110メートルハードル(英語: 110 metres hurdles)は、陸上競技のハードル競走の一種で、10台のハードルを跳び越えながら110メートルを走るタイムを競う競技。主に男子の競技であり、女子では100メートルハードルが行われる。略してトッパ(ー)とも呼ばれる。
概要
- 最初のハードルまでの距離13.72メートル。(45ft) -「アプローチ」と呼ばれる。
- ハードル間の距離9.14メートル。(30ft) -「インターバル」と呼ばれる。
- 最後のハードルからゴールまでの距離14.02メートル。(46ft) -「ランイン」と呼ばれる。
区分 | 表記 | 高さ | フィート(実寸) |
---|---|---|---|
一般 | 110mH | ||
U20 U18 | 110mJH | ||
中学 | 110mYH |
一般に99.1cmの高さのハードルをジュニアハードル(JH)と言い、日本では主にU20日本陸上競技選手権、U18日本陸上競技選手権、国体少年区分(中学3年生から高校3年生)で採用されている。世界ジュニア選手権でも、2006年から採用されている。なお、99.06cmを切り上げて99.1と表記されることもある。また、91.4cmのハードルをユースハードルと言う(2008年から表記は110mMH(ミドルハードル)→110mYH(ユースハードル)に変更)。ユースハードルは男子400メートルハードルで用いられる高さである。
なお、ハードルの高さ・長さが、それぞれ半端な数字になるのは、もともとイギリスの一般的な単位であるインチ、フィート、ヤードからきているからである。もともと、ハードルの高さは、3.5フィート(3フィート6インチ)であり、それをもとに現在のジュニアハードルの高さは3.25フィート(3フィート3インチ)、ミドルハードルは3フィートになった。
また、110mHのスタートから1台目のハードルの長さである13.72mは15ヤード(45フィート)、インターバルの9.14mは10ヤード(30フィート)が元になっている。110mHが110mというほかの競技と違いきりのいい数字ではない理由も、120ヤードがもとであり、その後メートル法になる際、120ヤードは109.7mと110mにほぼ同じなので、110mHとなったからである。
インターバルの歩数は一般的に「3歩」と表現されるが、これは振り上げた前足がハードルを超えて着地するのを「0歩目」と換算していることによる。それに対して後からハードルを越えてきた反対の足が1歩目および3歩目を担当し、3歩目がそのまま次のハードルの踏み切り足となるので、常に同じ足で踏み切っている状態が3歩と表現されている。スタートから1台目までの歩数は長らく8歩が主流であったが、選手の体格や加速力向上の影響から8歩では距離が詰まってしまう選手も増えており、近年では7歩に短縮を図った選手の台頭も目立つ。
世界歴代10傑
タイム | 風速 | 名前 | 所属 | 場所 | 日付 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 12秒80 | +0.3 | アリエス・メリット | アメリカ合衆国 | ブリュッセル | 2012年9月7日 |
2 | 12秒81 | +1.8 | グラント・ホロウェイ | アメリカ合衆国 | ユージーン | 2021年6月26日 |
3 | 12秒84 | +1.6 | デヴォン・アレン | アメリカ合衆国 | ニューヨーク | 2022年6月12日 |
4 | 12秒87 | +0.9 | ダイロン・ロブレス | キューバ | オストラヴァ | 2008年6月12日 |
5 | 12秒88 | +1.1 | 劉翔 | 中国 | ローザンヌ | 2006年7月11日 |
6 | 12秒89 | +0.5 | デビッド・オリバー | アメリカ合衆国 | サン=ドニ | 2010年7月16日 |
7 | 12秒90 | +1.1 | ドミニク・アーノルド | アメリカ合衆国 | ローザンヌ | 2006年7月11日 |
+0.7 | オマール・マクレオド | ジャマイカ | キングストン | 2017年6月24日 | ||
9 | 12秒91 | +0.5 | コリン・ジャクソン | イギリス | シュトゥットガルト | 1993年8月20日 |
10 | 12秒92 | -0.1 | ロジャー・キングダム | アメリカ合衆国 | チューリッヒ | 1989年8月16日 |
+0.9 +0.2 | アレン・ジョンソン | アメリカ合衆国 | アトランタ ブリュッセル | 1996年6月23日 1996年8月23日 | ||
+0.6 | セルゲイ・シュベンコフ | ロシア | セーケシュフェヘールヴァール | 2018年7月2日 |
エリア記録
U20世界歴代10傑
- 106.7cm規格。樹立年の12月31日時点で年齢が20歳未満であるジュニア選手のみが対象となる。
タイム | 風速 | 名前 | 所属 | 場所 | 日付 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 13秒12 | +1.6 | 劉翔 | 中国 | ローザンヌ | 2002年7月2日 |
2 | 13秒18 | +0.4 | Ja'Kobe THARP | アメリカ合衆国 | ゲインズビル | 2024年5月11日 |
3 | 13秒23 | ±0.0 | レナルド・ニアマイア | アメリカ合衆国 | チューリッヒ | 1978年8月16日 |
4 | 13秒28 | +0.5 | 村竹ラシッド | 日本 | 大阪 | 2021年6月24日 |
5 | 13秒32 | +0.7 | De'Jour Russell | ジャマイカ | キングストン | 2017年6月24日 |
6 | 13秒36 | -0.6 | 泉谷駿介 | 日本 | 福岡 | 2019年6月30日 |
7 | 13秒39 | ±0.0 | ケイロン・スチュアート | ジャマイカ | ニューヨーク | 2008年6月8日 |
8 | 13秒40 | -1.0 | 史冬鵬 | 中国 | 上海 | 2003年9月14日 |
9 | 13秒43 | -0.1 | Yuanjiang CHEN | 中国 | 衢州市 | 2024年9月15日 |
10 | 13秒44 | -0.8 | コリン・ジャクソン | イギリス | アテネ | 1986年7月19日 |
-0.8 | Damion Thomas | ジャマイカ | ユージーン | 2018年6月6日 |
アジア歴代10傑
タイム | 風速 | 名前 | 所属 | 場所 | 日付 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 12秒88 | +1.1 | 劉翔 | 中国 | ローザンヌ | 2006年7月11日 |
2 | 13秒04 | -0.9 | 泉谷駿介 | 日本 | 大阪 | 2023年6月4日 |
-0.9 | 村竹ラシッド | 日本 | 熊谷 | 2023年9月16日 | ||
4 | 13秒10 | +0.6 | 高山峻野 | 日本 | 平塚 | 2022年8月6日 |
5 | 13秒16 | +1.7 | 金井大旺 | 日本 | 広島 | 2021年4月29日 |
6 | 13秒17 | +0.7 | 謝文駿 | 中国 | 上海 | 2019年5月18日 |
7 | 13秒19 | +1.7 | 史冬鵬 | 中国 | 大阪 | 2007年8月31日 |
8 | 13秒20 | +0.9 | 野本周成 | 日本 | 福井 | 2023年7月29日 |
9 | 13秒22 | +1.3 | 徐卓一 | 中国 | 鳥取 | 2024年6月2日 |
10 | 13秒25 | -0.1 | 李トウ | 中国 | リンツ | 1994年7月4日 |
−0.1 | 朱勝龍 | 中国 | 瀋陽市 | 2023年6月29日 | ||
日本歴代10傑
タイム | 風速 | 名前 | 所属 | 場所 | 日付 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 13秒04 | -0.9 | 泉谷駿介 | 住友電工 | 大阪 | 2023年6月4日 |
-0.9 | 村竹ラシッド | 順天堂大学 | 熊谷 | 2023年9月16日 | ||
3 | 13秒10 | +0.6 | 高山峻野 | ゼンリン | 平塚 | 2022年8月6日 |
4 | 13秒16 | +1.7 | 金井大旺 | ミズノ | 広島 | 2021年4月29日 |
5 | 13秒20 | +0.9 | 野本周成 | 愛媛陸協 | 福井 | 2023年7月29日 |
6 | 13秒29 | +1.1 | 豊田兼 | 慶應義塾大学 | 成都 | 2023年8月4日 |
+0.1 | 阿部竜希 | 順天堂大学 | 佐賀 | 2024年10月15日 | ||
8 | 13秒33 | +0.9 | 横地大雅 | Team SSP | 福井 | 2023年7月29日 |
9 | 13秒36 | +0.8 | 石川周平 | 富士通 | 横浜 | 2023年5月21日 |
10 | 13秒39 | +1.5 | 谷川聡 | ミズノ | アテネ | 2004年8月24日 |
日本パフォーマンス歴代10傑
タイム | 風速 | 名前 | 所属 | 場所 | 日付 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 13秒04 | -0.9 | 泉谷駿介 | 住友電工 | 大阪 | 2023年6月4日 |
-0.9 | 村竹ラシッド | 順天堂大学 | 熊谷 | 2023年9月16日 | ||
3 | 13秒06 | +1.2 | 泉谷駿介 | 順天堂大学 | 大阪 | 2021年6月27日 |
+1.3 | 泉谷駿介 | 住友電工 | ロンドン | 2023年7月23日 | ||
5 | 13秒07 | +0.8 | 泉谷駿介 | 住友電工 | 横浜 | 2023年5月21日 |
+0.2 | 村竹ラシッド | JAL | 新潟 | 2024年6月30日 | ||
7 | 13秒10 | +0.6 | 高山峻野 | ゼンリン | 平塚 | 2022年8月6日 |
+0.9 | 泉谷駿介 | 住友電工 | ユージーン | 2023年9月17日 | ||
+1.2 | 泉谷駿介 | 住友電工 | 東京 | 2024年7月21日 | ||
10 | 13秒14 | −1.0 | 村竹ラシッド | JAL | 新潟 | 2024年6月29日 |
−0.5 | 村竹ラシッド | JAL | ザグレブ | 2024年9月9日 | ||
日本学生歴代10傑
日本U20歴代10傑
- 樹立年の12月31日時点で年齢が20歳未満であるジュニア選手のみが対象となる。以下、一般規格(106.7cm)で実施された記録10傑。
タイム | 風速 | 名前 | 所属 | 日付 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 13秒28 | +0.5 | 村竹ラシッド | 順天堂大学 | 2021年6月26日 |
2 | 13秒36 | -0.6 | 泉谷駿介 | 順天堂大学 | 2019年6月30日 |
3 | 13秒59 | -0.7 | 古賀ジェレミー | 東京高等学校 | 2024年8月1日 |
4 | 13秒67 | +1.4 | 藤原孝輝 | 東洋大学 | 2021年9月19日 |
+0.9 | 西徹朗 | 早稲田大学 | 2023年3月16日 | ||
6 | 13秒68 | -0.7 | 髙城昊紀 | 宮崎県立宮崎西高等学校 | 2024年8月1日 |
7 | 13秒73 | +0.4 | 古谷拓夢 | 早稲田大学 | 2016年6月25日 |
8 | 13秒76 | +1.7 | 近藤翠月 | 東海大学 | 2021年7月17日 |
9 | 13秒78 | +1.9 | 小池綾 | 法政大学 | 2022年9月18日 |
10 | 13秒81 | +0.9 | 清水功一朗 | 関西学院大学 | 2019年9月14日 |
・以下、ジュニア規格(99.1cm)で実施された記録5傑。
高校歴代10傑
- 一般規格(高さ106.7cm)で実施された記録に限る。
タイム | 風速 | 名前 | 所属 | 日付 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 13秒59 | -0.7 | 古賀ジェレミー | 東京高等学校 | 2024年8月1日 |
2 | 13秒68 | -0.7 | 髙城昊紀 | 宮崎県立宮崎西高等学校 | 2024年8月1日 |
3 | 13秒69 | +1.4 | 西徹朗 | 名古屋高等学校 | 2021年8月1日 |
4 | 13秒83 | +0.7 | 古谷拓夢 | 相洋高等学校 | 2014年10月3日 |
5 | 13秒85 | +1.4 | 金井直 | 川崎市立橘高等学校 | 2015年8月2日 |
+0.4 | 近藤翠月 | 新潟産業大学附属高等学校 | 2020年11月3日 | ||
7 | 13秒91 | +1.1 | 森戸信陽 | 船橋市立船橋高等学校 | 2017年10月29日 |
−0.1 | 村竹ラシッド | 千葉県立松戸国際高等学校 | 2019年6月17日 | ||
9 | 13秒93 | +0.9 | 泉谷駿介 | 武相高等学校 | 2017年10月15日 |
+2.0 +1.4 | 小池綾 | 大阪府立大塚高等学校 | 2021年6月6日 2021年8月1日 |
学年別歴代記録
タイム | 風速 | 名前 | 所属 | 日付 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 13秒68 | -0.7 | 髙城昊紀 | 宮崎県立宮崎西高等学校 | 2024年8月1日 |
2 | 14秒13 | +1.3 | 高橋遼将 | 中京大学附属中京高等学校 | 2019年10月6日 |
3 | 14秒26 | +0.5 | 西徹朗 | 名古屋高等学校 | 2019年10月26日 |
4 | 14秒32 | +1.9 | 池田海 | 愛媛県立松山北高等学校 | 2018年10月13日 |
5 | 14秒41 | +1.2 | 浅井惺流 | 東海大学付属静岡翔洋高等学校 | 2022年8月21日 |
・以下、ジュニア規格(高さ99.1cm)で実施された記録。
タイム | 風速 | 名前 | 所属 | 日付 | 場所 | |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 13秒31 | +1.5 | 多和田旭 | 岐阜県立大垣商業高校 | 2018年10月7日 | 福井 |
2 | 13秒40 | -0.1 +0.5 | 樋口陸人 | 奈良育英高校 | 2017年10月8日 2017年10月20日 | 松山 名古屋 |
3 | 13秒41 | -0.5 | 西徹郎 | 名古屋高校 | 2021年10月21日 | 松山 |
4 | 13秒47 | +0.5 | 平賀健太郎 | 洛南高校 | 2017年10月20日 | 名古屋 |
5 | 13秒48 | -0.5 | 山中恭介 | 船橋市立船橋高等学校 | 2023年8月27日 | 和歌山 |
中学歴代10傑
- 中学規格(高さ91.4cm)で実施された記録。
タイム | 風速 | 名前 | 所属 | 日付 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 13秒50 | -1.2 | 髙城昊紀 | 宮崎県立宮崎西高等学校附属中学校 | 2023年8月25日 |
2 | 13秒51 | +0.4 | 岩本咲真 | 豊前市立八屋中学校 | 2022年8月21日 |
3 | 13秒68 | +0.4 | 村田隼 | 尼崎市立立花中学校 | 2022年8月7日 |
4 | 13秒74 | +0.5 | 田原歩睦 | 奈良市立平城東中学校 | 2019年8月24日 |
5 | 13秒76 | +1.5 | 山田真大 | 松阪市立三雲中学校 | 2018年10月21日 |
−1.2 | 佐々木空 | 坂井市立春江中学校 | 2023年8月25日 | ||
+0.8 | 赤井遙斗 | 横浜市立緑が丘中学校 | 2024年7月15日 | ||
8 | 13秒79 | +1.8 | 鹿田真翔 | 丸亀市立飯山中学校 | 2018年8月5日 |
9 | 13秒80 | +1.4 | 後藤大樹 | 四街道市立四街道北中学校 | 2024年8月8日 |
10 | 13秒82 | +0.4 | 酒井大輔 | 笠岡市立金浦中学校 | 2022年8月21日 |
- 以下、ジュニア規格(高さ99.1cm)で実施された記録。
タイム | 風速 | 名前 | 所属 | 日付 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 13秒83 | +1.6 | 後藤大樹 | 四街道市立四街道北中学校 | 2024年10月13日 |
2 | 13秒84 | +1.5 | 髙城昊紀 | 宮崎県立宮崎西高等学校附属中学校 | 2023年10月22日 |
3 | 13秒98 | +0.6 | 岩本咲真 | 豊前市立八屋中学校 | 2022年10月23日 |
4 | 14秒03 | -0.2 | 鹿田真翔 | 丸亀市立飯山中学校 | 2018年10月14日 |
5 | 14秒15 | -0.2 | 山田真大 | 松阪市立三雲中学校 | 2018年10月14日 |
6 | 14秒18 | +0.4 | 佐々木空 | 坂井市立春江中学校 | 2023年10月22日 |
7 | 14秒19 | +1.0 | 橋本悠 | 熊谷市立三尻中学校 | 2021年10月24日 |
8 | 14秒22 | +0.7 | 櫛野カリック | 江東区立東陽中学校 | 2023年8月27日 |
9 | 14秒23 | -0.2 | 赤井遙斗 | 横浜市立緑が丘中学校 | 2024年10月12日 |
10 | 14秒24 | +0.5 | 仲田祥平 | 西脇市立西脇中学校 | 2007年10月28日 |
学年別歴代記録
- 以下、中学規格(高さ91.4cm)で実施された記録。
タイム | 風速 | 名前 | 所属 | 日付 | |
---|---|---|---|---|---|
1 | 13秒90 | +0.5 | 高城昊紀 | 宮崎県立宮崎西高等学校附属中学校 | 2022年11月5日 |
2 | 14秒13 | +1.2 | 後藤大樹 | 四街道市立四街道北中学校 | 2023年10月1日 |
3 | 14秒14 | +0.9 | 大道悠生 | 大田区立矢口中学校 | 2024年10月13日 |
4 | 14秒40 | +0.9 | 門田悠希 | 江東区立第二砂町中学校 | 2024年10月13日 |
5 | 14秒41 | +1.5 | 久保田倖輔 | 播磨町立播磨南中学校 | 2016年3月26日 |
- 以下、ジュニア規格(高さ99.1cm)で実施された記録。
- 以下、一般規格(高さ106.7cm)で実施された記録。
五輪・世界選手権における日本人入賞者
五輪・世界選手権における日本人男子入賞者
2023 | 第19回世界陸上競技選手権大会(ブダペスト) | ハンガリー | 泉谷駿介 | 5位 | 13秒19 |
- 2023年世界陸上競技選手権大会で泉谷駿介が5位入賞を果たし、この種目における日本人男子選手最初の入賞者となった。
関連項目
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