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西武鉄道の通勤形電車 ウィキペディアから
西武6000系電車(せいぶ6000けいでんしゃ)は、1992年(平成4年)に運行を開始した西武鉄道の通勤形電車。
西武6000系電車 | |
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6000系6107編成(ステンレス車) (2023年4月19日 中村橋駅) | |
基本情報 | |
運用者 | 西武鉄道 |
製造所 |
東急車輛製造(0番台・SUS車) 日立製作所(50番台・アルミ車) |
製造年 | 1992年 - 1998年 |
製造数 | 25編成250両 |
運用開始 | 1992年6月1日 |
主要諸元 | |
編成 | 10両編成 |
軌間 | 1,067 mm |
電気方式 | 直流1,500 V(架空電車線方式) |
最高運転速度 |
105 km/h(西武線内) 110 km/h(東急線内) 80 km/h(地下鉄線内) |
設計最高速度 | 120 km/h |
起動加速度 |
2.8 km/h/s(西武線内) 3.3 km/h(地下鉄線内) |
減速度(常用) | 3.5 km/h |
減速度(非常) | 4.5 km/h |
編成定員 | 1,430(座席522)人 |
車両定員 |
先頭車135(座席48)人 中間車145(座席54または51)人 |
自重 |
27.0 - 39.0 t(0番台) 25.0 - 37.5 t(50番台) |
編成重量 |
339.2 t(ステンレス車) 325.1 t・310.1 t(アルミ車) |
全長 | 20,000 mm |
全幅 | 2,871 mm(側灯の張り出しを含む) |
車体幅 | 2,800 mm |
全高 |
4,060 mm(空調上面まで) 4,117 mm(パンタ折畳み高さ) |
車体 |
ステンレス鋼(0番台) アルミニウム合金(50番台) |
台車 |
ボルスタレス台車 0番台:緩衝ゴム式SS125・SS025 5次車:SS125A・SS025A 6・7次車:モノリンク式SS150・SS050 |
主電動機 |
かご形三相誘導電動機 6157F更新後 = 永久磁石同期電動機 |
主電動機出力 |
日立製:155 kW 三菱製:170 kW 東芝製:190 kW |
駆動方式 | WN継手式中実軸平行カルダン |
歯車比 | 101:16 (6.31) |
編成出力 | 3,720 kW (日立製モーターの搭載編成) |
制御方式 | VVVFインバータ制御 |
制御装置 |
日立: VFG-HR1820B (GTO-VVVF) 機器更新車 三菱: MAP-178-15V272/272A (MOSFET-VVVF) 東芝:(IGBT-VVVF (SVF102-F0) |
制動装置 |
ATC連動電気指令式空気ブレーキ(回生ブレーキ併用) 機器更新: 純電気ブレーキ |
保安装置 |
西武型ATS 東京地下鉄新CS-ATC・ATO 東急・横浜高速ATC-P (6101F・6102Fは西武ATSのみ) |
帝都高速度交通営団(現:東京地下鉄〈東京メトロ〉)有楽町線との相互直通運転用車両として、1992年(平成4年)6月1日から営業運転を開始[1]。10両編成25本が製造され、1995年度までは東急車輛製のステンレス車体、1996年度からは日立製作所製のアルミニウム車体となる。
本系列は今後の西武鉄道の標準車両と位置づけられ、「旅客サービス向上」「省エネルギー化」「メンテナンスフリー化」などをコンセプトに設計された。
従来の101系や2000系に代表される「黄色い電車」のイメージから大きく変わり、20000系などとともに新たな西武電車の標準を確立した。西武の車両では初の10両固定編成で、本系列の投入以後、西武線における日中の優等列車の10両編成化が進行した。この結果、本系列は池袋線においての主力車両となっている。なお、補助電源などの関係で営業運転では10両固定編成でのみ使用される。
車両番号は新しい方式を採用した。これは1000の位で車両形式を、100の位で連結位置(号車)を、下二桁で編成番号を表すもので、営団地下鉄(現・東京メトロ)で採用していた付番方式である。飯能・西武新宿寄りから6100形・6200形 - 6900形・6000形とされ、固定編成の連結位置が容易に判別できる。
本項では特筆のない限り、落成当時の仕様について述べる。
前面は西武の車両で初めて、左右非対称構造を採用した。地下鉄線への乗り入れ条件から、非常時の貫通扉を設けた構造を採用。この貫通扉は完全に片側に寄せ、運転台スペースを広く確保している。また、貫通扉は気密性を考慮したプラグドア構造とし、合わせて非常用ハシゴも装備する。
前頭部は0番台はFRP成形品、50番台はアルミニウムの削り出し品で、どちらもシルバーメタリックに塗装されている。前照灯・尾灯は角形コンビネーション化され、下部には排障器を備え、連結器は密着連結器を装備する。
塗装はステンレス車が無塗装、アルミ車がグレーで塗装されており、前面窓下および側窓上下に青色(西武ブルー[2])を配している。
行先表示器は字幕式。前面・側面に設置し、行先と種別は丸ゴシック体(ナール)でローマ字併記。また、前面には地下鉄用の運行番号表示器を備えており、これはマグサイン方式を採用。地下鉄線直通運用時のみ表示する。なお側面の表示器は6105Fから位置が若干右側に変更されている。当初は通過標識灯(急行灯)を設けていたが、増備途中で使用停止となり、6次車からは省略された。
転落防止幌は50番台は製造時より設置、0番台は後に改造で設置されている。帯は貼られていない[注 1]。なおこの影響で50番台では妻面窓の幅がやや狭くなっている。
各車両の屋根上にはベンチレーター(通風器)を設置。
車体側面の車両番号表記は青色で、ステンレス車はエッチングプレート、アルミ車は切り抜き文字となる。社紋、車種記号(クハ・モハ等)の表示がなくなり、数字のみの表示となった。
1 - 4次車は西武では初となる軽量ステンレス車体を採用。幕板部と腰板部はビード加工でベルトグラインド仕上げ、吹寄せ部はダルフィニッシュ仕上げとしている。ステンレス鋼の採用で、在来車両に比べて軽量化が図られている。車両番号は0番台で、側面に戸袋窓を持つ。
5次車はさらなる軽量化のため、西武鉄道で初のアルミ製車体を採用[3]。構体はアルミの大形押出形材を組み合わせたもので、既存の6000系のイメージを残すためにグレーに塗装がされている[3]。車両番号は識別のため50番台となった。基本的な仕様はステンレス車に準拠したものとなっている[3]。
6次車以降は、製造時の工数低減、さらなる車両軽量化のため、側面戸袋窓を廃止[4]。これによって編成あたり1.5 tの軽量化が達成されている[4]。台車の変更もあり、合計で15.0 tの軽量化となった[4]。
編成重量は、1 - 4次車で339.2 t、5次車で325.1 t、6・7次車で310.1 tとなっている[4]。1 - 4次車と6・7次車の編成重量の差は29.1 tにもなる。
側面、妻面はアイボリー系に「リンクル模様」の入った化粧板を、天井はクリーム色無地の化粧板を使用。床材は灰色のロンリウム(ビニル床シート)材であり、出入り口部は滑り止め加工品を用いている。主電動機の三相交流化に伴い、保守低減が可能となったことから、西武鉄道の車両で初めて主電動機点検蓋を廃止した。
座席は通常部は青色のモケットで、背ずりには西武で初めて着座区分の模様が入れられた。優先席部の座席は当時の西武標準の青緑色のモケットが使用され、区分模様はない。なお区分模様の色については1次車での試験(奇数号車:白、偶数号車:赤[5])の結果、白色とされた。1次車も程なくして白色へ交換されている。端部は袖仕切構造とし、外側は灰色の化粧板、座席側は青色のモケットが張られる。
客用ドアの室内側は化粧板仕上げとなった。窓は0番台は単板ガラス(室内側からの金枠抑え)、50番台は複層ガラス構造である。戸袋窓を廃した6次車以降は戸袋部に広告枠を設置。ドア付近の床面には滑り止めの凹凸が設けられており、0番台は特徴的な菱形のパターン(後に4000系2次車と9000系にも採用)であったが、50番台は一般的なライン状のものとなっている。
貫通路では全ての妻面に貫通扉が設置されている。西武の通勤車では開く向きが全て揃えられている(飯能に向かって右側へ開く)が、本系列では4号車の池袋寄りのみ向きが異なっている[6]。
2次車からは編成中のモハ6200形とモハ6900形の車端部に車椅子スペースを設置。この場所の側窓は固定式で、安全手すりと非常通報器を備える。1次車も1998年(平成10年)ごろの定期検査の際に追設された。
つり革はいずれも白色の丸形。優先席付近のみ後に黄色へ変更された。また当初はドア付近の線路方向への設置がなく、0番台は改造時に、50番台のみ製造時より設置となっており、後者は線路方向の吊り手棒が一直線状になっている特徴がある。
旅客案内にはLED式車内案内表示器・ドアチャイムや自動放送装置などを採用しており、いずれも西武で初採用。また、各車両2か所(車椅子スペース設置車は3か所)に乗務員と相互通話可能な非常通報器を設置。
空調装置は、三菱電機製の集中式CU72系であることには変わりないが、従来車との互換性がないCU72Eが採用された。装置は新規設計で、圧縮機は低騒音形のスクロール式としている。電源はSIV装置からの三相交流440 Vであり、冷凍能力は48.84 kW(42,000 kcal/h)。増備とともに改良され、特に50番台以降の編成に装備されたもの(CU72H)では外見上の変化も生じたが、本系列の中では互換性があり、ほぼ区別なく使用されるため編成内での混在も多かった。2008年より代替フロンを用いたCU722Aが登場し、現在はこれに統一されている。
車内天井は平天井構造で、冷風の拡散はラインフローファン方式で、ラインフロー(空調吹出口)にはアクセントとして緑色のテープが貼られている。補助送風機(ラインデリア)は各車7台設置に増設された。
乗務員室内は緑色の配色。運転台は計器盤が濃い灰色、操作卓は緑色。主幹制御器はマスコンとブレーキ操作器が別々の縦軸ツーハンドル・マスコン方式。(力行1 - 4ノッチ・常用ブレーキ1 - 7段・非常)当初より有楽町線への対応を考慮しており、速度計は車内信号対応形・保安表示灯にはATC表示灯もある。運転台右側には故障の状態などを表示するモニタ表示器を設置。
乗務員室と客室の仕切りにはやや高い位置に窓が3か所設置されている。このうち、客室側から見て右側の窓は乗務員室仕切扉窓。いずれの窓にも遮光幕が設置してある。
本項では特筆のない限り、製造当初の仕様について解説する。
制御装置は、GTO素子を用いた日立製作所製のVVVFインバータ制御装置が採用された。これは、新交通システムの山口線用8500系に続く採用で、101系、2000系での性能試験結果を受けてのもの[5]。1台の制御器で8台の主電動機を制御する1C8M方式のVFG-HR1820BをM1, M3, M5に各1台搭載[7]。
補助電源装置は三菱電機製の静止形インバータ(SIV装置)を採用、M2,M4,M6に各1台搭載[7]。容量は150 kVA、出力は三相交流 440 Vである。自動受給電装置を搭載し、SIV故障時には延長給電ができるよう冗長化を考慮している。初期の編成ではGTO素子を使用したもの (NC-FAT150CまたはNC-FAT150E) であったが、6112Fにおいて試験的にIGBT素子を使用したもの (NC-SAT150A) を採用。その後、6116F以降で本格採用となった。
集電装置は東洋電機製造製の菱形パンタグラフ (PT44-S-F-M) をM1, M3, M4, M5の飯能寄りに搭載した[7]。電磁カギ外し装置付きで、剛体架線に対応する[7]。
台車は西武鉄道初のボルスタレス台車を採用し、全台車に滑走防止装置も装備。初期の0番台は軸箱支持装置を緩衝ゴム式とし、基礎ブレーキは両抱き式踏面ブレーキ(クラスプブレーキ)のSS125・SS025形台車を装備し[8]、その後の50番台 (6151F - 6155F) では横梁構造を変更したSS125A・SS025A形となった[9]。6次車以降では軽量化のため、軸箱支持方式がモノリンク式のSS150・SS050形とし、基礎ブレーキは構造を簡素化した片押し式のユニットブレーキとなった。これにより1編成あたり13.5 tの軽量化がされている。
主電動機は日立製作所製 155 kW出力のかご形三相誘導電動機、HS32534-03RB形・HS32534-06RB形を搭載する。
ブレーキ装置はナブコ製回生ブレーキ併用電気指令式空気ブレーキ HRDA-1を採用した。かつては0番台と50番台で装置の仕様が異なっていたが、現在は0番台も50番台と同じ仕様となっている。ブレーキは遅れ込め制御・保安ブレーキ・圧着ブレーキ(耐雪ブレーキ)付きである。
保安装置は自社線内用に西武型ATS装置を搭載する。
このほか、4・5号車間は簡易運転台の取付が可能な構造としており[7]、連結器も丸形密着連結器となっている[7][注 4]。
営団有楽町線への相互直通運転に使用するため、1994年度製造分のうち6108F - 6111Fの4編成に新製時より対応機器を搭載した[10][注 5]。各編成は1994年12月7日より同路線への暫定的な乗り入れを開始している。
その後1998年3月に本格的な直通運転が開始された。これによる運用増に対応するため1997年度より既存車両への対応工事が実施され、また同年度以降の増備車(6156F - 6158F)は新製当初より直通対応とされた[10]。
改造は6112F - 6117F・6151F - 6155Fの11編成に施工された。6101F - 6107Fへの施工は見送られている。
なおこれに関連し、本格的な直通運転が開始された1998年には池袋線の未施工車に『西武線のみ』を示す「S」マークが掲出された。
東京メトロ副都心線・東急東横線・横浜高速鉄道みなとみらい線への相互直通運転に使用するため、2006年度より対応工事が実施された。副都心線への直通運転は2008年6月14日から、東横線・みなとみらい線への直通運転は2013年3月16日から開始。
改造は玉川上水車両基地にて、2次車以降の全編成(6103F - 6117F・6151F - 6158F)を対象に実施され、この中にはそれまで有楽町線非対応であった編成も含まれる。1次車は運転台機器配置や床下機器配置に若干の差異があり[5]、改造対象から除外された。
なおこれに関連し副都心線開業以降、池袋線所属の未改造編成に対して『有楽町線のみ対応』を示す「Y」マークを掲出していた。
大規模な改造が行われていることから、本項では施工済の編成については実際の対応可否に関わらず「副都心線対応車」として記載する。
施工内容
年度ごとの動き
2006年度:6103F・6107F・6106F[15]
2007年度:6104F・6105F・6114F・6115F・6116F・6154F・6158F・6117F[16]
2008年度:6155F・6153F・6156F・6157F・6108F[17]
2009年度:6109F ‐ 6113F[18]
2010年度:6151F・6152F[20]
副都心線対応改造完了後の2011年度から2015年度にかけて本格的に実施された。いずれも玉川上水車両基地で施工されている。1次車には実施されていない。
2009年度:6109F(副都心線対応改造と同時)
2011年度:6107F・6103F・6104F・6105F・6113F[22]
2012年度:6106F・6110F・6108F[23]
2013年度:6115F・6117F・6116F・6114F・6111F[24]
2014年度:6154F・6112F・6151F・6158F[25]
2015年度:6153F・6155F・6152F・6156F・6157F[26]
2017年度から、スマイルビジョンを40000系と同等の17インチ(アスペクト比16:9)のものへ更新する改造が行われている。現在のところ設置時と概ね同じ順序で、こちらも玉川上水車両基地にて実施されている。
2017年度:6109F
2018年度:6107F・6113F
2019年度:6103F・6105F・6104F
2020年度:なし
2021年度:6106F・6110F
2022年度:6108F・6111F[27]
2023年度:6114F・6115F
2014年度から2023年度にかけて、全編成に対して主回路装置の更新が行われた。当改造は武蔵丘車両検修場にて実施され、多くは検査と同時に行われている。
本工事に際しては2014年度末、2編成に対してそれぞれ東芝製・三菱電機(以下、三菱)製の装置を取付け、比較試験を行っている。結果として三菱製の装置が採用され、2016年度から2019年度の間に本格的に施工された。この時点では1次車への施工は見送られたものの追って実施され、全編成への施工が完了した。
施工に際しては床下機器の変更に加えて、2016年度以降では屋根にかけての高圧配管も引き直しが行われており、妻面下部の取り回しが変更されている。6156F・6157Fも2022年の入場時に追って実施した。また6151F - 6155Fは床修繕工事、6101F・6102Fは種別・行先表示器のLED化がそれぞれ同時に実施された。
以下は年度ごとの施工車両一覧(施工順)。2016年度以降は全て三菱となるためメーカーを省略する。
2014年度:6157F(東芝)・6156F(三菱)[25]
2016年度:6110F・6104F・6158F[28]
2017年度:6111F・6106F・6114F・6103F・6113F・6117F・6105F・6107F・6116F・6115F[29]
2018年度:6108F・6112F・6151F・6152F・6153F[30]
2019年度:6109F・6154F・6155F[31]
2022年度:6102F※[27]
2023年度:6101F※[6]
※6101F・6102Fは主制御器の形式が異なる(末尾A)。
2015年(平成27年)4月に、西武鉄道の前身となる「武蔵野鉄道」が開業から100周年を迎えるため、6157Fに「黄色い電車」をイメージしたラッピングが施され、「黄色い6000系電車」として同年4月18日の臨時列車から運行開始[43][44]。西武の黄色い車両が地下鉄および他線区に乗り入れるのは今回が初めて。
6000系のデビュー30周年を記念して、2022年6月4日から2023年3月30日まで6101Fに記念ヘッドマークを取付けて運行していた[46]。
2023年10月1日から、6117Fの帯を黄色にラッピングして運行している。公式Twitterでは「黄帯の6000系」のハッシュタグも用いられている。西武有楽町線の新桜台 - 小竹向原駅間が1983年10月1日の開通から40周年となることを記念したラッピングで、開通当時の車両である営団7000系をイメージしたもの[47]。11月1日は池袋方先頭車に、当時の発車式で使用したものをイメージしたヘッドマークが掲出されている。
当初予定されていた運行期間は1年程度であり、2024年9月末にはヘッドマークが取り外された。西武線アプリでのラッピング車両としての案内も終了したが、以降も黄色帯はそのままで引き続き運行している。
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
1992年1月より6101F・6102Fが搬入され、乗務員訓練や試運転を経た6月1日から営業運転を開始した[1]。運転開始当初は池袋線池袋駅 - 小手指駅間の準急列車および池袋駅 - 飯能駅間の急行列車へ充当され、限定運転としていた[1]。なお、6101Fは落成直後にクハ6101-モハ6201-モハ6601-クハ6001の4両で試運転も行われた。
1994年8月8日からは新宿線や拝島線でも運転を開始し、701系などを置き換えた。同年12月7日には、西武有楽町線新桜台駅 - 練馬駅間および営団有楽町線新線(現在の副都心線)開業およびと両線の相互直通運転開始に伴い、有楽町線新木場駅 - 和光市駅間にも運転範囲を拡大した[注 17]。
1998年3月26日のダイヤ改正で西武有楽町線新桜台駅 - 練馬駅間が複線化され、相互直通運転区間が飯能まで延長され、本格的に地下鉄直通での運用を開始した。この時点では6108F - 6114Fと50番台の計15本が地下鉄対応車として直通運転に使用され、その他の地上専用編成は誤乗防止の観点もあり基本的に新宿線での運用となったが、6103Fは引き続き池袋線で運用された。この6103Fについてはダイヤ乱れ等の際に有楽町線への誤進入を防ぐため、池袋方の前面スカート下部左右2か所に蛍光塗料による黄緑色の「S」マーク掲出と、蛍光の黄色の板で運番表示器を塞ぐ処置が行われた[5][48][49]。練馬駅の中村橋側に設置されていた監視カメラで識別できるようになっている[5][50]。その後4月に6101F・6102F・6104Fが池袋線へ復帰し、同様の処置がとられている[50]。なお6101F・6102Fでは「S」マークに黄色のステッカーが用いられ、6103F・6104Fも同様に変更された。同年8月から10月頃にかけ、6115F - 6117Fの有楽町線対応改造と6158Fの新製により、6101F - 6104Fが転属、「S」マークと運番塞ぎは撤去された[注 18][51]。
2006年度より、新宿線で運用されていた6103F - 6107Fが副都心線対応改造を実施し、池袋線に転属した。以降、1次車の2編成は地上専用車として新宿線に配置、他の編成は地下鉄(副都心線)対応車として池袋線の配置となった。池袋線では、有楽町線や副都心線への乗り入れ運用に限らず、池袋駅始発・終着の列車でも運用される。有楽町線や副都心線では、池袋線へ直通しない線内折り返しの列車にも使用されており、東上線への乗り入れは出来ないが和光市駅までは入線可能なため、同駅で東武鉄道の非直通車両と並ぶ光景もみられる。0番台のうち、6112F(1994年度)と6115F(1995年度)は落成後新宿線に配置され、その他の15本は落成後池袋線に配置された。したがって、すべての編成が池袋線で運用に就いたことがある。6107Fは池袋線で1か月間だけ使用された後、2007年(平成19年)1月まで新宿線で運用していた。池袋線所属車両の新宿線への貸し出しは以前にも行われており、50番台でも6151Fが唯一新宿線で運行された実績があるが、近年は20000系や30000系が対象になっており、本系列の貸し出しは見られなくなった。
2019年から40000系の増備が続き、これにより6000系は直通運用から撤退する動きがみられている[52]。
2023年3月から翌年3月にかけて、6108F・6103F・6104F・6106F・6105Fの5編成が新宿線へ転属している[34]。これらの編成は転属に際し、地上専用車として弱冷房車位置の変更とCCTVモニタ装置の撤去、列車無線非常発報ボタンの封鎖を行っている。また、6107Fも同様に地上専用車として新宿線へ移動したが、これは貸出扱いで年度内に池袋線へ復帰した。
2024年度より、地下鉄対応車は6109F - 6117Fの9編成に限定された。他の編成は全て非対応車として、運転台に「地下鉄非対応車」の表示を行うとともに、前面非常扉窓の上部に黄色のテープを貼付した(1次車を除く)[6]。またこのとき新たに地上専用化された編成についても、新宿線転属編成と同様に弱冷房車位置変更なども追って実施されている。これによりアルミ車(50番台)は全編成が地上専用車となったが、2024年4月時点で新宿線への転属は予定されていない[52]。
2024年4月1日現在の運用範囲は以下のとおり。西武線内では特急・有料座席指定列車以外のすべての列車種別で運用される。
← 西武新宿
| |||||||||||
号車 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |
形式 | クハ6100 (Tc1) |
◇ モハ6200 (M1) |
モハ6300 (M2) |
サハ6400 (T1) |
◇ モハ6500 (M3) |
✕ モハ6600 (M4) |
サハ6700 (T2) |
◇ モハ6800 (M5) |
モハ6900 (M6) |
クハ6000 (Tc2) | |
搭載機器,設備 | 女性専用車 | VVVF, ♿︎ | SIV, CP | BT | VVVF | SIV, CP | BT | VVVF | SIV, CP, ♿︎ | ||
自重 | SUS車 [53] |
28.5 t | 39.0 t | 37.0 t | 27.0 t | 39.0 t | 37.0 t [注 24] |
27.0 t | 39.0 t | 37.0 t | 28.5 t |
5次車[54] [注 25] |
27.2 t | 37.5 t | 35.0 t | 26.5 t | 37.5 t | 35.0 t [注 26] |
26.5 t | 37.5 t | 35.0 t | 27.2 t | |
6・7次車 [55] |
25.7 t | 36.0 t | 33.5 t | 25.0 t | 36.0 t | 33.5 t [注 27] |
25.0 t | 36.0 t | 33.5 t | 25.7 t | |
定員 (座席) |
135 (48) |
145 (51)[注 28] |
145 (54) |
145 (54) |
145 (54) |
145 (54) |
145 (54) |
145 (54) |
145 (51)[注 28] |
135 (48) | |
車両番号 | 0番台 (SUS車) |
6101 : 6117 |
6201 : 6217 |
6301 : 6317 |
6401 : 6417 |
6501 : 6517 |
6601 : 6617 |
6701 : 6717 |
6801 : 6817 |
6901 : 6917 |
6001 : 6017 |
50番台 (アルミ車) |
6151 : 6158 |
6251 : 6258 |
6351 : 6358 |
6451 : 6458 |
6551 : 6558 |
6651 : 6658 |
6751 : 6758 |
6851 : 6858 |
6951 : 6958 |
6051 : 6058 |
凡例
備考
ステンレス車
アルミ車
表記について
案内装置更新
座席区分模様
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