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日本の小説家 (1948-) ウィキペディアから
赤川 次郎(あかがわ じろう、本名同じ[1][2]、1948年2月29日[1] - )は、日本の小説家。福岡県福岡市博多区出身[3]。血液型はA型[4]。桐朋高等学校卒業[1]。父は元満洲映画協会、東映プロデューサーの赤川孝一[2]。
赤川 次郎 (あかがわ じろう) | |
---|---|
誕生 |
1948年2月29日(76歳) 日本・福岡県福岡市博多区 |
職業 | 小説家 |
国籍 | 日本 |
活動期間 | 1976年 - |
ジャンル | 推理小説 |
代表作 |
三毛猫ホームズシリーズ 三姉妹探偵団 幽霊シリーズ |
主な受賞歴 |
オール讀物推理小説新人賞(1976年) 吉川英治文学賞(2016年) |
デビュー作 | 幽霊列車 |
ウィキポータル 文学 |
3歳の頃に手塚治虫の漫画に影響を受け、小学生の時には漫画を描き始めるも挫折[5]。中学時代に『シャーロック・ホームズの冒険』に出会い、3年生の時に見よう見まねで小説を書き始める[5]。当時よく読んでいたジャンルに影響され、中世ヨーロッパの騎士の物語などを書いていた[1]。空想好きの少年であったようで、恋愛も自分が空想していたとおりであったとエッセイ[6]に書いている。
父・赤川孝一は他に家庭を持っていたので別居しており、幼少時もほとんど顔を合わせていなかったが、転勤によって東京に引っ越したため、赤川は小学校の担任の薦めにより中高一貫教育の私立桐朋学園を受験することになる[1]。無事に合格して進学したが、勉強も運動も苦手でなおかつ金銭的にも困窮していたため、楽しい学校生活ではなかった[1]。高校2年生の時に孝一が退社してしまい収入源が完全に断たれたため、大学進学は諦め就職を決意[1]。卒業後18歳で日本機械学会事務局編修課に就職し[2]、主に機械工学の雑誌に掲載する学術論文を校正する仕事に従事する[1][2]。しかし休日には誰かに読ませるあてもないまま、自らのために小説を書き続けていた[1]。25歳で結婚し、2年後に娘が産まれる[1]。この頃プロを目指すことを決意し、サラリーマン生活を続けながらシナリオを投稿するようになる[1][2]。そして天知茂主演のテレビ朝日系テレビドラマ『非情のライセンス』のシナリオ募集に初入選する[1]。ほとんど手直しされないまま放送され、初めて“脚本・赤川次郎”と名前が出て喜んだ反面、会社にはばれてしまった[2]。1976年、28歳の時に「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、小説家デビュー[1]。1978年には当時主に社会派ミステリーを発行していた光文社カッパ・ノベルスから出版された『三毛猫ホームズの推理』が異色作としてヒットし脚光を浴びる[1][7]。これを契機に小説の依頼が増え、睡眠時間が取れないほど多忙になっただけでなく原稿料収入も給料の2倍程になったため、妻にも背中を押されて退社を決意[1][7]。12年のサラリーマン生活を終え、30歳で専業作家となる[1]。その直後に『セーラー服と機関銃』を発表した[1]。1980年、『上役のいない月曜日』が第83回直木賞候補となる。その後も「三姉妹探偵団」シリーズや「杉原爽香」シリーズなど、さまざまな人気シリーズを生み出す[2]。2016年にはデビュー40年目にして『東京零年』で第50回吉川英治文学賞を受賞した。
難解な表現をあえて避けた優しい文章と軽妙な表現を得意とし、余人に真似ができないスタイルを構築しており、2015年現在でも年に10冊の執筆をするなど創作意欲は衰えない[7]。推理小説(ユーモアミステリー)のほか、ホラーや青春ものなど作品のジャンルは多岐に及ぶ[1]。
誕生日が2月29日であるために、1987年に刊行された『三毛猫ホームズの登山列車』(カッパ・ノベルズ)の著者近影では「たったの10回。ゆえに正確には10歳」と記載されている。多い時には年に20作以上執筆していたこともあり[2]、2006年8月に作家生活30年を迎え、執筆作品は480作に達した。その後も著作数は増え続け、2008年には500作[8]、2019年末には660冊を突破した[9]。著作の累計発行部数は2015年時点で3億3000万部を超えている[2]。
オペラや演劇鑑賞を行い論評するなど、芸術評論も物し、評論集が出版されている。
漢字変換の際に文章を書くリズムが崩れるのが嫌なため、ワードプロセッサやパソコンは使わず、原稿用紙にサインペンを使って手書きで執筆する[2][8]。
赤川は「個人になにかを強制する力」に対して強い反発を覚える。例として日の丸・君が代問題、会社における忘年会や慰安旅行、労働組合が主催する運動会への参加といったものへに反発がある。警察官を主人公とする作品が苦手なのも、どんなに魅力的な登場人物であっても警察官であるからには背後に「権力」が存在するため、なじめないからであると1981年執筆のエッセイ「シリーズ・キャラクターについて」で明かしている[10]。
2012年に橋下徹が、観客動員数が少ないことを理由に文楽事業への補助を打ち切った際には『朝日新聞』への投書で批判した[11][12]。2021年6月には東京2020オリンピックの開催強行を「経済は取り戻せても、人の命は取り戻せない。医療も報道も、それぞれ良識と良心をかけて、五輪開催に反対の声を上げるとき」と批判[13]。朝日新聞で連載していた芸術評論コラム『三毛猫ホームズと芸術三昧!』は連載中に起きた東日本大震災と福島第一原子力発電所事故を受け内容が時事評論に変貌した(書籍化された際には、『三毛猫ホームズのあの日まで・その日から ―日本が揺れた日―』とタイトルも改められた)。
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