ひらかたパーク
大阪府枚方市にある遊園地 ウィキペディアから
大阪府枚方市にある遊園地 ウィキペディアから
ひらかたパークは、大阪府枚方市枚方公園町にある、京阪電気鉄道の子会社、京阪レジャーサービスが運営する[1]遊園地(テーマパーク)。通称は「ひらパー」。1度も取り壊されずに現在まで営業し続けている遊園地の中では日本最古である[注 1]。京阪本線の枚方公園駅前に位置している。年間の入園者数は130万人前後。
ひらかたパーク Hirakata Park | |
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施設情報 | |
愛称 | ひらパー |
前身 | 香里遊園地 |
事業主体 | 京阪電気鉄道 |
管理運営 | 京阪レジャーサービス |
面積 | 159,048m2 |
開園 | 1910年(明治43年)(香里遊園地) |
所在地 |
〒573-0054 大阪府枚方市枚方公園町1-1 |
位置 | 北緯34度48分20.80秒 東経135度38分17.27秒 |
公式サイト |
www |
前身は大阪府寝屋川市にあった「香里遊園地」である。1910年に、京阪電車の開通に合わせて香里駅近くの北河内郡友呂岐村大字郡(こおり)に12万坪で開園し、当時繁栄していた遊園地で地名の響きが近い、兵庫県西宮市の香櫨園(こうろえん)から命名され、1910年に第一回、1911年に第二回の菊人形展が開催された。のちに周辺を住宅地として開発するために移転され、枚方駅[2](現 枚方公園駅)付近に約1万平方メートルの用地を買収し、1912年10月6日 - 11月25日に第三回菊人形展が開催されて「ひらかたパーク」開業の起源となった。
菊人形展は1919年 - 1922年に京都の宇治へ一時移った後、1923年以降は枚方で開催が定着した。1926年に「枚方遊園組合」を設立して実質的に京阪電鉄の経営に一本化され、本館、余興館、ボート池、滑り台、ブランコなどが設置された。
満州事変後から「国威発揚」の傾向[3][4]が強まり、太平洋戦争中の1943年から大阪国防館が枚方遊園組合の土地と施設を利用し始め、大阪国防館主催の「戦力増強・士気昂揚菊人形」として開催された[3]。10月に京阪は阪神急行電鉄(現在の阪急電鉄)と合併して京阪神急行電鉄の一部となり、1944年に遊園地施設は軍の資材や食糧増産を目的とした農地に転用された[3]。
終戦後も枚方の用地が使用できず、1946年から1948年までの間は、枚方から京阪神急行電鉄沿線の千里山遊園へ苗を移植して菊人形展を開催した[5]。京阪神急行電鉄は枚方へ復帰を検討して1949年2月に枚方市と契約するが、農地転用された土地の興行は法律で制約されることから、枚方市が都市計画法に基づく市立公園として土地を整備して文化会館を建設[6]し、10月に6年ぶりに枚方で菊人形が開催された[5]。12月に京阪神急行から分離して再び京阪電気鉄道が発足する。
1951年に溝口健二監督で田中絹代主演の映画『西鶴一代女』(児井英生プロ+新東宝)が公園内及び周辺で撮影された。
シャウプ勧告に伴う税制改正で、「公設公園で開催する菊人形展」は入場税が従来の市税から府税となり[7]、1952年2月に枚方市が京阪に公園の使用を禁止するが、11月に公園用地を京阪が所有する遊園地に変えることで決着し[8]、1943年以来10年ぶりに遊園地として復活した。
毎年秋季に開催されていた「ひらかた大菊人形展」は、1964年以降は主にNHK大河ドラマで放送される作品などを題材に展示したが、後継者不足などから2005年で大規模なものは終了し、2006年に小規模な回顧展が開催された後、2010年に京阪電鉄の創業100周年記念企画として限定復活開催した。
1996年7月20日、80億円を投じて敷地内を大規模改装し、リフレッシュオープンを果たした。この時、京阪は公式に「ひらパー」の略称を大々的に使用し、相島一之を起用したテレビコマーシャルでも「ひらパー 目指せ知名度100%」との宣伝を行った。CMに関しては、2007年に放送された一連のCMが第6回大阪広告協会最優秀賞(一般部門)を受賞している。
関西の大手私鉄が運営する遊園地は、全体的に長期の不況や少子化、レジャーの多様化などもあって入園者数の減少により赤字経営を強いられるようになっていた。
その上、2001年にユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が大阪市に開業したことが追い打ちとなり、21世紀以降は業績不振などで宝塚ファミリーランドや神戸ポートピアランド、近鉄あやめ池遊園地、甲子園阪神パーク、みさき公園など、関西大手私鉄が経営する遊園地の3/4が閉園に追い込まれた。その中でひらかたパークは当時赤字続きでありながらも営業を続けたことで、生駒山上遊園地、須磨浦山上遊園、富士急ハイランドなどとともに、日本では数少ない鉄道事業者運営の遊園地として残っている(東京ディズニーランド(TDR)の影響などにより、二子玉川園や向ヶ丘遊園など、大手私鉄が運営している遊園地は軒並み閉園している)。
ひらかたパークの年間入園者は、最盛期の1974年度に160万人を超えていたが、2011年度に87万人へと低落し、赤字経営から一時は閉園も検討された。しかし、後述の「ひらパー兄さん」や、フラッシュモブのような来園者参加型イベントなど、大型設備投資でなく演出や広告で集客を図る戦略が奏功し、入園者数は2016年度に120万人にV字回復し、インバウンド客の急速な増加も追い風となり、アジアなどからの外国人観光客も増えている[11]。
2006年度以降でも年間1億円前後の赤字を計上していたが、ブラックマヨネーズの小杉竜一を起用したイメージキャラクター「ひらパー兄さん」を2009年4月より始めた。これが話題となり、最終的に『引退』した2013年3月までの4年間の広告効果は約30億円に上った。特に、2010年11月23日に行われた小杉の相方・吉田敬との「ひらパー兄さん選挙」は大きく注目を集め、同年度は中 - 大学生の入場者数の増加や好調だった物販などの影響により約1億5千万円の黒字を計上するに至る[12] など、堅実堅調な経営を続けている。小杉が起用されたのは、「ファミリー層にウケが良く、インパクトがあり、清潔感もあるから」との理由による[13][出典無効]。
小杉の引退後、2013年4月より2代目イメージキャラクター「超(スーパー)ひらパー兄さん」として、地元枚方市出身であるV6・岡田准一を起用。関西弁で「オレだよ!」を意味する「わいでおまっ!!」のキャッチコピーを掲げ、TVCMをはじめ京阪線の各駅にポスターが掲示され、秋の行楽シーズンはNHKの大河ドラマ『軍師官兵衛』の主人公である黒田官兵衛に扮した岡田の菊人形も展示された。広告などで自身が着用する白いヨットパーカーの胸元に、紺色のゴシック体で「枚方」の大文字、右腕に観覧車「スカイウォーカー」をイメージしたイラストがプリントされている。そのレプリカのヨットパーカーや「枚方」の文字入り缶バッジなどが、オリジナルキャラクター商品として園内で販売されている[14]。
2013年度は超ひらパー兄さんの影響もあり、95万人の来園者を集めたが、さらなる来園者数の向上を目標として、2014年4月1日から岡田に「園長」の肩書を与え、園内全体のイメージ改革に乗り出す。岡田が着るヨットパーカーも「園長」の大文字が書いてある布2枚(1枚に1文字ずつ「園」「長」と書いてある)を「枚方」の文字の上からかぶせ、四隅を安全ピンで各々固定し、自身が「園長」であることをアピールする。冬季は同じく胸元に紺色の「園長」がプリントされた白いベストを羽織る。2015年3月1日までに年間来園者数が100万人に満たない場合、超ひらパー兄さんのイメージキャラクターを含めて「解任」するという条件が課せられた[15][16]。
2015年3月7日に「超ひらパー兄さん園長去就発表会」が行われ、2014年3月1日からの年間来園者数は104万7246人とV字回復を果たしたことが発表された。年間来園者数が100万人を越えたのは、2010年度の103万人以来4年ぶりのことである。これにより、岡田の「超ひらパー兄さん」及び「園長」の解任は回避された[17]。2015年は「ありがとうイヤー」と題し、「おま!」以外の叫び声を禁止する「おまライド」などの新しい企画を行っている[18]。2016年度から、サングラスに大きな鋲付きの肩当ての付いた黒いレザージャケット(夏季は黒いTシャツ)姿にモデルチェンジし、「愛ゆえの暴走」をコンセプトにCM出演している。
岡田の主演映画である『永遠の0』(2013年)や『蜩ノ記』(2014年)などのパロディポスターが順次制作され、園内や京阪線駅構内などで展示されている。そのきっかけは、『図書館戦争』(2013年)の舞台挨拶で岡田が「図書パー兄さん」などと発言したことによる。これに対し、会社側が映画配給会社に連絡を取って作品とタイアップしたポスターを作るようになり、各種SNSで拡散されるなど大きな宣伝効果をもたらした結果、岡田の主演新作映画が作られるたびにファンから「また(パロディポスターを)作る話はありますか?」という問い合わせも出るほどになったとのことである[19][20]。2023年の『最後まで行く』のパロディポスターでは同作で共演している綾野剛が参加しており、岡田以外の人物が参加するのは初めてとなるほか[21]、同年には映画でない作品としては初めてとなる大河ドラマ『どうする家康』のパロディポスターも登場した[22]。
岡田は就任時から園内で来園者の前に登場することはなかったが、2016年11月22日に映画『海賊とよばれた男』の宣伝を兼ね、園長就任後初めて来園者の前に登場した[23]。前述のパロディポスターは本作でも制作。黒の衣装を纏い、映画と全く同じポーズで撮影され、「結局やらされた男」と言うタイトルが付けられた[24]。
2023年に表面化したジャニー喜多川性加害問題の影響で、ジャニーズ事務所(現・SMILE-UP.)所属タレントの広告起用を見送る企業が相次いでいたが、岡田は11月末をもって同事務所を退所し、個人事務所を設立[25]。12月には個人事務所が「超ひらパー兄さん」の契約を引き継ぎ、2024年度以降も起用が継続することが正式に決まった[26]。
キャラクターショーを主題とするまでは、主に『ひらかた大菊人形展』で『NHK大河ドラマ』などを扱った。
春と秋[27]のアニメと特撮キャラクターの催事は、1975年(昭和50年)頃から2003年(平成15年)頃までは『スーパー戦隊シリーズ』、『ドラゴンボール』、『Dr.スランプ アラレちゃん』シリーズ、『セーラームーン』シリーズ、『おジャ魔女どれみ』シリーズなど東映のキャラクターが多く、東映アニメーションなどが製作するキャラクターや、松竹と縁が深い『ウルトラマンシリーズ』なども扱った。
2001年(平成13年)頃までは春と秋のイベント開催時に、京阪電車の昼間急行の正面に急行標識とともにひらパーの丸型副標識を掲示して運行し、2002年(平成14年)秋は京阪電車車両の下半分を『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』で飾ったラッピングトレインを運行した。
2004年(平成16年)頃から『ドラえもん』、アニメ版『ポケットモンスター』、『とっとこハム太郎』など東宝系で映画上映される小学館集英社プロダクション監修のキャラクターを積極的に扱った。これは、阪急系の宝塚ファミリーランドが2003年(平成15年)に閉園するなど関西圏の遊園地が減少して阪急阪神東宝グループとの関係に配慮が不要なこと、少子化の影響で低年齢向けで男女別のものが多い東映と松竹系のアニメキャラクターよりも、広い世代の男女共に親しまれる東宝・小学館集英社プロダクション系キャラクターの集客効果が高いこと、コスト削減のためにイベント用筐体をみさき公園や和歌山マリーナシティなど近畿圏の他の遊園地と掛け持つこと、などの影響による。
2005年(平成17年)は前述の東宝と小プロ系中心の国民的キャラクターと『ふたりはプリキュア』など東映系中心の男女別キャラクターを扱い、2006年(平成18年) - 2007年(平成19年)は、映画『劇場版どうぶつの森』に「ひらパー」がクレジットされるなど、東宝と小学館集英社プロダクション系のキャラクターのみを扱った。
2008年(平成20年)は、春に『ウルトラマン』シリーズ、『仮面ライダー』シリーズ、『Yes!プリキュア5GoGo!』と全て東映と松竹系のキャラクターを、秋は乳幼児に人気が高い『それいけ!アンパンマン』をそれぞれ扱った。
2009年(平成21年)夏に、新アトラクション「ぐるぐる王」を始めた。
2012年(平成24年)秋に、テレビアニメ『探検ドリランド』のイベントとして『秋のハンターツアー supported by UHA味覚糖』を開催。翌年の2013年(平成25年)夏には『探検ドリランド -1000年の真宝-』のイベントに合わせ『真夏のハンターアドベンチャー supported by UHA味覚糖』が開催された。
2014年(平成26年)11月からイルミネーションイベント「光の遊園地」を開催する。プール「The Boon」が登場する夏季も、小規模ながらキャラクター関連のイベントが開催される。
2014年(平成26年)7月 - 9月に、アニメ『黒子のバスケ』のイベント『キセキの展示会』が関西で初めて開催される。
マスコットキャラクターは、リフレッシュオープン以前の「ギャビーガルタン」が、リフレッシュオープン後は「ノームファミリー」となる。
2024年9月7日、ベリーグッドマンが開催している野外ワンマンライブ「超好感祭」をフリーパス付きライブチケットで終日貸し切り、園内にはベリーグッドマンの楽曲がBGMとして流れ、常設の野外ステージにてライブを2部公演開催し、計5000人を動員した[28][29]。
1960年(昭和35年)に各国のサル類を集めた「モンキーランド」として開設され[33]、のちに移設してミニ動物園となる[34]。
2012年の産経新聞で「高齢者もゆったりと楽しめるバラ園などの空間があることも魅力」と紹介される[33]。1950年(昭和25年)ごろから各地でバラが栽培や研究され、枚方もバラ園を設けた[35][36]。前身の「バラ園」はかつて「東洋一の規模」であった[37]。
菊人形展の小規模化に伴い、映画館、ホテル、ショッピングモールを併設する複合施設型遊園地と、外周部の住宅地と一体で「遊園都市」となる新しいひらパーを、カルチュア・コンビニエンス・クラブ[注 2]が枚方市の要請に対して提案した。
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