日南町
鳥取県日野郡の町 ウィキペディアから
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日南町(にちなんちょう)は、鳥取県の南西の内陸部にある町。1959年(昭和34年)に新市町村建設促進法に基づく合併により誕生した[1]。日野郡に属しており、郡域の南部に位置していることが、町名の由来である。一級河川日野川の源流域にあたり、孝霊天皇の伝承や日本古来のたたら製鉄など、豊かな自然が育んだ歴史と文化に恵まれており、昭和の文豪、井上靖や松本清張ゆかりの地でもある。若年層の流出と出生数減少による人口減少が止まらず、消滅可能性都市に挙げられているが、「ひとづくり」と「持続可能なまちづくり」への挑戦を通じて「創造的過疎のまちへの挑戦」を推進している[2]。
以下の7の大地区、32の小地区より日南町は構成される。
ケッペンの気候区分では温暖湿潤気候(Cfa)に属する。日本海側気候でもある。町の全域が豪雪地帯対策特別措置法に基づく豪雪地帯に指定されている。
茶屋(1991年 - 2020年)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 15.3 (59.5) |
19.1 (66.4) |
22.5 (72.5) |
29.7 (85.5) |
31.7 (89.1) |
31.6 (88.9) |
33.9 (93) |
34.9 (94.8) |
32.9 (91.2) |
28.8 (83.8) |
24.8 (76.6) |
18.2 (64.8) |
34.9 (94.8) |
平均最高気温 °C (°F) | 3.9 (39) |
5.1 (41.2) |
9.7 (49.5) |
16.4 (61.5) |
21.4 (70.5) |
24.3 (75.7) |
27.8 (82) |
28.8 (83.8) |
24.3 (75.7) |
18.9 (66) |
13.2 (55.8) |
6.9 (44.4) |
16.7 (62.1) |
日平均気温 °C (°F) | −0.2 (31.6) |
0.3 (32.5) |
3.9 (39) |
9.6 (49.3) |
15.0 (59) |
18.9 (66) |
22.9 (73.2) |
23.4 (74.1) |
19.0 (66.2) |
12.9 (55.2) |
7.3 (45.1) |
2.2 (36) |
11.3 (52.3) |
平均最低気温 °C (°F) | −4.5 (23.9) |
−4.7 (23.5) |
−1.8 (28.8) |
2.7 (36.9) |
8.6 (47.5) |
14.0 (57.2) |
18.8 (65.8) |
19.1 (66.4) |
14.6 (58.3) |
7.3 (45.1) |
1.9 (35.4) |
−2.1 (28.2) |
6.2 (43.2) |
最低気温記録 °C (°F) | −17.4 (0.7) |
−17.7 (0.1) |
−14.0 (6.8) |
−6.9 (19.6) |
−2.5 (27.5) |
3.2 (37.8) |
6.3 (43.3) |
10.3 (50.5) |
1.0 (33.8) |
−3.2 (26.2) |
−9.2 (15.4) |
−14.5 (5.9) |
−17.7 (0.1) |
降水量 mm (inch) | 137.1 (5.398) |
114.2 (4.496) |
138.2 (5.441) |
121.4 (4.78) |
131.9 (5.193) |
194.1 (7.642) |
253.9 (9.996) |
162.7 (6.406) |
234.4 (9.228) |
147.2 (5.795) |
110.8 (4.362) |
150.7 (5.933) |
1,894.1 (74.571) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 19.2 | 15.6 | 15.4 | 11.6 | 11.0 | 12.5 | 14.1 | 12.0 | 12.5 | 10.8 | 13.3 | 18.6 | 166.5 |
平均月間日照時間 | 57.7 | 72.2 | 129.8 | 178.0 | 195.1 | 139.4 | 139.4 | 172.1 | 120.0 | 133.0 | 104.0 | 67.3 | 1,508.5 |
出典1:Japan Meteorological Agency | |||||||||||||
出典2:気象庁[3] |
代 | 氏名 | 就任日 | 退任日 | 備考 |
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- | 井川喜八郎 | 1959年4月1日 | 1959年4月30日 | 町長職務執行者(元伯南町長) |
初代 | 木下太郎 | 1959年5月1日 | 1974年2月26日 | 4期目途中で病気のため退職 |
2代 | 高橋篤史 | 1974年3月18日 | 1990年3月16日 | 4期16年 任期満了 |
3代 | 岸郁男 | 1990年3月17日 | 1998年3月16日 | 2期8年 任期満了 |
4代 | 矢田治美 | 1998年3月17日 | 2010年3月16日 | 3期12年 任期満了 |
5代 | 増原聡 | 2010年3月17日 | 2018年11月3日 | 3期目在任中に病気のため逝去 |
6代 | 中村英明 | 2018年12月16日 | 現職 | 前副町長(無投票当選) |
町長選は2010年の選挙戦が最後で、以後の2014年、2018年2月、12月に3連続無投票当選となった[5]。
日南町と全国の年齢別人口分布(2005年) | 日南町の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 日南町
■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
日南町(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
2015~2020年までの人口増減率-11.94%[6]。
2020年時点高齢化率 (65歳以上の人口)52.20%[6]。
山間部に位置する日南町の基幹産業は農林業で、稲作やトマト栽培が盛んである。また、基軸の林業をテーマとしてSDGs未来都市にも選定されている。
産業の主力は稲作であり、豊富な湧き水と山間部特有の昼夜の寒暖差を生かし、良質米の産地である。全国大会の「米・食味分析鑑定コンクール」での入賞歴もあり、大阪北新地のミシュラン店や五つ星ホテル「ザ・リッツ・カールトン大阪」などでも提供されている[8]。
神戸市に本社を置くマルカン酢は、創業者の名を冠した高級純米酢「酢屋勘三郎」の原料米として、日南町産コシヒカリを選んだ。これは、「最高の酢」をつくるため、各地の銘柄・農法・精白の度合いまで調べ尽くした結果であり、町内の湧水とともに原料として使用された[9]。
日南のトマトは昭和30年代から一部で露地での栽培が始まり、40年代からは雨除ハウスでの栽培となり全町に広まった。1991年(平成3年)に共同選果場が建設され、栽培面積が増えた。標高400~650mのハウスで栽培されており、昼夜の温度差が大きく、甘味・酸味のバランスが良く美味しいと評価されている[10]。「道の駅にちなん日野川の郷」では、トマトのソフトクリームが販売されている[11]。
豊富な森林資源は、江戸時代から大正期にかけては日本古来の「たたら製鉄」で使用する木炭の供給源となっていた。たたら製鉄の終焉後は、生活用の木炭の生産が盛んに行われた。
戦後、スギ、ヒノキ等が植林され、山林の6割が人工林となった。木材の流通、加工、販売を目的として2006年度に造成された「日野川の森木材団地」には、LVL(単板積層材)製造工場を中心に、年間12万㎥の林材が集まる林業拠点がある。2017年度には林野庁の「林業成長産業化地域創出モデル事業」による選定を受け、2019年(平成31年)4月に全国初の町立林業アカデミーを開校し、林業後継者の育成・確保に取り組んでいる[12]。
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