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必殺シリーズの第10作、中村主水シリーズの第5作 ウィキペディアから
『新・必殺仕置人』(しん ひっさつしおきにん)は1977年1月21日から11月4日まで、NETテレビ → テレビ朝日[1]系で毎週金曜日22:00 - 22:54に放送された、朝日放送と松竹製作のテレビ時代劇。主演は藤田まこと。全41話。
映像上のタイトルには新を□で囲ったものが(中点は無い)使用されているが、本項では「新・必殺仕置人」と表記する。
江戸。暦の寅の日(十二日ごとに巡ってくる吉日)になると「寅の会」なる句会が開かれる。これは表向きは句会を装いながら、金で殺しを請け負う殺し屋(仕置人)たちの寄り合いであった。句会では標的となる人物の名前が織り込まれた俳句が詠まれ、ここに集った仕置人たちが殺しの依頼を競り落としていく。念仏の鉄は巳代松(中村嘉葎雄)、正八(火野正平)、おてい(中尾ミエ)に自分を加えた4人でチームを組み、「寅の会」で競り落とした仕置きを行っていた。
そんなある日、句会でかつての仲間、中村主水の名が詠み上げられる。主水は既に殺しの稼業から足を洗っており、また囚人の牢破りを未然に防いだ功により定町廻り同心に復帰していた。鉄は寅の会の掟を破り、密かに主水と接触。主水の命が競り落とされたことを告げる。
4年振りに鉄と再会した主水は、仕業人時代の仲間、赤井剣之介(中村敦夫)とその妻、お歌(中尾ミエ)の無惨な最期を語り、「生き残ったら、自分も仲間に加えてくれ」と言い残してその場を去る。
その後、主水は鉄たちの助けを借りて窮地を脱し、「寅の会」に属する鉄のチームに加わる。主水を仲間に加えた鉄たちは、弱者の晴らせぬ怨みを晴らしていく。
当時の必殺シリーズは視聴率が低迷しており、制作スタッフは人気の高かった『仕置人』の続編を企画、念仏の鉄(山﨑努)を再登場させた。本作では闇の一大殺し屋組織「寅の会」を登場させ、主水もその標的とするなど、それまでの必殺シリーズの形式を踏まえつつ、いくつか新機軸も見られる[2]。
その結果、視聴率も回復し、本作を前期シリーズの集大成として評価する声も多い[3][4]。1985年発売のBGM集に載せられた必殺ファンクラブ「寅の会」会長の山田誠二は最終回「解散無用」は必殺シリーズ中でも白眉の出来で、第一次黄金時代の終了を意味するとコメントしている。
今現在もシリーズ最高傑作と評されるが、本放送時は金曜10時!うわさのチャンネル!!(日テレ系)や岸辺のアルバム(TBS系)といった高視聴率の裏番組があり、視聴率的には全盛期(視聴率の)は及んでいなかった[5]。
また火野が演じた正八は必殺シリーズのコメディリリーフの役で、高い人気を誇っており、正八が初の殺しを行う第30話はファンの間で人気が高く[6]、17話と40話ともに「正八三部作」と呼ばれて、監督は3本とも高坂であり、工藤栄一に特に影響を受けた高坂だけに17話は工藤演出の影響を深く受けている[7]。
第7回 京都 - ヒストリカで、本作の第一話が『必殺仕掛人』第1話 仕掛けて仕損じなし(監督:深作欣二/脚本:池上金男/原作:池波正太郎/)1と共に6mmフィルムで上映され、トークでは犬童一心(映画監督)、森山浩一(必殺仕事人2015プロデューサー)、石原興(監督・撮影)が本作を中心に必殺を語った[8]。
2023年には東京の名画座ラピュタ阿佐ヶ谷とザムザ阿佐ヶ谷で必殺傑作エピソード特集が組まれ、本作の中からも選ばれれて上映された[9]
本作では闇の一大殺し屋組織「寅の会」が裏稼業を取り仕切り、劇中に登場する江戸の仕置人は「寅の会」に所属することになっている[10]。
頼み人は元締の虎に、晴らせぬ恨みを晴らしてくれるように頼む。虎は毎月2回の寅の日[11]に催される句会で、依頼を競りにかける。句会には各仕置人グループの代表者が俳諧師として参加し、標的の名を織り込み俳句に託した依頼文が詠み上げられると「値引き競り(ダッチ・オークション)」が始まる。底値を提示した俳諧師のグループが依頼を受け、差額は虎の取り分となる。[12]
依頼を落札した仕置人グループは、次の寅の日までに仕置を行う[13]。
「寅の会」では外道仕置や標的との談合を禁じているが、そのほかにも以下の掟があり、これに背いたときは目付役の死神または虎に粛清される。
通常句会は屋内で開かれるが、依頼が無い場合は屋外などの人目に付く場所で催され、世間の目を欺く趣向となる[19]。急ぎの場合は句会を介さず、虎が直々に斡旋することもある[20]。
玉城ティナ主演『地獄少女』は本作や必殺仕置人必殺からくり人シリーズに影響を受けたことで知られているが、『映画秘宝』で田野辺尚人は同作を「ブライアン・デ・パルマが新・必殺仕置人を撮ったような作品」「旧・仕置人も影響を与えているが、それ以上に新・仕置なのが重要」と評し、本作の影響が強いことを論じた[41]。
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 |
---|---|---|---|---|
第1話 | 1977年 | 1月21日問答無用 | 野上龍雄 | 工藤栄一 |
第2話 | 1977年 | 1月28日村尾昭 | ||
第3話 | 1977年 | 2月 4日松野宏軌 | ||
第4話 | 1977年 | 2月11日暴徒無用 | 安倍徹郎 | |
第5話 | 1977年 | 2月18日王手無用 | 工藤栄一 | |
第6話 | 1977年 | 2月25日偽善無用 | 中村勝行 | 大熊邦也 |
第7話 | 1977年 | 3月 4日貸借無用 | 大和屋竺 | 松野宏軌 |
第8話 | 1977年 | 3月11日裏切無用 | 野上龍雄 | 高坂光幸 |
第9話 | 1977年 | 3月18日悪縁無用 | 保利吉紀 | 松野宏軌 |
第10話 | 1977年 | 3月25日女房無用 | 中村勝行 | |
第11話 | 1977年 | 4月 8日助人無用 | 大熊邦也 | |
第12話 | 1977年 | 4月15日親切無用 | 松原佳成 | 高坂光幸 |
第13話 | 1977年 | 4月22日休診無用 | 中村勝行 | 渡邊祐介 |
第14話 | 1977年 | 4月29日男狩無用 | 安倍徹郎 | |
第15話 | 1977年 | 5月 6日密告無用 | 保利吉紀 | 大熊邦也 |
第16話 | 1977年 | 5月13日逆怨無用 | 村尾昭 | 松野宏軌 |
第17話 | 1977年 | 5月20日代役無用 | 保利吉紀 | 高坂光幸 |
第18話 | 1977年 | 5月27日同情無用 | 中村勝行 | 松野宏軌 |
第19話 | 1977年 | 6月 3日元締無用 | 村尾昭 | 工藤栄一 |
第20話 | 1977年 | 6月10日善意無用 | 中村勝行 | 松野宏軌 |
第21話 | 1977年 | 6月17日質草無用 | 保利吉紀 | 高坂光幸 |
第22話 | 1977年 | 6月24日奸計無用 | 松原佳成 | 松野宏軌 |
第23話 | 1977年 | 7月 1日訴訟無用 | 高坂光幸 | |
第24話 | 1977年 | 7月 8日誘拐無用 | 保利吉紀 | 松野宏軌 |
第25話 | 1977年 | 7月15日濡衣無用 | 松田司 | 高坂光幸 |
第26話 | 1977年 | 7月22日抜穴無用 | 松原佳成 嵯峨忍 | 松野宏軌 |
第27話 | 1977年 | 7月29日約束無用 | 野上龍雄 | 工藤栄一 |
第28話 | 1977年 | 8月 5日妖刀無用 | 和久田正明 | 松野宏軌 |
第29話 | 1977年 | 8月12日良縁無用 | 松原佳成 | |
第30話 | 1977年 | 8月19日夢想無用 | 保利吉紀 | 高坂光幸 |
第31話 | 1977年 | 8月26日牢獄無用 | 松原佳成 | 松野宏軌 |
第32話 | 1977年 | 9月 2日阿呆無用 | 村尾昭 | 高坂光幸 |
第33話 | 1977年 | 9月 9日幽霊無用 | 岡本克己 | |
第34話 | 1977年 | 9月16日軍配無用 | 古市東洋司 | 原田雄一 |
第35話 | 1977年 | 9月23日宣伝無用 | 村尾昭 | 高坂光幸 |
第36話 | 1977年 | 9月30日自害無用 | 疋田哲夫 志村正浩 | 工藤栄一 |
第37話 | 1977年10月 | 7日生命無用 | 松原佳成 | 高坂光幸 |
第38話 | 1977年10月14日 | 迷信無用 | 保利吉紀 | 原田雄一 |
第39話 | 1977年10月21日 | 流行無用 | 中村勝行 | 工藤栄一 |
第40話 | 1977年10月28日 | 愛情無用 | 野上龍雄 | 高坂光幸 |
第41話 | 1977年11月 | 4日解散無用 | 村尾昭 | 原田雄一 |
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | 備考 |
---|---|---|---|
近畿広域圏 | 朝日放送 | テレビ朝日系列 | 制作局 |
関東広域圏 | テレビ朝日 | 1977年3月まではNETテレビ | |
北海道 | 北海道テレビ | ||
青森県 | 青森テレビ | TBS系列 | 1977年3月まで |
青森放送 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
1977年4月から | |
岩手県 | 岩手放送 | TBS系列 | 現・IBC岩手放送 |
宮城県 | 東日本放送 | テレビ朝日系列 | |
秋田県 | 秋田テレビ | フジテレビ系列 | |
山形県 | 山形放送 | 日本テレビ系列 | |
福島県 | 福島テレビ | TBS系列 フジテレビ系列 |
|
新潟県 | 新潟総合テレビ | フジテレビ系列 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
現・NST新潟総合テレビ |
長野県 | 長野放送 | フジテレビ系列 | |
山梨県 | テレビ山梨 | TBS系列 | |
富山県 | 富山テレビ | フジテレビ系列 | |
石川県 | 北陸放送 | TBS系列 | |
福井県 | 福井テレビ | フジテレビ系列 | |
静岡県 | 静岡放送 | TBS系列 | |
中京広域圏 | 名古屋テレビ | テレビ朝日系列 | |
鳥取県・島根県 | 山陰放送 | TBS系列 | |
岡山県 | テレビ岡山 | フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
現・岡山放送 当時の放送免許エリアは岡山県のみ |
広島県 | 広島ホームテレビ | テレビ朝日系列 | |
山口県 | テレビ山口 | TBS系列 フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
徳島県 | 四国放送 | 日本テレビ系列 | 第32話は制作協力として、クレジットされている |
香川県 | 瀬戸内海放送 | テレビ朝日系列 | 当時の放送免許エリアは香川県のみ |
愛媛県 | 南海放送 | 日本テレビ系列 | |
高知県 | テレビ高知 | TBS系列 | |
福岡県 | 九州朝日放送 | テレビ朝日系列 | |
長崎県 | 長崎放送 | TBS系列 | |
熊本県 | 熊本放送 | ||
大分県 | 大分放送 | ||
宮崎県 | 宮崎放送 | ||
鹿児島県 | 南日本放送 | ||
沖縄県 | 琉球放送 | 「11PM」金曜日のネット開始に伴い、第5話で打ち切られた |
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