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必殺シリーズの第26作 ウィキペディアから
『必殺まっしぐら!』(ひっさつまっしぐら)は1986年8月8日から10月31日まで、テレビ朝日系で毎週金曜日22:00 - 22:54に放送された、朝日放送と松竹(京都映画撮影所、現・松竹撮影所)共同製作のテレビ時代劇。全12話。主演は三田村邦彦。
必殺シリーズの第26作である。
本作は『必殺仕事人』シリーズで人気を得た飾り職人の秀が、中村主水(藤田まこと)のグループから独立し、一本立ちしての活躍を描く短期シリーズである。勇次(中条きよし)を主役にした『必殺仕切人』と同様、仕事人シリーズから派生したスピンオフに相当する。
本作は、前年(1985年)に世間の人気を集めたファミコンソフト、『スーパーマリオブラザーズ』(任天堂)をモチーフに[1]、秀がゲームの主人公であるマリオ、恋人の若紫がヒロインのピーチ姫として、敵の大魔王クッパ的存在の元締め(向島仁十郎)に立ち向かう…というのが作品全体の骨子となっている。「最終回までを通して、2つの殺し屋組織の対立」「実在した人物の登場」という要素は、どちらも過去の作品『必殺からくり人』(非主水シリーズ)と共通している。この他、『新 必殺からくり人』以降の非主水シリーズの定番である「旅もの」の要素もあり[2]、秀らレギュラーキャラクターは江戸在住であるものの、毎回の依頼(第2話 - 第10話)は地方からであり、各地方への出張を行って仕事を遂行するという、旅もののバリエーションとなっている。
企画時のタイトル案は『必殺! びっくり箱』だった[3]。
これに加えて、ゲームのティストをさらに求める物として、敵組織(仁十郎の配下)の外道仕事人たちが、マリオを狙う隠れキャラクター的存在として、秀の命を常に狙っているという趣向が取られた。このため、敵から奇襲を受けるシーンが定番となっている。
毎回の話で起こる秀の危機的状況を明確にさせ、毎回、ある程度の額の仕事料が、秀の懐に納めても不自然では無いという意図から、本作は久々に第1作『必殺仕掛人』に端を発した元締システムを導入。これにより、歴代仕事人シリーズで定番と化した「毎回の事件の被害に巻き込まれて死亡する依頼人と、仕事人たちのやりとり」を展開する必要性が無くなり、最初から仕事の依頼の行動目的が秀に課せられた分、劇中の大半の時間を自由に使えるという新機軸となった。
しかし、そうした本格的なドラマ作りを試みた中身とは裏腹に、宣伝のイメージのみが先行して当時のマスコミでは「ファミコン必殺」と揶揄された。制作スタッフ内での評判も良くはなく、チーフプロデューサーの山内久司のエッセイ本『テレビ必殺! 仕事人』には、「最終回の秀と裏稼業組織の大元締との対決の場面が、スーパーマリオのクッパ大王のゲーム中での動作を彷彿させる内容だった」ことで、制作スタッフが呆れながら「これで、必殺は終わったな」と落胆していたことが書かれている。
本作のキャスティングは、第17作『新・必殺仕事人』第6話は被害者役で、第21作『必殺仕事人IV』第11話は主水グループを乗っ取ろうとする敵の女仕事人役を演じた秋野暢子が、正道仕事人としてレギュラー初出演。
次に、必殺スペシャル第1作『特別編必殺仕事人 恐怖の大仕事 水戸・尾張・紀伊』に出演したことを皮切りに、以降のスペシャルで常連に近かった西郷輝彦が、レギュラーとしては初の出演を果たした。
2人の元締め役として、まず秀側になる神楽坂宗右衛門役に睦五郎(『必殺仕掛人』ではオープニング ナレーションを担当した)。敵側の元締め(向島仁十郎)として、歴代シリーズ各作品にゲスト悪役として出演した藤岡重慶。
この他、若手として2人が起用されている。一人は、当時、アイドルとして、後にアイドルグループ「光GENJI」のメンバーとなり、光GENJIの解散後は俳優として活動する大沢樹生[4]が、神楽坂宗右衛門の部下として登場し、秀との連絡役を担っている。もう一人は、当時、京都の信用金庫に勤める女性行員で、1986年度のミス・ユニバース準優勝を受賞した菅原昌子[5]で、ヒロインの若紫を演じている。
そして、前作『必殺仕事人V・激闘編』で必殺シリーズに初登場し、はぐれ仕事人の一人 参役を演じた笑福亭鶴瓶が、本作にも連続出演を果たした。
一つは裏稼業の世界に弱者の涙を重んじる、正道の元締 神楽坂宗右衛門。もう一つは金のためなら善人でも平気で殺す、外道の元締 向島仁十郎。闇の世界の一大対決が今日も繰り広げられる中、「仕事人」秀は再び江戸に舞い戻り、宗右衛門の配下となっていた。
秀は自らが一目惚れした吉原の遊女見習い 若紫を身請けするために大金を必要としており、金を貯めるために宗右衛門のところに届いた殺しの依頼を請け、日本全国を飛び回る毎日を送ることになる。しかし、秀の前には仁十郎の配下の外道仕事人たちが牙を潜め、幾度と無く、襲い掛かる。
ふとした経緯から、仕事人 桂馬のお銀、高天原(たかまがはら)綾麻呂、香車の東吉が、次々と秀の元に集結。ここに宗右衛門配下の「仕事人」チームが結成された。
秀以外の3人は短刀、刀、槍と非常にオーソドックスな武器を使用しており、歴代シリーズでは地味な部類に入る。殺しのテーマ曲は秀は『新・必殺仕置人』(「悲しみの果てに」)、新キャラ3人は『必殺仕事人V』(「影となりて往く~出陣のテーマ~」)からの流用。
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | 登場した 実在の人物 |
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1986年8月8日 | 秀が帰って来た! | 篠崎好 中原朗 | 工藤栄一 | 勝海舟 |
第2話 | 1986年8月15日 | 相手は京の欲ボケ貴族 | 中原朗 | 高野長英 | |
第3話 | 1986年8月22日 | 相手は壇ノ浦の亡霊 | 石川孝人 | 原田雄一 | 桂小五郎 |
第4話 | 1986年8月29日 | 相手は長崎のぜいたく女 | 保利吉紀 | 楠本滝 | |
第5話 | 1986年9月5日 | 相手は仙台のワル家老 | 篠崎好 | 松野宏軌 | 間宮林蔵 |
第6話 | 1986年9月12日 | 相手は佐渡金山の乱脈男 | 田上雄 | 国定忠治 | |
第7話 | 1986年9月19日 | 相手は徳島剣山の暴力修験者 | 中原朗 | 津島勝 | 東洲斎写楽 |
第8話 | 1986年9月26日 | 相手は大阪の大塩平八郎 | 保利吉紀 | 大塩平八郎 | |
第9話 | 1986年10月10日 | 相手は名古屋の暗殺剣 | 石川孝人 | 松野宏軌 | 西郷隆盛 |
第10話 | 1986年10月17日 | 相手は草津温泉の乗っ取り男 | 江原利夫 保利吉紀 | 葛飾北斎 | |
第11話 | 1986年10月24日 | 相手は向島の元締 | 中原朗 | 水川淳三 | 平手造酒 |
第12話 | 1986年10月31日 | 相手は江戸の大魔王 | 滝沢馬琴 |
※途中で打ち切られた局や、しばらくの間放送する他系列ネットの局がある。
放送対象地域 | 放送局 | 系列 | 備考 |
---|---|---|---|
近畿広域圏 | 朝日放送 | テレビ朝日系列 | 制作局 |
関東広域圏 | テレビ朝日 | ||
北海道 | 北海道テレビ | ||
青森県 | 青森放送 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
岩手県 | テレビ岩手 | 日本テレビ系列 | |
宮城県 | 東日本放送 | テレビ朝日系列 | |
秋田県 | 秋田テレビ | フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
山形県 | 山形放送 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
福島県 | 福島放送 | テレビ朝日系列 | |
新潟県 | 新潟テレビ21 | ||
長野県 | テレビ信州 | テレビ朝日系列 日本テレビ系列 |
|
山梨県 | テレビ山梨 | TBS系列 | |
富山県 | 富山テレビ | フジテレビ系列 | |
石川県 | 石川テレビ | ||
福井県 | 福井テレビ | ||
静岡県 | 静岡けんみんテレビ | テレビ朝日系列 | 現・静岡朝日テレビ |
中京広域圏 | 名古屋テレビ | ||
鳥取県・島根県 | 山陰放送 | TBS系列 | |
広島県 | 広島ホームテレビ | テレビ朝日系列 | |
山口県 | 山口放送 | 日本テレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
徳島県 | 四国放送 | 日本テレビ系列 | |
香川県・岡山県 | 瀬戸内海放送 | テレビ朝日系列 | |
愛媛県 | 南海放送 | 日本テレビ系列 | |
高知県 | テレビ高知 | TBS系列 | |
福岡県 | 九州朝日放送 | テレビ朝日系列 | |
長崎県 | 長崎放送 | TBS系列 | |
熊本県 | テレビ熊本 | フジテレビ系列 テレビ朝日系列 |
|
大分県 | 大分放送 | TBS系列 | |
宮崎県 | 宮崎放送 | ||
鹿児島県 | 鹿児島放送 | テレビ朝日系列 | |
沖縄県 | 琉球放送 | TBS系列 |
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