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日本の小説、メディアミックス作品 ウィキペディアから
『ぼくらの七日間戦争』(ぼくらのなのかかんせんそう)は、1985年4月に発行された宗田理の文庫書き下ろし小説。『ぼくらシリーズ』の第1作。
ぼくらの七日間戦争 | ||
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著者 | 宗田理 | |
発行日 | 1985年4月 | |
発行元 | 角川書店 | |
ジャンル | 小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
ページ数 | 38 | |
次作 | ぼくらの天使ゲーム | |
コード |
ISBN 4-04-160201-7 ISBN 978-4-04-160201-0(文庫本) | |
ウィキポータル 文学 | ||
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映画化もされ、映画の続編『ぼくらの七日間戦争2』も製作された。
この項目では、実写映画・アニメ映画など原作を元にした関連作品についても述べる。
第2作の『ぼくらの天使ゲーム』以降、通称『ぼくらシリーズ』全45作が刊行された。
1学期の終業式の日、東京下町の中学校に通う、菊地英治ら1年2組の男子生徒達が突如として行方不明となる。親たちは懸命に英治らを探すが、彼らの消息はつかめず全く見つからない。
実は英治らは、荒川河川敷の廃工場に立てこもって、外にいる橋口純子ら女子生徒と、体罰によって大怪我を負った谷本聡と協力し、廃工場を日本大学全学共闘会議をまねた「解放区」とし、校則で抑圧する教師や勉強を押し付ける親に対し、反旗を翻していたのだ。
だが、1年2組の男子生徒の柿沼直樹は、それに参加する前に誘拐されてしまう。英治たちは廃工場で出会った老人・瀬川卓蔵と共に彼を救出しに奮闘すると同時に、突入してきた教師に様々な仕掛けで対抗し、隣町の市長の談合を生中継するなど、悪い大人たちをこらしめる。
『ぼくらの七日間戦争』以後の続編の状況も記述している。
角川映画作品。1988年8月13日から東宝系劇場にて公開された。宮沢りえの女優デビュー作[2][3]。同時上映は『花のあすか組!』。
管理教育に抑圧された中学生が、学校教師や大人に「戦争」を挑む[注 1]。原作にはない戦車なども登場する一方、原作のポイントとなっている「全共闘関連の説明」「柿沼直樹の誘拐事件」「外部との通信・外出による各種工作」「学校教師に対する社会的攻撃」などが削除され、立てこもる生徒が「クラスの男子ほぼ全員」から「クラスの一部生徒」に変更されるなど廃工場での攻防に重点が置かれている。
2011年に角川映画35周年記念としてデジタル・リマスター版が発売され、2012年には「角川ブルーレイ・コレクション」の一作品としてブルーレイディスク化された。
青葉中学では横暴な教師が理不尽な校則や暴力で生徒を縛っていた。1年A組の菊地英治他計8人の男子生徒は家出すると、食料や生活用品を廃工場に持ち込んで立てこもる。母親達は学校側に捜索を訴え、学校のやり方に問題があるのではないかと指摘するが、学校側は家庭内での躾が悪いせいと決めつけ取り合わない。
近所の住人の知らせで生徒達の居場所を見つけ、教頭の丹羽、生活指導の野沢、体育教師の酒井、担任の八代、副担任の小柳の教員5名と生徒の親達が詰めかけて生徒を連れ出そうとするが、英治達に砂や水で追い払われた。翌日、工場を探索していると最深部に1輛の戦車が放置されているのを見つけ、生徒の宇野と天野が動かせないかと弄りだした。同日、工場に中山ひとみら3人の女子も加わるが、誰が女子にこの場所を教えたかで一悶着が起きた。何とか和解し、立てこもりを続行する事に。
さらに次の日の早朝、先日の面子に校長の榎本も加わり、酒井に丸ノコで扉に切り込みを入れさせて工場内部に乗り込む。反撃を掻い潜って生徒達の大半を捕らえたが、宇野と天野が戦車を動かし工場奥から飛び出す。思わぬ隠し球に驚いた榎本は一目散に逃げ出し、他の教師と親達も為す術無く退散した。ひとみは戦車に「エレーナ」と名付け、皆で勝利の記念に工場前の広場で乗り回すが、工場内部に戻った所でエンジンが故障し、走行不能になってしまった。その頃、学校まで逃げてきた教師達は警察に通報。その夜、今回の一件を警察に一任すると親達に通達した。
次の日、報道陣や野次馬が見守る中、機動隊が工場に突入。生徒達は前日に工場内部に仕掛けたトラップで機動隊員を翻弄、激昂した榎本は「殺せ!」と口走った事で野次馬に来ていた他の生徒達の怒りを買い、追い回される。後から侵入した野沢は檻に閉じ込められ、酒井は網でつるし上げられ、八代も薬缶をぶつけられて倒れた所に張り子の巨大福助を乗せられる。生徒達は下水道を通って工場を脱出。夜の工場にエレーナに仕掛けた花火が次々と打ち上げられ、生徒達は勝利の歓声を上げるのだった。
主たる撮影は東京大泉の東映東京撮影所[4]。宮沢は「東映撮影所はりえのもう一つの学校の思い出がつまってるところです。『ぼくらの七日間戦争』は東映東京撮影所で撮ったからです」と話している[4]。宮沢は当時の自宅がこの近所で[4][5]、中学校を卒業するまで大泉に住んでいた[4]。ひざ付近に5ヵ所も青たんを作る大変な撮影だったが「さいこう楽しかったもん。スタジオの重い重い扉の裏に『ぼくらの七日間戦争』は永遠です」と話し[4]、『月刊明星』1989年5月号の取材で撮影所を訪れ、当時正門の左手の塀に掛かっていた「東映株式会社 東京撮影所 株式会社 東映美術センター」の木製の看板に鉛筆で「『ぼくらの七日間戦争』は不滅だ。チョココルネパン命!」といたずら書きをしたことを明かし[4]、「ごめんなさい..だけど消さないで下さいね。青春の記念なの。楽しかった思い出のしるしなの!一生のおねがい!」と切望していたが[4]、2019年現在そこに看板はない。
廃工場のシーンは千葉県館山市の平久里川河口近くにある、市民運動場の道路を挟んだ向かいにあったボウリング場跡地で撮影された[6]。建物はその後取り壊されたため、現存していない。2015年時点では医療関連の施設が建っている。
前記宮沢の証言から、話のメインとなる中学生たちが廃工場に立てこもるシーンは、表側を館山のボウリング場跡地で、屋内シーンは東映東京撮影所のセットでの撮影と見られる。
本作には防衛庁(当時)は撮影協力はしておらず、登場した戦車は1979年の映画『戦国自衛隊』で製作された61式戦車を模したレプリカである。この車両は映画マニアの間では「角川61式」「戦国61式」の名で呼ばれており、『戦国自衛隊』や本作以外でも数々の作品に出演している[7]。
なお、生徒達が立て籠った廃工場の地下に、なぜ自衛隊の戦車があったかの理由は作中でも明確になっていない。廃墟が関東財務局の管理する国有地であることだけが劇中から読み取れる。
撮影の河崎敏は長年CMを撮っていた人で、アメリカで映画を勉強してきた菅原比呂志監督が河崎のコカ・コーラのCM(日本で流されるコカ・コーラのCMはアメリカのものは使わず、全て日本で製作されている)に共感して撮影を依頼した[8]。撮影当時56歳[8]。「思ったことの半分もやれなかった」と話している[8]。劇映画の撮影は本作一本のみである。
劇中に出てくる「アリアハンの城」というのは、同年に発売されたファミコンのゲーム『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』の中に出てくる城の名前である。
男子生徒
女子生徒
1991年7月、松竹系劇場にて公開。同時上映は『幕末純情伝』。
ぼくらシリーズの第10作『ぼくらの秘島探検隊』を原作に、沖縄を舞台に描かれた。
『ぼくらの7日間戦争』(ぼくらのなのかかんせんそう)のタイトルで、2019年12月13日公開[14][15][16]。監督は村野佑太[14]、脚本は大河内一楼。
キャッチコピーは「ここが、スタートラインだった―」[17]「自分らしく生きると決めた。」。
原作から約30年後である2020年を舞台としており、新たなストーリーの象徴として漢数字の「七」からアラビア数字の「7」に変更になっている[14]。
実写映画化された1988年から30年を経て、現代の若者たちが戦う“7日間戦争”をアニメで表現したい旨を原作の宗田理に打診したところ、宗田はシリーズのテーマでもある“大人への挑戦”と“ユーモラスな戦い”を描くことを条件に再映画化を快諾したという[14]。再映画化を快諾したことについて、宗田は「アニメ映画には小説にはない感情が秘められている。私の描いた物語がアニメの中でどう表現されていくのかとても楽しみにしている」とコメントしている[14]。
作品制作時点での「現代の中高生」にとっての「前時代的なところ」として炭鉱を舞台とすることが着想され、その事情から地理的設定は北海道となり、赤平市や三笠市(奔別)、夕張市などの旧炭鉱が参考にされている[18]。主な舞台となる立坑は赤平炭鉱のものがモチーフとされている[19]。
2020年、北海道の旧炭鉱町である里宮(さとみ)に住む鈴原守は、本好きだが周囲の生徒とは没交渉な高校2年生だった。夏休みを控えたある日、隣に住む幼馴染みで同級生の千代野綾が、近く東京に転居すると知る。
翌朝、家を出た守は、綾が父と言い争っているのを目撃したあと、綾と会話しながら登校する。地元の地方議員を務める綾の父は、親族の都議会議員の後釜に立候補するため東京に移住することにしていたが、綾は同行を拒んでいたのだ。「1週間後の誕生日をせめてこの町で迎えたかった」という綾に、守は「逃げ出す」ことを持ちかける。
綾は「キャンプ」として家出することを発案、綾がクラスメイトを誘ったことをきっかけに、同級生6人で町内の高台にある廃坑で生活することになる。この旧炭鉱は以前は観光施設として公開されていたため、電気が使用可能だった。6人は、タイ人の子どもであるマレットがそこにいることに気づく。マレットは不法入国者の検挙から逃げる際に別れた両親が自宅に戻っていないか確かめるため、高台のこの場所にいた。
キャンプに乗り気でなかった本庄博人は、マレットを匿えば犯罪になるとして出て行くことを主張する。そこにマレットを追う入管職員が現れ、守はマレットを職員からかばって逃げたが、入管職員によって守たちは建物に閉じ込められる。これにより6人は戦わざるを得なくなった。
翌日、捜索令状を持った入管職員が廃坑にやってくる。守たちは、守の立てた作戦に沿ってその捜索を妨害し、手違いから捕まりそうになったときには「ガス爆発を起こす」という嘘の脅しをかけて撃退することに成功する。守たちは入管職員との攻防を動画にしてSNSにアップして注目を集め、現地に人を呼び寄せて容易に捜索をやりにくくさせた。アップの際にはタイ語でマレットの消息を記載した。
守が綾に「好きな人間がいるか?」と聞くと、「いるが関係を壊したくないので黙っている」と綾は答える。綾に好意を寄せていた守は落胆する。
次の日、綾の父は付き合いのある建設会社を連れて現地にやってくるが、野次馬や報道関係者がいたため引き返した。綾の父の秘書・本多は、廃坑の入口とは離れた場所にある炭鉱の廃トンネルからの侵入を提案、綾の父は建設会社に実行を命じる。その会社は6人の一人で綾の親友である山咲香織の父が経営しており、彼も廃坑に侵入する。
不意を突かれたは守たちは防戦一方となるが、香織が囮になって父と対峙し、それまで冷淡だった博人の機転で形勢を逆転、香織の父たちを退去させた。本多は香織の父から入手した守たちの写真を(綾を除いて)「立てこもっている高校生」として学校名入りでSNSにアップする。これを引き金にして、彼らの過去のプロフィールや裏アカウントがSNSに晒された。そこには香織が中学時代、父の仕事を得る目的で綾に接近したという内容も含まれていた。
翌日、警察などの許可を得て、重機で守たちの立てこもる建物外壁の破壊が始まる。だが、台風の影響で近くのズリ山で土砂崩れが起き、建設会社員らは引き上げた。一方、SNSの晒しにより6人の間には動揺が起きる。そんな中、自分の気持ちに素直でいたいという守を皮切りに、6人は「言えなかった気持ち」をカミングアウトし、関係を取り戻した。6人はマレット救出に向けた最後の作戦を実行する。
2020年9月11日から20日にかけて、東京・かめありリリオホールにて公演された。
2022年2月4日から6日に東京建物 Brillia HALLにて公演された。当初は2月2日からを予定していた[21]が、2日から3日の公演は中止になった[22]。
2015年4月15日 ディースリー・パブリッシャーよりニンテンドー3DS用のダウンロード専用ソフト『ぼくらの七日間戦争 〜友情アドベンチャー〜』と題して配信中[25]。後述する「角川つばさ文庫」版をベースとしたアドベンチャーゲーム(いわゆる「ノベルゲーム」とも呼ばれるスタイル)化がされている。
シナリオは原作者である宗田と、つばさ文庫編集部が監修。キャラクターのグラフィックは、つばさ文庫で「ぼくらシリーズ」全般のイラストを担当した、はしもとしんの絵をベースにしている。
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