日本製鉄北日本製鉄所
北海道室蘭市及び岩手県釜石市にある製鉄所 ウィキペディアから
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日本製鉄北日本製鉄所(にっぽんせいてつきたにっぽんせいてつしょ、英文:NIPPON STEEL CORPORATION, North Nippon Works[4])は、日本製鉄の製鉄所である。2022年4月1日に同社の室蘭製鉄所と東日本製鉄所釜石地区を統合して発足した[5]。
室蘭地区、釜石地区に分かれており、それぞれの所在地は次のとおりである。
1909年(明治42年)の操業以降、北海道唯一の「銑鋼一貫製鉄所」として鉄鋼製品を供給している[6]。1985年(昭和60年)に生産品種を普通鋼から特殊鋼の棒鋼・線材に転換しており[7]、構内には高炉と電炉が共存し、製鉄事業を中心に鋼材加工事業やシステム・エンジニアリング事業を結び付けたコンビナートを形成しており[7]、日本製鉄グループの企業などが集積している。主力製品の特殊鋼棒鋼・BIC、特殊鋼線材は、自動車のエンジンや足回りの保安部品に使用されている[8]。構内のインフラストラクチャーを活かした「プラスチックリサイクル事業」を行うなど、環境産業にも注力しているほか[8]、独立系発電事業者(IPP)として北海道電力へ電力を卸している[9]。構内にはポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物処理事業を行う中間貯蔵・環境安全事業(JESCO)の北海道PCB処理事業所が操業している[10]。2020年3月までは、棒線事業部所属であったが、2020年4月1日実施の製鉄所組織の統合・再編成により、本社直轄となり[11]、2022年4月1日に東日本製鉄所釜石地区と統合され、北日本製鉄所が発足したことに伴い、北日本製鉄所室蘭地区となる。
室蘭製鉄所で特殊鋼を手掛けたのは1974年(昭和49年)の棒鋼工場稼働からである[12]。特殊鋼業界では決して早くから参入したわけではないが、国産の第1号連続鋳造機を稼働させた技術力を磨き、自動車重要保安部品用の特殊鋼棒鋼では業界初となる連続鋳造化に成功している[12]。また、VHミルや調整冷却・精密圧延など業界先駆けとなる設備を次々と立ち上げて装備力を高め、特殊鋼の生産に最適な体制を確立していった[12]。
主要製造設備
室蘭製鉄所は、1909年(明治42年)に北海道炭礦汽船(北炭)の井上角五郎の尽力により、同社の輪西製鐵場として誕生した[15]。天然の良港である室蘭港、夕張の石炭、噴火湾一帯の砂鉄、虻田(現在の洞爺湖町)の鉄鉱石を基盤としており[7]、日露戦争を契機とする鉄鋼需要の増加に対応するため、輪西村に日本国内初の砂鉄精錬(たたら製鉄)による溶鉱炉を建設した[7]。操業当時は溶鉱炉による砂鉄精錬が難しく、火入れ後まもなく一時停止した記録が残されている[16]。第二次世界大戦(大東亜戦争)による戦線拡大は兵器に使用する鉄鋼の増産に繋がり、工場は24時間稼働し続けた[17]。このような中、1939年(昭和14年)から、朝鮮半島出身の労働者の勤労が応募(のち官斡旋、さらにのち徴用)としてが始まり[17]、終戦時には輪西製鐵所では多数の朝鮮人労働者が従事していた[17]。同様に、中国人も1944年(昭和19年)から1945年(昭和20年)にかけて室蘭で1,855人が港湾荷役などを行っていた[17]。
日本製鐵(日鉄)
富士製鐵(富士鉄)
新日本製鐵(新日鉄)
日本製鉄(日鉄)
日本の近代製鉄業発祥の地・釜石に立地する工場で、福岡県八幡市(現・北九州市八幡東区)の八幡製鐵所よりも早くに操業を開始した日本最古の製鉄所である。官営の製鉄所として1880年(明治13年)に操業を開始するが、満足な成果を出せず3年後に閉鎖。軌道に乗ったのは民間人である田中長兵衛に払い下げられた後の1886年以降のことである。1887年には田中の名を冠した釜石鉱山田中製鉄所が設立。戦前までは比較的大規模な製鉄所であったが、戦時中に釜石艦砲射撃で壊滅。戦後復活し、1950年の日本製鐵解体後は富士製鐵の主力製鉄所の一つとなるものの、1960年代から縮小が始まり、新日鉄発足後の1989年に高炉を休止したため現在は銑鋼一貫製鉄所ではない。
現在は線材の生産拠点で、かつては製銑・製鋼用の設備、鋼板や形鋼・棒鋼用の圧延設備があったが、現在は線材圧延設備以外存在しない。敷地面積は344万平方メートルである(2017年10月1日時点)。従業員数は236人となっている(2020年3月31日時点)[3]。
製品の線材は鋼を細く圧延しコイル状に巻いた鋼材で、釜石で製造される線材の種類には低炭素鋼・中炭素鋼線材や、ばねやケーブルに使用される高炭素鋼線材、ボルトなどの部品の材料に使用される冷間圧造(鍛造)用線材、ラジアルタイヤに使用されるスチールコード用線材、溶接用線材などがある。
鉄鋼分野の設備ではないが、日本製鉄の独立発電事業 (IPP) の拠点の一つでもあり、火力発電所を設置し、東北電力に発電した電力を供給。13万6,000kWの出力は岩手県内で最大の出力であり、2015年からは木質バイオマス燃料の使用を開始した[36]。
釜石製鉄所は1989年3月までは銑鋼一貫製鉄所として稼働していた。しかし経営合理化により主要な工場は休止に追い込まれ、1989年3月の高炉休止により複合事業へ転換した。現在は線材工場のみの稼働であるが、高品質な線材の製品を供給し続けている。
主要製造設備
過去製造設備
関連施設
クラブ活動
旧社員倶楽部
関連施設
クラブ活動
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