 | 音声提供者 | 解説 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
VY1 | VOCALOID2 | 2010年9月1日 | 日本語 | 女声 | - | VY1(ブイワイワン)は、初めてのヤマハが自ら企画し音声ライブラリを制作したVOCALOID製品である[2]。VY1では「MIZKI」というハナミズキをイメージして付けられた音声データベースのコードネームが存在するが、これについては歌声の主の名前が「MIZKI」であるという扱いではなく、音声提供者とも無関係である[97]。音声の提供者はVOCALOIDの合成と相性の良い声の声優だという[2]。パッケージは和風のデザインで、ハナミズキをモチーフとした扇子やかんざしが描かれる[2]。デラックスパッケージと標準パッケージの二種類が発売され、デラックスパッケージには様々なクリエイターによるイメージがされたオリジナルCDアルバムが同梱された[97]。なお、VY1の発売元はヤマハではなくビープラッツである。2011年10月21日に、VOCALOID3発売開始にあわせ、VOCALOID3版の「VY1V3」(ブイワイワンブイスリー)がヤマハから発売された。2014年12月17日にはVOCALOID4発売開始にあわせ、VOCALOID4版の「VY1V4」(ブイワイワンブイフォー)が発売された。2018年7月12日にはVOCALOID5発売開始にあわせ、VOCALOID5版が「VOCALOID5 PREMIUM」に同梱されて発売された。 | |
VY1V3 | VOCALOID3 | 2011年10月21日 | |||||
VY1V4 | VOCALOID4 | 2014年12月17日 | |||||
VY1 | VOCALOID5 | 2018年7月12日 | |||||
VY2 | VOCALOID2 | 2011年4月25日 | 日本語 | 男声 | - | VY2(ブイワイツー)は、VY1と同じく和風をイメージしており、パッケージにはなぎみそのデザインによる刀のイラストが用いられている[98]。歌声の提供者は男性声優で、2011年4月までの男声VOCALOIDでは実年齢が最も若いという[99]。VY1と同様に、キャラクターは設定されていないが、「勇馬」(ゆうま)というコードネームが存在する[99]。なお、YY2の発売元はヤマハではなくビープラッツである。2012年10月にはVOCALOID3版の「VY2V3」(ブイワイツーブイスリー)が発売された。VY2V3は通常の男性声の「スタンダード」と、裏声を元にした「ファルセット」の2種類のライブラリを収録する[100]。2018年7月12日にはVOCALOID5発売開始にあわせ、VOCALOID5版が「VOCALOID5 PREMIUM」に同梱されて発売された。 | |
VY2V3 | VOCALOID3 | 2012年10月19日 | |||||
VY2 | VOCALOID5 | 2018年7月12日 | |||||
Mew | VOCALOID3 | 2011年10月21日 | 日本語 | 女声 | 坂本美雨 (歌手) | 製品名のMew(ミュウ)[101]は猫の鳴き声の擬声語で、坂本の名前の響きと、坂本が愛猫家であることから製品名に採用された[102]。透明感のある落ち着いた歌声が特徴とされる[103]。パッケージには、坂本の飼っている「サバ美」をモデルにした猫を抱いた女性のイラストが使用されている[103]。VOCALOID3発売開始にあわせ発売された。 | |
兎眠りおん | VOCALOID3 | 2011年12月16日 | 日本語 | 女声 | 夢眠ねむ (歌手) | 兎眠りおん(とねりおん)は秋葉原でレストランバーならびにライブハウスを運営するディアステージが企画した製品で、ヤマハが製造・販売を行う[104]。声質は、鼻に掛かる幼い声質を特徴としており[105]、萌え系の声であるとされる[104]。2111年の"アキハバラ"からやって来た、秋葉原ディアステージで働く新人アイドルという設定で[105]、キャラクターのデザインは渡辺明夫が手掛けた[106]。2017年2月16日にはVOCALOID4に対応した新音源が発売されたが、キャラクターデザインは堀口悠紀子による物に一新されている。当初は音声提供者が非公開だったが、VOCALOID4夢眠ネムの情報公開とともに提供者が同じく夢眠ねむであることが公表された。 | |
VOCALOID4 | 2017年2月16日 | ||||||
蒼姫ラピス | VOCALOID3 | 2012年4月6日 | 日本語 | 女声 | 江口菜子 (一般公募→声優) | 蒼姫ラピス(あおきラピス)は、アニメスタジオのスタジオディーンと、エンターテイメント系ネットサービス企業のサーファーズパラダイスによる「i-style Project」[107]が企画した製品で、ヤマハが製造・販売を行う。低音域、中音域、高音域のそれぞれで印象の違う歌声が特徴とされる[108]。CARNELIANによるイラストを元に、音声提供者とキャラクター名を公募で決定し制作された[108]。キャラクターの世界観・設定は鹿瀬あさが担当した。身長150ミリメートルの妖精で、おっとりした性格との設定となっている[108][109]。 | |
ZOLA PROJECT | VOCALOID3 | 2013年6月21日[110] | 日本語 | 男声 | みのルン(YUU) なのっくす(KYO) まうい(WIL) (いずれも読者モデル) | ZOLA PROJECT(ぞら プロジェクト)は、VOCALOID10周年を記念し企画された製品で、「儚さを秘めた哀愁漂うスウィートボイス」のYUU、「明るく前向きで力強さあふれる正統派ボイス」のKYO、「外国人ならではの抒情的なハスキーボイス」のWILの、3つの男声ライブラリが収録されている[111]。同じヤマハ製の男声音源であるVY2がスタンダードな優等生とすると、ZOLAでは個性が強調されており、またソロとしての使用のみならず、デュオやグループとして使用することにも適しているという[111]。キャラクターのイメージイラスト[112]をイラストレーターの天野喜孝、ロゴデザインを書家の武田双雲、企画をプロデューサーの瀬戸優樹、公式デモ曲を作詞家の森雪之丞と音楽プロデューサーの浅倉大介が手掛けた[113][114]。音声提供者3人は、2014年7月23日に「史上初の"会える"ボカロユニット」を銘打った、「ZOLA」としてCDデビューしている[115]。ZOLAのライブパフォーマンスでは歌声に本人たちの声ではなくVOCALOID「ZOLA PROJECT」が使用される[115]。 | |
メルリ | VOCALOID3 | 2013年12月24日 | 日本語 | 女声 | 鎌田美沙紀 (一般公募) | 蒼姫ラピスに続く、「i-style Project」企画製品の第2弾で、ヤマハが製造・販売を行う。力強い中低音域と、ファルセットに近いあでやかな高音域が特徴とされる[116]。キャラクターデザインはラピスと同じCARNELIAN、設定は鹿瀬あさによるもので、音声提供者とキャラクター名を公募で決定し制作された[116][109]。メルリは、ラピスの姉で身長16cmの妖精、ラピスと対照的な勝気な性格と設定されている[109]。 | |
杏音鳥音 | VOCALOID3 | 2014年3月3日 | 日本語 | 女声 | - | 杏音鳥音(アノンカノン)は、「AnoKano Project」の企画による製品[117]。VOCALOIDでは初めての双子の女子高生というキャラクター設定になっており、「じっくりとキモチを届けるやさしい歌声」の妹の杏音(アノン)と、「まっすぐな感情を伝える力強い歌声」の姉の鳥音(カノン)の2種類のライブラリを収録している[118][117]。ボイス音声ファイルや、楽曲制作に使える200種類以上のボイスマテリアルを同梱[117]。キャラクターのデザインは「はくり」が手掛けた[117]。 | |
ギャラ子 NEO | VOCALOID3 | 2014年8月5日 | 日本語 | 女声 | 柴咲コウ (女優・歌手) | 音楽ユニットgalaxias!のイメージキャラクター「galaco(ギャラ子)」のVOCALOIDで、同ユニットのボーカル柴咲コウの声をもとに作られた[119]。はっきりとした芯のある声」が特徴の「ギャラ子RED」と、「しっとりとした深みのある声」が特徴の「ギャラ子BLUE」の2つの歌声ライブラリを収録[119]。特典として音声読み上げソフト「ギャラ子Talk」、楽曲制作に使える100種類以上のボイスマテリアルも同梱している[119]。製品が発売されたのは2014年8月であるが、2010年8月に声の収録が行われており、当時制作されたライブラリは、2011年11月から2012年6月に開催された「VOCALOID3発売記念楽曲コンテスト」の賞品として配布されている[120][119]。コンテストの当時は製品化の予定は無かったが、その後多数のリクエストを受けて[121]、コンテストでの配布されたライブラリを改良し「ギャラ子 NEO」として製品化された[119]。コンテストでの配布時にはキャラクターイラストをKEIとたまごが担当していたが、「ギャラ子 NEO」では富岡二郎が担当している[119]。 | |
CYBER DIVA | VOCALOID4 | 2015年2月5日 | 英語 | 女声 | Jenny Shima[122] | ヤマハ初の英語の女声ライブラリにして、アメリカに初めて進出した歌声ライブラリ[123]。音声提供者はアメリカ合衆国出身のネイティブスピーカー[124]。 デフォルトではイギリス英語に近い歌い方をするが、本体に付属されている専用ユーザー辞書ファイルをエディターに設定することでアメリカ英語で歌わせることができる[124]。 パッケージには、ヘッドホンとサングラスをした金髪の女性の顔の絵が描かれている。2018年7月12日にはVOCALOID5発売開始にあわせ、VOCALOID5版「CYBER DIVA II」が「VOCALOID5 PREMIUM」に同梱されて発売された。 | |
CYBER DIVA II | VOCALOID5 | 2018年7月12日 | |||||
Sachiko | VOCALOID4 | 2015年7月27日 | 日本語 | 女声 | 小林幸子 (歌手) | 小林幸子の声を元に作られたライブラリの歌声に、同梱の、隠れマルコフモデル(HMM)を利用した、こぶしやしゃくりなど小林特有の歌い方を再現するための専用ジョブプラグイン「Sachikobushi」(幸子節)を適用することで、小林幸子らしい歌声が再現できるようになっている[125]。掛声や挨拶など400種以上のボイスマテリアルが付属する[126]。製品キャラクターは碧風羽がデザインし、製品ロゴは小林直筆のものを使用している[126]。 | |
アルスロイド | VOCALOID4 | 2015年9月23日[127] | 日本語 | 男声 | 神生アキラ (歌手) | アルスマグナのメンバーである神生アキラの声をもとに作られたライブラリ。他のメンバーのボイスサンプルもアキラを含めて900種類以上収録されている。本ライブラリの発売に先行し、2015年6月14日に発売されたアルスマグナの2ndシングル「夏にキスしていいですか?」(初回限定版B)の収録曲「食悦パラサイト Dance Video」に、アルスロイドが使用されている[128]。 | |
Unity-chan! | VOCALOID4 | 2016年1月14日 | 日本語 | 女声 | 角元明日香 (声優) | ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン公式キャラクター「ユニティちゃん」のVOCALOID。本ライブラリに先行して公開された『VOCALOID SDK for Unity』に同梱された『Unityランタイム版VOCALOID Library unity-chan!』のハイクオリティ版という位置づけであり、「元気でちょっと小生意気な歌声」が特徴。また、約300種類のボイスマテリアルも付属されている。パッケージには「ユニティちゃん」こと「大鳥こはく」が描かれている。 | |
Fukase | VOCALOID4 | 2016年1月28日 | 日本語 英語 | 男声 | Fukase (歌手) | SEKAI NO OWARIのボーカルであるFukaseの声をもとに作られたライブラリ。2種類の日本語ライブラリと1種類の英語ライブラリで構成されており、ロボットボイスのような特徴的なエフェクトを歌声に適用できる専用ジョブプラグイン「Electronica-Tune」が搭載されている。キャラクターデザインは、2015年8月4日から8月31日にかけてpixivにて開催した「VOCALOID4 Library Fukaseキャラクターデザインコンテスト」で大賞を受賞したmikumaのものが採用された。パッケージイラストには杖を持った赤い髪の男性が描かれている。 | |
CYBER SONGMAN | VOCALOID4 | 2016年10月31日 | 英語 | 男声 | - | ヤマハ初の男声の英語ライブラリで、CYBER DIVA同様アメリカ英語で歌わせることも可能。海外も視野に入れているため、販売方法はボーカロイド公式ショップでのダウンロード販売に限られている。パッケージには、イヤホンとサングラスをした男性の顔の絵が描かれている。2018年7月12日にはVOCALOID5発売開始にあわせ、VOCALOID5版「CYBER SONGMAN II」が「VOCALOID5 PREMIUM」に同梱されて発売された。 | |
CYBER SONGMAN II | VOCALOID5 | 2018年7月12日 | |||||
夢眠ネム | VOCALOID4 | 2017年2月16日 | 日本語 | 女声 | 夢眠ねむ (歌手) | 夢眠ネム(ゆめみねむ)はディアステージ(前出)が企画した製品で、ヤマハが製造・販売を行う。声質は、夢眠ねむが普段喋ってるトーンやライブで使う力強い声なども搭載していており、同じく音声提供した兎眠りおんよりは大人な声[129]とされる。特別な機能として同日発売のVOCALOID4版の兎眠りおんと滑らかに音声を切り替えることができる「クロスシンセシス機能」を搭載する。キャラクターデザインは堀口悠紀子が手掛けた。 | |
AZUKI | VOCALOID4 | 2017年7月12日 | 日本語 | 女声 | 大坪由佳 (声優) | 元々はセガが展開していた『Project 575』の登場キャラクター、正岡小豆・小林抹茶のライブラリがiOSアプリ『うた詠み575』用に製作されていたが[130]、2014年7月18日午後2時にサービスは終了となった[131]。当初は製品化の予定は無かったが、発売日当日に一般向けに販売することが発表された。それにあたり、パッケージイラストはかんざきひろにより新たに描き下ろされたものが使用されている。 | |
MATCHA | VOCALOID4 | 日本語 | 女声 | 大橋彩香 (声優) | |||
ミライ小町 | VOCALOID4 | 2018年5月24日 | 日本語 | 女声 | - | バンダイナムコスタジオが社内の技術発表や社外カンファレンスなどのデモンストレーションのために生み出した未来型アイドルという設定のボーカロイドで、同社のサウンドチームが音声収録から歌唱データベースの制作まで全ての工程を担当している。クリアな発音と透明感のある歌声が特徴とされ、ポップスやロックなど各種ジャンルで豊かな感情表現が楽しめる。キャラクターデザインは同社ののビジュアルアートチームが担当[132]。 | |
Amy | VOCALOID5 | 2018年7月12日 | 英語 | 女声 | - | いずれも「VOCALOID5 STANDARD」及び「VOCALOID5 PREMIUM」に収録されたボイスバンク。 | |
Chris | VOCALOID5 | 英語 | 男声 | - | |||
Kaori | VOCALOID5 | 日本語 | 女声 | - | |||
Ken | VOCALOID5 | 日本語 | 男声 | - |
キューンレコード(現・キューンミュージック)はソニーグループに属するレコード会社で、2010年に同社の所属歌手、ピコの声を元にした「歌手音ピコ」を発売した。自社でのVOCALOID製品の販売は「歌手音ピコ」のみであるが、所属歌手を起用した製品としては、この前年よりAHSから「SF-A2 開発コード miki」が販売されている。
SBS Artechは大韓民国のテレビ・ラジオ放送局SBSの子会社で、韓国語に対応したVOCALOID3から参入した[31]。日本国内での販売についてはヤマハが代行している。
製品 | エンジン | 発売日 | 言語 | 性別 | 音声提供者 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|---|
SeeU | VOCALOID3 | 2011年10月21日 | 韓国語 日本語 (英語) | 女声 | ダヒ (歌手) | シユ(SeeU)はK-POPガールグループ「Glam」(発売後の2012年デビュー)のメンバー、ダヒの歌声を元にした製品[105]。韓国語と日本語のライブラリを収録し、英語の歌詞に対応するための子音の発音も一部収録されている[134]。低音域ではハスキー、高音域では澄んだ声が特徴とされる[105]。パッケージにはKKUEMのデザインによるキャラクターのイラストが用いられている[135]。日本では2011年12月16日に発売された[104]。2013年3月1日頃に、日本国内での販売が終了した。 |
Voctro LabsはVOCALOIDの基礎研究でヤマハとの共同研究を行っているスペインのポンペウ・ファブラ大学からのスピンオフで、2011年に設立された[136]。スペイン語に対応したVOCALOID3からの参入である。
製品 | エンジン | 発売日 | 言語 | 性別 | 音声提供者 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|---|
BRUNO | VOCALOID3 | 2011年12月23日[137] | スペイン語 | 男声 | - | スペイン語に対応した初めての男性音源としてCLARAとともに発売された。マイルドな声質とされ、巻き舌などのニュアンスも再現できる[84]。男性のキャラクターのイメージイラストが用意されている。 |
CLARA | VOCALOID3 | スペイン語 | 女声 | - | スペイン語に対応した初めての女声音源としてBRUNOとともに発売された。声質は「低めのグラマラス」とされ、歯擦音などのニュアンスも再現できる[84]。女性のキャラクターのイメージイラストが用意されている。 | |
MAIKA | VOCALOID3 | 2013年12月18日[138] | スペイン語 (他) | 女声 | - | パワフルかつ女性的な声質で、スペイン語の音源であるが、他の言語に対応するための音素の追加が行われており、デモソングはポルトガル語、イタリア語、カタロニア語、英語、日本語のものが公開されている[139]。女性のキャラクターのイメージイラストが用意されている。 |
1st PLACEは日本の音楽プロダクションで、VOCALOID3から参入。VOCALOID製品の販売だけでなく、「IA PROJECT」として、IAを用いて活動する音楽家のマネジメントや、VOCALOIDのIAをアーティストとして売り出す活動なども行っている[140]。
上海禾念信息科技有限公司は、日本でVOCALOID関連製品の公式販売サイト「VOCALOID STORE」を運営していたビープラッツの、中国における販売会社として、2011年より「VOCALOID CHINA」の名称で中国でのVOCALOID関連事業を行った[142]。2012年に自社のVOCALOID製品の販売を開始した。中国語に対応したVOCALOID3からの参入である。 2014年1月に「VOCALOID CHINA」の活動は停止し[143]、かわりに上海禾念が「VOCANESE」の名称で販売することになった[144]。2015年には再び「Vsinger」に名称を変更した。
製品 | エンジン | 発売日 | 言語 | 性別 | 音声提供者 | 解説 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
洛天依 | VOCALOID3 | 2012年7月12日[137] | 中国語 | 女声 | 山新[84] (声優・中国語) 鹿乃 (歌手・日本語) | 洛天依(ルオ・テンイ)は、中国語に対応した初めての製品である。異世界から来た精霊という設定で、キャラクターのデザインは一般公募で選ばれたものの内、最優秀賞であった「雅音宮羽」をideoloがリファインした[145]。2017年12月30日には、VOCALOID4に対応した新音源が発売された。2018年5月21日には、日本語に対応した新音源が発売された。日本では2018年12月10日に発売された。 | |
洛天依 V4 | VOCALOID4 | 2017年12月30日 | |||||
2018年5月21日 | 日本語 | ||||||
言和 | VOCALOID3 | 2013年7月11日[137] | 中国語 | 女声 | 劉セイラ[84] (声優) | 言和(イェンフー)は、少年風にも聞こえる中性的な声質の女声音源である[84]。キャラクターのデザインは一般公募で選ばれたMQの『言和』イラストが使用されている[146]。 | |
楽正綾 | VOCALOID3 | 2015年7月17日 | 中国語 | 女声 | 祈Inory (歌手) | 楽正綾(ユエジェン・リン)は、洛天依と同じ一般公募で入選を果たした「綾彩音」をリファインしたVOCALOID。音楽関連企業「楽正グループ」の令嬢である元気で活発な16歳の女子高生という設定。 | |
星塵 | VOCALOID4 | 2016年4月13日 | 中国語 | 女声 | 茶理理 (歌手) | 星塵(シンチェン)は、VOCALOID4としては初めての中国語用音源である。元々は同人音楽のプロジェクトである「平行四界Quadimension」のマスコットキャラクター「平行四界子 Quadimensionko」であったが、VOCALOID化するにあたりキャラクターデザインがideoloによりリファインされた。平行四界のボーカルシリーズ「五維介質(MEDIUM5)」のキャラクターの一人で、エーテルを司る三女にあたる。 | |
楽正龍牙 | VOCALOID4 | 2017年5月10日 | 中国語 | 男声 | 張傑 (声優) | 楽正龍牙(ユエジェン・ロンヤ)は、中国語VOCALOIDとしては初の男声製品である。「淳(Normal)」と「雅(Soft)」の2種類のライブラリが搭載されている。キャラクターデザインは洛天依・楽正綾と同じ一般公募で入選を果たした「牙音」をリファインしており、音楽関連企業「楽正グループ」の次期社長にして楽正绫の兄という設定。日本では2018年12月10日に発売された。 | |
徵羽摩柯 | VOCALOID4 | 2018年8月2日 | 中国語 | 男声 | 蘇尚卿 (声優) | 徵羽摩柯(ジユ・モカ)は、洛天依・楽正綾・楽正龍牙と同じ一般公募で入選を果たした「MOKO」をリファインした、IQ168の天才オタク少年という設定のVOCALOIDである。日本では2018年12月10日に発売された。 | |
墨清弦 | VOCALOID4 | 2018年8月2日 | 中国語 | 女声 | 冥月 (歌手) | 墨清弦(モー・チンシエン)は、古典と詩が好きで中国の伝統楽器も弾くことができる17歳の女子高生という設定のVOCALOIDである。キャラクターデザインは、当初は洛天依・楽正綾・楽正龍牙・徵羽摩柯と同じ一般公募で入選を果たした作品をリファインする予定だったが、盗作が発覚したため入選は取り消しに。新たにideoloによって書き下ろされた。日本では2018年12月10日に発売された。 |
EXIT TUNESはポニーキャニオン系列のレコード会社。VOCALOID音源の発売は2012年からであるが、レコード会社としてこれ以前より、2010年にオリコンランキングで一位を獲得した『EXIT TUNES PRESENTS Vocalogenesis feat.初音ミク』(EXIT TUNESボカロコンピシリーズ)をはじめ、VOCALOID関連のCDを多数発売している。
マクネナナプロジェクトは「マクネナナ」を開発・発売するために立ち上げられたプロジェクト。ソフトウェアの販売はAHSが行っている。
製品 | エンジン | 発売日 | 言語 | 性別 | 音声提供者 | 解説 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
マクネナナ | VOCALOID3 | 2014年1月31日 | 日本語 | 女声 | 池澤春菜 (声優) | 池澤春菜がマイナビ発行の雑誌『MacFan』誌上で連載している「天声姫語」において、「MacにもVOCALOIDが欲しい」という池澤の希望を掲げて開始したプロジェクト「Mac音ナナ」が発祥となっており、この時点ではAIFF形式の音声素材集として発売されていたが、VOCALOID3で正式にMacOS対応となった事を受けて、改めてVOCALOID3のライブラリとして作成され、名称も現在の物となった。キャラクターイメージはあかつきごもくが手がけている。日本語・英語それぞれのバージョンと両言語をセットにしたバンドル版の3製品が発売[149]。2016年12月15日には、VOCALOID4に対応した3種類の新音源が発売された。 | |
マクネナナ ナチュラル | VOCALOID4 | 2016年12月15日 | |||||
マクネナナ プチ | |||||||
マクネナナ English | VOCALOID3 | 2014年1月31日 | 英語 | ||||
VOCALOID4 | 2016年12月15日 | ||||||
製品 | エンジン | 発売日 | 言語 | 性別 | 音声提供者 | 解説 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
v flower | VOCALOID3 | 2014年5月9日 | 日本語 | 女声 | - | v flower(ブイフラワ)はロックへの特化をコンセプトに開発された音源で[150]、キレのある力強い歌声が特徴とされる[151]。製品のキャラクターのデザインは、クリエイターユニット「HoneyWorks」のサポートメンバー「ろこる」によるもので、そのデザイン案をもとに同ユニットのイラストレーター「ヤマコ」がパッケージイラストを描いている[150]。キャラクター名は「flower」[151]。製品名にはVOCALOIDの中で「花のように咲き誇れ」という願いが込められているという[150]。2015年7月16日にはVOCALOID4に対応した新音源が発売された。 | |
v4 flower | VOCALOID4 | 2015年7月16日 | |||||
心華 | VOCALOID3 | 2015年2月10日 | 中国語 | 女声 | 王文儀 | 心華(シンファ)は、初の台湾製のVOCALOIDである。発売元は華創文化有限公司。キャラクターデザインはVOFANが担当。日本では2015年4月24日に発売された。2017年9月22日には、VOCALOID4に対応した2言語による新音源が発売された。 | |
VOCALOID4 | 2017年9月22日 | 中国語 日本語 | |||||
鳴花ヒメ・ミコト | VOCALOID5 | 2019年3月30日 | 日本語 | 女声 | 小岩井ことり (声優) | 梅の精霊という設定の2人組のVOCALOIDで、「底抜けに明るく、且つ優しい声で歌う」鳴花ヒメ(めいかヒメ)と、「クールで力強く、キレのある歌声」の鳴花ミコト(めいかミコト)の2種類のボイスバンクを収録している。デモソングを音声提供者の小岩井自身が手掛けている。キャラクターデザインは△〇□×(みわしいば)が担当。ガイノイドTalk版と同日発売。 |
ウィーヴはアニメーション作品の企画、製作や、出版、キャラクター商品のライセンス管理などを行っている企業で、2014年9月より雑誌『ボカロPになりたい!』に付属させる形で「Rana」の提供を行っている。
製品 | エンジン | 発売日 | 言語 | 性別 | 音声提供者 | 解説 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Rana | VOCALOID3 | 2014年9月9日 | 日本語 | 女声 | 加隈亜衣 (声優) | Rana(らな)は、ウィーヴとヤマハの共同開発によるライブラリで、広い音域とハッキリとした発音が特徴とされる[152]。キャラクターのイラストは神藤かみちが担当した[152]。2014年9月9日に創刊された隔週刊の雑誌『ボカロPになりたい!』に付属して使用期間を限定して提供され、2〜5号おきに提供される更新用のシリアルナンバーで使用期間を延長、全30号の刊行後には各号に付属する応募券を郵送すると永久シリアルナンバーが手に入る予定となっている[153]。2015年12月1日にはVOCALOID4に対応した新音源がヤマハから一般発売された。 | |
Rana V4 | VOCALOID4 | 2015年12月1日 |
製品 | エンジン | 発売日 | 言語 | 性別 | 音声提供者 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|---|
UNI | VOCALOID4 | 2017年2月14日 | 韓国語 | 女声 | - | 日本では2018年12月10日に発売された。 |
VOCALOIDの歌手ライブラリには、パソコン向けパッケージとして一般向けに提供されていないもの、商品化が未定のものも存在する。ヤマハによるVOCALOID開発の際には歌手のみならず開発者自身の声をサンプリングするなどといったことも行われており[8]、当時のヤマハの専務の声をサンプリングした音源なども作られているという[154]。こうした商品化されていないライブラリの中には、企業のキャンペーンになどに使用されているものもあるという[155]。また、ビープラッツが販売したVY1のような元々はヤマハ社内で研究開発目的で作られたライブラリが、後にパソコン向けパッケージとして商品化された例もある[155]。ライセンス先においても製品化に至らなかったライブラリや[78][156]、イベントでのデモ用に即席でライブラリが作られたケースがある[注 10]。以下は明らかな形で使用はされてはいるものの、パソコン向けの製品として一般販売はされていない音源である。
VOCALOID-flex(ヴォーカロイド フレックス)は2010年2月に企業向けの提供が発表された[注 12]、話し言葉の表現にも対応したバージョン[7]。音符の入力を元にしてピッチの変化などを作るのではなく手動で直接ピッチの変化や音素の長さを入力し[注 13]、それによって話し言葉、特にテキスト入力による音声合成とは異なる細かな抑揚の表現なども可能にしている[171]。音声のライブラリについてはパソコン向けのバージョンと同じものが使用できる[7]。用途は動画コンテンツのアフレコへの利用の他、ロボット、キャラクター玩具、工場現場や緊急時などのアラート音声といったものへの利用が考えられている[7]。2010年10月にはアプリケーションの開発コンテスト「Mashup Awards 6」にあわせ、VOCALOID-flexをWebサービスとして使用するためのAPIである「NetVOCALOID-flex API」が期間限定で開発者向けに無償で公開され、同技術を使用したアプリケーションの一般公募も行われている[172]。音声の制作にVOCALOID-flexを使用した一般市場向けの製品としては、2010年4月に発売されたゲームソフト『メタルギアソリッド ピースウォーカー』における、ゲーム中の音声の例がある[162]。一般ユーザーへの音声合成のサービス提供については、インターネットがガチャピンの声質でしゃべり声を作成できるサービス「V-Talk」を2010年10月18日に開始している[173]。
VOCALOID-board(ヴォーカロイドボード)は2010年10月に発表された、パソコン向けのVOCALOIDソフトウェアとほぼ同等の機能を備えた組み込み用のハードウェア。さまざまな電子機器に組み込むことで、パソコン上でのみ機能した従来のソフトウェアよりも利用範囲を広げることを狙った[174]。VOCALOID MIDIデータにより歌声を合成する「Playbackモード」、あらかじめ歌詞を入力しておき、MIDIキーボードなどのノートメッセージにより歌声を合成する「Realtimeモード」、VOCALOIDーflexと同等に動作する「VoiceSynthモード」の3つのモードを備える[174]。介護・エンターテインメント用ロボットやキャラクター玩具、カラオケ機器、電子楽器などへの応用が想定されている[174]。企業向けで一般ユーザー向けの提供は予定されていない[174]。
2012年3月に開かれた「インタラクション2012」にて、子音・母音を入力する文字キーで歌詞を、ピアノ鍵盤で音階を入力して、リアルタイムで歌唱が制作できるVOCALOID-boardを使用した試作品「VOCALOID キーボード」が発表されている[175]。2015年のニコニコ超会議では歌詞をあらかじめプリセットしておくことで演奏に専念することが可能になった改良版「VOCALOID キーボード」が公開された。そして2017年12月9日、「VKB-100」の製品名でVOCALOIDキーボードが発売された[176]。歌声ライブラリを切り替えてさまざまなライブラリが利用可能になり、スマートフォンやタブレット向けに配信されるアプリとBluetooth接続することでライブラリを追加したり、歌詞を入力することができるようになった。初期収録はVY1で、最大4種類のライブラリ(初音ミク・Megpoid・IA・結月ゆかり)を追加できる。その内最初の1つは無償で追加することができる[177]。
「ボカロネット」とは、2014年8月4日に開始されたVOCALOIDでの楽曲制作をさまざまな機能で支援する会員制クラウドコンピューティングサービス。主に以下のサービスが提供されていた。
2016年9月27日にサービスが終了した[178]。
iOS上で動作するVOCALOIDを用いた製品については2010年12月から提供されている[179]。ヤマハが自社で開発した音楽製作ソフトやゲームソフトを発売しているほか、外部企業向けに仕様をまとめソフトウェア開発キット(SDK)『iVOCALOID SDK』も提供しており、2013年7月に『iVOCALOID SDK』を利用した製品の第一弾としてセガが『うた詠み575』を発売している[180]。
ニンテンドー3DS上で動作するVOCALOIDを使用した製品は2013年11月より提供されている。
NetVOCALOIDは、サーバ上にVOCALOIDを実装し歌声合成機能をネットワークを介して事業者向けに提供するSaaS型のサービス。一般ユーザー向けのサービスはヤマハ自体ではなく提供を受けた事業者が行い、入力内容は事業者によってNetVOCALOIDサーバへ送られ歌声の合成が行われる[188]。インターネットにつながっている機器であればVOCALOIDの機能を提供出来、スペックの低いパソコンや携帯電話やゲーム機といった機器からVOCALOIDを利用するサービス[188]、インターネット上のアバターに歌を歌わせる、ロボットへの応用、広告への利用といった展開も可能とされる[189]。
NetVOCALOIDを活用したサービスは、2009年4月9日にインターネット社の「ケータイがくっぽいど」、クリプトン・フューチャー・メディアの「ミクと歌おう♪」が開始されており[190]それぞれ携帯電話を通じて「がくっぽいど」、「初音ミク」の歌声を利用できる。また、携帯電話向けのサービスでは、KDDIの携帯電話ブランド「iida」の2009年から開始した期間限定のユーザー参加型キャンペーン「iida calling」のver.2、ver.3、ver.3.1でもNetVOCALOIDによる合成音声が利用されている(パソコンからの利用も可能)[191]。上記のいずれのサービスも携帯電話から歌詞をテキスト入力するとあらかじめ用意された楽曲に合わせた合成音声が生成されて曲が完成し、これを着うたなどに利用できるものとなっている。また、2010年4月に発売されたゲームソフト『メタルギアソリッド ピースウォーカー』では、NetVOCALOIDを使用し、プレーヤーが自ら作成した歌を歌わせる機能が搭載され[161]。NetVOCALOIDのサーバは本ゲーム専用のサーバシステム内に設置され[161]、プレイヤーの編集に合わせて各ゲーム機端末へデータがダウンロードされるようになっていた。なお、これら以外にも、NetVOCALOIDの技術を使用していることを前面に出さずに展開されているサービスがいくつも存在するという[137]。
VocaListener(ボーカリスナー)は産業技術総合研究所が発表した、歌声を入力に用いてVOCALOIDのパラメーターを設定し合成歌唱を作り出すことのできるシステム。略称は「ぼかりす」。2008年5月28日に第75回音楽情報科学研究会で発表された。なお、発表に先立って同年4月28日に、動画投稿サイトニコニコ動画にてVocaListenerを用いて作成された歌声が公開され、その人間が歌っているかのような自然な歌声で話題を呼んでいる[192]。VocaListenerは、入力された歌唱からパラメーターを推定し、更に合成歌唱と元の歌唱とを比較しながらパラメータの再調整を繰り返すことで歌手ライブラリごとの特性などによらず元の歌唱の歌い回しを真似た合成歌唱を得ることができる。元となる歌唱の音高や歌唱スタイルを調整する機能も備えており、ユーザーの歌唱力が低い場合やユーザが歌唱できない表現にも対応する。
ヤマハはVocaListenerの発表を受けて、2008年11月より産業技術総合研究所との共同研究を開始、2012年10月に「VOCALOID3 Editor」で使用できるプラグイン、「VOCALOID3 Job Plugin VocaListener」発売された[193]。なお、これ以前には、2009年4月に簡易版のVocaListenerの機能をネットワーク経由で提供するサービス「Netぼかりす」の開発を行っていることを発表[194]、2010年10月に「VY1」および「VY2」向けの「Netぼかりす」のサービスの年内の提供が発表されている[195]。しかし、クラウド型にするために機能を絞り込んだ結果、仕様や性能に難があり、2011年4月に断念された[193][196]。なお、2011年9月に発売されたアルバム『THE VOCALOID produced by Yamaha』では一部の収録曲の制作にVocaListenerが使用されている。
また、2010年7月に元の歌唱の声色を真似て合成音声の声色を変化させる機能も盛り込んだVocaListener2(ほかりす2)が発表されている[197][198]。VocaListener2の機能は、VOCALOIDパラメータの操作では完結しないため、2012年10月の商品化には盛り込まれていない[193]。
ゲームエンジン「Unity」の開発環境からシームレスに「VOCALOID」の歌声合成エンジンにアクセスして、その機能を利用することを可能にするソフトウェア開発キット。「Unityランタイム版VOCALOID Library unity-chan!」が同梱されており、これにより、ゲームのシチュエーションやユーザーの操作に連動してリアルタイムに歌声を合成し、キャラクターに歌を唄わせたり、その歌い方を変化させたりするようなインタラクティブなコンテンツを容易に開発することが可能となる。2015年12月22日より提供が開始された。
この節の加筆が望まれています。 |
2023年8月22日に始動したプロジェクトで、2024年3月31日まで活動。
VOCALOID製品の次期バージョンのテストではなく、音声合成における研究に特化した実験スタジオとして設立している。参加に関しては抽選制をとっており、当選者にはDAW用プラグイン「VX-β」が提供される。
VX-βでは、以下の専用ボイスバンクが提供されていた。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.