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日本のバス会社 ウィキペディアから
株式会社中国バス(ちゅうごくバス、英訳名Chugoku Bus Co., Ltd.)は、広島県福山市に本社を置き、広島県東部を運行エリアとする乗合バス・貸切バス事業者。両備ホールディングスの子会社で、両備グループに属する。
両備グループ共通社章 | |
中国バスの夜行高速バス「ドリームスリーパー」 | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
略称 | 中バス |
本社所在地 |
日本 〒720-0824 広島県福山市多治米町六丁目12-31 |
設立 | 2006年10月16日 |
業種 | 陸運業 |
法人番号 | 1240001034773 |
事業内容 | 乗合バス事業、貸切バス事業 |
代表者 | 代表取締役社長 山田 英夫 |
資本金 | 5,000万円 |
純利益 |
4,309万9,000円 (2024年3月期)[1] |
総資産 |
16億5,142万円 (2024年3月期)[1] |
従業員数 | 299名(2021年4月1日現在) |
主要株主 | 両備ホールディングス 100% |
主要子会社 |
井笠バスカンパニー 100% 中国トラベル 中国交通 |
外部リンク | https://www.chugokubus.jp/ |
特記事項:中国バス株式会社(旧法人)は1970年2月設立。2006年12月22日に旧法人から営業譲渡を受け経営を承継。 |
純民間資本のバス専業事業者で、JR西日本グループのJRバス中国とは無関係(同社の車両の社名表記は「JRバス中国」となっている。2024年9月1日に社名もJRバス中国に変更予定)[2]。
中国バスは福山市・尾道市・三原市を中心に、広島県東部一帯の広範囲に路線を持ち、山間地の路線が多い。近年は、県内および県外(関西方面)への昼間高速バスを多数運行している。南北に伸びる鉄道路線が福塩線のみであることから、地域の生活の足として古くから幹線的な中長距離路線を運行している。
一方でモータリゼーションが進展し、過疎化や少子化によりローカル路線の乗客が減少したことや、ツアーバス参入などによる高速バスの過当競争などから、苦しい経営環境が続き、乗務員に無理な運行を強いるなどの行為がたびたび露見し、当局より指導を受けるなどしてきた。
その後も経営環境は好転せず、2006年には整理回収機構の協力のもとで「企業再生スキーム」を活用した私的整理・再生手続により、経営権を岡山県の両備バス(現:両備ホールディングス)に譲渡することを決定した。そして12月22日に両備バスが設立した新法人の「株式会社中国バス」が経営を引き継いだ。旧法人の「中国バス株式会社」は2007年3月8日に広島地方裁判所福山支部に破産手続を申し立て、同年3月12日に開始決定を受けた(負債総額は144億円)が、後述の通り2010年に破産廃止となり完全消滅している。経営状態の良かった中国商事(のちのサルボ両備)については、両備グループに直接吸収される形となっている。
2012年11月1日からは、バス事業を廃業する井笠鉄道からの譲渡を受け、同社が展開していた一部路線と高速バス3路線、貸切バス事業を引き継いだ。旧井笠鉄道路線については、社内カンパニーの井笠バスカンパニーを新設し、同カンパニーの担当となった。なお、井笠鉄道から引き継いだ一般路線の中国バスにおける運行は、道路運送法第21条1項による緊急措置扱いであるため2013年3月31日までの暫定措置となっており、2013年4月1日からの経営形態については年内に別途検討を行い、引き続き両備グループでの引き受けとなった場合は新会社を設立して運行することを、中国バスの親会社である両備ホールディングスは表明していた[3][4][5]。
2013年4月1日から、旧井笠鉄道の岡山県内完結路線と岡山県・広島県を越境する路線は、中国バスの100%出資による子会社として設立した株式会社井笠バスカンパニーに承継し、福山市内完結路線については、中国バス社内カンパニー「井笠バス福山カンパニー」による暫定運行を9月30日まで継続した後、同年10月1日からは、一部路線を中国バスの運行に一本化または廃止、デマンド型交通(乗合タクシー)に移行などとした上で、越境路線と同様に株式会社井笠バスカンパニーにより運行することとした。
現在の「株式会社中国バス」は、法人登記の上では2006年12月に両備バス(現・両備ホールディングス)の100%子会社として新たに設立された会社である。
その源流をたどれば、1931年3月に設立された新市自動車を前身とする。芦品郡新市町に設立された同社は、すでに1921年に設立されていた「ニコニコ自動車商会」を吸収合併したが、会社名は吸収されたニコニコ自動車商会とし、その後も近隣のバス会社を買収しつつ規模を拡大していった。本社所在地は、1941年に福神自動車との合併を機に福山市へ移したが、太平洋戦争のためかほどなく広島県府中市に移転している。
旧法人の「中国バス株式会社」(以下「旧中国バス」)設立の直接のきっかけは、1961年に名称変更したニコニコバスと、1964年8月に鉄道路線を廃止してバス専業になった尾道鉄道との合併である。1970年2月に設立された旧中国バスは福山市に本社を置き、以降は備後地域を営業地域とした乗合バス事業者として営業を続けていく。
合併後の主要株主は、近畿日本鉄道、広島日野自動車等の法人や、旧尾道鉄道・ニコニコバスの経営陣等の個人であった[6]。
1980年代後半から1990年代前半は、高速道路網の発達と国鉄分割民営化による国鉄の影響力低下により、全国的に都市間高速バス(特に長距離夜行高速バス)開業ブームとなった。中国バスにおいても、1990年に外部から濱岡康正が社長に就任してからは、高速バス路線を積極的に開設した。それまでも2大都市である 東京・大阪への高速バス路線(三原・尾道・福山 - 東京、三次 - 大阪)は運行していたが、高速バス「ローズライナー」の路線開設で中心的な役割を果たし成功を収めてからは、広島交通とともに備後地域と広島市を結ぶ高速路線バスの開設を続け、また備後地域と他地域を結ぶ高速バス路線開設も積極的に進めていった。
しかし、高速バス路線用に必要な大型バス購入資金の借入金利や減価償却費負担が膨らみ、会社全体では赤字基調となってしまった。自社不動産の時価評価への評価替えや減資を行って帳簿上は黒字とした時期もあったが、ついに資金繰りの行き詰まりにより、2006年6月から整理回収機構の「企業再生スキーム」を利用した私的再生手続を始めた。
事業行き詰まりに手を差し伸べたのが両備バスを中心とした両備グループであった。すでに子会社岡山電気軌道を通じた南海電気鉄道貴志川線の引き受けで実績を作り、そのほかにも岐阜市など地方の公共交通路線の引き受けに積極的だった両備グループは、本来の営業基盤である岡山県南部に近いことなどから引き受けに回った。
そして、新法人である「株式会社中国バス」(以下「当社」)を2006年10月16日に会社登記、同年12月1日に設立し、同年12月22日付で旧中国バスから一切の事業が譲渡された。同様に中国商事など旧中国バスの関連子会社も両備グループ傘下となった。旧中国バス時代は経営難から車両整備が行き届かず故障発生率が高く、高速バス「メイプルハーバー」の火災事故などにつながった。そのため当社事業開始直前には、両備バス(現・両備ホールディングス)から整備スタッフが派遣され、車両の総点検が行われると同時に、車両点検整備の基準も両備ホールディングス基準に改められた。
事業を譲渡した旧中国バスは、2007年3月に破産手続が開始された。2010年10月19日付で費用不足のため破産廃止となり、登記簿が閉鎖され法人格消滅[注釈 1]。同社は名実ともに79年の歴史に幕を閉じた。
なお、旧中国バスの子会社のうち、ニコニコ観光[7]、中国タクシー、三原交通[8] など一部企業は両備グループ入りせず独立系に移行した。
PASPYについては、2008年、福山市内線、府中線、木ノ山線、加茂線、平成大学線、北部ゾーンバス、市内ループ線から導入を開始し、その他の路線については2009年に導入された。定期券については完全にPASPYに一本化せず、利用者の希望に応じて紙製の補充定期券とPASPY定期券の両方を販売している(井笠バスカンパニーも同様)。
両備グループ入り後の2009年から、安全向上に向けた取り組み「日本一安全な運輸企業大作戦」を行っていたが、2013年11月26日には、国土交通省中国運輸局から乗務時間等遵守違反、点呼義務違反等の文書警告を受けた[9]。
各営業所・車庫の配置車両のナンバープレートは以下の通り。
括弧内は最寄バス停留所。
経路や共同運行事業者などの詳細については、各路線の記事、#外部リンクの中国バス公式サイトを参照。
専用車、専用塗装で運行している路線も、整備・点検・車両不具合などの際には一般車両で代走する場合がある。
各路線の詳細については、#外部リンクの中国バス公式サイトを参照。
2017年4月1日より福山地区・尾道地区・三原地区(エアポートリムジン(三原 - 広島空港線)を含む。福山市北部・府中市・神石高原町・尾道市御調町のゾーンバスを除く)で路線番号を導入している[17][18][19]。
中国バスは主に福山駅周辺の平野部(干拓地)や住宅地、およびJFEスチール西日本製鉄所(福山地区)への路線等を担当している。市街地を走る路線は循環系統が多く、これらは経路が複雑である。
なお、同じく福山市内を運行する鞆鉄道とは回数券の共通化、PASPY導入などの連携を図っている。
井笠バスカンパニー・鞆鉄道との共通区間において、定期券の共通利用が可能(共通する全区間で適用)。
長距離路線としては主に福山駅と県北の油木(現神石高原町)、東城(現庄原市)を結ぶもの(福東線)および福山駅から府中へ、また県道24号を通じ、木ノ山および国道486号を通じ尾道市の御調地区に達するものがある。木ノ山方面の路線は「福庄線」と称し上下および庄原まで達していたが、現在は路線が寸断されている。また、市北方の駅家(駅家団地・服部線)・芦田地区については、福山駅との直通運転を取り止め、途中停留所(中国中央病院ほか)で乗り換えるゾーンバス制度が導入された。この他、府中市周辺の山間部に路線を持つ。
井笠バスカンパニーとの共通区間において、定期券の共通利用が可能(共通する全区間で適用)。
前身の尾道鉄道時代より国道184号を通じ尾道市御調地区(市)、甲山(現世羅町)、三次市への路線を運行していた。かつては尾道 - 市 - 甲山 - 三次を直通運行、および甲山営業所での連絡を行っていたが、現在中国バスの路線としては尾道 - 甲山が残るのみ。
尾道市街地を南北に貫くバス路線は184号を通る桜土手経由、長江通りを経由する長江経由、市道の栗原本通りを経由する栗原経由があり、尾道の市内交通はおのみちバスが担当しているが、現在桜土手経由は中国バスの運行が多い。逆に栗原経由は廃止となっている。
近年まで、郊外バスである中国バスは、旧尾道市営バスエリアであった亀川以南のバス停の数が著しく制限されていた。尾道市営バスがバス停37を有する共通路線内で、中国バスが使用できるバス停は僅か16に過ぎなかった、ただし現在は両社同一となっている。
また県道158号を介し尾道市原田地区への路線を持ち、路線は府中に達している。
PASPY導入後、同社の回数券は廃止されて久しいが、おのみちバスとの競合全区間でおのみちバスの回数券が利用できる。
おのみちバスとの共通区間において、定期券の共通利用が可能(通学定期券を除く。共通する全区間(因島線を除く)で適用)。ただし、中国バス・鞆鉄道はPASPY、おのみちバスはICOCAと異なるため、従来通り紙式定期券での発行となる。また、通学定期券は中国バス・鞆鉄道とおのみちバスで割引率が異なるため共通利用不可。
鞆鉄道との共通区間において、定期券の共通利用が可能(共通する全区間で適用)。
三原駅より県道25号を経由し、久井町(現三原市)から甲山営業所に至る。また、市街地において三原市交通局と共同運行を行っていたが、現在は如水館関連の路線及び三原市交通局の民営移譲に伴い移管された八幡線(現在は全て垣内で乗換え、垣内 - 本庄佃橋間は八幡町民タクシー「さくら号」(八幡町内会が運営し、久井交通が受託運行する予約制乗合タクシー、月曜日・水曜日・金曜日のみ運行)に移行[23][24][25])を除き撤退した。三原駅南口のバスターミナルからは、空港リムジンバスを除き中国バスの姿は見られなくなった。如水館へは尾道、甲山、府中、御調、福山方面からもスクール便を運行している。
鞆鉄道との共通区間において、定期券の共通利用が可能(共通する全区間で適用)。
芸陽バスとの共通区間において、定期券の共通利用が可能(城町 - 三原駅前 - 垣内 - (この間途中乗降不可) - 坂井原 - 羽倉 - 黒郷和木 - 久井支所前間のみで適用)。
いすゞ製と日野製が中心で、一部に三菱ふそう製も在籍する。使用年数が長いため経年車が多く残っているのも特徴で、一般路線バスでは中古車も導入している[注釈 2]。
高速路線用にも短距離路線を中心に中古車が多く、最近では親会社の両備グループ各社からの移籍もある。三菱ふそう製の新車はこれまで導入してこなかったが、両備グループ入りにより、2007年は三菱ふそう製の新車が登場している[注釈 3]。また、中古車として1980年代中期以降在籍がなかった日産ディーゼル(当時、現「UDトラックス」)製も一般路線バス用に導入された。
三菱ふそう製の観光バスタイプの車両は、新しく導入された排ガス浄化システム(尿素SCRシステム)が使われていることから、尿素水を補充する体制を整えた上で導入された。また、一般路線バス用として日野・ポンチョが2007年10月23日から福山市内線を中心に導入された。
2010年には、高速バス用にヒュンダイ・ユニバースを導入。国産新車よりも価格面で優れ貸切・高速路線問わず多数が導入されたが、車両の不具合が頻発したことにより近年では高速路線については国産中古車[注釈 4] による代替が進行している。
両備ホールディングス傘下となった後、順次車両に両備グループのCIロゴ「RYOBI GROUP Ryobi」と新社章(両備ホールディングスと同じ)が入れられた。一般路線バス車両は両備バスのそれに準じた新塗色(青と白)への統一が順次進められているが、中古・古参車両と新車でデザインが若干異なる。高速バス車両はドリームスリーパー Superior Classを除き旧中国バスのデザインを踏襲しているが、2017年以降より新デザイン「ローズスター」を採用した車両が投入された[44]。貸切バス車両についても旧中国バス時代のものを踏襲したが、2017年以降導入車両より、一部で新デザイン「ビンゴスター」カラーも採用されている[45]。
両備グループ入りにより、親会社の両備ホールディングスの付番規則に準じた車両番号が付けられた。車両番号はメーカーを表すアルファベット1文字と、導入年・用途を表す4桁の数字が付番される。付番規則は以下の通り。車両の更新・改造を実施した場合は改番される。
例:F0709
F | 07 | 09 |
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メーカー | 年 | 用途・種別 |
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