稚内駅
北海道稚内市にある北海道旅客鉄道の駅 ウィキペディアから
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稚内駅(わっかないえき)は、北海道稚内市中央3丁目に所在する北海道旅客鉄道(JR北海道)宗谷本線の駅である。駅番号はW80[注釈 1]。事務管コードは▲121851[1][2]。現存する日本国内の鉄道駅としては最北に所在する[注釈 2]。
稚内における鉄道は、1922年(大正11年)に開業したが、当初の稚内駅は現在の稚内駅の約2 km 南に位置し(南稚内駅の前身、その後移転)[3]、南樺太の大泊へ向かう鉄道連絡船「稚泊航路」への乗船客は徒歩で、貨物は荷車で連絡していた。
この不便を解消するため、1928年(昭和3年)12月26日に稚内港駅(わっかないみなとえき)まで鉄道路線が延伸されたのが、当駅の始まりである[4]。
1936年(昭和11年)には稚内港の北防波堤桟橋が竣工し、さらに防波堤桟橋内への線路延長敷設工事(約850 m)が始まり、1938年(昭和13年)10月1日から防波堤桟橋内(現:北防波堤ドーム内)に稚内桟橋駅(わっかないさんばしえき)を、稚内港駅の構内乗降場の扱いで設置している[注釈 3][4]。
1939年(昭和14年)2月1日に稚内港駅を稚内駅に、稚内駅を南稚内駅に改称した[4]。その後、稚泊航路は1945年(昭和20年)8月以降のソ連軍の南樺太侵攻開始後も樺太からの引揚者輸送に当たり、同年8月24日に稚内港に入港した便を最後に運航停止となって、稚内桟橋駅も実質的に廃止となった[4]。
2010年(平成22年)1月31日には2番線が廃止されたことにより、単線の駅になった。2011年(平成23年)4月3日には「稚内駅前地区第1種市街地再開発事業」に伴う稚内駅再開発ビル「キタカラ」(KITAcolor)に新しい駅舎(4代目)が開業した(「キタカラ」(KITAcolor)は2012年(平成24年)に全面開業した)[5][6]。
市名より。アイヌ語の「ヤㇺワッカナイ(ラテン翻字: yam-wakka-nay)」〔冷たい・水(飲み水)の・川〕から[28]。
以前は島式ホーム1面2線だったが、2010年(平成22年)1月30日をもって2番線を廃止し、線路や分岐器、出発信号機、場内信号機が撤去され、棒線化及び停留所化した(現駅舎開業以前は構内踏切(警報機のみ)も設置していた)。これに伴い、南稚内駅から当駅(線路終端)間は1閉塞となり、2列車以上の進入ができなくなった。また、以前の日本最北端の線路として使用していた車止めとレールが、JR北海道から稚内市に寄贈され、駅前広場上のモニュメント「日本最北端の線路」として2012年(平成24年)3月に復元されている。
改札口からホームへ向かう通路はスロープになっており、バリアフリー化している。社員配置駅(現在は南稚内駅の被管理駅)。改札口横にみどりの窓口、自動券売機、指定席券売機(クレジットカード専用)[29]、待合室がある。
なお、当駅は稚内市が整備した複合施設「キタカラ(KITAcolor)」内に入居しているが、「キタカラ」は駅のほかバスターミナル(稚内駅前バスターミナル)、売店や飲食店、コンビニエンスストア、観光協会、地域交流センター、映画館、グループホーム、高齢者住宅を備えた複合施設であり[30]、「道の駅わっかない」として道の駅の指定を受けているほか、稚内港国際・国内フェリーターミナルなどと合わせて「みなとオアシスわっかない」の指定も受けている[31]。
かつては稚泊連絡船への接続などを考慮した広大な構内に複雑な配線を施していた。しかし、貨物営業の廃止などにより側線は縮小していき、旅客列車が停車する部分についても棒線化が行われ、現在は分岐器がない駅になった。
← 旭川方 |
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凡例 出典:[32] |
乗車人員の推移は以下のとおり。年間の値のみ判明している年については、当該年度の日数で除した値を括弧書きで1日平均欄に示す。乗降人員のみが判明している場合は、1/2した値を括弧書きで記した。
また、「稚内市統計書」を基とする値については窓口乗車券発売人員のみの値であり、「JR調査」については、当該の年度を最終年とする過去5年間の各調査日における平均である。
年度 | 乗車人員(人) | 出典 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|
年間 | 1日平均 | JR調査 | |||
1935年(昭和10年) | 71,776 | (196.1) | [* 2] | ||
1949年(昭和24年) | 308,210 | (844.4) | |||
1968年(昭和43年) | 433,355 | (1,187.2) | [33] | ||
1970年(昭和45年) | 364,331 | (998.1) | |||
1975年(昭和50年) | 335,540 | (916.7) | |||
1978年(昭和53年) | 694 | [8] | |||
1980年(昭和55年) | 219,339 | (601.1) | [33] | ||
1985年(昭和60年) | 119,307 | (326.9) | |||
1990年(平成 | 2年)86,553 | (237.1) | 前年度で天北線廃止 | ||
1991年(平成 | 3年)88,674 | (242.3) | |||
1992年(平成 | 4年)87,161 | (238.8) | |||
1993年(平成 | 5年)89,790 | (246.0) | |||
1994年(平成 | 6年)88,011 | (241.1) | |||
1995年(平成 | 7年)88,567 | (242.0) | |||
1996年(平成 | 8年)87,235 | (239.0) | |||
2005年(平成17年) | 53,300 | (146.0) | [* 3] | ||
2006年(平成18年) | 47,450 | (130.0) | |||
2007年(平成19年) | 45,200 | (123.5) | [* 4] | ||
2008年(平成20年) | 43,400 | (119.0) | |||
2009年(平成21年) | 40,150 | (110.0) | |||
2010年(平成22年) | 36,500 | (100.0) | |||
2011年(平成23年) | 38,690 | (105.7) | [* 5] | ||
2012年(平成24年) | 38,690 | (106.0) | |||
2013年(平成25年) | 36,360 | (99.6) | |||
2014年(平成26年) | 34,700 | (95.1) | |||
2015年(平成27年) | 39,100 | (106.8) | 10名以上 | [* 5][JR北 1] | |
2016年(平成28年) | 38,000 | (104.1) | 117.8 | [* 6][JR北 2] | |
2017年(平成29年) | 30,700 | (84.1) | 120.0 | [* 6][JR北 3] | |
2018年(平成30年) | 30,300 | (83.0) | 111.8 | [* 6][JR北 4] | |
2019年(令和元年) | 30,400 | (83.0) | 105.4 | [* 6][JR北 5] | |
2020年(令和 | 2年)16,100 | (44.1) | 106.8 | [* 7][JR北 6] | |
2021年(令和 | 3年)14,200 | (38.9) | 93.8 | [* 8][JR北 7] | |
2022年(令和 | 4年)17,500 | (47.9) | 86.2 | [* 1][JR北 8] | |
2023年(令和 | 5年)89.0 | [JR北 9] |
かつては優等列車の発着に合わせて、社員1人で調製から販売を行うサンエイ商事の駅弁が立売で売られていたが、2004年1月にその社員が死去したため、それ以後立売は行われなくなった。その後旭川駅立売商会傘下の稚内駅立売株式会社が発足し調製及び販売を行なっている。
2009年(平成21年)6月30日をもって名寄駅が駅弁販売を終了したため[34]、稚内駅が宗谷本線所属駅では唯一の駅弁販売駅になった。主な駅弁は下記の通り[35]。
駅前交差点は国道40号の終点、国道232号と北海道道106号稚内天塩線の起点になっている。市街地は南稚内駅周辺まで広がっている。稚内フェリーターミナル、稚内港国際旅客フェリーターミナルまでは車で約2分(徒歩約15分)、稚内副港市場までは車で約3分、稚内市開基百年記念塔・北方記念館のある稚内公園までは車で約15分、ノシャップ岬(野寒布岬)までは車で約15分、稚内空港までは車で約20分(バスで約30分)、宗谷岬までは車で約1時間の距離に位置している。
宗谷バスのバスが発着する。路線は当該記事を参照。
1995年9月4日に深名線が廃止されて以降、最長片道切符の起点駅となっていたが、2024年4月1日に根室本線富良野駅 - 新得駅間が廃止されて以降は起点駅でなくなった。ただし、運賃計算キロベースで距離を計算した場合は、引き続き起点駅となる。
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