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日本のレーシングドライバー ウィキペディアから
関口 雄飛(せきぐち ゆうひ、1987年12月29日 - )は、日本のレーシングドライバー。2011年全日本F3選手権チャンピオン、2021年SUPER GT/GT500クラスチャンピオン。東京都中野区出身。暁星高校卒業。
関口 雄飛 | |
---|---|
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
生年月日 | 1987年12月29日(36歳) |
出身地 | 東京都中野区 |
SUPER GTでの経歴 | |
デビュー | 2007 |
所属 | TGR TEAM SARD |
車番 | 39 |
過去所属 | RACING PROJECT BANDOH,SHIFT,JLOC,NDDP RACING,MOLA,TGR TEAM au TOM'S |
出走回数 | 126 |
優勝回数 | 6 |
ポールポジション | 6 |
ファステストラップ | 1 |
過去参加シリーズ | |
2004-2006 2006 2007 2009-2011 2013,2015 2016-2023 |
フォーミュラ・トヨタ フォーミュラチャレンジ・ジャパン 全日本F3選手権 スーパーフォーミュラ |
選手権タイトル | |
2002 2006 2011 2017 2021 |
全日本カート選手権(ICAクラス) フォーミュラチャレンジ・ジャパン 全日本F3選手権 インタープロト SUPER GT/GT500クラス |
5歳の時にキッズカートに乗り始め、レース活動を開始する。1999年より全日本ジュニアカート選手権に挑戦を開始。2001年には全日本カート選手権に参戦し、2002年にシリーズタイトルを獲得した。
2003年にはフォーミュラトヨタ・レーシングスクール(FTRS)を受講し、スカラシップを獲得した。なお、同年限定A級ライセンス[2]を日本自動車連盟(JAF)から発給されている。
トヨタ自動車が育成している新世代ドライバーとして、2004年から2006年までの3年間はトヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム(TDP)のサポートを受け、フォーミュラ・トヨタに参戦した。2004年及び2005年は、同じようにTDPのサポートを受ける大嶋和也や石浦宏明らの強力なライバルの存在もあって、なかなか結果を出せずにいたが、2006年は10戦中6勝をマークしてシリーズチャンピオンを獲得した。
また、同年に新設されたフォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)においては、2位と有効ポイントで同点であったが、優勝回数(3勝)が上回っており初代シリーズチャンピオンに輝いている。
2007年はTDP契約ドライバーとして、オフにオーディションを受け合格した広島に拠点を置く「ナウモータースポーツ(藤田直廣監督)」に加入、全日本F3選手権にステップアップした。しかし、マシン及びエンジンが型落ちであることに加え、多くの強豪ドライバーの存在もあり、なかなか結果を残せないでいた。第20戦もてぎラウンドにて、2位に入賞し初表彰台を獲得する(シリーズランキング7位)。
同年にSUPER GTにも参戦開始し、GT300クラスの名門RACING PROJECT BANDOHがベテラン飯田章のパートナーを探していたところ、関谷正徳の紹介でテストし、飯田と遜色ないタイムを出したことから契約をした。シリーズランキングは10位だったものの、第5戦SUGOラウンドでは、自らがハンドルを握る77周目に先行する47号車の脇阪薫一を捕らえ、逆転し初優勝を飾った。19歳7か月での優勝はGT300クラスでの当時の最年少優勝記録だった(現在の記録は2008年第3戦富士での国本京佑の19歳4ヶ月)。
2008年、当初はオフシーズンのオーディションに参加したHonda Team Realに移籍する予定であった(歩む道が同じであったため小暮卓史の再来とも言われた)が、本人の希望により戦いの場をヨーロッパに移し、イタリアを拠点にインターナショナル・フォーミュラ・マスター(IFM)に、元F1ドライバーの井上隆智穂がオーナーを、同じく元F1ドライバーのヴィンセンツォ・ソスピリが監督を務めるユーロノバから参戦した。
また、2008年-2009年はGP2アジアシリーズの開幕ラウンド・中国のみDPRよりエントリーした。なおこの頃、そのドライビングを認められ、アジア人として初めてスクーデリア・フェラーリの育成ドライバーに選ばれたものの、慣れないイタリア生活から来たホームシックからこれを自ら辞退したことが、井上によって後日明らかにされている[3]。更にリーマン・ショックの影響もあり、有力チームのシートを得られず不遇の時期を過ごす。
2009年は再び戦いの場を日本に移し、全日本F3選手権・NクラスにAIM SPORTSからエントリーした。開幕前のテストではトップタイムをマークし、開幕戦はエンジンストールによるピットスタートにもかかわらず優勝を果たし、開幕戦から3連勝を果たしシリーズ5位となった。
またこのシーズンは、SUPER GTのGT300クラスに、元SUPER GTチャンピオンの竹内浩典率いるシフトからレクサス・IS350で参戦している。
2010年は全日本F3選手権のCクラスに参戦し、優勝こそなかったものの堅実なドライビングでポイントを積み重ねシリーズ2位となった。また、SUPER GTのGT300クラスに、JLOCからランボルギーニ・ガイヤルド RG-3で参戦した。
2011年は、当初は全日本F3選手権のシートを失い、「まだまだセッティングには学べることが多いから」「フォーミュラから離れるのは怖かった。感覚1年離れただけで変わるから」という理由でステップダウンし[4]、B-MAX ENGINEERINGからF4の東日本・西日本選手権に参戦していたが、同チームが全日本F3選手権に進出したことから、全日本F3選手権のCクラスと、SUPER GTのGT300クラスに参戦(JLOC/ランボルギーニ・ガイヤルド RG-3)した。全日本F3選手権では、第1戦と第2戦を欠場したものの、6回の優勝を含む多くの上位入賞を果たし念願の2011年のシリーズチャンピオンを獲得した。
また、シーズン終了後のマカオグランプリにも全日本F3選手権のチャンピオンとして急遽出場し、急な参戦の為にセッティングも充分にされていない、性能に劣るマシンながらも序盤からトップ争いを演じて4位入賞を果たした(その後も2013年、2015年および2017年に参戦している)。
その後、スペインのモーターランド・アラゴンでフォーミュラ・ルノー3.5のテストに参加し、初めてのマシンとサーキットにもかかわらずいきなり3番手につけ注目された。
2012年はそのままフォーミュラ・ルノー3.5をドライブするかと思われたが、日産自動車が主催する世界に通用する若手ドライバーの育成を目標にしたスカラシップ・プログラム「ニッサン・ドライバー・デベロップメント・プログラム」(NDDP)に抜擢された。
その結果、この年よりSUPER GTのGT300クラスに初参戦する日産・GT-R(S Road NDDP)のファースト・ドライバーを務め、第4戦SUGOラウンドで優勝を果たした。
2013年はMOLAに抜擢され、SUPER GTのGT500クラスにステップアップを果たし、本山哲とコンビを組みカーナンバー「1」をつけた日産・GT-Rで参戦した。また、11月に開催されるマカオグランプリのF3にも再度参戦した。
2014年は、日産自動車からレクサスへ移籍し、TEAM WedsSport BANDOHで脇阪寿一とコンビを組む。序盤は、新しいレクサスRC-Fのデリバリーが遅かったためにセッティングが決まらない上に、マシンにも慣れず苦戦をし、レースでも接触をするなどトラブルに見舞われる。しかし、後半戦では度々上位に進出するなど安定した速さを見せた。
2015年もTEAM WedsSport BANDOHで脇阪寿一とコンビを組んだ。同じ体制で2年目ということもあり、激戦のGT500において数度のポイント獲得を果たすなど、速さだけでなく安定感も見せつけた。また、シーズン終盤には2011年以来久しぶりに日本F3選手権にスポット参戦したほか、11月に開催されるマカオグランプリのF3にも再度参戦した。
2016年はTEAM WedsSport BANDOHで、昨シーズンを持って勇退した脇阪寿一に代わり、新たにチームルマンから移籍してきた国本雄資とコンビを組み、第7戦ではチームのGT500初勝利を飾ったほか、最終戦でも表彰台を獲得し年間ランキング4位を獲得した[5]。
2017年もTEAM WedsSport BANDOHから、国本とコンビを組み参戦する。また、富士500kmでは、WECに参戦する国本に代わり2016年全日本F3チャンピオンの山下健太とともに出走、ドライバー三名で参戦した鈴鹿1000kmでは、元F1ドライバーでSUPER GT初参戦となる小林可夢偉をチームメイトに迎い入れ4位を獲得した[6]。
2018年は、レクサスのエースチームで、往年の名ドライバーの舘信秀率いるトムスに移籍し、元F1ドライバーの中嶋一貴とタッグを組み戦う。
2019年もトムスで参戦した。引き続き中嶋と組み鈴鹿で優勝を挙げるものの、シーズンを通して苦戦し年間ランキング7位に終わった。
WECに専念する中嶋に代わり若手のサッシャ・フェネストラズとタッグを組む。またマシンがこの年よりトヨタ・GRスープラに変わった。2位2回、3位2回と着実にポイントを稼ぐが年間ランキング4位となった。
トムスでこの年も戦い、最終戦まで勝利こそないものの坪井翔とともに確実にポイント圏内に食い込み、最終戦の富士スピードウェイで勝利を手にし、2021年のGT500クラスドライバーズ/チームチャンピオンに輝いた。
2016年からはSUPER GTと平行して、星野一義が監督を務める強豪チームであるTEAM IMPULから念願のスーパーフォーミュラ参戦を果たした。ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラがチームメイトであった。開幕戦鈴鹿では序盤にミスを犯し14位に終わったが、ファステストラップを記録した。第3戦富士では予選で失敗したものの他のマシンを多数パスして初表彰台を獲得。第4戦もてぎでは初優勝をポールトゥーウィンで飾った。
第6戦菅生では、ポールポジションからトップを快走していたが、セーフティーカーが入ったタイミングが悪く優勝を絶望視されたが、再び2位以下の後続を大きく引き離す独走を見せてシーズン2勝目をグランドスラムで飾り、その走りに星野監督が感動の涙を流すなど大きな話題を呼んだ。その結果ルーキーながら最終戦までポイントランキング首位のままチャンピオン争いを演じ、最終的にシーズンランキング3位となった。
2017年も、同チームからルーキーのヤン・マーデンボローをチームメイトに、同チームのエースナンバー「19」をつけて参戦する。なお関口は、昨年の好成績から2017年シーズンのチャンピオン候補の1人と目されており、実際に第2ラウンドの岡山の1レース目では、ポールポジションを獲得したもののスタートを失敗して2位になったが、2レース目ではシーズン初優勝を飾った。
続く富士では、チームのセッティングのミスによりマーデンボロー共々苦しいレース運びを強いられたものの、終盤後続のピエール・ガスリーを巧みに抑え続け4位に入りポイントを稼いだ。さらに第6戦の菅生でも中盤より燃費に気を使いつつレースをリードし昨年に続き優勝し、僅差のポイント差でチャンピオン射程圏内のまま最終戦に突入した[7]。しかし最終戦が台風の接近により中止となったために、決勝を走らぬままにシーズンランキング4位が確定した。
2018年も引き続きTEAM IMPULから参戦。チームメイトに2017年のSUPER GTのGT500クラスチャンピオンの平川亮が加入した。昨年に続き僅差のポイント差でチャンピオン射程圏内のまま最終戦に突入したが、チャンピオンを逃した。
2019年もTEAM IMPULから参戦。1勝し年間ランキング8位。
2020年もTEAM IMPULから参戦。この年は未勝利で年間ランキング14位に終わる。
シーズンを通じて確実にポイントを稼ぎ年間ランキング3位になり、またチームメイトの平川亮と着実にポイントを稼ぎ、TEAM IMPULが2021年シーズンのチームチャンピオンを獲得した。
全日本F3選手権で2011年にチャンピオンになったにもかかわらず、その後も数度に渡りスポット参戦した上に、マカオグランプリのF3にも数度に渡り参戦していた(2011年、2013年、2015年、2017年、2018年)。
富士スピードウェイで開催されているワンメイクレース「インタープロトシリーズ」には、2013年、2017年から2021年に参戦し、2017年にはシーズンチャンピオンを獲得している。
2016年-2017年シーズンには、ヨーロッパ挑戦時代の恩師の井上隆智穂が共同オーナーを務めるチーム「ヴィンツェンゾ・ソスピリ・レーシング」から、アジアン・ル・マン・シリーズに参戦した[8]。また、「トムス」の舘信秀が会長を務める「トヨタ・モータースポーツ・クラブ」が主催するレーシングカートの耐久レースや、筑波サーキットで開催された耐久レースに友人たちと参戦するなど、現在もカテゴリーや自動車メーカーを問わず様々なレースに参戦している。
年 | チーム | エンジン | クラス | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 順位 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2007年 | NOW MOTOR SPORT | トヨタ | FSW1 5 |
FSW2 9 |
SUZ1 6 |
SUZ2 7 |
TRM1 7 |
TRM2 7 |
OKA1 6 |
OKA2 6 |
SUZ1 7 |
SUZ2 5 |
AUT1 7 |
AUT2 6 |
AUT3 5 |
FSW1 8 |
FSW2 12 |
SEN1 Ret |
SEN2 6 |
SEN3 5 |
TRM1 7 |
TRM2 2 |
7位 | 101 | |
2009年 | AIM SPORTS | N | FSW1 8 |
FSW2 7 |
OKA1 3 |
OKA2 5 |
SUZ1 12 |
SUZ2 14 |
FSW1 15 |
FSW2 Ret |
SUZ1 11 |
SUZ2 12 |
TRM1 10 |
TRM2 12 |
AUT1 Ret |
AUT2 12 |
SUG1 | SUG2 | 5位 | 57 | |||||
2010年 | ThreeBond Racing | 日産 | SUZ1 5 |
SUZ2 4 |
TRM1 2 |
TRM2 3 |
FSW1 2 |
FSW2 3 |
FSW1 2 |
FSW2 4 |
TRM1 2 |
TRM2 2 |
OKA1 3 |
OKA2 2 |
SUG1 Ret |
SUG2 11 |
AUT1 3 |
AUT2 2 |
2位 | 81 | |||||
2011年 | B-MAX ENGINEERING | トヨタ | SUZ1 | SUZ2 | FSW1 1 |
FSW2 3 |
FSW3 12 |
FSW1 1 |
FSW2 7 |
TRM1 1 |
TRM2 1 |
OKA1 2 |
OKA2 3 |
SUZ1 C |
SUZ2 C |
SUG1 3 |
SUG2 1 |
SUG3 1 |
1位 | 100 | |||||
2013年 | SUZ1 | SUZ2 | TRM1 | TRM2 | TRM3 | OKA1 | OKA2 | FSW1 | FSW2 | TRM1 | TRM2 | SUG1 | SUG2 | FSW1 5 |
FSW2 3 |
8位 | 7 | ||||||||
2015年 | SUZ1 | SUZ2 | TRM1 | TRM2 | TRM3 | OKA1 | OKA2 | FSW1 | FSW2 | OKA1 | OKA2 | FSW1 | FSW2 | TRM1 5 |
TRM2 Ret |
SUG1 7 |
SUG2 9 |
11位 | 2 |
(key)
年 | チーム | シャシー | エンジン | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 順位 | ポイント | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2016年 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | ダラーラ・SF14 | トヨタ | SUZ 14 |
OKA 13 |
FSW 3 |
TRM 1 |
OKA1 13 |
OKA2 9 |
SUG 1 |
SUZ1 18 |
SUZ2 8 |
3位 | 28.5 | ||||
2017年 | SUZ 12 |
OKA1 2 |
OKA2 1 |
FSW 4 |
TRM 16 |
AUT 10 |
SUG 1 |
SUZ1 C |
SUZ2 C |
4位 | 25 | |||||||
2018年 | SUZ 2 |
AUT C |
SUG 13 |
FSW 6 |
TRM 16 |
OKA 1 |
SUZ 8 |
4位 | 18 | |||||||||
2019年 | ダラーラ・SF19 | トヨタ | SUZ Ret |
AUT 1 |
SUG 10 |
FSW 8 |
TRM 15 |
OKA 13 |
SUZ 4 |
8位 | 16 | |||||||
2020年 | TRM Ret |
OKA 5 |
SUG 11 |
AUT 11 |
SUZ DNS |
SUZ 3 |
FSW DNS |
14位 | 17 | |||||||||
2021年 | carenex TEAM IMPUL | FSW 17 |
SUZ 4 |
AUT 10 |
SUG 3 |
TRM 2 |
TRM 4 |
SUZ 4 |
3位 | 55 | ||||||||
2022年 | FSW 4 |
FSW 6 |
SUZ 11 |
AUT 17 |
SUG 15 |
FSW Ret |
MOT 9 |
MOT 1 |
SUZ 6 |
SUZ 11 |
7位 | 43 | ||||||
2023年 | ITOCHU ENEX TEAM IMPUL | ダラーラ・SF23 | FSW 11 |
FSW 13 |
SUZ 19 |
AUT 18 |
SUG Ret |
FSW 20 |
MOT Ret |
SUZ 12 |
SUZ 16 |
NC | 0 |
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