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日本のラジオ番組 ウィキペディアから
文化放送ホームランナイター(ぶんかほうそうホームランナイター、Nippon Cultural Broadcasting HOMERUN NIGHTER)は、文化放送がプロ野球シーズンの土曜日・日曜日に放送していたプロ野球ナイトゲーム中継番組である。
2012年までは日曜日、2018年までは土曜日のシーズン中にレギュラーで編成していた。2019年からは、特別番組編成(不定期放送)へ移行する[1]。ただし、土・日曜日に関東地方でナイトゲームが開催される場合には、NRNの一部系列局に裏送り方式で放送することを前提に、文化放送がNRNナイター扱いで中継の制作を継続している。
平日の『文化放送ライオンズナイター』が、基本としてパシフィック・リーグ(パ・リーグ)公式戦を自社(関東ローカル)向けに放送しているのに対して、NRN全国ネットを前提に、セントラル・リーグ(セ・リーグ)公式戦の中継を主体に放送。本格的なプロ野球中継としてのスタートは『ライオンズナイター』(西武ライオンズ設立後の1985年)より早く、1965年から『文化放送土曜・日曜ナイター』というタイトルで編成されていた。
文化放送の本社がある東京都を保護地域に定める読売ジャイアンツ(巨人)戦がナイトゲームで開催される場合には、ホーム・ビジターを問わず中継。1970年代には巨人と資本関係の深いラジオ関東(現在のアール・エフ・ラジオ日本)に先駆けて、『ジャイアンツナイター』と名乗っていた(後述)。
巨人戦が雨天中止やデーゲームの時は、セ・リーグのカードを優先するが、NRN独占カードとなる東京ヤクルトスワローズ主催試合を優先する傾向にある[2]。そのため選手自身の肉声による本番組のジングル(事前収録したテープを流す)は中継カードにより巨人を含む、セ・リーグの選手のバージョンがあるほか、2013年はパ・リーグの選手のバージョンも用意された。
放送カードの優先度は巨人戦→セ・リーグカード→パ・リーグカード→試合開始時間が18時でないカードの場合がほとんどである。ただし、その年のペナントレースの状況によって別のカードに変更される場合がある(2011年8月28日は首位ヤクルトが絡む「阪神対ヤクルト」を自社ローカルで中継し、本来のNRNナイターであるRCC制作の「広島対巨人」を予備カードとした[3])。
ライオンズナイターと同じように得点が入った際には球団公式応援歌のアレンジなど得点したチームにゆかりのあるメロディーが流れる。その例としては下のものがあげられる。オールスターゲームの場合は打点がつく選手の所属しているチームのものが流れる。なお、ホームランが出た場合はホームラン専用のBGMが流れる。文化放送のスタジオから挿入するため、文化放送以外のネット局では流れない。
特徴として番組名の通りホームランに拘り、番組のジングルには先述の選手ジングルの他、中継試合でホームランが出ていない場合は嘆くようなジングルが流れる(ジングルのうち、女性役は鈴木純子アナウンサーが、男性役は鈴木光裕アナウンサーが担当)。2013年は、選手ジングルにおいても「ホームランといえば?」というテーマが与えられている。
リスナーがホームランを打つ選手を予想して、見事的中すれば抽選で1名に現金贈呈という「ホームランクイズ」がある。なお、2007年以降は現金の贈呈期間を縮小し、現金以外にふるさとの名産品や神宮球場・横浜スタジアムで開催のプロ野球ペア観戦チケットなどを贈呈する場合もある。近年は「ホームランキーワードプレゼント」となり、ホームランが出た後のCM明けにキーワードを発表し、そのキーワードを書いて応募する形になっている(試合中ホームランが一本も出ない場合、『ホームランナイター エピローグ』かエンディングでキーワードを発表する)。なお、2013年からは「ホームランナイター 一喜一憂 一発メッセージ」となり、ホームラン後に感じた素直な感情をぶつけ(FAX、メールで投稿する)、節度あるメッセージの中から1名にプレゼントが進呈される。
公式ホームページも開設されているが、2007年を最後に更新されておらず、2008年以降はそのまま残されている状態となっている。番組キャッチコピーは「生野球やってます」[4] のほか、2012年は「野球の力を感じてください」、2014年は「野球、聞こうぜ!」、2017年は「野球は文化だ」のコピーも用いられた[5]。
しかし、巨人が土・日曜の主催公式戦をデーゲームに切り替えた2009年から、土・日曜日とも中継カードが大幅に減少した。文化放送では、2012年限りで日曜ナイター中継のレギュラー放送を終了した一方で、2013年から土曜ナイター中継に一本化したが、NRNナイターのネット局が減少したこと、自社では文化放送A&Gゾーンの編成を強化したことから、2018年限りで土曜ナイター中継のレギュラー放送も終了した。
平日の『ライオンズナイター』については、2019年以降もレギュラー放送を継続。土曜日に関東の球場でセ・リーグ主催のナイトゲームが組まれている週には、系列局向けの裏送り中継をNRNナイターとして制作する。全試合がナイトゲームとして開催される日本シリーズでは、『プロ野球日本シリーズ第○戦実況中継』という特別番組として自社向けに放送する[1]。
文化放送は土・日曜のNRNナイターの統括局かつ関東地区担当局であるため、一部のNRN系列局でも同局制作の中継が放送されている(後述参照)。また、平日のライオンズナイターと異なり、関東圏5球団(巨人、ヤクルト、DeNA、西武、ロッテ)のホームゲーム以外は、原則NRN系列局が制作したものをそのまま放送するスタイルとなっている(聴取率調査週間などの例外を除く)。また、土日NRN全国ネットカードが前述5球団のビジターゲームの場合、ビジターチームリポートは文化放送のアナウンサーが担当する。
他球場速報のチャイム音(メロディー)は、平日のNRN中継担当であるニッポン放送(『ショウアップナイター』。原則NRN担当とならない土・日曜を含め全曜日使用)や他のNRNナイター制作局(文化放送でも2018年からライオンズナイターで使用)と同じで、速報を伝える際は本番組では「文化放送プロ野球速報」(自社ローカルの場合は「文化放送ホームランナイター プロ野球速報」)[6][7] と称して伝えている。
NRNナイターとして全国ネットされる場合はネット局での放送開始時刻および中継音声への切り替え時刻が異なるため、18時30分までの複数回、切り替え時刻に解説者・アナウンサーがコメントをやめて場内音→飛び乗り配慮のコメント(それまでの試合概要など)をしている(これはJRN・NRNナイター全国ネット共通)。
基本的にはNRNナイターのネット局数が1局でもある場合の2018年以前や、2019年以降の裏送りでも実況アナウンサーは「文化放送をキーステーションに、全国の皆様にお送りします」[8] とコメントし、個別のネット局名・番組名をアナウンスすることはない(文化放送ローカル、あるいは文化放送制作で対戦相手地元局への委託中継の場合は、番組名をアナウンスする)。
日曜日についてもNRNナイターとして機能していることから、朝日放送ラジオ・東海ラジオ・中国放送・九州朝日放送・STVラジオ制作(東北放送は通常JRN系列局向けを優先するため、JRNのビジター地元局へのネットがなく、さらにニッポン放送・毎日放送もナイターを放送しない場合など一部例外のみ)の実質的な自社ローカル放送であっても、NRNナイター扱いの場合は、試合途中の雨天などによる中断時に文化放送のスタジオからの他球場速報などが放送されることがある。一方で中継本編は自社の番組名がコールされるなどローカル放送の体裁となることがある。
文化放送では、自社向けのレギュラー放送を終了した2019年も、NRNナイター扱いで裏送り方式による一部系列局(土・日曜とも地元球団が関与する試合のみネット受けを実施する球団所在地の局と、土曜日のみのネット受け局である福井放送・山口放送)向けの中継の制作を続けた。特に関東圏球団同士の対戦はNRNナイター扱いの設定であっても、西武主催試合におけるインターネット配信用もしくは土曜日は福井放送・山口放送限定の裏送りに、日曜日は基本的に素材録音用になるが、まれに東海ラジオや朝日放送ラジオが予備カードとすることがある[9]。また、文化放送制作による関東圏での試合中継が土曜のNRNナイター本番になってもビジター側のNRN系列局のアナウンサーが実況を担当する事例が発生している[10]。
NRN公式サイトのNRNナイター放送予定は、2019年4月を最後に更新が止まっているため、同年5月以降の日曜NRNナイター本番カードは、公式文書上では東海ラジオが原則としてNRNナイター本番時に限り放送可能としている巨人対中日戦が、日曜ナイター時に同局で放送される場合以外明確な確認ができない状態となっている。一方、土曜については2019年の場合、福井放送が公式サイトのラジオ番組表に本番・予備・雨傘番組を実況・解説ともに記載しているため、確認が可能となっていた。
2020年以降も基本として、2019年と同じ体制で裏送り向けの中継を制作。ただし、福井放送が2019年を最後に土曜ナイター中継の放送から撤退(自主編成へ移行)したため、ネット受けをレギュラーで実施する局は山口放送だけになった。ただし、ナイター本編および全試合デーゲームか、予定カード全部が中止になった場合の予備番組を放送するに当たっても、NRNナイターとして放送する関係上、山口放送向けと強調するコメントはしていない。日曜は関東地域同士のカードがナイトゲームとして行われる場合は基本放送されないが、従来通り関東の球団がホームとなり、関東地域かつ楽天以外の5球団と対戦する場合はその対戦相手の放送局のみの裏送りとなるため、その場合は放送カードの調整上「巨人対中日」が東海ラジオで放送されないときの振り替え、ないしは毎年8月の全国高等学校野球選手権大会期間中に、阪神戦がデーゲーム開催と重複し、その補填の意味合いでのナイターの放送として実質2(-3)局ネットとなる時以外は、その放送が行われている局のタイトルコールが行われる。ただし、上記の巨人対中日戦が放送日程の都合により中継できない場合に、関東で行われる他の試合、あるいはSTVラジオが制作する日本ハム主催試合(土日のSTVは日本ハムの試合有無に関係なく野球放送自体無し)が体裁上NRNナイター扱いでSF単独放送となった場合でも、ネット局があるときと同様の体裁(ネット局のタイトルコール無し)を取ることもある(2023年7月30日のヤクルト対DeNA戦など)。
また、特に土曜ナイターで、楽天、広島主催の試合において二重製作(QR経由によるKRY他とのネット用と、ニッポン放送(LF)、MBS-R向け)を行わない試合が存在[11]し、その場合に当該製作局からQR経由の上で、KRY、及びカードによりビジター球団所在地の放送局に加えて、LF-MBS-Rにネットされる試合も稀にあり、2024年6月2日の楽天対ヤクルト戦はそれに当該し、TBC-(QR経由)-KRYに加えて、LFでも放送された(MBS-Rは当日のロッテ対阪神がデーゲームだったため、タイガース戦がナイター(または中止時の予備カード)以外は放送しないルールに基づき放送がなかった)。
2013年は土曜日のナイター定時放送を実施したが、日曜日はナイトゲームがある時の注目カードのみとし、毎週の定時放送は行わなかった[12]。ただし、NRN日曜ナイター自体の機能は、その「注目カード」の自社での中継や、系列局の中継(各局自社制作分や文化放送からの裏送り分)を交えることで2017年まで維持されていた[13] なお、この年実際に文化放送の地上波で放送されたセ・リーグ公式戦は4月28日の「ヤクルト対巨人」の1回のみであり(このときのみ『文化放送ホームランナイタースペシャル ヤクルト対巨人 実況中継』として放送)、この試合を最後に文化放送における日曜日の公式戦の放送が終了した(よって日曜ナイターは特別番組となる日本シリーズのみ中継)。
また、2012年まで土曜のナイターオフ番組として放送されていた『ズミスポ』を日曜分の『ホームランナイター プロローグ』の代替番組として設定している。しかし、2014年以降、注目カードのみ日曜ナイター中継を放送する旨の文言は、公式サイトの番組表における番組紹介文から削除された。
文化放送では日曜ナイターの定時放送を廃止(特別番組扱い化)したため、NRNナイターの指定試合であっても、日曜ナイターの放送自体をネットしている局は地元勢の試合を優先するため、結果的にはNRNナイターの指定試合が予備カード扱い、あるいは地元勢以外の試合を放送しない、ビジター側が乗り込み自社制作をするにもかかわらず、当該局がニッポン放送の協力となるため(特にヤクルト主催の対阪神戦におけるABC)文化放送が別に予備待機を配置した場合等、局の方針の都合で全く放送されず素材録音同然となる場合(特に関東の球団同士の対戦や前述のヤクルト対阪神戦等の場合に、NRNナイターの指定カードが1局も流れない試合も多数ある)、あるいは当該チーム本拠地の1-2局のみ(関東圏球団との対戦であれば、対戦相手の地域の局向けの自社制作か裏送り〈関東圏球団主催である場合〉のみ)となるケースもまれではない [14]。そういったことから、関東圏球団同士の試合については、土曜日に本番カードであった場合でも、日曜日には予備順を下げて関東圏外のカードに本番を変更する場合がある[15]。
2018年4月現在、NRN公式サイトの基本番組表には日曜のNRNナイター枠が存在しているが、4月については日程上「(名目上の)日曜日のNRNナイター本番カード」は設定されていなかった[16]。5月については6日の「ヤクルト vs 広島」、13日の「巨人 vs 中日」、27日の「ヤクルト vs DeNA」が名目上のNRNナイター本番カードとなるが、事実上6日はRCCへの、13日はSFへの裏送りとなり[17]、27日は他カードがデーゲームのためネット局が発生しないが(解説者が空欄でアナウンサー(長谷川太)のみ記述)、2017年以降はこうしたケースでは番組として設定していなかったため珍しい措置である。
NRNナイターの放送が球団所在地の地元局かつ地元球団が関与した試合のみ放送となっている現状から、文化放送を幹事局とする非NRN番組ながら、ネット局の多い競艇中継(『ボートレースラジオ実況中継』)が日曜に行われる場合は、競艇中継にNRN回線を充てて[18]、NRNナイターを個別の素材回線でのネットとすることがある。
7月12日(金曜日)に東京ドームでオールスターゲームの第1戦、13日(土曜日)に阪神甲子園球場で第2戦が開催された。文化放送では、第1戦の中継を自社制作で放送(北海道放送・CBCラジオ・毎日放送・RKB毎日放送でもネット受けを実施)。その一方で、第2戦では、朝日放送ラジオ制作中継のネット受けも見送った。ただし、文化放送からは、スポーツアナウンサーの土井悠平がパ・リーグのベンチリポーターとしてABC制作の中継に派遣された。関東地方における土曜日のナイトゲーム中継の裏送り対象局(STVラジオ・東海ラジオ・福井放送・中国放送・山口放送・九州朝日放送)が、第2戦でABC制作の中継をNRNナイターとして放送したことによる。
ラグビーワールドカップ日本大会の期間中(2019年9月20日 - 11月2日)には、ラグビー日本代表が出場する関東地方開催の試合を、民放ラジオ局で唯一自社制作で中継。日本代表が組み込まれた予選リーグ(プールA)の期間中には、日本戦(全3試合)から2試合を関東ローカル向けに中継した[19]。さらに、日本代表が決勝トーナメントへ進出した場合には、日本戦を全て中継する方針を立てていた[20] ため、巨人とソフトバンクが対戦する日本シリーズ(決勝トーナメントの初戦を開催する10月19日から開幕)を含めて以下のように対応していた。
定時放送時のみ記載
年度 | 土曜 | 日曜 |
---|---|---|
1965年 - 1967年 | 『文化放送土曜ナイター』 (ぶんかほうそうどようナイター) | 『文化放送日曜ナイター』 (ぶんかほうそうにちようナイター) |
1968年 - 1970年 | 『一万ドル土曜ナイター』 (いちまんドルどようナイター) | 『一万ドル日曜ナイター』 (いちまんドルにちようナイター) |
1971年 - 1977年 | 『文化放送ジャイアンツナイター』 (ぶんかほうそうジャイアンツナイター) | |
1978年 - 2012年 | 『文化放送ホームランナイター』 | |
2013年 - 2018年 | 『文化放送ホームランナイター』 | (不定期放送) |
平日の『ライオンズナイター』で中継している埼玉西武ライオンズのナイトゲームは、文化放送が技術協力をしているNACK5『SUNDAY LIONS』との絡みもあって優先度が低く設定されており、通常はセ・パ交流戦の対巨人戦で放送される(あくまで通常通りの優先度で、相手が西武だったという扱い)程度であった。また、セ・リーグの試合が全試合デーゲームである場合など通常は西武戦を中継できる状況にあっても、シーズン終盤に西武が上位争いに絡めていない場合には、上位チームの試合の中継を優先する場合があった(2016年9月17日が該当。パ・リーグ3試合のみナイターであるが、本番組ではKBC制作のソフトバンク対オリックス戦のネット受けとし、西武戦は予備カード扱い)。
西武戦がNRN全国中継本番となった場合、NRNの中継音源であることには変わりは無いため「ライオンズナイター方式」と呼ばれるライオンズびいきの実況スタイルは採らず中立的な実況となり、西武勝利時のBGMの挿入も行わなかった。但し、前座番組では「ライオンズ・ドニーチョ」という情報コーナーを設置して土・日曜日の試合をフォローしているほか、本番組で中継する場合は同時刻にライオンズナイターのコーナーは放送していた。さらに名目上全国ネットでも、ネット局がなく結果的に自社ローカル放送となった場合は、「ライオンズナイター方式」の実況を行うこともあった。また、2011年 - 2019年・2022年 - 2024年は、西武主催試合が本番組(NRNナイター)の予備カードとされ、かつ対戦相手地元局での放送予定がない場合[27]、インターネット配信を実施したが、あくまでホームランナイターではなく、ライオンズナイターのインターネット中継として配信された[28]。
かつては、聴取率調査週間や夏休み期間等に、全国中継カードを別カード(系列局制作か、文化放送制作の裏送り)とした上で、「ライオンズナイター方式」で西武戦を自社ローカル放送した例もあった。2018年8月4日には「西武対日本ハム」を文化放送の独自編成で放送したが、ライオンズナイターに準じてビジター側のSTVにもネットされた(NRNナイター本番の「DeNA対広島」は文化放送からビジター側のRCCとNRNナイターネット局のKRY・FBCに裏送り)。
また、西武もしくは西武がパ・リーグの優勝争いしている相手球団の優勝決定が見込まれる試合は、本来放送すべき全国中継カードを裏送りとして文化放送の独自編成で放送することがある。一例として1999年(平成11年)9月25日は、デーゲームで西武が敗れたことを受けてNRN本番カード予定だった「巨人対ヤクルト」のナイトゲームをNRN各局への裏送りとしマジック1となり勝つか引き分けでダイエーの福岡移転後初優勝が決まる「ダイエー対日本ハム」を文化放送の独自編成で緊急中継した。
2010年(平成22年)9月26日は、STVラジオ『ファイターズスタジアム』で放送された「日本ハム対西武」のデーゲーム(この試合で西武が敗れるとソフトバンクの優勝が決定)を途中から受けた。その間、本来の全国中継カード「ヤクルト対中日」はネット局への裏送りとなった。この試合は西武敗戦でソフトバンクの優勝が決まり、文化放送も全国中継に飛び乗ったが、もし西武が勝利もしくは引き分けて、優勝の行方が「楽天対ソフトバンク」のナイトゲームへ持ち越された場合は、東北放送(TBCラジオ)『パワフルベースボール』のネット受けで同試合を放送することも想定されていた。
日曜日のデーゲームに関しては交流戦期間のビジターゲームを除いて、文化放送およびNRN系列局の実況録音ではなく、『SUNDAY LIONS』で中継した実況を文化放送の番組などでも流す。これは、NRN系列局向けに文化放送制作で裏送りを行った場合でも同様である。2010年度まで土曜日ならびに交流戦期間の「ヤクルト対西武」(NRN独占カード)以外のビジターゲームも同様の対応であったが、2011年度からはNACK5がデーゲームの中継を日曜日のみに縮小し、さらには交流戦期間はホームゲームのみの中継としたため、土曜デーゲームならびに交流戦期間のビジターゲームについては文化放送(関東地区で開催される西武戦のインターネット配信を含む)およびNRN系列局の実況録音で対応している[29]。また、2016年のみは西武のホームゲームを女性による実況としたことを受け、NACK5の実況音源の使用はビジターゲームのみとなり、西武のホームゲームでは土曜日同様に自社(インターネット配信または系列局向けの裏送り)の音源を使用していた。
パ・リーグのクライマックスシリーズ(クライマックス・パ)は2015年まではNRNネットワークの担当として全試合を中継していたが、2016年以降はナイターオフ編成下の公式戦同様に、西武ドームのインターネット配信のみとなり、地上波での放送からは撤退した。また、NACK5も制度制定当初からクライマックスシリーズの中継を行っていない。
西武が日本シリーズに進出した場合は、NRN全国放送非担当日はもちろん、担当日であっても「ライオンズナイター方式」でローカル放送する。そのため、担当日が西武のホームゲームの場合はNRN用に「ホームランナイター方式」で二重制作を行い、地方局へ裏送りする(ただしブースや人員の関係で二重制作できず、文化放送もそのまま「ホームランナイター方式」で放送する場合もある)。関東地方以外のセ・リーグ球場の場合は文化放送のアナウンサーと解説者が現地に乗り込んで制作し文化放送向けに放送する。
このとき、NACK5は文化放送の対応に関係なく西武のホームゲームのみ自社制作する。西武が日本シリーズに進めなければ、NACK5での放送は行わない。
※荒木(2022年以降)と辻は本数契約のため、『文化放送ライオンズナイター』の公式サイトでは案内されていない。
※NRNナイター本番カードでない試合(ネットワーク扱いとならないデーゲームの中継を含む)では、ビジター側の系列局(ニッポン放送と系列局の兼任者を含む)の解説者が担当することもある。
文化放送を退職またはラジオ専属契約を満了しているため、放送上は「文化放送」を付けずに、「○○アナウンサー」とだけ紹介される[34]。寺島は『ライオンズナイター』の本番カードも担当するが、それ以外の人物は文化放送が裏送り制作する関東地方の公式戦中継(土・日曜日はNRN系列局向け、平日はJRN系列局向け)限定で担当。
※通常登場することはないが、実況を担当しないアナウンサーのうち1名が文化放送の本社に待機しており、本番カードの中継において、試合開始が18:00より遅い場合や、雨天中断時、早終了時に限りスタジオ担当として登場する。
1965年ごろまで、NRNナイターの関東地区での放送は「月 - 金[35] がニッポン放送だけ、土・日曜日[36] が文化放送だけ」で曜日を決めて放送していた時代があった関係で、文化放送とニッポン放送[37] の掛け持ちによる「NRN野球解説者」という形式がとられていた。のちに、テレビ朝日との関係が強くなったこともあり、「QR/EX兼務」の解説者もいた。
2009年までの土・日曜日のナイター中継は、JRN・NRNのクロスネット局の多くがJRNナイターを放送していたため、本番組をネットしていた局はほぼNRN単独系列局に限られていた。しかし、NRN単独系列局では2005年頃から土・日曜のナイター中継を取りやめる局が出てきたため、本番組をネットする局は減少していた。
ところが2010年は、JRNのキー局・TBSラジオが土・日曜の定時ナイター中継枠を廃止した影響で、土曜日についてはJRNナイターからNRNナイターへ任意でネットチェンジした地方局が増加し、最大で全国18局がネットすることになった。しかしそれらの局も年を追うごとにネットを終了する局が増え、2018年もネットする局は本拠地球団がある局以外はわずかとなった(これらの局は、多くはJRNの土曜日の定時番組のネットか、自主編成に変更しているところが多い)。
放送局 | 略称 | 備考 | |
---|---|---|---|
(1)毎週放送していた局 | |||
文化放送 | QR | 幹事局 | |
STVラジオ | STV | [備考 2] | |
山形放送 | YBC | 2011年撤退 | |
ラジオ福島 | rfc | 2012年撤退 | |
茨城放送 | IBS | 2017年撤退 | |
信越放送 | SBC | 2012年撤退 | |
新潟放送 | BSN | 2011年撤退 | |
北日本放送 | KNB | 2012年撤退 | |
福井放送 | FBC | 2019年撤退 | |
静岡放送 | SBS | 2010年撤退 | |
山口放送 | KRY | ||
南海放送 | RNB | 2010年撤退 | |
高知放送 | RKC | 2015年撤退 | |
九州朝日放送 | KBC | [備考 3] | |
大分放送 | OBS | 2010年撤退 | |
(2)地元球団の試合がナイターで行われる場合に限り放送 | |||
東北放送 | TBC | [備考 4] | [備考 5] |
東海ラジオ | SF | [備考 6] | |
朝日放送 | ABC | [備考 7] | [備考 5] |
中国放送 | RCC | [備考 8] |
その一方で日曜日については、全試合デーゲームの週が多いことから定時放送を行う局がさらに減少。2012年現在、4-6月期はNRNナイターの定時中継枠が文化放送のみのため、ナイトゲームがない場合、雨傘番組のネット放送を行なっていない。また4-6月期の日曜NRNナイターはSTV、東海ラジオ、ABC、RCC、KBCの5局が地元チームの関係する試合のみ(ただしABCは阪神の試合のみ)放送するため、在京球団同士の試合および阪神の関東ビジター戦の場合は事実上文化放送ローカル(阪神戦の関東ビジターの場合、ABCが自社制作することが多いため)となるが、7-9月期はABCも土・日曜の定時ナイター中継枠を確保するため、日曜日に阪神戦がデーゲームもしくは行われない場合、ABCが文化放送の中継のネットを受けていたが、2013年からはこの場合4-6月と同様に原則としてネット受けを行わない方針となった。上述の通り「名目上の日曜NRNナイターの本番カード」は放送枠自体は2018年は設定されているものの、ネット局がない場合(ナイター開催が関東圏の球団同士や、オリックスと関東圏の球団の対戦のみの場合など)は番組としての設定を行わず、報道素材としての収録のみとなることがある。
なお、土・日曜のナイター中継を取りやめた局でも地元でプロ野球の試合があり、かつ該当試合がNRN全国中継の対象になった場合は臨時にナイター中継をネットする場合がある。
文化放送同様に、自社では放送せずに裏送り制作のみを行う局には●印を付ける。
放送局 (自社放送時の番組タイトル) | 担当球団 | 備考 |
---|---|---|
●STVラジオ (STVファイターズLIVE) | 日本ハム | 土曜日は2016年、日曜日は2009年までナイトゲームを定時放送。以降も2012年の日曜日を除いて、日本ハム戦のナイターがある場合には中継を行っていた。しかし、2021年より土・日曜の公式戦については、NRN独占カードであるヤクルト対日本ハム戦と、NRN本番カードに指定された土曜日の自社制作ナイターに限って中継を行い、それ以外のケースでは主催球団・開催時間帯にかかわらず中継を原則行わず、ネット局がある場合の裏送りのみ実施する。このため、日本ハムのビジターゲームでは北海道放送(HBCファイターズナイター)との局間ネットとなる中継がNRN予備に組み込まれることがある。 |
東北放送 (TBCパワフルベースボール) | 楽天 | 2009年までは原則として楽天主催試合裏送りとヤクルト主催楽天ビジター戦ネット[44] のみの参加(JRNネットのため)だった。2010年はJRNのナイトゲーム中継縮小により、ナイトゲームではカードによって自社分をQR-NRNライン向けとして放送していたが、JRNのナイトゲーム中継が全面廃止された2018年からは一旦土・日曜の放送を原則としてJRN扱いに固定。QR-NRN向けは裏送り対応のみとなり、2009年までの状態に戻ったが、2022年からは概ね2010 - 2017年の対応に戻しており、MBSまたはCBCが本番または予備に指定していない場合はNRN本番・予備として放送するようになり、さらにはHBCやRKBと局間ネットの対日本ハム・ソフトバンク戦がNRN扱いとなったり[45]、該当試合に限って平日同様にLF-NRNの形となることがある[46]。同じくクロスネット局のRCCとの対広島戦でネット時の対応は不明(同カードは2018年のJRNナイター廃止以降、土・日曜は個別ネット扱いのデーゲームでしか行われていないが、他球場速報のチャイムはTBC発・RCC発ともNRNのものを使用)。また、日曜に関東で開催される楽天のビジター試合のナイトゲームは、2012年以降原則として中継しない。詳細は後述。なお、土・日曜とも以前からナイトゲーム中継を、楽天戦(ただし一部のビジターゲームを除く)が行われる場合のみの放送としている(予備補充なし)。 |
東海ラジオ放送 (東海ラジオ ガッツナイター)[47] | 中日 | 土・日曜のナイトゲーム中継は、中日戦を含めたデーゲームの中継が行われない場合のみ放送[48]。ナイターの放送予定試合が中止になった場合は予備カードの補充を行う。 土・日曜でもヤクルト・DeNA主催の地方開催試合では文化放送の代わりにニッポン放送が制作・協力することが多い(なお、2013年からはDeNA主催のデーゲームは文化放送が担当することが多くなっており、2016年からはヤクルト主催のデーゲームも同様となっている上、中日OBのニッポン放送解説者と文化放送アナウンサーという組み合わせとなることもある)。また、デーゲームで行われる中日のビジターゲームが現地制作局が中継を行わない時やナイターでも予備順が下位の場合、東海ラジオアナウンサーが実況、現地局のアナウンサーがリポートを担当する場合がある。 なお「巨人対中日」に関しては、NRNナイター全国放送カードの場合のみ放送を行い、デーゲームで行われる場合や予備カードの場合は当日のNRNナイター全国放送カードを放送するが、全試合デーゲームの場合はNRN系列局から他球場デーゲームをネットする(その場合もヤクルト・DeNA主催試合を放送する場合は基本的にニッポン放送からの裏送りで放送するが、同局の要員不足の場合は文化放送が担当することがある)。 2019年以降、日本シリーズのセ・リーグ本拠地分での文化放送の中継が非NRN扱いに統一されたため、平日も含めて東海ラジオ制作の中継が文化放送にネットされることは事実上無くなった。 |
朝日放送ラジオ (ABCフレッシュアップベースボール) | 阪神 オリックス | 2010年度より参加。それまでの担当局変遷は後述。 土・日曜のナイトゲーム中継は、阪神戦が行われる場合、または毎年8月の全国高等学校野球選手権大会会期中に限って放送(予備カード補充あり)され、オリックス主催試合(対阪神戦を除く)がNRN全国中継となる場合は裏送りとなる[49]。 ヤクルト主催試合を自社制作で中継する場合は、原則としてニッポン放送が技術協力を行う。 巨人主催試合を自社制作で中継する場合は、TBSラジオ(2017年まで)・RFラジオ日本(2018年以降)が技術協力を行う場合がある。 DeNA主催試合を自社制作で中継する場合は、TBSラジオが技術協力を行う場合がある。 2013年はビジターゲームの自社制作を縮小したため、関東での阪神ビジターゲームにおいて月・金曜ナイターや土・日曜デーゲームで文化放送が裏送りを担当することがあった。 高校野球会期中のデーゲームは『ABCフレッシュアップベースボールスペシャル』として、高校野球の開催時間と重ならない範囲で放送。 |
中国放送 (RCCカープナイター) | 広島 | 2009年までは原則として広島主催試合裏送りとヤクルト(以前は横浜も)主催広島ビジター戦ネットのみの参加(JRNネットのため)だったが、2010年はJRNのナイトゲーム中継縮小(これに伴い土・日曜は広島戦開催時のみの放送となり、予備補充も廃止)により、広島主催のナイトゲームではカードによって自社分をQR-NRNライン向けとして放送している。また、関東で開催される広島のビジター試合のナイトゲームでは文化放送からの裏送りやネット受けを行う(主にNRN全国中継)が、DeNA主催はTBSラジオからの裏送り、ヤクルト主催はニッポン放送からのネット受けか裏送りに振り替える場合がある(主に予備順位が下位で、かつ待機要員に解説者を含まない場合)。2015年からの土・日曜は機材運用の簡便化のため、ナイターに限りQR-NRNライン扱いに統一した。詳細は後述。 土・日曜デーゲームは『RCCカープデーゲーム中継』として放送するが、2018年以降はJRN・NRN・RFラジオ日本が複雑に関係するネットワークとなる。そのうち西武主催試合については文化放送からの裏送りを放送している。 |
九州朝日放送 (KBCホークスナイター)[50] | ソフトバンク | ナイトゲーム中継は、ソフトバンクのホームゲームが行われる場合のみ放送(土・日曜は予備補充なし。土曜は2012年度まで予備も含めて定時放送していた。2022年度まではソフトバンクのビジターゲームも放送していた)。 デーゲームは『KBCダイナミックホークス』として放送。 関東地区のソフトバンクのビジターゲームのうち、KBCローカルかつKBCが自社制作を行わない場合、2014年までKBC解説者の前田幸長[51] が派遣され、文化放送アナウンサーとともに中継を担当したが、NRN予備となった場合も前田解説のまま組み込まれていた。前田がニッポン放送兼任となった2015年以降、土曜日の文化放送制作ナイターのうちNRN本番へ昇格する可能性がある場合は、同局解説者が担当していた(土曜デーゲーム、裏開催の土曜ナイター、ならびに日曜は従前通り前田が担当)。この措置は2022年度を以って事実上終了した。 |
本番組(土・日曜のNRNナイター)の中継担当局は、2局以上の地域のうち中京・北海道・福岡地区は開始当初から、それぞれ上記の形で固定されているが、関西地区(阪神、阪急→オリックス、南海、近鉄主催試合)担当局は、過去の歴史的な経緯により、在阪NRN加盟局が3局(ABC、MBS、OBC)あり、OBC以外はJRNとの変則クロスネットを取っていることから、様々な事情により何度か変更されている。
番組開始当初は土曜日は毎日放送(MBSラジオ)、日曜日は朝日放送(ABCラジオ)が担当していたが、1969年から日曜日もMBSが担当することとなった(入れ替わりにABCは日曜をJRNナイターに変更)。しかし、1976年にMBSは日曜日に阪急電車・阪急百貨店提供の「ブレーブス・ダイナミックアワー」を関西ローカルで編成したため、日曜日のNRNナイターが関西地区ではCMも含めて一切ネットされない事態になった(MBSが発局の中継は裏送り参加。阪急主催試合がNRN本番カードの場合『ダイナミックアワー』と別制作)。このため、MBSは土・日曜のNRNナイターから降板することを余儀なくされた。翌1977年からはラジオ大阪(OBC)が土・日曜のNRNナイターを担当することとなり、土曜日(のちに1979年から段階を追って日曜日も[53]該当)のMBSはニッポン放送との2局による局間ネットでの放送となった。
しかし、そのOBCも大阪近鉄バファローズ最後の年となった2004年よりナイター中継を段階的に縮小。2007年度は日曜ナイターを自社では放送しない裏送りとし、同年を最後にすべてのナイター中継から撤退したため、2008年度から土・日曜の関西地区のネット局を見直すことになった。平日の『文化放送ライオンズナイター』で協力関係にあるABCは、土・日曜は引き続きJRNと結ぶこととなったため、MBSが関西地区のNRNナイター担当局となった。しかし、MBSは従来のニッポン放送(LF)とのMBS-LFラインと兼務となり、かつ自社放送分はMBS-LFラインを継続としたため、関西地区ではQR-NRNラインを聴くことは事実上出来なくなった[54]。2008年の「阪神対巨人」の土・日曜開催はNRNネット分を文化放送制作としたが、阪神側のリポーターや一部の技術スタッフはMBSから派遣したため、事実上MBSからの裏送りである。それ以外の試合はMBSが主導でこちらは実況・解説も全てMBSスタッフで賄う完全裏送りである。なお、当時は土・日曜の両方あるいはいずれか片方QR-NRNへのネット予定のない試合に限り、阪神の対戦相手の地元NRN系列局(主に阪神対中日戦における東海ラジオ)がMBS-LFライン経由の中継をネットしていた。また、NRN全国中継として阪神のビジターゲームを放送する場合、在阪局からベンチリポーターが派遣されなくなり、現地局のアナウンサー1名が両軍のベンチリポートを兼務する形を採っていた。
2010年は、JRNナイターが土・日曜の全国放送から撤退し、前年の状態では関西地区からのナイター中継がMBS独占となってしまうため、代わりにABCが土・日曜のNRNナイター担当局になる。これに伴い、NRN全国中継として阪神のビジターゲームを放送する場合、ABCのアナウンサーが阪神側のベンチリポートを担当することになった。同時にJRN(北海道放送・CBCラジオ・RKB毎日放送の3局[55])のビジター向け中継は対戦カードや開催時間帯、ネット局の都合に応じてABCとMBSのどちらかが担当しており[56]、オールスターゲームなどで土・日曜に関西からの全国放送の体制が必要な場合は、JRNネット分をTBSラジオ制作としている[57]。
なお、2011年と2012年・2014年の交流戦「オリックス対巨人」は週末開催となりABCがNRNナイターの制作を担当したが、2011年は「西武対阪神」のデーゲームを2日間とも文化放送協力で中継し、代わりにNRNナイターはABCの方針で放送しないことにしたため、日曜日のNRNナイターが裏送り(MBSは日曜日の試合のみ中継。土曜日はデーゲームのため放送自体なし)で行われ、2012年・2014年もABCはデーゲームの「日本ハム対阪神」の試合をSTVラジオ協力の自社制作で放送したため、土曜日のNRNナイターは裏送りだった(日曜日はデーゲームのため放送自体なし。MBSは、2012年は土曜日の阪神戦を北海道放送からネット受け、オリックス戦はニッポン放送へ裏送りを行い、2014年は土曜日の阪神戦・オリックス戦とも自社制作で放送している)。
またABCは阪神戦を優先するため、2007年と2015年以後(日曜は2013年以後も)は通年、2008年から2014年まで(日曜は2012年まで)は4-6月の期間、阪神戦がデーゲームである時はNRNナイターを放送しない方針があり、当日のデーゲームが阪神戦、かつNRNナイター本番がオリックス主催試合である時は裏送りを取る処置をとっている。なお2008-14年(日曜は2012年)までの7-9月は高校野球の関係もあり阪神戦以外のNRNナイターを常時放送していたが、阪神戦が元々デーゲームの日にオリックス主催試合のナイターが放送された時には、ABCラジオは阪神戦以外原則20:56までの放送で飛び降りとする上、20:56以後を裏送りとしたことがあった。
2018年には、TBSラジオの野球中継撤退により、平日の『ライオンズナイター』にもJRN系列局(クロスネットのTBC・ABC・MBS・RCCを含む)が関与することになり、それまで自社制作を行っていた関西圏開催の試合についても技術協力していたABCから裏送りを受け、火-木曜の阪神戦中止時は局間ネットも行った。一方金曜日には、交流戦の西武主催の阪神戦で、ビジターゲームの乗り込み自社制作を縮小したMBSが、前述の週末NRNナイター撤退以来となるレギュラーシーズンでの文化放送制作中継のネット受けを行った他、2019年8月と2021年5月の大型連休中の火-木曜日開催のヤクルト対阪神戦(前者はABCが高校野球中継を行うための人材確保、後者は新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点からABCからの派遣制限による)についても文化放送からABC向けに裏送りを行った。
年度 | JRN担当 | NRN担当 | 備考 |
---|---|---|---|
1965年 - 1968年 | 土曜:ABC 日曜:MBS | 土曜:MBS 日曜:ABC | |
1969年 - 1976年 | ABC | MBS | 1976年の日曜のMBSは阪急戦ローカル中継「ブレーブス・ダイナミックアワー」のため、NRNナイターへは裏送りでの参加。 |
1977年 - 2007年 | OBC | MBSは1977年以降、ローカルまたはニッポン放送(LF)との2局ネットでナイター中継を行う。 2007年の日曜のOBCは自社のナイター中継を休止し、NRNナイターへは裏送りでの参加。 | |
2008年 - 2009年 | (MBS) | MBSはLF向けを自社分とするため、QR向け(NRNナイター)へは裏送りでの参加。ただしNRNでの全国放送予定がない場合は、LF向け兼用のままNRN系列局へネットすることがある。 | |
2010年 - 現在 | (MBS) | ABC | MBSは関西でのナイターをHBC・CBC・RKBがネットする場合に限り、LF向け兼用のままJRN向けとして放送するが、デーゲームではネット関係が逆(ABCがJRN向けに送出)になる。 2017年まではオールスターゲームなどJRNとしての全国放送が必要な場合、TBSラジオが直接制作を行った。 |
広島地区(広島戦)担当の中国放送(RCC)と、宮城地区(楽天戦)担当の東北放送(TBC)は、所在県唯一のAMラジオ局であることから、JRN・NRNのクロスネット局である。両局とも文化放送がNRN全国中継を担当する土・日曜日は、2009年までJRNラインのナイターを放送していたため、文化放送幹事のナイター中継は原則として自社では放送せず、NRN向け二重制作分の裏送りのみでの参加となっていた。ただし両局とも、JRNに放送権のないヤクルト主催のビジターゲーム(RCCは「ヤクルト対広島」、TBCは「ヤクルト対楽天」)が開催される場合に限り、ラインをNRNに切り替えてネットしている[44]。
なお、巨人がRF・JRN複占で、横浜もNRN独占だったためにJRN・NRN間の本数調整が厳格だった時代や、一時期阪神主催ゲームがABC優先だった名残で、ヤクルト主催ゲームのために担当外の月・火曜(ニッポン放送)、土・日曜(文化放送)でNRNラインに費やした日数を補償するため、RCCでは対広島戦を含む水 - 金曜の巨人・中日主催ゲームをJRN受けにする場合があったが、最近では週末JRNナイターの崩壊や横浜のNRN独占解消もあり日数補償が厳格でなくなったため、JNNの枠組み優先で金曜開催の巨人または中日と対広島の開幕戦ビジターゲームをTBSラジオ/CBC技術協力の自社制作またはネット受けとしたり、過去の優先契約の名残で水・木曜の「阪神対広島」「オリックス対広島」をABC制作のJRN受けとしたり、JRN系列局へのネット予定がない月曜の自社制作広島主催ゲームでも必要に応じて地元向け(JRN扱い)とネット局向け(NRN向け)の二重制作とする場合が多い[58]。一方、TBCはセ・パ交流戦で影響が出るのみであるため、月・水〜金曜に対日本ハム戦(ホーム・ビジターとも)がデーゲームで開催されSTVラジオでの放送がない場合に、HBCとのJRNライン局間ネットとしたり、月曜開催の「広島対楽天」をJRN受けとすることで制作の効率化を行っている。
しかし、2010年からは、JRNが土・日曜の全国中継を取りやめたため、RCC・TBCともにホームゲームの中継において、JRN各局へのネット送出予定が無く、NRN全国放送の本番・予備カードとされたナイターに限り、自社分をNRNライン向けとして放送している(JRN各局がネット受けする場合は、原則として従来通りNRN向けを裏送りとする)。また、関東でのビジター戦は前述のヤクルト主催試合に限らず、全国中継カード時に文化放送発NRNナイターをネットすることになった。
これ以降RCCでは、在京球団主催試合では、ローカル番組扱いとなるデーゲーム中継ではヤクルト主催(ニッポン放送協力の自社制作またはニッポン放送からの裏送り)を除いて今まで通りJRN受け(TBS協力の自社制作またはTBSからの裏送り)となり、全国放送にならないナイターではNRN受けとなり、首都圏本拠地球場での開催時はニッポン放送での放送有無にかかわらず文化放送が、地方球場での開催時とナイターオフ編成の消化試合はニッポン放送が裏送りする。しかし、首都圏本拠地球場での開催時であっても、該当試合の予備順位が屋内球場より後位で、かつQRが解説者を含めての待機を行っていない場合は、デーゲーム同様の対応になることもある(ここで、ニッポン放送がヤクルト対広島を本番としている場合は、LF-MBSライン扱いのネット受けとなる)[59]。また、土・日曜の巨人・DeNA・ヤクルト主催ナイターで全国中継本番該当時に別途自社乗り込みを実施する場合は、QRの要員や放送ブースなどの都合上、巨人・DeNA主催ではTBSラジオまたはニッポン放送の、ヤクルト主催ではニッポン放送の技術協力となることがあるが、広島ベンチリポートのアナウンサーはQR-NRNの中継と兼任することがある[60]。なお、2015年からは機材運用の簡便化のため、土・日のナイターはオフ編成時を除いて対戦相手にかかわらずQR-NRN扱いに統一しており、広島開催のオールスターゲームで、広島からのJRN全国中継が臨時で行われる場合も、TBS-JRN向けの方を裏送り(またはTBSラジオの乗り込み制作)とし、QR-NRN向けを自社向けとして放送している。その一方広島開催の日本シリーズでは、ナイターオフ編成扱いということもあり、ネット局対応や在京局・ビジター地元局の乗り込み有無などに応じて柔軟に対応している。実例として、2016年は第1・2戦では自社向け本線をNRN向けとし(QRは自社制作で対応)、JRN向けをTBSラジオに委託した一方、第6・7戦では二重制作を実施して自社向け本線をJRN向けとしてNRN向けを裏送り(QRは第6戦をネット受け、第7戦を自社制作)としている。
一方、TBCは文化放送・ニッポン放送・ABC(JRN受け時代を含む)とも本番としない場合には中継自体を行わない方針であったが、2012年より日曜に関東およびオリックスのビジターゲームは本番カードの場合も含め一切中継しない方針となった。また、2013年より土曜の関東ビジターゲームも同様の方針となる(2013年の土曜日はオリックス戦ビジターのナイターが組まれていないため、ナイターの場合の対応は不明。交流戦における阪神戦は原則としてデーゲーム・ナイターともにABCからのネットで放送していたが、2014年は土曜のみMBSからのネットで放送した)。土・日にHBC・RKBとのネットが優先される日本ハム・ソフトバンク主催試合や自社が放送権を持つ楽天主催ゲームが東京ドームで行われる場合や、年度により在福局の乗り込みか在阪局からの裏送りかで対応が異なるソフトバンク主催試合が京セラドーム大阪で行われる場合の対応は2019年シーズンまでの時点では未定である[61]。
クライマックスシリーズは、平日にライオンズナイターを放送していることもあり、2015年までは西武の進出にかかわらず文化放送がNRN系列局向けの担当(厳密には個別ネット扱い)としてクライマックス・パの全試合を中継していた。
西武が進出せず、関東地区以外で開催される場合は、NRN担当局の中継をそのまま放送するか、文化放送が自主制作するかのどちらかになるが、西武に進出の可能性がある場合[62] や、関東地区の聴取率調査週間と重なる場合は自主制作することが多かった。本来のNRN担当局が中継を行わない場合、該当試合を文化放送が自主制作してNRN系列局にネットする場合があった[63]。
2016年からは前述のように、クライマックス・パの地上波での放送からは撤退した(西武が出場した場合でも西武ドーム開催分のインターネット配信のみ実施し、同じ関東圏の球団であるロッテが出場しても中継しない)[64]。このため、現地NRN担当局の中継が文化放送へネットされない場合、当該中継はニッポン放送のセ・リーグ(クライマックス・セ)中継の予備カードとして組み込まれる場合がある(2016年は第2戦で『広島 vs DeNA』の終了後にSTVラジオの『日本ハム対ソフトバンク』にリレー)[65]。
ニッポン放送[66] がNRN系列局向けの担当となる(厳密には個別ネット扱い)セ・リーグ(クライマックス・セ)の方の中継は、制度導入当初から文化放送では行われていない。前述のように2016年からは事実上、ニッポン放送が両リーグとも関東のNRNにおけるクライマックスシリーズの地上波ラジオ中継を独占することになった。
日本シリーズは、レギュラーシーズンの定時放送が廃止された土・日曜日の開催分も含め、原則全試合中継する。ここではパ・リーグの出場チームが西武以外の場合を説明する。西武となった場合は前項の「埼玉西武ライオンズの試合への対応」参照。
文化放送は2017年までは西暦奇数年の1,3,5,7戦、西暦偶数年の2,4,6戦に於けるNRN全国中継の担当局となっていた[67]。ネットワークが再編した2018年は全試合文化放送がNRN全国放送の担当[68] を経て、2019年以降はパ本拠地で開催する試合(西暦奇数年の1,2,6,7戦、西暦偶数年の3,4,5戦)がNRN全国中継の担当局となった[69]。このため、該当試合が西武またはロッテのホームゲームとなる場合は文化放送制作でNRN系列局へネットされ、関東以外の試合はNRN担当局の中継をそのまま放送する[70] が、関東以外のNRN担当試合でも関東地区の聴取率調査週間と重なった場合、およびNRN全国中継をニッポン放送が担当する試合は、開催球場を問わず文化放送のスタッフが乗り込んで自社制作のローカル放送を行っていた。ただし、2019年以降の現体制となって以降、NRN全国中継をニッポン放送が担当する試合については、巨人・ヤクルト・DeNAのホームゲームとなる場合は従来通り自社制作するが、関東以外の試合はABC・MBS(阪神、詳細後述)やCBCラジオ(中日)による非NRN担当局の中継をネットする。ただし、広島の進出時にRCCがニッポン放送・NRN向けとの二重制作を行うか、前記3球団と日本ハム・楽天・ソフトバンクの進出時にビジター側地元局の乗り込み制作分を放送するか、あるいは2018年以前同様に自社制作を行うかのいずれかになるかは未定である。
ちなみに大阪地区ではNRN全国中継の放送は西暦奇数年に1,2,6,7戦をMBS、3,4,5戦をABCが担当しており[71]、TBSラジオがプロ野球中継から撤退した2018年もそれを踏襲したが(旧JRN担当日はニッポン放送制作の非NRN向けを放送)、2019年以降は在阪球団出場時に限りABCが1,2,6,7戦を、MBSが3,4,5戦をNRN全国中継担当局としたが、ABCは阪神不出場の場合は通常番組を編成し、かつオリックスが出場の場合は西暦奇数年のみネット局への裏送りでの参加とする一方、MBSは在阪球団の出否にかかわらず放送を継続するため、在京球団主管分は、基本的には開催年にかかわらずセ本拠地側はニッポン放送から、パ本拠地側は文化放送からNRNのネット受けして放送することになり、在阪球団の出場時はMBSが奇数年の阪神主管による、偶数年のオリックス主管による3,4,5戦を自社制作・放送しNRNに配信することになった。このため、在阪球団主管分の1,2,6,7戦のNRN配信担当となるABCは2020年の京セラドーム大阪で開催した巨人主管分で文化放送制作の非NRN向けの技術協力を行い、2021年はオリックス主管分の1,2,6戦を文化放送を含むNRN系列局向けに裏送り配信した。MBSは2022年のオリックス主管分の3,4,5戦を文化放送を含むNRN向けに制作して放送する[72]。阪神・オリックス双方とも進出した2023年は西暦奇数年の割当かつABCも全試合を中継するため、文化放送は全試合でABCからのネット受け(オリックス主管の第1,2,6,7戦はNRN本番、阪神主管の第3,4,5戦は非NRN扱いの局間ネット)を行う[73]。
文化放送がラグビーワールドカップ2019決勝トーナメントの放送権を獲得した2019年[74] には、ラグビー日本代表が関与する試合と日時が重複する場合にラグビー中継を優先した(詳細前述)。
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