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日本の漫画家 (1955-) ウィキペディアから
くらもち ふさこ(1955年〈昭和30年〉5月14日[2] - 、本名:倉持房子[2])は、日本の漫画家。東京都渋谷区出身[2]。武蔵野美術大学中退[3]。1972年、『別冊マーガレット』(集英社)に掲載された『メガネちゃんのひとりごと』でデビュー[4]。代表作に『いつもポケットにショパン』、『天然コケッコー』、『花に染む』などがある[1]。愛称はふーちゃん[要出典]。
主に1980年代を中心に少女まんがの日常心理の表現技法に影響を残し、三原順「はみだしっ子」にくらもちふさこがモデルであるフーちゃんが登場する。鈴木光明が運営していた三日月塾メンバーのひとりであり、同じく同塾メンバーであった笹尾なおこ(現・笹生那実。入塾およびデビューはくらもちの方が先)と共に美内すずえのアシスタント をしていたことがある。
くらもちのデビュー前までの少女漫画といえば、舞台が外国とか夢物語のような恋愛、あるいは栄光を目指す根性ものやその他、どこかで一般少女の日常のバランスを離れていくイメージが多かった。しかし、1970年代『りぼん』で陸奥A子などの乙女チックまんがといわれるふつうの女の子の身近な叙情感覚を重視する分野が大きな人気を持った。これと並行して作家として成長したくらもちふさこの作品は、ごく初期の主人公が気弱ながら心をつなげていったり、身近の心理をテーマに展開し、以後もそんな心理描写を中心とした作風を進めている。ストーリーはゆっくりした歩みの中で心理的に読みが深まっていく傾向がある。
初期を中心にミュージシャンなどの芸能ものもあるが、それもほとんど、社会的成功・根性ものとしてでなく、ファン視点など気持ちの交流の話として描かれている。1970年代後期から1980年代中期ごろまでの彼女の作品は、コマ割りの呼吸のような表現と描線による内面描写が大きく発達した時期で、少女漫画の少女まんがらしい表現技法にとって大きな貢献といえる。これは、『りぼん』での乙女チックと言われたものよりドラマチックな面を含む。以後も作風は微妙に発展し続ける。作品を掲載していた集英社『別冊マーガレット』では、1970年代後半にデビューした多田かおる・いくえみ綾などにとどまらず、1990年代には紡木たくと双璧をなす影響を後進に与えている。
1990年代に入ってからは、より挑戦的な作品を発表するようになり、1990年半ばからは活躍の場を『別冊マーガレット』から『コーラス』に移している。そんな中で生まれたのが代表作『天然コケッコー』である。エピソードを積み重ねる演出、直接には表現せず絵から想像させる技法など、一種凝った心理描写を得意とする。1996年には『天然コケッコー』で第20回講談社漫画賞を受賞する[5]。
2012年、『コーラス』から改題した『Cocohana』で活動。
2017年、『花に染む』で第21回手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞[6]。同年、デビュー45周年を記念したムック本が刊行される[7]。2018年、いくえみ綾との二人による原画展が開催される[8]。また、公式アンソロジーである『くらもち本』が刊行される[9]。NHKの連続テレビ小説『半分、青い。』で作品が登場し話題となる[10]。2019年、初の自伝的エッセイを出版した[11]。
2022年にデビュー50周年を迎える記念として、弥生美術館にて原画展「デビュー50周年記念くらもちふさこ展 ―デビュー作から『いつもポケットにショパン』『天然コケッコー』『花に染む』まで―」を開催[12]。また、同記念企画として初の全集となる『くらもちふさこ全集』が同年7月から電子限定で配信開始[13]。
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