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ナルヴィ(Narvi)
ナルヴィ(Narvi)は、北欧神話に登場する人物の名である。 次の2名が登場する。
ナルヴィは悪神ロキと、妻のシギュンとの間の息子とされている。 土星の第31衛星ナルビのエポニムである。
『古エッダ』と『スノッリのエッダ』では彼の扱いが異なっている。
『古エッダ』の『ロキの口論』において、息子ナリの腸でロキは拘束され、兄弟のナルヴィは狼に変身させられた。狼がナリを殺すといった趣旨の文章はみられない[1]。
しかし、『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』では、まず33章で夫婦の息子はナリでその別名がナルヴィだとされている。ところが50章では、ナリの他にヴァーリという息子が登場し、これが狼に変身させられてナリを引き裂いてしまう。腸を引きずり出したのは神々とされている[1]。
シーグルズル・ノルダルがこの違いを次のように解釈している。 スノッリはナリとナルヴィを同一人物と考え、最初に息子は1人しか紹介しなかった。ところがロキの捕縛の場面を書く際、息子は2人いなければならなかった。スノッリや彼にこの物語を話した誰かは2人目の名前を、おそらくは誤解から、オーディンの息子ヴァーリと同じヴァーリとした。オーディンの息子は、バルドルを殺したホズに復讐するために生まれてきた。ロキの息子ヴァーリも、バルドルの復活を阻んだロキに対して復讐をする[2]。
ナルヴィ(Narfi)もしくはネルヴィ(Nörfi)は、北欧神話に登場する、夜の女神ノートの父である巨人とされている。 『ギュルヴィたぶらかし』第10章での説明によると、彼はヨトゥンヘイムに住んでいる。
尾崎和彦によれば、研究者のN. M. ペターセン(Niels M. Petersen)は彼女の名前の原義を、ドイツ語の「Narbe」(傷痕)から「Fordybning」(窪み)、「Kløft」(裂け目)へと推論して、この「深淵」から「夜」が生まれると解釈しているという[3]。
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