『ブレイク ブレイド』は、吉永裕ノ介による日本の漫画、およびそれを原作にしたアニメ・小説などのメディアミックス作品。無料ウェブコミック誌『COMIC メテオ』(フレックスコミックス)にて連載されていた。全20巻。略称は「ブレブレ」など。累計部数は、2022年9月の時点で370万部を突破し[1]、18年間の連載を終え、2022年11月22日に完結した。
概要 ブレイク ブレイド, ジャンル ...
ブレイク ブレイド |
ジャンル |
ロボット、少年漫画 |
漫画 |
作者 |
吉永裕ノ介 |
出版社 |
フレックスコミックス |
掲載誌 |
月刊少年ブラッド FlexComixブラッド COMIC メテオ |
レーベル |
Flex Comix メテオCOMICS |
発表号 |
2006年10月号・11月号 (少年ブラッド) 2007年1月17日 - 2012年2月8日 (FCブラッド) 2012年7月25日 - 2022年11月22日 (メテオ) |
巻数 |
全20巻 |
話数 |
全104話 |
その他 |
第1巻から第10巻までは新装版あり |
小説:ブレイク ブレイド -蒼月ノ絆- |
著者 |
谷村大四郎 |
イラスト |
椿春雨 |
出版社 |
ソフトバンククリエイティブ |
掲載サイト |
GA Graphic |
連載期間 |
2010年4月16日 - 2011年4月28日 |
巻数 |
未刊行 |
話数 |
全12話 |
その他 |
メカニック設定:柳瀬敬之 テレビアニメ版Blu-ray BOXに付属 |
映画:劇場版 ブレイク ブレイド |
原作 |
吉永裕ノ介 |
総監督 |
アミノテツロ |
監督 |
羽原信義 |
脚本 |
十川誠志 |
キャラクターデザイン |
乘田拓茂 |
メカニックデザイン |
柳瀬敬之 |
音楽 |
平野義久 |
制作 |
Production I.G、XEBEC |
配給 |
クロックワークス |
封切日 |
第一章「覚醒ノ刻」:2010年5月29日 第二章「訣別ノ路」:2010年6月26日 第三章「凶刃ノ痕」:2010年9月25日 第四章「惨禍ノ地」:2010年10月30日 第五章「死線ノ涯」:2011年1月22日 第六章「慟哭ノ砦」:2011年3月26日 |
上映時間 |
第一章・第二章:50分 / 第三章:46分 第四章:48分 / 第五章:47分 第六章:52分 |
アニメ:ブレイクブレイド |
原作 |
吉永裕ノ介 |
総監督 |
アミノテツロ |
監督 |
羽原信義 |
シリーズ構成 |
十川誠志 |
脚本 |
十川誠志、谷村大四郎 |
キャラクターデザイン |
乘田拓茂 |
メカニックデザイン |
柳瀬敬之 |
音楽 |
平野義久 |
アニメーション制作 |
Production I.G、XEBEC |
製作 |
「ブレイク ブレイド」製作委員会 |
放送局 |
#放送局を参照 |
放送期間 |
2014年4月 - 6月 |
話数 |
全12話 |
その他 |
劇場アニメの再構成 + 新作シーン |
テンプレート - ノート |
プロジェクト |
漫画・アニメ |
ポータル |
漫画・アニメ |
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2010年から2011年にかけて全6部作の劇場アニメとしてアニメ化され、後に2014年4月から6月まで劇場アニメを再構成して新作シーンを追加したテレビアニメ版が放送された。
作品概要
異世界を舞台に繰り広げられる国家間の戦争を、壮大な人間ドラマを軸に描いた巨大ロボット漫画作品[2][3]。ただしビーム攻撃や空中飛行といった巨大ロボットを主題とした多くの作品に存在する要素は本作には見られず、戦闘は白兵戦主体で飛び道具はほぼプレスガンのみ、ロボットに燃料や火薬が使われていないため全損しても爆発しない、主人公搭乗機体が展開に応じて外装を交換する、などの他作品にはあまり見られない要素が盛り込まれている。また前述の通り戦争を描いているため登場人物が多く、戦死者も多数に上る。戦場でのPTSDや戦争犯罪、民族差別や障害者差別といった重い要素も扱う、非常にシリアスな作品になっている。
本作は作者にとって初のロボット漫画であり、この作品からペンネームをそれまで使っていた吉永裕介から吉永裕ノ介へと変更した。2009年7月8日(第31話更新日)にアニメ化が発表され、2010年5月29日より全6部作の劇場版アニメが順次公開。更にこの公開を記念してウェブサイト『GA Graphic』(ソフトバンククリエイティブ)では外伝オンライン小説『ブレイク ブレイド -蒼月ノ絆-』が連載された。また2013年には8月6日発売の文芸誌『ダ・ヴィンチ』(メディアファクトリー)にて2度目のアニメ化が企画中であることが発表され[4]、2014年2月2日に劇場版アニメを再構成して新作シーンを加えたテレビアニメの放送と新作OVAの制作が発表された[5]。テレビアニメは2014年4月から6月まで放映された。
物語が解決しないまま唐突に終了しており、その傾向を作者の同人誌「BREAK BLADE BOUND」にて語っている。その理由は自身の体調や売り上げ低下もあるが特に修復が効かない主役機のデルフィングを壊しすぎた事でアクションシーンが狭まった事が原因であると述べている。
タイトルについて
本作のタイトルは当初「ブレイク ブレイド」と中心に半角スペースが入るものが使用されており、劇場版アニメなどのメディアミックス作品のタイトルもそれを踏襲していた。しかし2013年4月頃から漫画配信ページのタイトル表記が「ブレイクブレイド」と半角スペースを入れないものに変更され[9][10]、単行本奥付においても2013年6月発売の第12巻よりこの表記に変更された。従って2014年以降に展開されるテレビアニメなどのメディアミックス作品のタイトル表記も半角スペースがない「ブレイクブレイド」に変更されている[11](ただしテレビアニメ版の製作委員会表記は劇場版で使用した表記を再利用しているためスペースが入ったまま変わっていない)。
なお当初(旧版単行本第1巻のタイトルロゴ等)は片仮名の下や横に『BREAK BLADE』と表記されていたが、第2巻以降は消滅している。またアニメ版タイトルには「壊れた刃」という意味の『BROKEN BLADE』が併記されているが、アニメ版公式サイトのURLは『breakblade』である。
1巻~10巻
地中から化石燃料が採れないクルゾン大陸。ここに住む人間はすべて、個人差はあるものの生まれつき石英に命令を与える能力である「魔力」を持っていた。人々は石英を利用して照明や熱源、機械の動力として活用。そして人型兵器魔動巨兵(ゴゥレム)を造り出した。
そんな世界で魔力を持たない希有な存在であるライガットは、ある日、士官学校時代の親友で現クリシュナ国王のホズルに召喚される。同じく士官学校時代の親友で現クリシュナ王妃のシギュンから知らされたのは、軍事大国・アテネス連邦の領土侵犯と、その前線部隊の隊長が3人共通の士官学校時代の親友で、アテネス軍総司令官の弟・ゼスであるという驚愕の事実だった。さらにアテネスは降伏条件としてホズルやシギュンら王族の処刑を要求していた。
動揺するライガットを、ホズルは石英採掘場に案内する。そこにあったのは、古代人が作ったロボット古代(アンダー)ゴゥレムだった。動力用石英が搭載されておらず、誰1人動かせなかった古代ゴゥレムだが、敵の襲撃に巻き込まれたライガットが偶然にも起動に成功。操縦することになる。成り行きで古代ゴゥレムの操縦者となったライガットは、ゼスとの話し合いに臨むが、降伏条件を知らされていなかったゼスとの交渉は決裂。ライガットは逃走中に敵機と遭遇戦になり、辛くも窮地を脱するが、自分の甘さが原因で味方兵と敵兵、2人の人間を死なせることになってしまう。
過酷な現実を目の当たりにしたライガットは一度は田舎に帰ろうとするが、ホズルが降伏条件を飲もうとしていることを聞き、軍に入隊。「デルフィング」と名付けられた古代ゴゥレムの専属操縦者となったライガットは、初出撃で敵兵のクレオを捕虜にしたものの、ゼスには逃げられてしまう。その後ライガットは新たに編成された第一独立戦隊の一員となるが、そこには危険人物として監禁されていたジルグも加わる。
その頃、クリシュナの国境ではアテネスの本隊との戦いが激化。さらに、戦争の天才として恐れられる敵将ボルキュスが動き出した。クリシュナの名将トゥルが戦死し、バルド将軍の隊もボルキュスの部隊に追い詰められてしまう。しかし、強化されたデルフィングを駆るライガットの活躍によってバルド隊は窮地を脱し、さらに撤退を始めたボルキュス隊をジルグが単機で迎え撃つ戦果を上げる。
その後、撤退中のボルキュスの部隊はライガットの村に向かっていた。弟のレガッツを救うため、ライガットは命令を無視して単身ボルキュス隊を追い、ボルキュスとの一騎討ちに持ち込むものの、敗北。鹵獲されてしまうものの、部隊長のナルヴィの機転で脱出に成功し、またジルグも別働隊を単機で殲滅させたが、突如ライガットに決闘を仕掛けてきた。戦いを終えた後、魔力を持たないライガットと、才能あるが故にすべてに退屈しているジルグとの間に、奇妙な友情が芽生えた。
その間、敵のスペルタ部隊に囲まれ、ジルグがまたも単機で殲滅する活躍をするが、乗機は大破しデルフィングも谷底へと落ちてしまう。彼らを捕らえたボルキュスはデルフィングの搭乗者の処刑を決めるが、ジルグはライガットを庇い処刑される。クリシュナの要請で捕虜交換と20日の停戦協定が結ばれ、ライガットは王都へと帰還するが、その胸にはボルキュスへの激しい復讐心が渦巻いていた。
停戦協定終了後、王都ビノンテン攻防戦の火蓋が切られた。圧倒的有利に戦局を進めるアテネス軍だが、クリシュナは城壁の中にデルフィングを隠し、勝利を確信したアテネスの大軍が近づいたところで奇襲をかけ人柱(サクリファイス)作戦で対抗する。文字通り己の命を懸けた裏切りを装うザンス執務次官と、ジルグの死の責任を取ろうとするライガットの猛攻により奇襲は成功、ボルキュスを孤立に追い込んだ。
ついにライガットとボルキュスによる命懸けの一騎打ちとなり、ライガットは激闘の末にヒュケリオンを大破させる。敗北したボルキュスを捕虜にしようとしたライガットだが、彼の口からジルグの死の真相を聞き激昂し、ボルキュスを殺害。その後、アテネス軍は総崩れとなり撤退、ビノンテン攻防戦はクリシュナ側が勝利したのだった。
11巻~20巻
戦いの後、一時的な平穏を満喫していたライガットやシギュン。しかしライガットは未だにジルグの死を悔やんでおり、ボルキュスを倒したことで「英雄」と呼ばれる自分の立場にも戸惑っていた。日に日に憔悴していく彼を見ていたシギュンは、その姿に心を痛め、ライガットと2人でクリシュナを出る決意をする。
一方、誰もが予想しない敗北を味わったアテネスは政情不安に見舞われていた。ボルキュスの戦死、侵攻軍も7割以上失うという惨憺たる結果により国家政策そのものを見直さなければならない状況に追い込まれていた。そんな中で書記長のロキスが病に倒れ、ゼスが東方討伐軍の筆頭将軍に任命されることになる。
道中、2人は自身を隣国アッサム王国の王女と名乗る少女プレデリカと出会う。彼女からアッサムで大陸全土を巻き込んだ内戦が勃発すると知らされ、ライガットはシギュンと別れプレデリカと共に王都へ帰還。プレデリカはクリシュナ軍の出兵を要請し、アッサムに駐留するアテネス軍を打倒して欲しいとホズルに頼む。その審議の最中、シギュンが拉致されたという一報を受ける。アテネスはプレデリカの身柄を引き渡すこと、クリシュナ軍の武装解除を要求し、行われない場合はシギュンを処刑することを通達。これを指示したのは将軍となったゼスであった。
ゼスに真意を問うべくライガットはアッサムへの潜入を決意。首都ティブガルに到着したライガットは、そこで暴漢に襲われていた町娘を救おうとする。暴漢は死亡するものの、町娘の正体はもう1人のアッサム王国の王女プレデリカであった。プレデリカが2人存在することに疑念を抱く中、ライガットは駐留軍の将軍アーレスに身柄を拘束されてしまう。プレデリカに解放された後、ライガットはアッサム国立士官学校へと向かい、一方でゼスも彼の待つ同じ場所に向かい、2人は再会する。
あの頃にはもう戻れないと決意を固めるゼス、「過ち」に縛られる彼を叱咤するライガット。戦いの果てに勝利したのはライガットだった。ライガットは涙を流し、止めを刺さずその場を立ち去ったが、対してゼスはシギュン処刑の日時を早めることを決める。
シギュン処刑が迫る中、シギュンを救ったのはかつて捕虜として彼女から厚遇を受けていたクレオと、その一家だった。追手から逃れる一行を、ライガットを隊長とした新生デルフィング部隊が救援に向かう。
同じ頃、2人存在するプレデリカのどちらが本物の王女なのかを判別するべく、彼女達の持つ髪飾りの合同鑑定がクリシュナ・アテネス両国立ち会いのもと行われる。その結果はクリシュナ側が本物、アテネス側が偽物というものだった。鑑定後、アテネス軍、クリシュナ軍、そして偽王女プレデリカを討つべくクーデター軍の三者で乱戦になってしまう。
乱戦の中行方不明となったナルヴィを助けるため、ライガット達は国境付近へと向かった。無事だったナルヴィからは、かつての戦友の戦死を聞かされる。新生デルフィング部隊はアテネス追撃に合流し、道中でアーレス率いる駐留軍と戦闘。部隊の部下が急襲したアーレスに敗れると、友や仲間をこれ以上失わせないと激昂したライガットはアーレスと激闘を繰り広げる。その末に勝利したライガットは尚も続く戦闘に心を痛める。
戦闘後、ライガットはアテネス側のプレデリカと対話する。当初は慕っていたアーレスを討った彼に銃を向けるプレデリカであったが、涙ながらにアッサムを救って欲しいと頼んだ。アーレスが戦死したことで台頭したクーデター派により、アッサムは凄まじく荒れ果てていた。またクリシュナ側のプレデリカはクーデター派の首魁ハウガンと共に、ゼスはアテネス軍を纏めるため、暗躍を続けていた。
ライガット達はアテネス側のプレデリカから多くのアッサム人達が政治犯として捕らえられているとの話を聞かされる。ハウガンやアッサムの星と呼ばれる仮面の男らの意向で処刑が始まろうとしていたのだ。クリシュナ側のプレデリカも処刑を止めようとはせず、これを懸念したクリシュナ軍は威圧を目的としてティブガルにイドー大隊を派遣する。だが、1日早く処刑が始まってしまい、ライガットは独断で攻撃開始を宣言する。
戦端を開いたライガットはアッサムの星と対峙し、ナルヴィやアテネス側のプレデリカも市内へと突入。ライガットは激闘の末にアッサムの星を撃破し、アテネス側のプレデリカの演説で民衆が味方に付き、アッサムの将兵も多くが離反。戦況は一気にクリシュナ軍が有利となる。城内ではハウガンの射殺体が発見され、アテネス側のプレデリカはクリシュナ側のプレデリカを追って上水路へと向かう。また、ライガットも機体を捨てて逃亡したアッサムの星を追って上水路へと来ていた。
アテネス側のプレデリカがナイル達に渡した遺書と、王の間の隠し部屋で発見された遺体、そして上水路でのやり取りにより、「本物」のプレデリカ王女は既に亡く、双子の姉妹とされたプレデリカは共に「影武者」であり、アッサム国王の外戚で姉妹の父親でもあるアッサムの星が指南役として、彼女達を本物の王女だと偽って育てたという真実が明かされる。
クリシュナ側のプレデリカはアッサムの星に撃たれて落命し、ライガットも彼の銃撃で重傷を負う。アテネス側のプレデリカはライガットに止めを刺そうとしたアッサムの星を射殺、ここにアッサム動乱は終結する。その後、アテネス側のプレデリカはアッサム女王に即位するも、クリシュナとはアッサムに残されたライガットの返還に関して揉めることとなった。
1ヶ月後、プレデリカは表向きにライガットの死亡を発表。遺体の返還も拒否し、大々的に国葬を執り行う。しかし、後にミゾラム要塞をアテネス軍が襲撃した際、謎の部隊が出現したこと、大峡谷の底でアテネスとクリシュナの大破したゴゥレムが発見されたことで、ライガットの生存説が有力となった。そしてシギュンの元をライガットが訪れ、フォルセやボタンと共に旅に出発する場面で物語は終わる。
作品の人名や用語は、ギリシア神話・北欧神話から取られていることが多い。
主要人物
- ライガット・アロー
- 声 - 保志総一朗[12]
- 本作の主人公。身長177cm。25歳。
- 弟のレガッツ共々、100万人に1人の確率で生まれると言われる魔力を持たない魔力無者(アン・ソーサラー)。魔力を持っていることが普通のこの世界では、機械や生活用品の一切を使えない彼らは「能無し」と差別されて生きてきたが、誰にも起動させられなかったアンダー(古代)ゴゥレム「デルフィング」を動かせたことで人生が一変する。
- 思考は良くも悪くも軍人気質ではない。情に厚い熱血漢ではあるが、内面は「能無し」として魔力以外の面も含めて突出した知識・技術をもたないことから自己評価は低く他人を優先させてしまう。そのため、戦後は自身が「英雄」となったことを受け入れられず、精神的に不安定となっている。また、自身は「能無し」であるため、自分の子供も「能無し」として生まれてくることを予期していて、一生結婚はできないと考えていた。後にホズルの言葉と拳を受け、シギュンの自分に対する思いに気付く。
- 後天的な魔力の顕現を最後まで諦めきれなかった父親(故人)の尽力により、隣国アッサムの国立士官学校に在学していたものの、金銭的事情により中退を余儀なくされた。そこで出会ったホズル、シギュン、ゼスら4人で「問題児4人衆」を形成しており、軍事大国総司令官の弟(ゼス)と一国の皇太子(ホズル)の喧嘩を止められた唯一の人物だった。なし崩し的に巻き込まれた戦争と、目の前で起こった敵味方の死に激しく動揺するが、長い逡巡の末、クリシュナ軍に入隊。バルド将軍旗下の二等重騎士(後に一等重騎士、准尉重騎士に昇進)として古代ゴゥレム・デルフィングの副責任者兼専属搭乗士となり、特別遊撃隊「第一独立戦隊(新生ミレニル部隊)」に編入される。
- 当初は戦闘慣れしていない一面こそあったものの、デルフィングの常識外の跳躍と機動力を活かし、武器を足場に利用した方向転換や、宙返りしながら斬撃を放つなどの非凡な操作技術を見せるようになり、単独で味方の窮地を救うなどの華々しい戦果を挙げていくが、故郷の村にボルキュスが進軍したことに端を発した戦いで敗北と仲間の死を経験。ジルグを殺したボルキュスへの復讐を強く心に誓った。
- 王都ビノンテン攻防戦では、多数の敵ゴゥレムを撃破してボルキュスと対峙。激しい死闘の末、ついにボルキュスを取り押さえ殺そうとするが、バルド将軍の命令により一度は矛を収める。しかし、ボルキュスの口からジルグ処刑の際の真相を知らされ、激昂してボルキュスを惨殺。アテネス軍は総崩れとなって撤退し、文字通りクリシュナを救った「英雄」となった。
- 戦後はジルグの死を悔やみ続けており、ナルヴィからは「限界が近い」と危惧される。彼を心配したシギュンの根回しもあって退役とデルフィングの解体が決まり、同じく職を辞した彼女と2人で旅に出た。道中、アッサム王女プレデリカと出会い、シギュンと別れて彼女を連れクリシュナに帰還した。
- それからはシギュン奪還のためゼスと対話すべくアッサム首都ティブガルへと潜入するが、そこでもうひとりのプレデリカと遭遇。クリシュナ側のプレデリカに疑念を抱き、アテネス側のプレデリカには「グラム・アランド」という偽名を名乗ってその場を過ごした。そしてシギュンの処刑を止めさせようとゼスと対話するが拒否され、戦闘では彼を圧倒。それでも彼の決意が揺るがないことを悟り、止めを刺せずにその場を去った。ミゾラム要塞帰還後に、新生デルフィング部隊隊長に任命され、クレオ達の助力もあってシギュン奪還に成功する。
- 風波回廊戦では、アーレスによって重傷を負ったフォルセにこれまでの戦友達の死を想起する。仲間を殺させまいと激昂し、アーレスと壮絶な戦いを繰り広げる。窮地に陥るものの、デルフィングの自律稼動や奇策の末に勝利。アーレスの最期の言葉と自身の思いとは裏腹に、尚も続く戦闘に心を痛めた。プレデリカからは「生粋の殺戮兵器」と呼ばれたがそれを正面から受け止め、銃を構えられながら助けたことに後悔は無いことを伝えた。その言葉で銃を下ろしたプレデリカから、アッサムを救って欲しいと頼まれる。
- ティブガル市内で市民の処刑が始まった際は激しく動揺し、命令違反を犯して市内へと突入。指揮を執るアッサムの星と対峙し、激闘の末に彼を撃破する。脱出したアッサムの星を単独で追うものの銃で撃たれて重傷を負い、駆けつけた仲間達に救助された。
- 動乱後、表向きにはプレデリカによりライガットは死亡したとの公表がされ、盛大な葬儀も行われたが、実際には生存しており、アテネス軍によりミゾラム要塞強襲の際には救援に駆けつけたことが示唆されている。その後、シギュンの元を訪れ、彼女やフォルセ、ボタンと共に旅立った(作中のエピローグはライガットの視点からの描写などで彼自身は直接描かれてなく、セリフもない)。
- 作者の同人誌「BREAK BLADE BOUND」にてエピローグの大峡谷戦をイラストで断片的に描かれおり、その内容はぜスのエルテーミス・エレティコスと相打ちとなり、デルフィングの頭部が切断されコックピットが露出しライガット自身顔を重症負い、そしてぜスは谷底に落ちる最中助けようと機体を掴み両者とも落ちてしまう。その後ぜスに救出され、原作では描かれなかったラストのシギュンに左顔が痛々しい傷跡を残すも微笑むライガットの姿があった。
- シギュン・エルステル
- 声 - 斎藤千和[12]
- 本作のヒロイン。クリシュナ王妃にして天才魔動技術士。身長157cm。25歳[注 3]。平民出身。
- 王宮の研究機関を取り仕切っており、ファブニルの総合改修や新発明など様々な成果を挙げている。長い金髪と白い肌の美貌の持ち主でスタイルも良いが、近眼で「筋力、運動神経ともに皆無」。出自の件もあり、国民からの人気は高いが、王妃としての自覚と愛想が足りないと噂されている。ライガット曰く「マッドサイエンティスト」または「不感症(どんかん)女」。
- 士官学校時代は魔動工学女子部に所属しており、既にこの頃から三日三晩飲まず食わずで研究室に篭るといった不健康な生活を送っていた。学生の頃からライガットへ好意を寄せており、結婚指輪をしていない(これは夫のホズルもである)などライガットに対し思いを残しているような描写が多く見られる。ジルグ曰く、ライガットに対する視線が城内の噂になっている様子。王都ビノンテン攻防戦における作戦案には、その中心人物であるライガットの危険が高いとして強く反対していた。
- デルフィングの解析を進める中で、魔力を持つ現代人は古代人に末裔として認知されていないのかもしれないという疑念を抱くが、刻一刻と悪化する戦況はそれ以上の調査を許さず、現在はデルフィングの専用装備開発や新型機開発の方に注力している。なお、アテネスから提示された降伏条件を、ホズルから離縁状を渡される二日前に知っていた。
- 戦後、精神が不安定となっていたライガットの姿に心を痛め、後に全ての軍事開発顧問の職を辞し、ライガットと共に旅に出る(ナルヴィからは駆け落ちと言われていた)。道中アッサム王女プレデリカと出会ったことでライガットと別れるが、村に一人でいた所をアテネス軍に急襲され、囚われの身となってしまう。ゼスの主導で銃殺刑が確定するが、ステンナの手に堕ちる前にクレオたちサーブラフ家の手で助け出される。
- その後はエレアとともにクレオのラドゥンに同行し、アテネスから逃亡。道中エレクト、ステンナの追撃に遭うがライガットにより救出される。ライガットとミゾラム要塞に戻った後はライガットとの関係はかなり親密になっており、後にライガットからプロポーズを受け、これを快く承諾している。
- アッサム動乱後、しばらくして自身の元を訪れたライガットを抱きしめ、フォルセやボタンと共に旅立った。
- 名前の由来は、北欧神話のロキの妻・シギュン。
- ホズル(クリシュナ9世)
- 声 - 中村悠一[12]
- クリシュナ国王。身長191cm。26歳。フルネームはホズル・ベクト・ギロ・メゴ・キ・テイラ・ペタール・エグザ・ゼーヨダ。
- 王族であることを感じさせない気さくな性格で、臣下や国民からの人望も厚いが、自分の運命を諦めている後ろ向きな所もある。学生時代、王位を継ぎたくないために落第しようとしていた。しかし即位後は政務に励み、貴族特権の撤廃や才能ある者は平民出身でも高官に登用するといった国政改革を断行。これに反発する貴族連合の反乱を平定して国内を纏め上げ、数年で内政を立て直した。またアテネスと戦争状態に入った際には直ぐに国境を封鎖し戦慣れしていないクリシュナ軍の崩壊を防ぐなど、為政に長けた人物。
- オーランドのガイン将軍に嫁いだ妹がいる。また、グラムというアッサムに生息する黒みみずくを飼っている。グラムは雛の時に士官学校時代のライガットとホズルに保護され、それが切っ掛けで場に居合わせたゼスも含めた三人の親交が始まった。
- 同盟国オーランドに嵌められ、合同軍事演習を隠れ蓑にした隣国アッサムへの派兵を許してしまったことを、アテネス連邦からクリシュナ侵略のための大義名分に利用され宣戦布告される。勝ち目の無い戦を避けるためすぐに和睦を申し込んだが、クリシュナ征服を企むロキス書記長は条件としてシギュンを含む王族全員の処刑を提示。一旦は条件を呑んで降伏しようと考え、ライガットを王都に呼んだのは、最期に親友の顔を見たかったためでもあり、またシギュンを連れて王都から逃げてもらうためだった。
- しかしライガットやバルドの諫言を受けて抗戦を決意。外交交渉でオーランドからの軍事支援を取り付けた。ライガットの活躍でボルキュスが討たれ、アテネス軍が撤退した後は、寝る間も惜しんで政務処理に取り組んでいた。
- 王妃であるシギュンが自分ではなく、ライガットを見ていることには気付いているため、結婚指輪をしていない。結婚した後も彼女の中にはライガットの存在が大きいということも知っている。彼女に離縁状を出して以降は、自身の食事を作る料理長(セルマ)に今後の不安などを吐露するようになり、それを受け止めた彼女と関係を持つようになった。
- プレデリカの要請を受け、前線部隊を首都ティブガルまで進軍させるものの、同盟国とはいえど内政干渉を避けるべく威圧と外交圧力によって処刑を阻止しようと試みた。処刑は結果的に行われてしまい、ライガットの突入に端を発するティブガル攻防戦の戦後は彼の返還に尽力した。
- 名前の由来は、北欧神話の盲目の神・ヘズの別読み。
- ゼス
- 声 - 神谷浩史[12]
- アーレス将軍旗下のワルキウレス部隊隊長。身長182cm。25歳。
- ロキス書記長の弟だが、兄弟仲は良くない。既婚で、幼馴染である26歳の妻エキディナ(名前の由来はギリシア神話のエキドナ)との間に、物語当初の時点で2歳の娘マイラ(名前の由来はギリシア神話に登場するアトラスの娘マイラ)がいる。
- 堅物で外面は冷淡だが、その内面は仲間想いの熱血漢。その血筋故に、昔は自分を色眼鏡で見る周囲を避けて孤独を好んでいたが、士官学校でライガット達と出会ったことを切っ掛けに変わっていった。士官学校には兄ロキスの命でホズル暗殺の為に入学したが、彼らと親しくなる内に止めることを決意し、嘆願書を書いたこともある。
- 軍では天才魔動戦士として知られ、扱いの難しいエルテーミスを自在に駆って高度な三次元戦闘をこなし、数多くの戦果を挙げた。クレオの才能を見抜き自身の小隊に抜擢したが、まだ若年の彼女にマイラを重ねてしまう自身の甘さを認めつつ、彼女を気遣っている。
- アテネス軍人として、親友ホズルが治める国を攻める自分の姿に悩みながらも、出来うる限り犠牲を抑えて戦争を終わらせようと、麾下の小隊で王都ビノンテン奇襲という独断作戦を実行する。だがデルフィングの存在で作戦は失敗、2人の部下を失ったばかりか、自身もライガットによって機体を撃破され、足に重傷を負った。クレオの奮闘とエレクトの適切な処置で生還できたものの身体の傷よりも心に負った傷の方が深刻で、一時は殆ど会話もせず物思いに耽るばかりとなっていた。後にヘケラ将軍がクリシュナ軍に捕らわれたため、後任のアーレス将軍と共に国境へ再出撃。王都攻防戦に敗れて敗走してきた帰還兵の退路の確保のため部隊を率いて前進した。
- 過去に犯した「過ち」がロキスとの不和と負い目の原因で、それが巡り巡って戦争の敗戦にも繋がっていると考えている。その「過ち」の一端は、自分の母が家督争いに勝つために、何も知らない当時のゼスの手でロキスに毒を盛らせたというもの。ロキスは一命をとりとめたものの、左腕の神経を失う後遺症を負ってしまう。ゼスは未だにこの責任を深く感じ、実母を「妾腹の分際」と罵るようになった。
- 後に病に倒れた兄から、東方討伐軍の筆頭将軍に任命され、新型ゴゥレムのレクシアスを受領。捕縛したシギュンの処刑を推し進め、彼女を救おうとするライガットに対し決別と処刑を改めて宣言する。ライガットと激闘を繰り広げるも、驚異的な戦闘力を見せるライガットの前に敗北。自分を殺す様に言うが、それが出来ない彼に見逃された。レクシアスが破壊されたため、ドクター・ヘパイスへ近接戦主体のエルテーミス復刻版の製造を依頼し、新たにエルテーミス・エレティコスに搭乗している。そして軍を編成し直すべくイオを復隊させるよう促し、ステンナと手を組むなど暗躍を続ける。アーレスが戦死したことを聞くと、ライガットへの怒りをさらに募らせた。
- ミゾラム要塞強襲後、大峡谷の底にエルテーミス・エレティコスがデルフィングと共に大破した状態で発見されていることから、ライガットとの戦闘があったことが示唆されている。
- 作者の同人誌「BREAK BLADE BOUND」にてエピローグの大峡谷戦をイラストで断片的に描かれおり、ライガットと相打ちとなり、デルフィングの頭部を破壊するも自身の機体は右脚部とコックピットを破壊され谷底へ落ちようするなか、ライガットが助けようと機体を掴みお互い落ちてしまう、その後ライガットを救出し大峡谷を後にした。
クリシュナ王国
二大将軍
- バルド・ジ・アラン・アルヴァトロス
- 声 - 菅原正志
- クリシュナ王国の双璧と謳われる二大将軍の一人。常にサングラスを掛けている。56歳。
- クリシュナの名将として知られ、魔動戦士としての実力も高い。参謀長とは親友の間柄。判断能力や状況把握に優れ事態への対処も的確だが、根が愚直なために損な役回りを担うことも多い。一人息子のジルグとは不仲。ライガットに特に目を掛けており、彼を今やクリシュナにとって必要不可欠な存在だと考えている。個人的にもライガットへの信頼は篤く、ジルグに関するプライベートな話を打ち明け、彼に不穏な動きがあれば殺害してくれと頼んだこともある(ライガットはこれを断り、逆に説得した)。
- アテネスからの降伏条件を知らされている王族以外の数少ない人物の一人で、ホズルを守るため徹底抗戦を主張した。王都ビノンテン攻防戦にて、ライガットがボルキュスを取り押さえた際には、国益のために殺さず生け捕るよう命じた。
- 名前の由来は、北欧神話のヘズの兄・バルドル。
- トゥル・バー・コールウェイ・リムレック
- 声 - 緒方賢一
- クリシュナ王国の双璧と謳われる二大将軍の一人。54歳。
- ドラウプニル(黄金指輪)重騎士団を指揮する。背が低く、小太り。高位魔動戦士でも5束が限界とされる石英靭帯を6束制御できるほどの魔力量を持つ。慎重なバルド将軍とは対照的に猪突猛進な熱血漢で、無謀な行動を取っては度々部下達(主にナルヴィ)に窘められていた。子宝には恵まれず実子はいない。私財のほとんどを妻が運営する孤児院の設立や運営に使っており、自身も休日には孤児院の子供たちと一緒に遊ぶなど慕われており、国民からの人気も高い。旗下の騎士団員にも同孤児院の出身者が多く、団の士気は高い。
- 大隊を率いてバルドとは別ルートで西部国境線へと向かう途中、討伐軍から先行していたイオ率いる部隊による奇襲を受けて隊はほぼ壊滅。ニケのギラトスに機体を両断されて戦死(圧死)した。その亡骸はどういうわけか敵が持ち去っている。
- 名前の由来は、北欧神話の雷神・トール。
ミレニル部隊
- ナルヴィ・ストライズ
- 声 - 井上麻里奈[12]
- ドラウプニル重騎士団の特別戦術顧問。上等重騎士。平民出身。身長166cm。24歳。
- 褐色の肌に長い黒髪。熱血で男勝りな性格をしており口が少々悪い。王国中央兵軍養成学校に在学中、上級戦術仕官模擬試験をトップで通過した経歴を持つ(なお当時平民は本試験を受けられなかった)。軍に入ってからは、反乱鎮圧、盗賊討伐、御前試合優勝1回などの戦功を持ち、優秀な魔動戦士として知られている。但し、良くも悪くも発想が軍事的・兵隊的な面があり、一般人目線で戦いを拒む入隊前のライガットを批判していた。
- 兄のナイルと揃ってトゥルの妻が運営する孤児院の出身者。子宝に恵まれなかったトゥル夫妻とは実の親子同然の絆で結ばれている。今でも休みの日には孤児院に帰り、子供達の面倒を見ている。
- ビノンテン防衛戦後、新たに編成されたデルフィングを中核とするミレニル部隊の隊長に任命される。ミレニル部隊の解隊後は、サクラ大隊長の下で中隊長に就任。王都での篭城戦に際し、シギュンが開発した新型ゴゥレムであるフレイアを受領した。クリシュナが逆転勝利を掴んだ「人柱作戦」の立案者であり、戦後も階級の分を超えて重用されている。王都ビノンテン攻防戦でボルキュスが討たれ、アテネス軍が撤退した後の祝勝会には、珍しくドレスを着て参加した。ライガットが軍を辞めた際は「仲間の死から逃げただけ」と、彼を軽蔑していた。後の戦闘で自身を庇い致命傷を負ったロギンの今際の際には、涙を流しながら彼を看取った。
- 合同鑑定の衝突後はヘケラによって危機に陥るもイドー隊に救出される。アッサム動乱の際はライガット隊の副隊長だからと、命令違反を犯し突入したライガットに続き、ナイルやフォルセらを率いてティブガル市内に入り、敵軍を相手取った。
- 名前の由来は、北欧神話のロキとシギュンの息子・ナルヴィ。
- ナイル・ストライズ
- 声 - 白石稔
- ドラウプニル重騎士団隊員。一等重騎士。平民出身。25歳。
- ナルヴィの兄だが妹より階級は下。妹と同じくトゥル夫妻を実の両親のように慕っている。槍術の名手で、戦闘は得意だが勉強は苦手。普段は軟派だが、戦いになれば冷静かつ慎重になる。ビノンテン防衛戦後、ドラウプニル重騎士団からミレニル部隊に編入された。ナルヴィより心が強く、トゥル戦死の報を知らされた時もそれほど取り乱さず、妹が知れば平静では居られなくなるから、とこのことを伝えない様に手配した。
- 王女プレデリカの髪飾りの合同鑑定後の戦闘でアテネス軍に退路を絶たれ、ナルヴィ達とはぐれたことで行方不明となっていた。やむなく機体を捨てティブガルへと潜入し、その惨憺たる現状を知るとプレデリカと共にライガットの前に姿を現した。ティブガルの人々にはその正体こそ知られていないが、名前は知られている模様。その後、ライガットの命令違反と共にナルヴィらとティブガル市内に突入、乗機破損により負傷するも、クレオに救われる。王城に入った後は、プレデリカから自分とマースに遺書と王の間の設計図を渡され、王女の真実を目にすることとなる。動乱後はアッサムへ残ることを決め、クリシュナへの帰還問題は補償金によって解決された。
- ロギン・ジー・ガルフ・エンサンス
- 声 - 河相智哉
- クリシュナ軍魔動戦士。上等重騎士。名門エンサンス家の出身。28歳。
- ドラウプニル重騎士団からミレニル部隊に編入された。ホズルの即位後に起こった貴族連合の反乱において、貴族出身者でありながらバルド・トゥル両将軍と共に平民側に付いたという経歴がある。ロングプレスガンを扱う狙撃兵(ロングガンナー)で、射撃の腕前はかなりの物。ナルヴィのことが好きだが、表には出していない。
- ストライズ兄妹に比して知的派。一見、感情起伏に乏しく見えるが、ストライズ兄妹同様に孤児院訪問に行く優しい面もある。強面であることを孤児院の子供たちに指摘されるまで気づいてなかった。ライガットに「君付けで呼ぶのはやめてくれ」と言われたのを気にしていたり、余り貴族らしい振る舞いがないなど、立場的には珍しい人物。
- 王女プレデリカの髪飾りの合同鑑定における乱戦で、アテネス軍からの流れ弾からナルヴィをかばった際に致命傷を負い、彼女に看取られながら息を引き取った。
- ジルグ・ジ・レド・レ・アルヴァトロス
- 声 - 鳥海浩輔
- 元クリシュナ軍魔動戦士。投獄中から条件付き戦線復帰のため、階級無し。19歳。
- 眼鏡を掛けた赤毛長髪の男で、バルド将軍の一人息子。驚異的な実力を持つ天才魔動戦士で、王国中央特別兵軍養成学校に在学中、数々の伝説的記録を残している。本来のスタイルはロングガンナーであるにも拘わらず、あらゆる武器を使いこなし、足技を交えた格闘戦で敵を翻弄する。
- その天才的な技術と、バルドの息子ということもあって将来を期待されていたが、1年前の行軍訓練中に理由もなく仲間を殺害(実際はグンナルを庇ったもの)。罪を問われ長らく投獄されていたが、修復されたエルテーミスを乗りこなせる可能性を持つ者が殆どいなかったため、釈放と引き換えに搭乗士となることを請け負い、ミレニル部隊へと編入された。
- 普段から何を考えているのか分からない人物で、慣らし訓練と称して戦闘装備でデルフィングに襲い掛かったり、アラカン荒野戦では怖気付いたと偽って戦列を離れたと思いきや、後退中の敵軍に単機で強襲を掛け、凄まじい戦果を挙げてみせたりもした。一方で、兵軍学校時代は友人エルゼンを自殺に追いやったグループのリーダーを再起不能に陥れている。
- ベクトリア峠での撤退戦で、動けないナルヴィを人質にしてライガットに一騎討ちを承諾させた。この戦いでようやくライガットと分かり合ったが、バデス率いるスペルタ部隊の襲撃を受け、エルテーミスを大破させつつも勝利する。しかし、その直後に現れたボルキュスに捕らえられ、仲間の命を救うために自ら名乗り出ようとしたライガットを庇い、自分がデルフィングの搭乗士だと偽ってボルキュスに処刑された。その際、ライガットへの遺言をロギンに伝えている。
- 劇場版アニメでは、ライガットを挑発しそのまま一騎討ちに発展、その後、消耗したところに敵部隊の襲撃を受け、機体を損傷しながらもニケをなんなく撃破、殺害する。敵弾の集中攻撃を防ぐため自らは盾となり、動けないデルフィングを谷底に落とした。破壊される直前に何かをライガットへと伝える。
- 名前の由来は、北欧神話のシグルズと同一視されるニーベルンゲンの歌に登場するジークフリートの略称ジーク。
新生デルフィング部隊
- フォルセ・グリトネイル
- ライガット率いる新生デルフィング部隊の隊員。一等重騎士。戦闘技術が高く、挑発的な性格。その長髪や戦闘中の仕草はジルグを想起させる。ライガットに対して、部下となった3人の内の誰かが身分を偽って軍に入隊していると忠告する。
- その正体は、クロザワが幼少期より育て上げた秘密工作員で、かつ彼の養子(姓は別)。ゴゥレム乗りの素質を見出され、ジルグが将軍になった際の影武者となるべく、戸籍や学籍記録を改ざんされて重騎士となった。新生デルフィング部隊には内通者の排除のために入隊した。この任務とは別に、ジルグの忘れ形見であるライガットを命を賭してでも守ることを固く誓っている。ライガットの事を能無し、人たらしと呼ぶものの、彼の命令は素直に聞いている。
- 風波回廊での戦闘の際、アーレスに遭遇したボタンを助けようと動き、致命傷を被る。ライガットが勝利するとすぐに彼を守るべく奮戦した。意識を失っていたものの、戦闘後に目を覚ました。
- ティブガル攻防戦ではクレオと共にギルヴァエスを撃破。戦後、ライガット、シギュン、ボタンと共に旅立つ。
- グンナル・フォード
- ライガット率いる新生デルフィング部隊の隊員。ミゾラム要塞に配属されていた上等重騎士。赤い髪が特徴的で、実直な性格。遠近問わず高いレベルの戦闘技術を持つ。乗機はロングプレスガンを携行する。ライガットを侮辱したフォルセに激怒した。
- その正体は、バルド家の遠い縁者で、本名は「ヘルモンズ・レイ・アルヴァトロス」。父の汚職で国を追放され、母は体を壊し病死。罪を追及したバルドを逆恨みし、オーランドへと引き取られてスパイとなった過去を持つ。後に同じスパイのルルアとクリシュナの兵軍学校に潜入、軍事内情の報告とジルグの暗殺を請け負う。しかし、ジルグと交流を深めるうちに内心が変化していき、行軍訓練でジルグの命を狙ったルルアを殺害。ジルグはその罪を背負い、犯罪者として投獄されてしまったという経緯を持つ。ライガットに対しては、後に素性を偽っていたことを手紙で謝罪している。
- ボタン
- ライガット率いる新生デルフィング部隊の隊員。二等重騎士。眼鏡の女性。うたれ弱い性格で、突発的な事態への対処は苦手。兵軍学校での成績上位者で、地質や地形に詳しい。
- 合同鑑定後の追撃戦では、周囲の峡谷を活かした戦術を考案し、その戦果に貢献。ティブガル攻防戦においては、ライガットが上水路に居る可能性をナルヴィに進言した。ティブガル攻防戦後、ライガット、シギュン、フォルセと共に旅立つ。
その他の軍人
- サクラ
- 声 - 葛城七穂
- 王都ビノンテンを防衛する近衛大隊長。
- 長身の女性魔動戦士で、接近戦の達人。年齢は不明だが、熟年風の顔つき。戦闘スタイルが自分と似ているライガットの指南役となり、短期間でイーストシミターを扱える様にするための剣術の特訓を施した。
- 劇場版アニメでは、王都に攻め入ってきたボルキュスを倒すべく、乗機をボロボロにされながらも奮戦する。
- エルザ
- 声 - 柳沢真由美
- バルド将軍旗下の女性魔動戦士。中隊長を務める顔に傷のある麗人。
- アラカン荒野の戦いで、自身を囮に罠を張るボルキュスを逆に倒さんと、あえて誘いに乗って突撃。後一歩にまで迫ったが、手駒の層が薄かったため守護する5台に20人の部下は全滅させられ、自身もボルキュスに倒され戦死した。その亡骸はボルキュスの命令でゴゥレムごと晒し者にされ、バルドの部隊を動揺させる材料にされた。
- 名前の由来は、北欧神話に登場する女王イルザ。
- サガレス
- ミゾラム要塞を預かる西部国境守備軍の司令官。大佐。
- 禿頭と眠そうな目が特徴の男。一見、やる気がなさそうに見えるが、外見に反して優秀で戦況判断と作戦立案に長ける。数に頼るだけのヘケラ将軍を翻弄して要塞を守り、反撃の機会を窺っていた。拡声器で進軍音を偽装して戦力を誤認させ、要塞を空にして夜襲をかけるという大胆な策でアテネス側の要塞を落とし、ヘケラを捕えた。
- 反面、戦後を睨み(ボルキュス将軍がミゾラム要塞を無視して直接領内に侵攻したため国境守備の意味が無くなってしまったが、今も攻められている要塞を放置してボルキュスを迎え撃つ訳にもいかないため)、国境守備軍の存在意義を問われる事態を回避するために、2組の小隊を決死隊(要は捨て石)として選抜。これにボルキュスを攻撃させる事で、素通りさせなかった事実を作るという冷酷な決定を下す。
- シギュン救出作戦以降のライガットの実質的な上司で、隊長を命じたのも彼。アーレスの戦闘力を脅威と見ており、ライガットに彼と遭遇した場合は戦闘を避けろと忠告している。またプレデリカの髪飾りの合同鑑定の裏に、クリシュナを滅亡させるほどの何かがあるのではないかと疑念を抱いている。アッサム動乱のその後、アテネス軍による要塞強襲を受け、その際に戦死したという。
- クロザワ
- 声 - 喜山茂雄
- クリシュナ軍の密偵。偵察隊の総指揮を執っている。ペグー山付近の村で捕まったライガットの救出をナルヴィ達と共に援護した。その撤退中に敵ゴゥレムに車両ごと吹き飛ばされるが、死に真似をしてやり過ごし骨折だけで命に別状は無かった。後にライガットに敵領内への潜入を命じるが、その裏には崖に落下したデルフィングを回収する目的も含まれていた。王都ビノンテン攻防戦の直後、撃たれていたザンス執務次官の最期を看取った。
- ホズルにも明かしていない裏の仕事として、子供を使った暗殺部隊を指揮している。
- イドー
- 西部国境守備軍の兵士。階級は太尉(後に少佐)。へケラ捕縛作戦に参加しており、サガレスと共に行動する。
- 合同鑑定後の追撃戦では、アテネス軍の後詰め部隊を攻撃するべく大隊を率いて出撃。アッサム首都ティブガル侵攻時にも指揮官として大隊を率いた。ライガットの命令違反に対しては部下を諫め、待機命令を遵守させた。アッサム動乱のその後、ミゾラム要塞をアテネス軍が強襲した際に戦死したという。
政治家
- ザンス
- クリシュナの執務次官。36歳。貴族出身であり選民思想が強く、目下の者をぞんざいに扱うことも多かったが、こう見えて忠臣でもあった。過去の貴族反乱の際には貴族側につこうともしたが、ホズルはそれを知りながらも彼の能力を買って重用していた。そのため、後に過去の自分を恥じてホズルに忠誠を誓っている。ライガットがデルフィングの専属重騎士になる際は儀式の進行を務めていた。
- 王都ビノンテン攻防戦にて、ザンスに届いた裏切りを唆す密書を利用してナルヴィが立案した人柱作戦を、実行者の危険度が高すぎるとして反対する王にライガットと共に反論。作戦による死を覚悟しつつも、自ら最も危険な役割である奸臣役へと志願した。作戦時はクリシュナを裏切ってアテネス軍を市街へと引き入れ、自らは奸臣を装ってそれに合流するという演技をしたが、デルフィングの出現でそれが発覚。アテネスの兵士に撃たれ、救出に来たクロザワよりボルキュスの戦死とホズルの無事を知らされた後に、安らかに息を引き取った。
- ルター
- クリシュナ王国の政官。セルマの叔父。独断でアッサムに攻撃を開始したライガットへの不満を零した。
- フリュキ
- 本編未登場で、巻末で紹介された。クリシュナ王国の貴族連合の盟主。フルネームは「フリュキ・エグゼ・ペタール・ユー・ゲリ」。
- ホズルの行っていた平民を登用する国政改革に不満を持っており、同じく不満を持っていた貴族達を束ね蜂起を企てていたが、実行前日に暗殺された。クロザワの発言から、彼の率いる子供の暗殺部隊によって暗殺されたことがうかがえる。
民間人
- レガッツ・アロー
- 声 - 浅野真澄
- ライガットの弟。兄と同じく魔力無者であるために周囲からの差別に晒され、かなり捻くれた性格に育っており、ライガットにも反抗的。住んでいた村がボルキュスに制圧され、見せしめに処刑されそうになった所を駆けつけたライガットに救われる。その後は王都で保護されていたが、戦局が篭城戦に移行してしまったことで王都から脱出するタイミングを失い、仕方なく王城へと避難した。避難の最中に足の悪い少女と出会い、彼女を助けている。
- 軍人になって古代ゴゥレムを操るライガットとは確執が生まれており、未だ互いにちゃんとした話が出来ていない。後にライガットは軍を退役し王都を離れたが、自身は王都に残った。
- ユナ・ホイアム・リムレック
- トゥル将軍の妻。46歳。孤児院の院長を務めている。若い頃は民主化運動のリーダー的存在であった。
- セルマ
- ホズルの食事を担当する王室の料理長のひとり。ホズルに思いを寄せている。離縁状や政情への憂慮が重なり不安定となったホズルを己の身体で慰めた。
- イヴァルディ・アロンソ
- 最初は巻末で紹介され、第18巻から正式に登場。クリシュナ王国最年少の高位魔動技術士。シギュンを信奉しており、フォルセに軍事音痴と馬鹿にされ彼と犬猿の仲にある。
- 一部ではシギュンよりも高い評価を得ているが、兵装開発には安定性を欠くらしく、度々謎の兵装を開発しては現場を混乱させているとのこと。ミゾラムに配属された後、ファブニル6-st型の設計をシギュンから受け継いだ。高火力ながら射程距離の優位性がないという特徴を持つ垂直2連式プレスガンに、彼女の兵装開発の意匠が見られる。
- ルルア
- グンナルの手紙に登場。オーランドのスパイとして幼少期よりグンナルと育った少女。任務には実直な人物。
- 兵軍学校では彼と共にジルグやエルゼンと打ち解けていた。卒業後の行軍訓練にてジルグを殺害しようとするが、その際に放った言葉がグンナルの逆鱗に触れ、彼に撃たれて死亡した。
- エルゼン
- グンナルの手紙に登場。クリシュナ兵軍学校の生徒で、グンナルとルルアにジルグを紹介した。平民出の努力家で、周囲と壁があったジルグに動じず話しかける明るい性格。ジルグに取り入ろうとした元貴族出身者グループの嫌がらせに遭い、ゴゥレム模擬戦の際彼等にすり替えられた実戦用の槍で親友を殺めてしまう。その数日後、自ら命を絶った。
アテネス連邦
書記長
- ロキス
- 声 - 土師孝也
- アテネス連邦の最高権力者(書記長)。ゼスの兄。兄弟仲はあまり良くない。
- 国内の石英資源枯渇を打開するため、他国の侵略を目論む。アッサム内乱において、クリシュナがオーランドに嵌められて派遣軍の領内通過を許すというミスを犯したこと、最大の障害であるオーランドもアッサムでの敗戦を受けて非戦派が大勢を占めていることを好機と捉え、オーランドに与して大陸の平和を乱すクリシュナを討伐する、という大義名分を掲げて侵略戦争を開始した。さらにクリシュナ側からの和睦申し入れに対し、あくまでも資源を含めたクリシュナ全土の完全獲得のため、王族全員の処刑という厳しい条件を突き付け、しかもこの条件については使者の口頭のみで伝達し、ゼスを含め自軍内にも知らせないなど狡知を巡らせて徹底抗戦を余儀なくさせる。
- イリオス連邦兵軍学校を首席で卒業し、ボルキュス将軍とは同期。彼を高く評価しており、残虐行為で更迭された後も復帰させる機会を窺っていた。ヘケラ将軍の失態を好機到来と見て、ボルキュスを復帰させ、クリシュナ討伐軍の全権を与えて送り出す。
- 敗戦によりクリシュナ討伐軍がほぼ壊滅したこと、これによりアテネスの未来が絶たれたことに対して、ゼスが過去に、自分に毒を盛ることとなった過ちへの怒りを口にしている。これによりロキスは左腕の神経を失っている。ゼス曰く「兄は学術もゴゥレム乗りとしても天才的」だったが、この事件で兄の未来が奪われたとして負い目を感じている。後に体を悪くして倒れ(この際「寿命がきた」と話している)、ゼスを呼んで今まで辛くあたってきたことを謝罪し、アテネスの未来と息子ガリムのことを託した。だが当の息子であるガリムは父親の態度を信用しておらず、ゼスに利用されているだけだと忠告している。
ワルキウレス部隊
- エレクト・ヴェーミンガム
- 声 - 梅津秀行
- ワルキウレス部隊副隊長。37歳。
- 眼鏡をかけた禿頭の男性。副官としてゼスをサポートする。ゼスからの信頼が篤く、若輩の多い部隊員達への心配りも欠かさない。クレオに関して厳しい評価をゼスに述べているが、それも彼女を心配してのこと。対ゴゥレム戦ではゼスの僚機を務めることが多い。
- クリシュナからの撤退戦では、クレオの時間稼ぎの間にゼスを救出してアテネスに撤退。元軍医の技術を活かしてゼスの足の治療を行った。しかし心の傷だけはどうにも出来ず、塞ぎ込む隊長のことを非常に心配していた。ゼスの再出撃に際しては同行せず、首都に留まっていた。
- シギュンがアテネスに捕まった後、毎日彼女の様子を見に行くクレオにシギュンが処刑されることを伝える。しかし、クレオがシギュンを連れて逃げるという事態を引き起こしたため、その追撃任務に就くことになった。元上司という立場からクレオに踏みとどまるよう勧告するが、彼女の意志が頑なであることを確認すると、クレオをアテネスの反逆者として相対した。乗機の性能差と搭乗士としての経験で彼女を追い詰めるが、エレアの援護射撃でエルテーミスの右手首を破壊され、その隙に再起したクレオの予想外の反撃に敗北。その後は合流したステンナの激しい追求(すなわち拷問)を受けることが示唆されている。
- 名前の由来は、ギリシア神話の女神エーレクトラーの別名。
- クレオ・サーブラフ
- 声 - 花澤香菜[12]
- ワルキウレス部隊の女性隊員。身長154cm。12歳。特技は豆料理と洗濯とゴゥレムの長時間稼動。イリオス連邦兵軍学校出身。
- 今は没落しているが、かつては名門軍閥と言われたサーブラフ家の一人娘。まだ幼いにもかかわらず作中随一の巨乳を誇る。普段はおっとりしているため、同期のリィからはトロいと言われ続け、エレクトからも魔動戦士としての適性を疑問視されていた。学生時代も、勉強そっちのけでカード占いばかりしていたため落ちこぼれ扱いだったが、実はゴゥレム操縦に関してゼスをも凌ぐ才能を秘めており、普通なら月単位、ゼスですら1週間を要したエルテーミスの操縦への慣熟を1日でこなしたことから部隊員に抜擢された。
- 射撃の下手さと敵を殺せない優しさから、偵察任務や周辺警戒、後方での援護射撃(物語当初の時点では一度も当たったことがないという)、部隊への補給(一部の弾倉に、弾丸の代わりに補給物資を詰めている)を務めることが多かったが、危機に陥ったゼスを救出するため、射撃に頼らない接近戦を仕掛けて驚異的な動きでデルフィングとバルド隊を翻弄。単独でゼスとエレクトが撤退する時間を稼ぐが、バルドの技量と駆けつけたナルヴィの攻撃に敗れ、捕虜にされる。
- だが、捕われた後もシギュンの計らいで投獄されず賓客として遇され、彼女の寝室にて軟禁生活を送っていた。アテネスの偏向教育のせいか、最初はクリシュナを極悪非道の蛮族国家と嫌っていたが、破格の厚遇に戸惑い、シギュンとの共同生活で少しずつ事実を理解していき、敵対心が薄らいでいった。そしてボルキュスに捕まったライガット達との捕虜交換でアテネスに帰還(アニメ版では進攻するアテネス軍との交戦時に城を抜け出し、イオ大佐に保護されるが、ナルヴィ達の攻撃により振り落とされ、その後の消息は不明)。ゼスやエレクト、家族との再会を果たし、イリオスで穏やかな生活を送り始めた。まだ受理はされていないが除隊申請を出しており、その後の作戦行動には一切参加していない。
- シギュンがアテネスに捕えられた後、毎日のように彼女に会いに来ては話をしていたが、シギュンが処刑されると知り激しいショックを受ける。悩んだ末にエレアとクレンに事情を話し、自分をサーブラフ家から除籍して欲しいと言い、一人でシギュンを救おうとするが、一人では無理だと説得され、サーブラフ家の皆でシギュンを助ける作戦を立て、彼女を連れ出して反逆者となる。逃亡の道中でエレクトが駆るエルテーミスの追撃に遭い迎撃するも、ラドゥンでは彼の反応速度に追いつけず、乗機の性能差により劣勢となる。しかしエレクトの予想を超えた動きをみせて逆転し勝利。鹵獲したエルテーミスの中で泣きながらも再び逃避行に戻った。ステンナの追撃を凌いだその後は一家共々クリシュナへの亡命を果たす。
- その後はシギュンの仕事を手伝いつつ、特設傭兵輸送隊の一員に志願し、再会したライガットとも友誼を結ぶ。アッサム動乱の際は、ティブガル市内に突入したライガットやナルヴィらを援護するため、大盾を装備した機体で参戦した。
- クリシュナに帰還後はビノンテンで療養していたが、姿を消したとされ、後にオーランド教帝を護衛している所を目撃されるなど、歴史の裏で活躍したという。
- 名前の由来は、ギリシア神話の女神クリオの別名。
- リィ・シウルアン・シェーロン
- 声 - 甲斐田裕子
- ワルキウレス部隊の女性隊員。身長161cm。18歳。イリオス連邦兵軍学校出身。
- 部隊では陽動や別働隊などを担当している。まだ若いが、エルテーミスを使いこなしクリシュナ軍を手玉にとるなど魔動戦士としての実力は高い。デルフィングと初遭遇した人物で、その規格外の力に警戒心を抱いていた。
- ビノンテン攻略の第2次攻撃で再びデルフィングと交戦。ライガットの援護に来たダンのファブニルを手負いのエルテーミスで討ち取る意地を見せるが、ライガットの反撃を受けて自機は完全に沈黙。投降の呼び掛けを拒絶、自決した。
- 名門財閥シェーロン家の次女として生まれる。努力家で学業成績も優秀。同級生のクレオに対してはきつい言動が目立ったが、それは親友として、彼女を案じていたため。学生時代も、落ちこぼれで授業をサボりがちだった彼女を何度も授業に引っ張り出していた。軍人向きではないから除隊した方がいいと、自決直前までクレオのことを最後まで心配していた。
- アルガス・ルイビル・デ・ベッツバーグ
- 声 - 高橋研二
- ワルキウレス部隊隊員。34歳。
- 部隊内では別働隊指揮や機体メンテナンスを担当している。エルテーミスには開発初期からテスト搭乗士として関わっていた。撤退時には率先して殿を買って出るなど、目立ちはしないが熱い人物。クリシュナからの撤退戦にて、多重装甲デルフィングの突進に弾き飛ばされ戦死した。
- 名前の由来は、ギリシア神話の猟犬・アルカス、または百目の魔神アルゴスの英語読み。
ボルキュス大隊
- ボルキュス・デュッセンルドルフ
- 声 - 中井和哉
- クリシュナ討伐軍を率いる将軍。45歳。一人娘のレダには非常に甘い。
- 専用ゴゥレム「ヒュケリオン」を自在に操る操縦技術を誇り、将としてのみならず魔動戦士としての高いセンスも併せ持つ武人。刹那の凌ぎ合いに悦楽を得る戦闘狂の気があり、それを隠そうとしないばかりか部下を置いて自ら積極的に戦いに飛び込んでいくなど、部下泣かせな一面も持つ。若い頃、武装集団鎮圧の際に説得していた子供にプレスガンで撃たれたため、右眼には眼帯を付けている(なおこの事実はバデス、アイレス、イオのみが知っている)。
- ロキス書記長とはイリオス連邦兵軍学校の同期で、次席で卒業。戦争の天才と呼ばれ、アテネス連邦北部のベルゲンの反乱を二度鎮圧、オーランドに支援されたアッサムの軍事クーデターを制圧してアテネスの勝利に導くなど、華々しい戦歴を誇る。何れの戦も兵の帰還率が高く、部下からの信頼は厚いが、効率が良いからと人の絶望や恐怖心を煽るために見せしめの処刑といった非人道的手段を平然と用いるため、軍上層部には彼の人格に疑念を持つ者が数多く存在する。
- アッサムでのクーデター鎮圧時の残虐行為が問題視されて一時更迭処分を受けていたが、クリシュナ国境戦の敗色が濃厚になったことや、オーランドの参戦への警戒、彼を重用するロキス書記長の後押しもあり、クリシュナ討伐軍の全権委譲を受けて復帰を果たす。イオとそれに続くバデスとの連戦では完全に戦闘力を失ったミレニル部隊を捕虜にし、デルフィングの搭乗士を処刑しようとするが、ライガットを庇って自分が搭乗士だと名乗り出たジルグを射殺。ライガットの心に激しい復讐心を宿らせた。
- 王都ビノンテン攻防戦ではナルヴィが考案した人柱(サクリファイス)作戦に嵌り、スローイングブレイドの投射を受けて護衛部隊は壊滅、ライガットとの一騎討ちに持ち込まれる。その戦いでデルフィングの左手首を切り落とし優位に立つが、追い詰められたライガットが見せたジルグを想起させる操縦でヒュケリオンの両腕を破壊され敗北した。その際はバルドの意向で生け捕りにされそうになるが、それを防ぐためジルグが身代わりになったことを承知で処刑したことを挑発的に笑いながらライガットに語り聞かせ、激昂したライガットにイーストシミターで磨り潰され惨殺された。息途絶える最期まで笑みを浮かべたままだった。
- 劇場版アニメでは王都ビノンテン攻防戦でのライガットとの一騎討ちで優位に立っていたが、土壇場でヒュケリオンの防御力の低さが仇となり、脚部が自壊。それによって生じた大きな隙を突かれ、ライデによる攻撃が直撃したことで敗北した。敗北を確信してなお、コックピットから出て、プレスガンでデルフィングのコックピットを狙い撃ち続けるが、再びライデによる攻撃で身体を潰され、死亡する。
- 彼の戦死により恐慌に陥ったアテネス軍は壊走して国境まで押し返され、本国に帰還できた兵が全体の3割を切るという惨憺たる結末となった(通常軍隊は戦闘に直接当たる班と後方支援班の数が多くの場合半々であるので、帰還兵三割というのは戦闘班はほぼ全滅の上、クリシュナ軍は壊走した支援班を追撃出来る状態で無かったと思われるので、多数の脱走兵が出たものとうかがわせる)。
- 名前の由来は、ギリシア神話の武将・ポルキュス。
- イオ・カルダバール
- 声 - 寺島拓篤
- ボルキュス将軍直属の魔動戦士。大佐。31歳。
- 専用カスタムゴゥレム「トロイア」を駆り、精鋭揃いのボルキュス直属の部下達の中でも上位に入る実力を持つ。それだけでなく将としての器も併せ持っており、ボルキュスからは高く評価され目を掛けられている。
- ベルゲン独立運動の参加者で、開戦派ではなく非戦派の要として粘り強くアテネスとの和平交渉を行っていたという過去がある。反乱が鎮圧された後、ロキス書記長のベルゲン軟化政策により登用された。その反乱で捕まった上司・ラモン将軍や部下達の助命嘆願を聞き入れ、更には自分を取り立ててくれたボルキュスに忠誠を誓っているが、彼の過度な残虐行為には戸惑いを隠せない時がある。
- 長身で、顔に多くの傷跡(反乱の際にボルキュスに付けられた物)があり、それを怖がられて子供には逃げられるが、心根は非常に優しい。ボルキュスの娘のレダに想いを寄せられており、本人も満更ではない様子。ボルキュスからも婿扱いされている。ミレニル部隊との戦いではナイルを倒し捕虜にしたが、続くジルグとの戦いでは彼に及ばず敗北するも勝てないと悟るや素早い状況判断で撤退した。後には戦友であるニケを失い、以降の行動がボルキュスからは死に急いでいるように見えると危惧された。
- 王都ビノンテン攻防戦の最中には、クリシュナの救援に来たオーランド軍を迎え撃つべく出撃。モラーク将軍の部隊をほぼ壊滅させたが、その間に討伐軍主力は壊滅してしまい、本国に撤退せざるを得なくなった。この敗戦で意気消沈したイオは、帰還後コンテスト会場にいるレダに父親の戦死を伝えたが、それすら人を介して行い、彼自身は泣き崩れるレダを影から見守るのみでその前に立つことは無かった。以後、除隊申請を出してもいるが、彼の立場上それが受理されることはなく、後は軟禁されるだけだとレトに言われている。だが、これ以上部下を失いたくないと語ったイオはそれすらも受け入れていた。
- 後にゼスが筆頭将軍となった際に復帰を要求されるがそれを一度は拒否。しかし、ゼスからイオが復帰しなければレトを含むイオの元部下達はヘケラ将軍の要望によってヘケラ将軍の部下となること、ヘケラ将軍は部下の女性に手を出す癖があり愛人7人は全員元部下だったこと、ヘケラ将軍の部隊は帰還率が3割を切ることなど、イオが断ればイオの元部下たちが悲惨な状況に置かれることを伝えられやむをえず復帰することを決意。復帰した際にはかつての仲間達に自身の甘さを謝罪すると共に、改めて共に戦うことを誓った。
- なおゼスにとっては、名目上ヘケラ将軍の要望を理由なく断れば無用の対立が生じてしまうため、イオが復帰することで元部下を率いることになれば、ヘケラ将軍の要望が却下されても問題にはならないという思惑によるものであった。
- 名前の由来は、ギリシア神話のイオ。
- ニケ / ニーナケラ・ドルネイ
- 声 - 白石涼子
- 通称「ニケ」。アテネス軍の女性魔動戦士。25歳[注 4]。
- 貧しい農村の生まれ。幼い外見とは裏腹に、扱い難い重ゴゥレム「ギラトス」を駆って高い戦果を上げるなど、かなりの実力を持つ戦士。かつてイオの部下として共にベルゲン独立運動に参加しており、イオがボルキュスに降る場面にも居合わせている。現在でもイオの部下として彼の下で戦っている。
- 好意を持っているイオの前ではお子様キャラを演じているが、その本性はかなり残忍で嗜虐的。敵の死体を晒し者にしろというボルキュスの命令をイオの手前、表面的には躊躇いを見せつつも、嬉々として実行してみせた。
- ミレニル部隊との戦いではナルヴィと激戦を繰り広げ、気絶させたナルヴィに止めを刺そうとしたところに現れたライガットをも倒しかけるが、突如介入してきたジルグに敗北。機体を失った後脱出して自陣へ帰還しようとしていたが、夜陰に紛れて逃亡するナルヴィを偶然発見。彼女を討ち取って手柄にしようと尾行するも、逆に返り討ちにされて死亡した。
- 劇場版アニメでは、ライガットとの戦闘後のジルグを急襲するが、逆に機体を破壊されて戦死した。
- 名前の由来は、ギリシア神話の勝利の女神・ニケ。
- バデス・セロフ・ウリヤノフスク
- 声 - 林和良
- ボルキュス将軍直属の部下で主席将軍補佐官を務める。49歳。
- 専用ゴゥレム「ベルセボネ」に搭乗する禿頭の厳つい男性で、副官としての立場から戦闘狂のボルキュスを諌める場面が多いが、実は彼自身も同種の狂気を抱えている。高い実力を持つゴゥレム乗りで、アテネス随一の槍使いでもある。瞬時に相手の技量を見抜くなど戦闘勘も鋭い。デルフィングの乱入で形勢を乱され浮き足立つ自軍に即撤退命令を下すなど高い判断力を持つが、追撃を受けた右翼を簡単に見捨てるといった冷酷な面もある。エリート軍人だったが、薬物と女性関係で道を踏み外した。
- 驚異的な力を見せるジルグをアテネスに引き入れようと、スペルタ部隊を率いてライガットと一騎討ちを行った直後の彼を強襲。ジルグの機体を半壊させた後に彼を勧誘するが、断られたために殺すことを決意。その後のジルグの活躍でスペルタ部隊を壊滅させられるも、ジルグ機を撃破寸前まで追い詰める。止めを刺そうとした瞬間、ライガットの横槍で隙を作られ、コックピットを潰すも彼の脱出を許してしまう。目の前でプレスガンを構えるジルグに自身の死を悟ると、最期は「自分が死んだ後にでもアテネスに来るべきだ」と言い残し、射殺された。
- 劇場版アニメでは王都ビノンテン攻防戦で自分の部隊がバルドの部隊に背後から攻撃され、そのままバルドとの戦闘で戦死する。
- 名前の由来は、ギリシア神話に登場する神・ハーデス。
- アイレス・パトバ・アレッサンドリア
- 声 - 宝亀克寿
- ボルキュス将軍直属の部下で将軍補佐官を務める。53歳。アーレス将軍の実兄。
- 専用ゴゥレム「ドラギア」に搭乗する髭面の男性で、バデスと共にボルキュスの脇を固める。ボルキュスを若い頃から知っている古くからの部下。名門出身の武人で、魔動戦士として高い実力を持っている。
- アラカン荒野での撤退戦でジルグのエルテーミスを倒そうとしたが、難なくあしらわれて返り討ちに遭い戦死した。
スペルタ部隊
- ダブネ・チャリビンスク
- 声 - 武虎
- スペルタ部隊隊長。53歳。
- 禿頭で髭面の初老の男。元は暗殺実行部隊の隊長であったが、スペルタ部隊へと引き抜かれた。プレスガン・シールド・ナイフと、スタンダードな装備のエルテーミス・ネオスを駆る。ジルグとの戦いでは半壊し武装がロングプレスガンのみとなった彼の機体を近接戦が出来ないと侮り、ジルグ機の中破して尖っていた片足のフレームを自機のコクピットに突き刺されて戦死した。
- 名前の由来はギリシア神話に登場するダプネー。
- テルトン・キズ・デムヤート
- 声 - 飯島肇
- スペルタ部隊隊員。41歳。
- 眼鏡を掛けた弁髪風の髪型の男。鹵獲したオーランドのゴゥレムを改造したものに搭乗している(改造ゴゥレムを好むため)。巨大な鎌(柄にプレスガンを内蔵)を装備し、接近戦を得意とする。ジルグとの戦いでは捨て身の無抵抗を見せるなどの予想外の行動で彼を惑わせるも、最終的にコクピットを潰されて戦死した。ジルグが投降することは望んでいなかったとみられる[注 5]。
- バーン
- 声 - 駒田航
- スペルタ部隊隊員。22歳(推定)。唯一作中では名前が出なかった[注 6]。
- 物心ついた頃から非正規軍に育てられたため、戦争以外の事柄には無関心。短銃型のプレスガンを二丁装備したエルテーミス・ネオスを駆る。ジルグとの戦いでは片腕を破壊されながらも奮戦するが、コクピットを撃ち抜かれて戦死した。
- オルレアン・ル・メン・テュペル
- 声 - 宮下栄治
- スペルタ部隊隊員。27歳。
- 顔に十字架の刺青があるアテネスの名門貴族テュペル家の当主。他の隊員からはコネで入隊しただけの無能と見られているため、部隊員として認められていない。私財を投じて創らせた(自称)至高のゴゥレム「アキレウス」にかなりの自信を持っていたが、ジルグの一撃でコクピット部分ごと装甲を貫通され、あっけなく死亡した。スペルタ部隊最初の戦死者。
- 相手が弱者と見れば平気で虐げる腐った性根の持ち主。学生時代にも「能無し」のライガットを集団でリンチしていた所をゼスに見咎められ、彼が介入した途端に泡を食って逃げ出した。その事件が切っ掛けでライガットとゼスの友情が始まった。
- レト・エルク・ズク・キロフスキー
- 声 - 喜多村英梨
- スペルタ部隊の女性隊員。23歳。
- 記憶力に秀でており、帳簿管理の補佐をしている。ロングプレスガンを装備したゴゥレムを駆る。後から合流した他の隊員とは異なり、当初からイオの部隊と行動を共にしている。遠距離射撃能力が高く、ロングガンナーとして優れた技量を有しており、後方から他の隊員と交戦中のジルグのエルテーミスを狙撃して片脚を破壊してみせたが、直後に自機も頭部を破壊されて無力化される。本人は無傷で生還したため、スペルタ部隊の中では唯一の生存者となった。
- その後はイオと共に王都ビノンテンを離れ、モラーク将軍率いるオーランド軍の部隊を迎え撃った。本国への帰還後は、除隊申請を出したイオに対して自分達を捨てるのかと非難し卑怯だとなじったが、彼の復帰時には涙を流していた。
- なお、レト自身の与り知らぬところで、ゼスによってヘケラの悪評を盾に取る形でイオの復帰の口実に使われている。
- 名前の由来は、ギリシャ神話に登場する女神レートー。
その他の軍人
- ヘケラ
- 声 - 杉野博臣
- 第一クリシュナ討伐軍司令官の将軍。クリシュナ討伐軍の先鋒として、150台のゴゥレムを率いて侵攻。しかし、クリシュナ全軍に近い兵力で攻めたにも拘わらず国境のミゾラム要塞攻略に失敗。無駄に多くの被害を出し、ボルキュスに対クリシュナ戦の指揮権を譲ることになった。それからはミゾラム要塞の近くに補給用の要塞を築城していたが、サガレスの奇策に嵌り要塞を失った上、捕らわれてしまった。
- ゼスの話では部隊の帰還率は3割を切るなど評価は低く、実際に将軍として、それ以前に軍人としては全くの無能。であるにもかかわらず、部下の女性には見境なく手を出すというとんでもない悪癖を持ち、7人いる愛人は全員元部下であるなど公私混同も甚だしい下劣な人物。サガレスに捕えられた際には、情報を聞き出すためにクリシュナ側が用意した偽のアテネスのスパイを見抜くことができず情報を漏洩。その後も疑うことなく脱出に成功し、全ては無能なヘケラに再びアテネス軍を指揮させた方がクリシュナの利益となると判断したサガレスの作戦であったことには気付かないままであった。
- その後にクリシュナとアテネスの合同鑑定に立ち会うものの、クリシュナ側のものが本物であるという鑑定結果が出たことに驚愕する姿が描かれている。合同鑑定後の戦闘ではナルヴィを追い詰めるが、援軍に来た新生デルフィング部隊の影響でヘケラ隊は戦意喪失して崩壊。なおもクリシュナ軍を下等だと高を括っていたが、最後はデルフィングの急襲でコックピットを斬られ戦死する。ゼスの計略でビノンテン攻略戦時の帰還兵が部隊に編成されていたことから、捨て駒として扱われていた模様。
- ホイベ
- イオ大佐から王都ビノンテン攻略の指揮を引き継いだ将校。イオと比べて能力は高くなく、ボルキュス戦死で恐慌に陥った討伐軍を統制することは叶わず、軍の壊走を許してしまった。
連邦領アッサム王国
- アーレス
- アッサムに駐留するアテネスの将軍。52歳。アイレス将軍の実弟であり顔は瓜二つだが、兄とは不仲であった。とても有能な将軍。
- 戦争中はヘケラ将軍の後任としてゼスと共に国境へと出撃し、僅かに生き残った帰還兵の救出に当たっていた。現在はアッサムに駐屯しながらアッサム王女プレデリカの面倒を見ている。彼女を実の娘のように接し、彼女からは実の父のように慕われている。義に厚い人物で、周囲からの信頼も厚く、本人はゼスに仕えたかったと話している。
- 格闘型重ゴゥレムのボレアスに搭乗し、サガレスは機体を含めた彼の戦闘力を脅威と見ている。デルフィングですらアーレスには敵わず、彼と遭遇したら逃げろとライガットに忠告する程。脅威と称される戦闘力とは、ボレアスから繰り出される打撃の攻撃力ではなくその的確な近接防御技術で、実際に戦闘したフォルセやライガットを戦慄させた。
- 戦いを好み、ボルキュスを倒したライガットに興味を示していた(ゼスの忠告を幾度と受けながら、地位や名声をかなぐり捨ててでも一戦交えたいと望んでいたほどである)ほか、自身の戦闘中に横槍を入れられることを嫌う。ティブガルに潜入したライガットをいち早く軍人と見抜く優れた観察眼も併せ持ち、その場で彼を捕らえている。
- 風波回廊での戦闘ではフォルセを撃破、それに激昂したライガットと激闘を繰り広げた。途中ライガットの甘い発言を「虫の羽音にも劣る戯言」と吐き捨てるとともに戦争とは何かを説いた。戦いの末にライガットを追い詰めるが、機体の自重を用いた彼の奇策で致命傷を負う。部下達に自分の後を追わせるな、と自身の甘さを認めつつもライガットに言い残し、息を引き取った。だが、皮肉にもその部下達は将軍を討ち取ったライガットを弔いに討つべく攻撃を開始し、クリシュナ軍と更なる戦闘を繰り広げることとなる。
- プレデリカ
- 新型ゴゥレムのレクシアスI型に搭乗するアテネスの少女と、クリシュナに亡命した少女の2人のプレデリカが存在する。顔は瓜二つで髪飾りも同じ物をそれぞれ着用している。正体はアッサム王国の王女で、双子として生まれ、妹の方はマナウと名付けられた。
- アッサムでは元来双子はどちらかを死産にするが、国王が死産を防ぐため両者を影武者として育てたとされ、容姿は見分けがつかない(実際には顔は瓜二つだが性格や胸部の差が大きく見分け可能)。判別には王家の証である髪飾りが必要で、本物は凄まじい硬度で出来ていることから、つまり両者のうち模造品を持つ方が偽物であるが、これの真偽は定かではない。国家間の交渉の末にクリシュナ・アテネス両国の有識者による合同鑑定が行われ、その結果はクリシュナ側のプレデリカの髪飾りが本物というものだった。なお、合同鑑定開催の一報を聞いたサガレスは当初、この鑑定に裏があり、クリシュナが滅亡するほどの何かがあるのではないかと疑念を抱いた。
- その真の正体は、双子共に本物のアッサム王女プレデリカの影武者である。国王のプイスは娘を親アテネス派と独立派の政争の種にしたくないと、替え玉を育成させたのだが、育成係(指南役)に選ばれたアッサムの星は替え玉(影武者)を本物として育ててしまった。なお、本物の王女は意思疎通の不可能な人物で、既に病気で亡くなっており、城内にある王の間の隠し部屋にて、ミイラ化して棺に保管されていた。後にこれを発見したナイルとマースは棺ごと遺体を焼却している。
- アテネス側のプレデリカ
- ライガットがアッサムで接触したプレデリカ。明るい性格で、アーレスを実の父のように慕う。胸が大きい。プレスガンの扱いに長けている。王女という正体を隠しながら商店の看板娘をすることを気に入っている。首都ティブガルで暴漢に暗殺されそうになっていたところを、潜入していたライガットに助けられる。その後はアーレス将軍に捕えられたライガットをお礼とともにこっそりと逃がした。
- 合同鑑定では自身の髪飾りが偽物という結果に驚き、クリシュナ側のプレデリカを「マナウ」と呼んだ。アッサム独立派にアッサムをアテネスに明け渡した偽王女「マナウ」として追われるものの、アーレスの救援と言葉を受け、王女としての決意を新たにする。ライガットとは風波回廊での戦闘で再会し、彼がアーレスを殺す瞬間を目撃。怒りの攻撃も失敗に終わり撤退した。ナイルと共にライガットの前に姿を現した際も銃を構えるが、彼が見た彼女の町娘としての立ち居振る舞いを言われると銃を下ろし、涙ながらにアッサムの人々の助けを求めた。
- その後はティブガルでの市民の処刑を防ぐため、ライガット隊と共に市内に突入。ゴゥレムの上に生身で乗って民や兵士達に向けて演説し、殺戮の中止と敵はクリシュナ側のプレデリカとハウガンだと訴える。そして反乱を起こした兵を味方に付け、城内ではナイルとマース隊長に2人で判断して欲しいと遺書と王の間の設計図を渡し、自身は上水路に逃げ込んだクリシュナ側のプレデリカを追い詰める。
- だが、彼女は自身が「じぃや」と慕っていたアッサムの星に殺害され、また彼に撃たれたライガットを救うため、やむなくアッサムの星を射殺。ライガットには自分をどこかに連れて行って欲しいと話すが、アッサムの人達を守るために嘘を付き続けるべきだと返され、動乱後はアッサム女王として即位、君主制を廃止し移行したアッサム共和国の初代国家元首となった。ライガットの返還問題については応じず、怪我の悪化による死亡を発表し、遺体を返還することなく国葬を行った。
- しかし、後々に出生の秘密が暴露され、辞職・自宅軟禁となる。国民は彼女に同情し、再びの再選を望まれていたが、ある日を境にアッサムから姿を消したという。
- クリシュナ側のプレデリカ
- ライガットが最初に接触したプレデリカ。性格は冷酷で、胸が小さい。ライガットとシギュンにアッサムで内戦が起こる可能性を説明し、王都ではホズルに祖国解放のためにクリシュナ軍の出兵とアッサム独立派との共闘を要請した。その際ホズルに、自身を双子の姉と名乗り、アテネスの方は双子の妹「マナウ」で王女を僭称していると説明した。
- 合同鑑定ではその髪飾りの鑑定結果が本物と出ると、アテネス側のプレデリカを「売国奴」と呼んだ。その後はクーデターを起こしたハウガン大佐と共にアッサム王国独立に向けてティブガルで行動を始め、恐怖政治を敷いて民の虐殺など非道な行いを繰り返した。
- ところが、市民の処刑を良しとしないライガット隊の市内への突入とアテネス側のプレデリカの演説で目論見が破綻し、ハウガンを射殺。上水路へと逃亡するが、追ってきたアテネス側のプレデリカに、自分が上水路ではなく下水路で育ち、プレデリカの「予備の予備」として育てられてきたという怒りをぶつける。だが、その最中に背後からアッサムの星に撃たれ、命を落とした。
- アッサムの星
- 顔を覆う仮面を付けた正体不明の男。剣術の達人で、ティブガル奪還を成し遂げたとされる。クリシュナ側のプレデリカからは、時が来たら殺すと殺意を向けられている。政治犯として拘束した無実のアッサム市民達の処刑を推し進めるハウガンに賛同。彼からは愛国者として信頼され、ティブガルに侵攻してきたクリシュナ軍を警戒し、防衛部隊に鶴翼の陣を敷かせる。
- その正体はアテネス側のプレデリカからは「じぃや」と慕われていた指南役で、影武者である2人のプレデリカの実の父親でもある。先のアッサム国王の外戚でアッサム随一の正統派剣士だったが、汚職で国を追われる。後に秘密裏に国王が呼び戻し、指南役に就任した。実の娘同士を争わせどちらが王女に相応しいかを篩にかけており、いわばアッサム動乱の発端となった元凶の人物。
- ティブガル市内に突入してきたライガットとの戦闘では、その清流の如き剣技で彼を圧倒。デルフィングの左腕を斬り落として優位に立ち、ライガットからは「今まで戦ってきたどんな奴よりも強い」と評された。けれども、最後は乗機の胴体を両断されて敗北、機体を捨てて脱出する。
- その後、地下の上水路でクリシュナ側のプレデリカを撃ち、追ってきたライガットにも重傷を負わせる。失敗作と断じていたアテネス側のプレデリカが最高傑作と述べ、彼女を実の娘では無いと否定し、王女としてのアッサムの再建を宣うが、彼女の手で射殺される末路を迎えた。
- ハウガン
- アッサム王国独立派のリーダー。左目を包帯で巻いている。階級は大佐。クリシュナ側のプレデリカからは将軍と呼ばれている。アテネスがアッサムを攻めた際に偶々生き残っただけで、器が小さくとても人の上に立てる器量は持ち合わせていない人物。
- 駐留するアテネス軍を殲滅するため、クーデターを起こし、一派にアテネス側のプレデリカの命を狙わせている。王国独立後はクリシュナを従えることを目論む。親アテネス派を炙り出すためという理由で、暴徒鎮圧と称し市民にも危害を加えているなど過激な面が見られる。後には政治犯として捕らえられた無実のアッサム人達を家族諸共処刑することを決定し、クリシュナからの書簡も無視した上、決行日を早めて処刑を遂行し始める。
- しかし、市内へのクリシュナ軍の突入とアテネス側のプレデリカの演説でクーデター派に反乱が発生。アテネス側のプレデリカの自分と一騎打ちをせよとの言葉を無視して逃走するが、最後はクリシュナ側のプレデリカの逆鱗に触れて射殺された。動乱後、ハウガンの死は表向きには自殺として処理された。
- マース
- 独立派部隊の隊長。ライガットと戦うアッサムの星の勝利を疑っていなかったが、彼は敗北し、市内に突入してきたアテネス側のプレデリカと対面する。彼女には「もしクリシュナ軍が正面から攻めてきていれば我等が勝っていただろう」と述べ、部下達の投降を認めるようプレデリカに話して自害しようとするも、「アッサム軍人ならアッサムのために死ね」とプレデリカに阻止される。その後はプレデリカからの提案のもと、ナイルと共に隠し部屋でプレデリカ王女の真実を知ることとなる。
- 戦後はプレデリカに仕え続け、彼女が国家元首の座を辞した後も行動を共にしていたことが示唆されている。
- ギルヴァエス
- 独立派部隊の軍人。左頬に入れ墨を入れており、部下からは「ギルヴァエス様」と呼ばれる。ティブガル市内で左翼の防衛を担当し、プレスガンと大剣を装備した機体に搭乗する。クリシュナ軍との戦闘では大盾を持ちながら吶喊してきたクレオ機の対処を命令し、交戦したフォルセ機の左腕を破壊するも、直後に盾を捨てたクレオとフォルセの連携で呆気なく撃破された。
民間人
- クレン・サーブラフ
- クレオの祖母であり、エレアの母親。62歳。退役軍人で、クレオを溺愛している。クレオが生死不明との報を受けた時には、酷く取り乱していた。娘や孫にはあまり似ておらず、樽の様な横に広い体型をしている。ちなみにエレアとクレオは祖父似らしい。捕まったシギュン王妃を助け出すことをクレオから話され、エレアもクレオに賛同してのアテネスを出ると宣言され驚愕する。一人苦悩するも、結局は彼女達の作戦に同行する。
- イリオス脱出後は別ルートでクリシュナに入り、あらかじめ決めていた救出ポイントを伝達する役目を務めた。亡命後はクレオがシギュンを手伝うことは認めていたが、クリシュナ軍に入ることは頑なに反対した。
- エレア・サーブラフ
- クレオの母親。28歳。かつてはゴゥレム使いの天才少女と呼ばれていたが、病弱のため軍を名誉除隊した。夫とは死別。首都イリオスで教師をしている。軍からの信頼が厚く、度々戦術指南役として招かれている。クレオが生死不明と聞いた時にも淡々としており、クレンから「鬼母」呼ばわりされていたが、決して愛情が薄いというわけではなく、クレオが軍人になった際に覚悟を決めていたとのこと。また普段から無表情で感情の起伏が小さいだけで、捕虜交換で無事帰還したクレオに対しては、抱きしめてキスをしたり、ずっと一緒にいようとしたりするなど深い愛情を示している。
- クレオからアテネスに捕まったシギュンを助け出すと聞いた際、彼女の決意を知ってクレオがいないサーブラフ家などなんの価値もないと話し、自分も救出に手を貸してアテネスを捨てることを決める。クリシュナに亡命後はミゾラム要塞にクレオともども匿われており、サーブラフ家の家族構成を知らない兵たちからはクレオの姉だと思われている。その後は生活のため軍関係の職を用意されるも、彼女はそれを辞退して民間での教師職を望んだ。
- レダ・デュッセンルドルフ
- 声 - ささきのぞみ
- ボルキュスの一人娘。19歳。典型的なお嬢様で、父親のことが大好き。特技はバイオリン。イオ大佐に想いを寄せており、父も公認の仲。バイオリンのコンテストに出場予定で、父親に観に来てもらうよう約束していたが、ボルキュスの戦死で叶うことはなかった。
- 名前の由来は、ギリシャ神話に登場する女性レダ。
- ガリム
- ロキス書記長の息子。10歳。病弱な模様。ゼスを大層信頼しており、彼が自分に会いに来てはいけないと諭していてもお構いなく会いに来る。
- 兄のためと一心に働くゼスを一方的に疎む父のことをおかしいと感じており、強い反抗心を抱いている。父が倒れた際は、筆頭将軍に任命されたゼスに対し、父はゼスを利用しようとしているだけだと忠告した。
その他
- ドクター・ヘパイス
- アテネス連邦の高位魔動技術士。
- 天才だが変人としても有名な人物で、ヒュケリオンの高重量武器「スコルピオンテール」や新型ゴゥレム「エルテーミス」の設計者。しかし、これらは両方とも使いこなせれば絶大な力を誇るが、扱いが下手だと自らをも破壊してしまうという危険な代物である。エルテーミスが事故を連発して欠陥機という評価を下されたため、その責任を取らされしばらく干されていた。ゼスのおかげでエルテーミスが再評価され、ヘパイスも再び技術者として返り咲くことが出来たため、彼のことを信奉している。
- アッサム国立士官学校で教鞭を執っていた時期があり、シギュンはその時の教え子。そのため彼女の師匠と呼べる存在でもある。この教師時代に、シギュンとほぼ同じタイミングで未来のゴゥレム戦は機動性重視の軽量型ゴゥレムが主流になるという考えに至り、エルテーミスのコンセプトを考案した。エルテーミスの方がフレイアより先に実用化されていたのは、彼が既に高い実績を積んでいたからとのこと。そのエルテーミスは、シギュンのフレイアを高低地形への対応と小回りで上回っており、彼の実力の程を窺うことが出来る。
- 名前の由来は、ギリシャ神話に登場する火と鍛冶を司る神ヘーパイストス。
- ステンナ
- 捕われたシギュンの牢屋内で彼女を監視していた女性の臨時看守。重度のサディストで、顔の上半分を常に仮面を付けて隠している。13年前に軍を不名誉除隊となっていたが、政府高官などの働きかけで復帰した。
- 軍の暗部を知り尽くした人間で、数多くの暗殺・拷問などをこなし、なおかつ美しいもの(人間の体)を切り刻むことを非常に好み、特に美しい人物の目玉を刳り貫いてそれを宝石の様と鑑賞する異常な性癖の持ち主。副業として高級売春宿を経営しており、有力者達にあてがっているという。それらの情報の秘匿を徹底し、特に野心を見せないことから有力者達に重用されている。なおボルキュスとは折り合いが悪かったらしい。
- 彼女の人となりを知っていたエレアがクレオにこのことを伝え、シギュン救出決行時期を早めた事で五体満足なままシギュンは救出された。その後、ゴゥレムのプリギア・改に乗ってクレオやシギュン達の追撃任務に出撃する。
- 魔動戦士としての実力も相当に高く、圧力系ウィップとプレスガンを用いてクレオおよび救出に来た新生デルフィング部隊の3人を優勢に立ち回った。その後はライガットとの戦闘で機体を中破し、頭部を破壊されて尚も攻撃を行おうとするも、引き際を見極めて撤退した。帰還した後はゼスに忠誠を誓い、ミゾラム攻略の鍵としてイドーを進言した。
オーランド
教帝
- 教帝(第162代)
- クルゾン大陸の東方にある宗教大国オーランドの幼き教帝。9歳。
- 何を考えているのか分からない所がある子供で、お気に入りであるリンディの夫ガイン将軍が戦死したら彼女が悲しむからという理由だけで、彼をクリシュナへの援軍の司令官から外し、派遣反対派のモラーク将軍を総司令官にした。ただしガイン自身には興味が全くなく、外された理由を質しに来た彼に素気無い態度をとった。
- 当初はクリシュナが滅ぼうが意に介さない様子だったが、リンディが直々に謁見して彼女に何かを言い含めたことで態度を一変、その後大参謀の所へ出向き軍を動かすよう指示を出した。
最高神祇員
- アルベル
- 最高神祇員の一人。父親も最高神祇員で更に議長を務めているため、息子の彼も強い発言力を持つ。元々は軍部にいた。
- 議会ではガイン将軍を支持し、クリシュナ救援のための軍派遣に賛同した。アテネスがクリシュナを滅ぼせば、次はオーランドが攻め滅ぼされるということを察知しており、それに全く気付いていない(父も含めた)最高神祇衆達が裏でクリシュナ分割統治の密約(アテネス側の真意は次の戦までの時間稼ぎ)を安易に受け入れたこととその愚かなまでの楽観さを批判し、この戦いへの参戦はオーランドの「財産」になると説き伏せた。
軍人・その他
- ガイン・テラ・カンガリィ・スホウ
- 憲章守護将軍。リンディの夫。38歳。
- 妻の祖国クリシュナを救うべく援軍派遣に奔走していたが、教帝の手回しで司令官から外される。自国のせいでクリシュナが攻められる事態になったため、自国はその責任を取るべきだと考えているが、腐敗しきった神祇衆上層部は誰もそう考えていなかったため孤立。独断でモラーク将軍の元へ赴いて説得するも聞き入れられず、逆にその行動を彼女に咎められる。その後も隊に居座って独自行動を取っていたが、ついにそれを理由に拘束される。だが、本国で教帝やアルベルが動いたことで戦を取り巻く状況が変化し、ガインもそのまま参戦することになった。
- 国境付近でイオ大佐の率いる精鋭部隊と交戦状態になったが、旧式の機体と新兵のみで編成された部隊では勝ち目が無く、モラークから拘束の真意と援軍派遣の本当の目的を明かされた上で、増援を連れてくることを要請されて一人戦場を離脱。その後、自分の直轄部隊が本部の命令で国境付近まで移動していたことで予想以上に早く合流でき、モラークの救援だけはギリギリ間に合った。
- 魔動戦士としてもかなりの実力を持つようで、単機でイオとレトを同時に相手取り、右手のプレスガンでイオを牽制しながら左手のプレスガンでレトを狙い、彼女の機体を小破させている。
- ヨーコ・ユタ・シャーロッテ・モラーク
- クリシュナへの援軍を率いる司令官として派遣された若い女将軍。32歳。口元に小さな傷があるが、普段は覆面でそれを隠している。実は軍上層部から信用されておらず、率いていた援軍は新兵と旧式ゴゥレムのみで構成された捨て駒部隊であり、彼女の本当の役目も敗戦処理だった。そのため派遣反対派で戦う意思も無いという立場を演じ、兵の損耗を避けるため長らく国境周辺に留まっていた。そこへガイン将軍が独断で面会を求めて現れたが、上層部から派遣されているであろう自分達への監視の目を考慮した彼女は、あえて彼の言い分を一切聞かず捕縛した。上層部が腐りきっているオーランド軍の行く末を心配している。
- その後状況が変わって出撃命令が下されたため部隊を動かしたが、迎撃に当たったイオ大佐の精鋭部隊相手に手持ちの戦力では抗えず、ガインに事実を明かして援軍を連れて来るよう要請し、自分は時間稼ぎを引き受けて戦場に残った。だが結局部隊は全滅。彼女も止めを刺される寸前に、救援に来たガインの部隊によって助けられた。
- リンディ・ネピ・デ・ゼーヨダ・スホウ
- ガインの妻でホズルの妹。26歳。翻訳業に就いている。クリシュナ救援のための軍が派遣されると聞いて安堵していたが、それは建前だけの派遣に過ぎず、本当はクリシュナが見捨てられたという事実を知らなかった。
- ガインが国境へ向かった後に教帝と謁見し、その後オーランド軍は戦争介入に向けて動き出した。
劇場アニメ版の登場人物
- グレタ
- 声 - 井上喜久子
- シギュンの要請に応じて高硬度の巨大石英を調達した貿易商の女性。
小説版の登場人物
クリシュナ王国
- アリオラ
- 15歳・男性。ダナン小隊隊員。6歳の時、アテネス連邦からクリシュナ王国に亡命。8歳で両親を事故で失う。孤児院にその後入り、教育課程で成績優秀のためアッサム国立士官学校への国費留学を果たす。ダナン小隊配属前から天才として知られ、ダナンからは「天才少年」と呼ばれる。実際に戦闘や操縦のセンスに非常に優れており、歴戦の魔動戦士ですら真似出来ない素晴らしい動きを見せる。苦労した生い立ちから他人にあまり心を開かないが、同じ隊のジルファとはコンビの様な状態で戦う場面が多く、面倒見の良い彼に対しては少し心を開いている部分がある。自分を一蹴した蒼いエルテーミスに執着心を抱いており、必ず勝つと誓っている。
- オアシスで出会ったシオンに一目惚れしている。戦闘のどさくさでシオンが落としていった傷だらけの指輪を拾ったアリオラは、イアスの勧めで指輪を研磨に出し、それが戻ってきたらもう一度彼女に会って返そうと願っている。シオンはオアシス近辺に住む民間人なのだと思い込んでおり、彼女が蒼いエルテーミスを駆る宿敵であることには気付いていない。決死隊に選抜されてしまったため、最後に彼女に会えないかと考えたアリオラはオアシスへと向かい、そこで水の調達に来ていたシオンと再会した。
- 実は幼い頃、アテネスの街でシオンと出会ってとても大切な友達になっているが、当初はお互いの正体に気付いていなかった。一騎討ちで倒した蒼いエルテーミスの搭乗士がシオンだということを知ってショックを受けていたが、さらに研磨を終えて本当の姿を取り戻した指輪を見て幼い頃のシオンとの思い出が蘇り、また指輪に刻まれていた紋章から彼女の正体も悟り、複雑な心境におかれる。
- 王都へ向かう途中はお互いに微妙な空気のままだったが、オーランド軍に襲われたイエンタウの援軍としてシオンと共闘する内に、互いの想いを機体越しに伝え合う。最後の大詰めで機体を失ったシオンを自機に回収したアリオラは、共に手を取り合って2人分の魔力でロングプレスガンを放ち、オーランド軍の指揮官を倒した。その後、生き残った全員でジルファを看取った後に姿を消したシオンが、オアシスで自分を待っていると確信したアリオラは、ダナン・イアスの2人と分かれて一人彼女の元へと向かった。
- ダナン
- 19歳・女性。一等重騎士。ダナン小隊の隊長を務める。少し前まで、トゥル将軍旗下のドラウプニル重騎士団に所属していた優秀な人材。アリオラの才能を認めているが、同時に嫉妬もしている。王都へ攻撃を仕掛けてきたワルキレウス部隊との戦闘で怪我を負い、療養のため一時騎士団を離れたが、怪我が治っても原隊復帰は叶わず西部国境守備軍へと回された。斃された際、デルフィングがエルテーミスと交戦状態に入ったおかげで命が助かっており、当時まだ軍属ですらない民間人で、しかも「能無し」だった男に命を救われたという事実に屈辱を感じている。
- かなり勝気な性格だが、王都で負傷した際の恐怖心がトラウマになっており、蒼いエルテーミスとの遭遇でそれを思い出してしまった彼女は、銃口を前にすると身体が竦むようになってしまっている。
- そんな中、ボルキュス率いる軍勢に少数で攻撃を仕掛ける決死隊(戦争終結後、ミゾラム要塞は何もせずボルキュスを通過させたと責任追及されないための人身御供)に、ダナン小隊が選抜されてしまう。絶望的な戦いの中それでも隊を率いて何とか生き残った彼女は、一連の戦いで捕虜になったシオンを伴って王都へ向かう途中、オーランドが裏切ってイエンタウに攻め込んできたという報を携えた伝令に出会う。救援を待っていたら間に合わないと判断したダナンは、疲弊した小隊と共闘を申し出てきたシオンを率いて援軍に向かい、アテネス独立小隊とも手を取り合ってこれを撃退。ジルファの最期を看取った翌朝、イアスと共に王都に帰還した。
- イアス
- 25歳・男性。ダナン小隊隊員。ダナンとは幼馴染。面倒見が良く、幼馴染のダナンや一匹狼的な所があるアリオラへの気配りもお手の物。元はシギュンの配下で、ファブニル改良の技術士を務めていたが、戦況の悪化に伴う配置換えで一ヶ月前に魔動戦士に転向したという変り種の人物。
- 中々の戦闘センスを持ち、数回の実戦でダナンに迫るほどの実力を身につけた。本人は気付いていなかったが、特に射撃面で非凡な才能を見せる。それに気付いたアリオラからの報告と、訓練でそれを実感したダナンに命令され、ロングプレスガンを扱う狙撃兵へと転向する。イエンタウでの戦いも生き残り、ダナンと共に王都に帰還した。
- ジルファ
- 50がらみの男性。ダナン小隊隊員。王都に妻と子を残しており、この戦争を生き残って家族に再会するのが目標。小隊最年長の魔動戦士だが、かつては教師だったため生え抜きの戦士というわけではない。アリオラの非凡な操縦センスにいつも驚かされている。
- 教師だった経験からかアリオラのような少年の面倒をみるのはお手の物で、彼も心を開いていた相手だった。捕虜にしたシオンの面倒も主に見ており、彼女も少し心を開いていた。決死隊に選ばれてなおしぶとく生き残り続けてきたが、イエンタウの戦いで遂に被弾して重傷を負う。だがそれを隠して戦い続けたため、手遅れとなったジルファは、戦が終わった後に生き残った者全員に看取られながら息を引き取った。今際の際に「国に真の友はいないが、人と人は国を越えて分かり合える」と語り、その場の全員にそれぞれの国に帰れと言い残した。
アテネス連邦
- シオン
- 15歳・女性。この小説のヒロイン。蒼いエルテーミスの操縦士で、独立小隊の隊長。アリオラをも一方的に翻弄するほどの天才魔動戦士で、ゼスの再設計案が適用されていない未改修のエルテーミスを手足のように自在に操れる。ごく薄い褐色の肌と長い黒髪、人目を引く美貌を持つ。その肌色はクリシュナ出身の父親から受け継いだもの。父親は当時のクリシュナ王族。異父兄のドーファンから密命を帯びてクリシュナに潜入しているが、彼女の本当の目的は兄の野望を叶えるとではなく、戦後のクリシュナ王国を守るため。
- オアシスで水浴びをしている時にアリオラと出会う。彼がクリシュナの魔動戦士であることはすぐに判ったが、折悪く発生した部下達とダナン小隊の戦闘に巻き込まれ、王族を証明する大事な指輪を落としてしまい、それを拾ったアリオラから回収することが出来ないままに別れてしまう。そうして、母から貰った父親を証明する物であり、作戦に必要不可欠でもあるその指輪を取り戻すため、ダナン小隊を執拗に追跡するようになる。
- 指輪奪還のための襲撃でアリオラのファブニルを戦闘不能にまで追い込むが、知り合ってしまった彼にどうしても止めを刺すことが出来ず、イアスの狙撃援護と増援の到着で不利を悟り退いた。その後、水の調達で再度訪れた夜のオアシスでアリオラと再会。しかしアリオラは指輪を持ってきておらず、また会いに来ると言い残してすぐその場を去ったシオンは、その言葉のとおりに戦場でアリオラに戦いを挑む。しかし激戦の末に彼に敗れたシオンは、ダメージを負ったエルテーミス共々ダナン小隊に囚われた。
- 実は幼い頃、アテネスの街でアリオラと出会ってとても仲の良い友達になっているが、当初はお互いの正体に気付いていなかった。アリオラとの戦いに敗れて捕虜になった際に彼のことに気付いたが、しばらくは伏せたままにしていた。彼女がクリシュナを救おうとしていた理由には、父の祖国であるだけでなく、幼い頃別れたアリオラが住んでいる国だからというものもあった。
- 王都へ護送される途中、オーランド軍が港町イエンタウを襲っているという報を受けたダナンに対してシオンは共闘を持ちかけ、自分を救出するため後を追尾していた独立小隊にも共闘の命令を下して戦いに参戦する。その戦いの大詰めで、エルテーミスを囮に使ってアリオラを援護したため自機を失ったシオンは、彼のファブニルに乗って2人で手を取り合い敵指揮官に止めの一撃を放つ。そうしてオーランド軍を退けたあと、ジルファを看取ったシオンは朝になる前に生き残った全員の前から姿を消した。
- ルエル
- 26歳・女性。独立小隊副隊長。シオンの兄ドーファンの婚約者。まだイリオス連邦兵学校の学生だった頃にドーファンと出会い見初められている。ドーファンから託されたある「計画」を成功させるためシオンと共に行動している。殆ど成功の可能性は無いが、さりとて失敗すれば自分だけでなくドーファンの命すら失われるこの作戦を、是が非でも成功させようと心に誓っている。マキノの気持ちには気付いているが、それに応えることは出来ない。
- シオンが囚われた後、救出するためにダナン小隊を追尾していたが、イエンタウを救おうと決めたシオンの命令でダナン小隊と共闘を行った。戦いの後ジルファの遺言を受けたルエルは、作戦よりも大切なことがあると、マキノを伴ってアテネスに帰還した。
- マキノ
- 男性。独立小隊隊員。ルエルのことが好きだが、本人的には表には出していないつもり。イエンタウでの戦いでもルエルを守って盾になりながらも生き残り、彼女と共にアテネスに帰還した。
- ガリスン
- 中年男性。独立小隊隊員。若輩者の癖に隊長に収まったシオンのことが気に食わず、常に反抗的な態度をとる。実は新婚で、国に残してきた妻のため、成功失敗を問わず支払われる高額報酬(10年働かなくても生きていける額らしい)目当てに小隊に参加した。イエンタウでの戦いで孤立して追い詰められ、周囲をオーランド軍に囲まれたガリスンは、最後に妻の事を想いながら突貫して戦死した。
- ドーファン
- 33歳・男性。アテネス連邦高等政務官。ロキス書記長とは水面下で対立している派閥に所属する。イリオス連邦兵学校に特別講師として訪れた際にルエルと恋仲になり、結婚を約束している。シオンの異父兄だが、妹の存在は1ヶ月前まで知らなかった。
- かつて政治士官だった彼らの母親は、ドーファンが18の時に他所の男の子供を身篭り失踪。政務を投げ出した母を持つというハンデを背負ったドーファンは、苦労して高等政務官の地位まで上り詰めた。その母親が失踪後に産んだ子供がシオン。彼女の父親がクリシュナの王族であることを知ったドーファンはある野望を抱くようになり、それを叶えるための極秘計画を立案して妹と婚約者にそれを託した。
本作の単行本は大きく分けて〈Flex Comix〉レーベルから発行されたものと、〈メテオCOMICS〉レーベルから発行されたものの2種類が存在する。またそのレーベルの中でもそれぞれ2種類ずつの計4種類が存在しているため、以下にそれぞれの相違点を記す。なお発行元に関しては、いずれの種類もフレックスコミックスである。
なお単行本を第1巻から発売の早い順に購入した場合は、旧版全巻と現行版全巻を所持していることになる。また単行本デザインを全て合わせるためには、新装版全巻と現行版全巻を購入する必要がある。
Flex Comixレーベル
旧版
最初に発行された版。本項目では「旧版」と呼称する。2007年から2011年にかけて第1巻から第10巻まで、発売元をソフトバンククリエイティブとして出版された。現在は後述の理由により絶版である。
限定版
- 第7巻:カバーが通常版と異なる。
- 第9巻:通常版とのカバー違いの他に、描き下ろしイラストを含めた卓上カレンダーが付属。
- 第10巻:通常版とのカバー違いの他に、ゴゥレムの設定資料や描き下ろし漫画、作者インタビューが載った小冊子『ブレイクブレイド設定資料集 Vol.1』と第11巻限定版に付属するVol.2を同時に収納可能なケースが付属。
再版
2番目に発行された版。フレックスコミックスより発行される全ての書籍の発売元が2012年2月1日よりほるぷ出版に変更されたことに伴って、第1巻から第10巻が重版的な意味合いで再版されたものである。そのため旧版とは奥付と出版社表記およびISBN以外に変更点は存在せず、この発行によって旧版は絶版となった。なおこの発売元の変更は、掲載誌を移籍する前に行われたものである。
メテオCOMICSレーベル
現行版
3番目に発行された版。本項目では「現行版」と呼称する。本作品の掲載誌の変更に伴って単行本レーベルが移籍したもので、2012年発売の第11巻以降の最新刊はこの版から出版されている[8]。旧版および再版からは表紙等のデザインが変更された。発売元は再版と同じくほるぷ出版。
限定版
- 第11巻:通常版とのカバー違いの他に、キャラクターの設定資料や描き下ろし漫画が載った小冊子『ブレイクブレイド設定資料集 Vol.2』が付属。
新装版
4番目に発行された版。公式に「新装版」と呼称されているため、本項目でも同様に呼称する。旧版および再版全10巻分の新装版であり、2013年7月より2巻ずつ第1巻から第10巻までが出版された。こちらは全ての巻で表紙イラストが新たに描き下ろされ、表紙等のデザインが第11巻以降のものと同様となった。また本編にも加筆修正が加えられた他、旧版第10巻および現行版第11巻の限定版に付属した設定資料集の一部が収録されている[3]。発売元はほるぷ出版。
劇場版アニメ
概要 劇場版 ブレイク ブレイド, 監督 ...
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『劇場版 ブレイク ブレイド』のタイトルで、2010年から2011年にかけて全6部作として順次公開された。2011年当時では少なくなった手描きによるロボット表現を採用している。物語の展開が原作に追いついたため、第五章途中からアニメオリジナルの展開となり、ボルキュスの戦死による王都攻防戦終了までを描く。
- 第一章「覚醒ノ刻」(かくせいのとき)
- 2010年5月29日公開。上映時間は50分。
- 第三章公開記念として、2010年9月15日深夜にTOKYO MXにて地上波初放送された。また、BS11においても同年9月17日にANIME+枠にて放送された。
- 第二章「訣別ノ路」(けつべつのみち)
- 2010年6月26日公開。上映時間は50分。
- 第一章と同じく、こちらも9月22日深夜にTOKYO MXにて地上波初放送された。また、BS11においても9月24日にANIME+枠にて放送された。
- 第三章「凶刃ノ痕」(きょうじんのきず)
- 2010年9月25日公開。上映時間は46分。
- 第四章「惨禍ノ地」(さんかのち)
- 2010年10月30日公開。上映時間は48分。
- 第五章「死線ノ涯」(しせんのはて)
- 2011年1月22日公開。上映時間は47分。
- 第六章「慟哭ノ砦」(どうこくのとりで)
- 2011年3月26日公開。上映時間は52分。
テレビ放送については上記のほか、CS放送局のAT-Xとキッズステーションにて全6章が放送されている。
主題歌
- オープニングテーマ「Fate」
- 作詞・作曲 - KOKIA / 編曲 - 伊藤真澄 / 歌 - KOKIA
- エンディングテーマ(第一章 - 第五章)「SERIOUS-AGE」
- 作詞 - 畑亜貴 / 作曲・編曲 - 藤間仁 / 歌 - 飛蘭
- エンディングテーマ(第六章)「嘆きの音」
- 作詞・作曲 - KOKIA / 編曲 - 伊藤真澄 / 歌 - KOKIA
各章リスト
「キャラ作監」は「キャラクター作画監督」、「メカ作監」は「メカニック作画監督」を表す。
さらに見る 章, サブタイトル ...
章 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | キャラ作監 | メカ作監 | 作画監督 |
第一章 | 覚醒ノ刻 | アミノテツロ | 羽原信義 孫承希 | 乘田拓茂 | 松村拓哉 | |
第二章 | 訣別ノ路 | 寺岡巌 | 吉村章 | 鎌田晋平 江上夏樹 | 松田寛 福島秀機 | |
第三章 | 凶刃ノ痕 | 榎本明広 | 山口武志 羽原信義 | 藤原未来夫 小林千鶴 | 前田明寿 | |
第四章 | 惨禍ノ地 | 徳土大介 | 徳土大介 北條史也 | 肥塚正史 | 重田智 伊藤浩二 | |
第五章 | 死線ノ涯 | 吉川博明 | 髙橋秀弥 羽原信義 | 乗田拓茂(総作画監督) | 松村拓哉(総作画監督) | 小林千鶴、竹谷今日子 朴性厚 山岡信一(レイアウト作監) |
第六章 | 慟哭ノ砦 | アミノテツロ 羽原信義 | アミノテツロ、羽原信義 髙橋秀弥 広瀬勝利(助手) | 乗田拓茂・小林千鶴(総作画監督) 乗田拓茂、小林千鶴 松川哲也 | 松村拓哉(総作画監督) 前田明寿、立山信也 朴性厚、松村拓哉 | |
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ピクチャードラマ
DVD&Blu-ray Disc収録の映像特典ピクチャードラマ。
- 第一章『大陸暦784年アッサム国立士官学校の某所にて』
- 第二章『イリオス連邦兵軍学校』
- 第三章『クリシュナ9世、御前試合』
- 第四章『ミレニル部隊、結成!』
- 第五章『潜入!ボルキュス邸』
- 第六章『運命に抗おう』
ウェブラジオ
『ブレブ・レイディオ』のタイトルで2010年4月30日から同年9月14日まで、劇場アニメのウェブラジオがアニメイトTVにて配信された。全8回。隔週金曜日更新。『クリシュナ王室広報局』と『クリシュナ王宮女官室』の2番組体制であった。CD化はされていない。
- パーソナリティー
- クリシュナ王室広報局
- 保志総一朗 - ライガット・アロー役
- 中村悠一 - ホズル(クリシュナ9世)役
- クリシュナ王宮女官室
- 斎藤千和 - シギュン・エルステル役
- 花澤香菜 - クレオ・サーブラフ役
テレビアニメ版
『ブレイクブレイド』のタイトルで2014年4月から6月まで、劇場版全6章をテレビ用に再構成したものをTOKYO MX、サンテレビ、BS11、AT-X等にて全12話構成で放送された。劇場版製作当時、原作のストックが尽きたためオリジナル展開を余儀なくされた終盤の展開そのものは変わらないが、劇場版では描かれなかった「ジルグ対スペルタ部隊」の戦闘シーンが第10話で追加されたほか[5]、第11話ではジルグの処刑シーンも新規に描かれた。劇場版アニメからはOP・EDが一新されるが、キャストに変更はない。一方でスタッフには小説「ブレイク ブレイド -蒼月ノ絆-」の執筆を担当した谷村大四郎(Production I.G所属)が脚本に加わっている。
各話リスト
さらに見る 話数, サブタイトル ...
話数 | サブタイトル | 当該映画 |
第一話 | アン・ソーサラー(魔力無者) | 第一章 |
第二話 | アンダー・ゴゥレム(古代巨兵) |
第三話 | ノット・バッド(停戦交渉) | 第二章 |
第四話 | クロース・コンバット(近接戦闘) |
第五話 | カウンター・アタック(逆撃強襲) | 第三章 |
第六話 | ワール・ウィンド(疾風怒濤) |
第七話 | ナイト・ビフォア(出撃前夜) | 第四章 |
第八話 | ウェイスト・ランド(死地凶変) |
第九話 | ショウ・ダウン(竜虎宣戦) | 第五章[注 10] |
第十話 | ライトニング・スピード(神速無双) |
第十一話 | ラスト・スタンド(要害堅固) | 第六章[注 11] |
第十二話 | エンドレス・フェイト(永劫回帰) |
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映像ソフト
映像ソフトは全話収録のBlu-ray BOX(BCXA-0897)が2014年8月27日に発売され、上記したピクチャードラマや新作映像、下記の外伝小説も収録される[15]。なおこのBlu-ray BOXではタイトル表記が「ブレイクブレイド TV EDITION」とされている[15]。
OVA
テレビ放映版に合わせ、外伝的作品となるOVA企画が進行中であることも発表された[5]が、2016年12月28日には吉永裕ノ介と相談のうえで制作が中止になったことが発表された[16]。
外伝小説
外伝オンライン小説『ブレイク ブレイド -蒼月ノ絆-』が2010年4月16日から2011年4月28日までウェブサイト『GA Graphic』(ソフトバンククリエイティブ)にて毎月1話ずつ連載された。アテネス連邦とクリシュナ王国の戦端が開かれて1ヵ月後の、ミゾラム要塞を中心に設定された西部国境戦線を守備する、ファブニル4台で構成されるダナン小隊を中心とした話となっている。
当初は配信サイトにて全話無料で購読可能であったが、現在は『GA Graphic』の閉鎖に伴い購読不可能となっている[17]。しかし2014年8月発売のテレビアニメ版Blu-ray BOXに紙書籍版が付属された[15]。
関連商品
コトブキヤの『クロスフレーム』シリーズより、「デルフィング」「エルテーミス」「ファブニル(一般機)」のプラモデルが順次発売されている。また千値練の『RIOBOT』シリーズ第1弾として、「デルフィング(第二形態)」、第2弾として、「デルフィング(第三形態)」、誌上通販で「デルフィング(第一形態)」のアクションフィギュアが発売中である。
コトブキヤのプラモデルについてはテレビアニメ版に合わせてリニューアル版が発売。
ゲーム
- スーパーロボット大戦DD
- 2019年8月よりリリースされているiOS / Android用アプリゲーム。本作のキャラクター・メカニックが登場する。
- 2022年11月にテレビアニメ版が期間限定参戦。2023年11月に復刻参戦、以降は恒常参戦へと変更されている。