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日本の俳優 ウィキペディアから
深浦 加奈子(ふかうら かなこ、1960年〈昭和35年〉4月4日 - 2008年〈平成20年〉8月25日)は、東京都出身の女優。様々な役柄をこなし、名脇役と評された。2005年まではシス・カンパニーに所属していた。
公務員の家庭に生まれる。小学校から成績優秀で、母親は「将来は公務員になってくれればいい」と考えていた[1]。 東京都立日比谷高等学校を経て、明治大学文学部文学科演劇学専攻を卒業。大学在籍中に劇作家・演出家の川村毅らと第三エロチカを旗揚げする[2]。以降は看板女優として多くの作品に出演して活躍するが、1989年に退団する。
その後も舞台を中心に活動した他、テレビドラマ『家なき子』や『スウィート・ホーム』の演技や高嶋政伸と共演した三菱石油(現:ENEOS)のコミカルなCMで広く知られるようになった。特に小姑役やお局役で鋭いバイプレーヤーぶりを発揮した。
東京パノラママンボボーイズとの共演では、リリィ深浦、六本木ネネの名でパンチのある昭和歌謡を披露している。
無名時代の頃から久本雅美とは親しく、「深浦」「久本」と呼び合っていたことを、深浦が『メレンゲの気持ち』(日本テレビ)にゲスト出演した際に久本が語っている。また、生前はドラマで共演した沢口靖子や松嶋菜々子、加藤貴子、山村美智、戸田恵子などは親交があった。特に戸田とは共演前からの旧友でもあり、深浦が亡くなる2日前に共通の友人でもあった高橋克実と見舞いに訪れたという。久本の他にも戸田や山村、湯山玲子など同年代の友人や俳優仲間からは「深浦」と呼ばれていた。小泉今日子は2002年の舞台『おかしな2人』での共演が縁で深浦を姉のように慕うようになり、プライベートでも仲が良かったという。事務所の後輩だった鈴木浩介や八嶋智人は弟のように可愛がられていた。
プロレスラーのザ・ロックの熱狂的なファンであり、来日の時サインを求めたこともあった。
2008年8月25日22時57分、S状結腸癌のため死去した[2]。48歳没。9月2日に近親者と戸田恵子、松嶋菜々子、森公美子、山村美智、渡辺いっけい、高橋克実などの特に親しい関係者のみで告別式が執り行われた。9月24日に目黒区のウェスティンホテル東京で親友の山村美智が司会進行役を務めてお別れの会が開かれ、三浦友和、沢口靖子、天海祐希、陣内孝則、松嶋菜々子、森公美子、湯山玲子、高橋克実、渡辺いっけい、古田敦也などの友人や芸能関係者など約550人が参列して、小泉今日子が涙を流しながら代表で弔辞を読んだ。闘病のプロセスは、実父・深浦栄助が著した『加奈子。何をしてやれたかな… - 女優・深浦加奈子の父が綴った、大腸ガン闘病記』(主婦と生活社)にまとめられた。
「恋人は仕事」と生涯独身を貫いていた。2003年頃から闘病しながら仕事を続けており、2005年には「所属事務所に迷惑をかけたくない」と所属事務所のシス・カンパニーから独立。以降は父親が経営していた会社に所属し、環境アーティスト・美術家で姉の三木祥子がマネージャーを務めたほか、開業医の義兄(祥子の夫)が病院選びから治療方針の決定まで全面的に支援し、管理栄養士の母が栄養管理を行うなど、家族総出で女優業を支えた[3]。闘病中であることは親友の戸田恵子や山村美智、湯山玲子と地元の同級生などの一部の関係者にしか当初は知らせず、深浦と親しかった芸能関係者や俳優仲間などの友人達には迷惑や心配をかけさせたくなかったことから秘密にしていたという。
最後の仕事は、7月28日に行われたテレビ新広島の報道特別番組『描けなかった2枚の絵 原爆が投下された日の記憶』(平成21年度日本民間放送連盟賞・中四国地区審査会・報道番組部門優秀賞受賞)のナレーションだった。体調が思わしくないにもかかわらず、「このテーマは絶対やりたい」と祥子に付き添われて広島まで出向いた[4]。深浦は母親に「この仕事が最後になると思う」という覚悟を明かしていた[5]。
遺作は、映画では『ぼくのおばあちゃん』、舞台では『新しい橋』(2008年2月・下北沢駅前劇場)だった[4]。
2007年には非戦を選ぶ演劇人の会主催のピースリーディングに参加し、亡くなった2008年8月25日に開催されたピースリーディングvol.11にも出演する予定だった。翌2009年のピースリーディング vol.12『遠くの戦争〜日本のお母さんへ〜』のチラシには深浦が生前に描いた絵画が使用された。
遺骨は神奈川県葉山町の相模湾に散骨された。2014年2月14日に『爆報! THE フライデー』あの人気者は今、ブレイクの裏側SPの番組内で深浦の特集が組まれて放送された。
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