知立市
愛知県の市 ウィキペディアから
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知立市(ちりゅうし)は、愛知県の中部に位置する市。西三河地方に属する。
知立は景行天皇42年(112年)に創建された知立神社の門前町として発展した。知立神社は延長5年(927年)に編纂された延喜式神名帳に記載されている式内社であり、三河国二之宮、東海道三大社(三島大社、熱田神宮、知立神社)の一つとして数えられ、大きな影響力を持った。知立神社の神官でもある永見氏は後白河天皇配下の武士となり知立城を築くなど、土豪としても勢力を広め、長きに亘りこの地を支配した。
戦国時代に入ると永見氏一族から徳川家康の側室、於万の方(長勝院)を輩出し結城秀康が誕生。当時の永見氏は今川家に属した為、刈谷城(愛知県刈谷市)の水野氏や、岡崎城(愛知県岡崎市)の松平清康、駿府城(静岡県静岡市)らに従ったが、永禄3年(1560年)、桶狭間の戦いで今川義元が討死すると、織田信長に従った水野忠重が知立城を接収し、天正年間(1573年から92年)には信長に対しての迎賓館的な施設が設けられた。
江戸時代に入ると、東海道の日本橋から数えて39番目の宿場町、池鯉鮒(ちりゅう、歴史的仮名遣いでの振り仮名は「ちりふ」)宿として整備され、知立城の跡地には寛永年間(1624年から43年)に将軍上洛時の宿泊施設として御殿が設置された。池鯉鮒宿は物資の集積場としても発展し、馬市や木綿市等が行われ、周辺地域の経済的中心地となった。天正14年に編纂された記録によれば、池鯉鮒宿には本陣1件、脇本陣1件、旅籠35件、人口1620人との記載がある。
中京大都市圏の主要幹線道路(国道1号・国道23号・国道155号・国道419号)や名古屋鉄道の主要路線(名鉄名古屋本線・名鉄三河線)が通るハブ地域であり人口密度は三河地方で最も高い。名古屋市の25km圏内に位置する都市でもあり、同市のベッドタウンという側面もある。2016年より、知立駅の立体交差事業により大規模な再開発が行われている。
すでに、7世紀後半の木簡に「知利布」(ちりふ)とある。律令制以後の8世紀の木簡に「知立」とある。平安時代の『和名抄』に「智立」郷がみえ、江戸時代には「池鯉鮒」という東海道の宿場町として栄えた。知立神社を建てた伊知理生命(いちりゅうのみこと)にちなむという説もある。「池鯉鮒」の名は知立神社の御手洗池にコイやフナが多数いたことに由来する(大あんまきで有名な藤田屋のホームページなどに記載)。
三河地方の市では、高浜市に次いで面積が小さい。市域は岡崎平野の平坦部に位置しており、市の全域が標高20メートル以下である[1]。市の北部に逢妻川、南部に猿渡川が流れる。
知立町時代は以下の大字が編成されていた。
1970年に市制施行により知立市となり、同時に市内の大字がすべて廃止され新たに22町が設置され29町編成となった。その後住居表示により町が続々新設され現在は42町となっている。知立町時代に設置された町名も含め現在までに成立した町名を以下に列挙する。
知立市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 知立市の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 知立市
■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
知立市(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
郡 | 明治22年以前 | 明治22年10月1日 | 明治23年 - 明治45年 | 大正元年 - 大正15年 | 昭和元年 - 現在 |
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碧 海 郡 |
知立村 | 知立町 | 明治39年5月1日 合併 知立町 |
知立町 | 昭和45年12月1日 市制 知立市 |
上重原村 | 上重原村 | ||||
牛田村 | 牛橋村 | ||||
八ツ橋村 | |||||
来迎寺村 | |||||
八ツ田村 | 長崎村(一部) | ||||
西中村 | |||||
谷田村 |
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
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初代 | 中島栄 | 1970年12月1日 | 1971年4月27日[2] | 旧知立町長 |
1971年4月28日 | 1972年11月15日 | 1972年11月12日に収賄容疑で逮捕[3]。 同月15日に辞職[4]。 | ||
2代 | 永井五三 | 1972年12月24日 | 1976年12月23日 | |
3代 | 藤井章 | 1976年12月24日 | 1980年12月23日 | |
1980年12月24日 | 1984年12月23日 | |||
1984年12月24日 | 1988年12月23日 | |||
3代 | 塚本昭二 | 1988年12月24日 | 1992年12月23日 | |
1992年12月24日 | 1996年12月23日 | |||
4代 | 永田太三 | 1996年12月24日 | 2000年12月23日 | |
2000年12月24日 | 2004年12月23日 | |||
5代 | 本多正幸 | 2004年12月24日 | 2008年12月23日 | |
6代 | 林郁夫 | 2008年12月24日 | 2012年12月23日 | |
2012年12月24日 | 2016年12月23日 | |||
2016年12月24日 | 2020年12月23日 | |||
2020年12月24日 | 現職 |
2019年度(平成31年度)当初予算案[5]
会計名 | 予算額 | 前年度対比 |
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一般会計 | 238億円 | 0.2%増 |
特別会計 | 95億9,260万円 | 18.4%減 |
企業会計 | 51億8,690万円 | 151.8%増 |
全会計 | 385億7,950万円 | 2.7%増 |
市内に警察署は存在しない。安城市の安城警察署が管轄している。
2005年日本国際博覧会(愛知万博)では「一市町村一国フレンドシップ事業」が行われた。名古屋市を除く愛知県内の市町村が120の万博公式参加国をそれぞれとしてフレンドシップ相手国として迎え入れた[10]。
西三河地方では自動車工業が盛んである。2005年度(平成17年度)の製造品出荷額等は1247億8565万円だったが、1990年度(平成2年度)から減少傾向にあり、2010年度(平成22年度)の製造品出荷額等は1990年度の65%に過ぎなかった[11]。伝統工芸品として三河仏壇がある。
知立駅を中心とする地区には商店街が形成されている。しかし、トヨタ自動車のお膝元である西三河に位置している都市の為、[独自研究?]近年は郊外型のロードサイド商業施設が多い。
開校年 | 現在の名称 | 1947年- | 1977年- | 1982年- |
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1947年 | 知立市立知立中学校 | 知立 | 知立 | 知立 |
1982年 | 知立市立知立南中学校 | 知立南 | ||
1977年 | 知立市立竜北中学校 | 竜北 |
開校年 | 現在の名称 | 1945年- | 1967年 | 1974年- | 1976年- | 1979年- |
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1873年 | 知立市立知立小学校 | 知立 | 知立 | |||
1974年 | 知立市立知立西小学校 | 知立西 | ||||
1908年 | 知立市立猿渡小学校 | 猿渡 | 猿渡 | 猿渡 | 猿渡 | |
1979年 | 知立市立知立南小学校 | 知立南 | ||||
1976年 | 知立市立八ツ田小学校 | 八ツ田 | ||||
1967年 | 知立市立知立東小学校 | 知立東 | ||||
1908年 | 知立市立来迎寺小学校 | 来迎寺 |
市内には国道1号、国道23号(知立バイパス)、国道155号など幹線道路が通っている。しかし、主要道路以外の道路は比較的狭く、Y字路やT字路などの変則交差点が多い。
鉄道は、名鉄名古屋本線と名鉄三河線がそれぞれ通っており、知立駅で両線が交差する。現在、知立駅周辺の立体交差事業と三河線の複線化事業が進められているが、財政的な事情により豊田市に比べて進捗度が遅く、一部区間を除いて単線とする計画になっている。また、市内には東海道新幹線が走っているが、駅はない。(最寄の新幹線駅は名古屋駅または三河安城駅)
市の中心となる駅:知立駅
知立駅から名鉄名古屋駅までは快速特急または特急で約20分(神宮前駅(名古屋市熱田区)まで途中無停車)。豊橋方面においては、特急で東岡崎駅に約10分、豊橋駅に約30分。市南部の地域では刈谷市にあるJR東海道本線の野田新町駅や東刈谷駅も利用可能。
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