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ボートレースのSG競走 ウィキペディアから
賞金王決定戦競走(しょうきんおうけっていせんきょうそう)は、ボートレースのSG競走の1つ。2014年からの通称名称は「ボートレースグランプリ(THE GRAND PRIX)」[2]。略称はグランプリ、GP。本項目では、並行して開催されるSG競走「グランプリシリーズ戦(グランプリシリーズせん)(2013年までは「(賞金王)シリーズ」)」についても併せて記述する。
1986年に創設[3]。「グランプリ(賞金王決定戦 以下、グランプリとする)」と「グランプリシリーズ((賞金)シリーズ戦 以下、シリーズ戦とする)」が2部構成で並行して開催[3]される。特にグランプリの優勝戦に進出することは、すべてのボートレーサーが目標とするレース[4]とされ、最高峰の競走として位置づけられている[3]。
伝統と歴史のある5大SG競走「GRANDE5」の最終戦に当たる事や、高額の賞金である事も相俟って、本競走で優勝したボートレーサーが賞金王となる事が多い事から、「ボートレースの日本シリーズ」とも言われる。
大半はボートレース住之江で開催されることが多いが、平均して6-7年に1回は住之江を離れて他のボートレース場で開催される。過去、住之江以外での開催は、平和島が4回(第6回・15回・29回・35回)、戸田(第11回)、福岡(第22回)、大村(第37回)でそれぞれ1回ずつの開催である。
第6回(1991年)以後第33回(2018年)までは、原則として12月23日(平成時代の天皇誕生日)を優勝戦とする日程が組まれていた[注 1]。
2019年に元号が令和に改まり、天皇誕生日が2月に移動したため優勝戦は第3または第4日曜日に組まれており、2019年度の第34回大会は初めてナイターレースとして開催[注 2][5]。これ以後、住之江ではグランプリをナイター競走として開催するようになった。住之江以外では、2022年にボートレース大村(長崎県大村市)で行われた37回大会が初めてのナイターグランプリである。
グランプリ優勝戦の優勝賞金は1億1000万円(第38回/2023年より)。これは1レースの賞金額としてはKEIRINグランプリの優勝賞金1億3000万円(本賞金)[注 3]に次ぐ世界2番目の最高賞金額となっている[注 4]。なお、優勝賞金が1億円の大台に乗せたのは本大会の方が先であり、ギネス世界記録にも認定されている[6]。また、優勝者には他に黄金ヘルメット、主催者市長賞、日本財団会長賞、全国モーターボート競走施行者協議会会長賞、日本モーターボート競走会会長賞、一般財団法人BOATRACE振興会会長賞が授与される。
トライアルを勝ち上がり最終日12レースのグランプリ優勝戦[4]に進出した6名の選手は、翌年のチャレンジカップとグランプリを除く全SG競走(ボートレースクラシック・ボートレースオールスター・グランドチャンピオン・オーシャンカップ・ボートレースメモリアル・ボートレースダービー)への優先出場権が与えられる[注 5](フライングによる出場辞退期間と重複する場合などは除く)。なお優勝戦出走者にはBOAT RACE振興会よりメダルが授与されるが、優勝者には純プラチナメダル、2位は金、3位は銀メダルが贈呈される[4]。
以下は2014年現在[7]の内容。
成績対象期間(1月1日からチャレンジカップ最終日まで)内における獲得賞金ランク上位60名を全登録選手(以下の選出除外事由に該当する選手を除く)から選抜し、上位18位(2013年までは12位)までの選手をグランプリ、19位(2013年までは13位) - 60位の42人(2013年まで48人)をシリーズ戦へ選出[9]。
(2023年改訂[10])
6日間開催で行われる。前半5日間は2段階方式によるトライアル競走を行い、最終日は順位決定戦とグランプリ優勝戦[4]が行われる。現行の6日間通し、2段階トライアル、18選手参加のスタイルは、対外呼称が「グランプリ」に統一された2014年・平和島大会からである[12]。
使用するモーター(エンジン)は開催場における勝率上位機、および専門紙・スポーツ紙の記者が推薦したものが用意される。
2013年までの当時の「賞金王決定戦」に出場できる選手は、チャレンジカップ終了時の賞金ランキング上位12名までであり、「決定戦」は「シリーズ戦」がGⅠ以下だった時代は後半3日間で、4・5日目に各選手が2レースのトライアルを走り、そのポイント上位6人が「賞金王決定戦」、下位6名が「順位決定戦」に回るというやり方だったが、「シリーズ戦」のSG昇格後は、「決定戦」の会期を4日制に変更。トライアルは各選手3レース走りに増えた[12]。
グランプリと同様に6日間開催で行われる。前半4日間は予選、5日目は準優勝戦、最終日はシリーズ優勝戦が行われる。
予選3日目からは、グランプリのトライアル1stで敗退した6名も加わる。トライアル1st敗退者は得点をシリーズ戦に持ち越すが、得点の不利を補うため、3日目に敗退者6名で通常より少し競走得点を高く設定した「シリーズ復活戦」を行う。
優勝賞金は、出典に明記されているもののみ記載する。
出典はボートレースオフィシャルウェブサイトにあるグランプリの各回ページより。()内の数字は優勝回数(2回以上)。
回数 | 開催年 | 優勝戦日 | 開催場 | 優勝者 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | 登録番号 | 年齢 | 住所 所属支部 | 枠番 | コース | 決まり手 | ||||
1 | 1986年(昭和61年) | 12月23日 | 住之江 | 彦坂郁雄 | 1515 | 45 | 千葉 | 3 | 2 | 差し |
2 | 1987年(昭和62年) | 12月22日 | 住之江 | 安岐真人 | 1864 | 42 | 香川 | 4 | 1 | 逃げ |
3 | 1988年(昭和63年) | 12月20日 | 住之江 | 野中和夫 | 2291 | 44 | 大阪 | 5 | 4 | まくり |
4 | 1989年(平成元年) | 12月19日 | 住之江 | 福永達夫 | 2205 | 41 | 山口 | 1 | 4 | 差し |
5 | 1990年(平成2年) | 12月18日 | 住之江 | 高山秀則 | 2672 | 42 | 宮崎 | 1 | 1 | 逃げ |
6 | 1991年(平成3年) | 12月23日 | 平和島 | 松田雅文 | 2502 | 41 | 福岡 | 2 | 2 | 差し |
7 | 1992年(平成4年) | 12月23日 | 住之江 | 野中和夫(2) | 2291 | 48 | 大阪 | 3 | 1 | 2M差し |
8 | 1993年(平成5年) | 12月23日 | 住之江 | 野中和夫(3) | 2291 | 49 | 大阪 | 5 | 3 | まくり |
9 | 1994年(平成6年) | 12月23日 | 住之江 | 中道善博 | 2096 | 45 | 徳島 | 4 | 3 | 2M差し |
10 | 1995年(平成7年) | 12月24日 | 住之江 | 植木通彦 | 3285 | 27 | 福岡 | 5 | 2 | 3周1M差し |
11 | 1996年(平成8年) | 12月23日 | 戸田 | 植木通彦(2) | 3285 | 28 | 福岡 | 4 | 4 | つけまい |
12 | 1997年(平成9年) | 12月23日 | 住之江 | 服部幸男 | 3422 | 26 | 静岡 | 5 | 6 | まくり差し |
13 | 1998年(平成10年) | 12月23日 | 住之江 | 太田和美 | 3557 | 25 | 大阪 | 3 | 5 | まくり |
14 | 1999年(平成11年) | 12月23日 | 住之江 | 松井繁 | 3415 | 30 | 大阪 | 2 | 2 | まくり |
15 | 2000年(平成12年) | 12月24日 | 平和島 | 市川哲也 | 3499 | 32 | 広島 | 3 | 3 | まくり |
16 | 2001年(平成13年) | 12月24日 | 住之江 | 田中信一郎 | 3556 | 29 | 大阪 | 1 | 1 | 逃げ |
17 | 2002年(平成14年) | 12月23日 | 住之江 | 植木通彦(3) | 3285 | 34 | 福岡 | 3 | 4 | まくり |
18 | 2003年(平成15年) | 12月23日 | 住之江 | 田中信一郎(2) | 3556 | 31 | 大阪 | 1 | 1 | 逃げ |
19 | 2004年(平成16年) | 12月23日 | 住之江 | 田中信一郎(3) | 3556 | 32 | 大阪 | 6 | 6 | 抜き |
20 | 2005年(平成17年) | 12月23日 | 住之江 | 辻栄蔵 | 3719 | 30 | 広島 | 1 | 1 | 逃げ |
21 | 2006年(平成18年) | 12月24日 | 住之江 | 松井繁(2) | 3415 | 37 | 大阪 | 1 | 1 | 逃げ |
22 | 2007年(平成19年) | 12月24日 | 福岡 | 吉川元浩 | 3854 | 35 | 兵庫 | 1 | 1 | 逃げ |
23 | 2008年(平成20年) | 12月23日 | 住之江 | 井口佳典 | 4024 | 31 | 三重 | 1 | 1 | 逃げ |
24 | 2009年(平成21年) | 12月23日 | 住之江 | 松井繁(3) | 3415 | 40 | 大阪 | 3 | 3 | 差し |
25 | 2010年(平成22年) | 12月23日 | 住之江 | 中島孝平 | 4013 | 31 | 福井 | 2 | 2 | まくり |
26 | 2011年(平成23年) | 12月25日 | 住之江 | 池田浩二 | 3941 | 33 | 愛知 | 1 | 1 | 逃げ |
27 | 2012年(平成24年) | 12月24日 | 住之江 | 山崎智也 | 3622 | 38 | 群馬 | 4 | 4 | まくり差し |
28 | 2013年(平成25年) | 12月23日 | 住之江 | 池田浩二(2) | 3941 | 35 | 愛知 | 1 | 1 | 逃げ |
29 | 2014年(平成26年) | 12月23日 | 平和島 | 茅原悠紀 | 4418 | 27 | 岡山 | 6 | 6 | 差し |
30 | 2015年(平成27年) | 12月23日 | 住之江 | 山崎智也(2) | 3622 | 41 | 群馬 | 1 | 1 | 逃げ |
31 | 2016年(平成28年) | 12月25日 | 住之江 | 瓜生正義 | 3783 | 40 | 福岡 | 1 | 1 | 逃げ |
32 | 2017年(平成29年) | 12月24日 | 住之江 | 桐生順平 | 4444 | 31 | 埼玉 | 1 | 1 | 逃げ |
33 | 2018年(平成30年) | 12月24日 | 住之江 | 峰竜太 | 4320 | 33 | 佐賀 | 1 | 1 | 逃げ |
34 | 2019年(令和元年) | 12月22日 | 住之江 | 石野貴之 | 4168 | 37 | 大阪 | 1 | 1 | 逃げ |
35 | 2020年(令和2年) | 12月20日 | 平和島 | 峰竜太(2) | 4320 | 35 | 佐賀 | 1 | 1 | 逃げ |
36 | 2021年(令和3年) | 12月19日 | 住之江 | 瓜生正義(2) | 3783 | 45 | 福岡 | 4 | 3 | まくり |
37 | 2022年(令和4年) | 12月18日 | 大村 | 白井英治[25] | 3897 | 46 | 山口 | 1 | 1 | 逃げ |
38 | 2023年(令和5年) | 12月24日 | 住之江 | 石野貴之(2) | 4168 | 41 | 大阪 | 1 | 1 | 逃げ |
出典はボートレースオフィシャルウェブサイトにあるグランプリシリーズの各回ページより。
回数 | 開催年 | 優勝戦日 | 開催場 | 優勝者 |
---|---|---|---|---|
1 | 1986年(昭和61年) | 12月23日 | 住之江 | 竹内知樹 |
2 | 1987年(昭和62年) | 12月22日 | 住之江 | 瀬尾達也 |
3 | 1988年(昭和63年) | 12月20日 | 住之江 | 瀬尾達也 |
4 | 1989年(平成元年) | 12月19日 | 住之江 | 新開文夫 |
5 | 1990年(平成2年) | 12月18日 | 住之江 | 長岡茂一 |
6 | 1991年(平成3年) | 12月23日 | 平和島 | 岡本義則 |
7 | 1992年(平成4年) | 12月23日 | 住之江 | 長岡茂一 |
8 | 1993年(平成5年) | 12月23日 | 住之江 | 中道善博 |
9 | 1994年(平成6年) | 12月23日 | 住之江 | 西島義則 |
10 | 1995年(平成7年) | 12月24日 | 住之江 | 高山秀則 |
11 | 1996年(平成8年) | 12月23日 | 戸田 | 市川哲也 |
回数 | 開催年 | 優勝戦日 | 開催場 | 優勝者 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
選手名 | 登録番号 | 年齢 | 住所 所属支部 | 枠番 | コース | 決まり手 | ||||
12 | 1997年(平成9年) | 12月23日 | 住之江 | 小畑実成 | 3233 | 30 | 岡山 | 4 | 5 | 抜き |
13 | 1998年(平成10年) | 12月23日 | 住之江 | 中道善博 | 2096 | 49 | 徳島 | 1 | 4 | まくり差し |
14 | 1999年(平成11年) | 12月23日 | 住之江 | 長岡茂一 | 3227 | 34 | 東京 | 4 | 4 | まくり |
15 | 2000年(平成12年) | 12月24日 | 平和島 | 吉田隆義 | 3231 | 34 | 愛知 | 1 | 1 | 逃げ |
16 | 2001年(平成13年) | 12月24日 | 住之江 | 濱野谷憲吾 | 3590 | 28 | 東京 | 3 | 3 | 抜き |
17 | 2002年(平成14年) | 12月23日 | 住之江 | 太田和美 | 3557 | 29 | 大阪 | 5 | 3 | 抜き |
18 | 2003年(平成15年) | 12月23日 | 住之江 | 市川哲也 | 3499 | 35 | 広島 | 4 | 4 | 抜き |
19 | 2004年(平成16年) | 12月23日 | 住之江 | 太田和美 | 3557 | 31 | 奈良 | 1 | 1 | 逃げ |
20 | 2005年(平成17年) | 12月23日 | 住之江 | 池田浩二 | 3941 | 27 | 愛知 | 3 | 4 | まくり |
21 | 2006年(平成18年) | 12月24日 | 住之江 | 赤岩善生 | 3946 | 30 | 愛知 | 1 | 1 | 抜き |
22 | 2007年(平成19年) | 12月24日 | 福岡 | 山崎智也 | 3622 | 33 | 群馬 | 5 | 6 | まくり差し |
23 | 2008年(平成20年) | 12月23日 | 住之江 | 田中信一郎 | 3556 | 36 | 大阪 | 1 | 1 | 逃げ |
24 | 2009年(平成21年) | 12月23日 | 住之江 | 井口佳典 | 4024 | 32 | 三重 | 1 | 1 | 逃げ |
25 | 2010年(平成22年) | 12月23日 | 住之江 | 山崎智也 | 3622 | 36 | 群馬 | 4 | 4 | まくり |
26 | 2011年(平成23年) | 12月25日 | 住之江 | 勝野竜司 | 3697 | 39 | 兵庫 | 1 | 1 | 逃げ |
27 | 2012年(平成24年) | 12月24日 | 住之江 | 篠崎元志 | 4350 | 26 | 福岡 | 1 | 1 | 逃げ |
28 | 2013年(平成25年) | 12月23日 | 住之江 | 前本泰和 | 3573 | 41 | 広島 | 1 | 1 | 逃げ |
29 | 2014年(平成26年) | 12月23日 | 平和島 | 平本真之 | 4337 | 30 | 愛知 | 4 | 5 | まくり |
30 | 2015年(平成27年) | 12月23日 | 住之江 | 長田頼宗 | 4266 | 30 | 東京 | 1 | 1 | 逃げ |
31 | 2016年(平成28年) | 12月25日 | 住之江 | 今垣光太郎 | 3388 | 47 | 福井 | 1 | 1 | 逃げ |
32 | 2017年(平成29年) | 12月24日 | 住之江 | 新田雄史 | 4344 | 32 | 三重 | 1 | 1 | 逃げ |
33 | 2018年(平成30年) | 12月24日 | 住之江 | 平尾崇典 | 3822 | 46 | 岡山 | 1 | 1 | 逃げ |
34 | 2019年(令和元年) | 12月22日 | 住之江 | 馬場貴也 | 4262 | 35 | 滋賀 | 3 | 3 | まくり差し |
35 | 2020年(令和2年) | 12月20日 | 平和島 | 深川真二 | 3623 | 46 | 佐賀 | 2 | 2 | 差し |
36 | 2021年(令和3年) | 12月19日 | 住之江 | 新田雄史 | 4344 | 36 | 三重 | 3 | 3 | まくり差し |
37 | 2022年(令和4年) | 12月18日 | 大村 | 宮地元輝 | 4445 | 36 | 佐賀 | 3 | 3 | まくり差し |
38 | 2023年(令和5年) | 12月24日 | 住之江 | 深谷知博 | 4524 | 35 | 静岡 | 2 | 2 | まくり |
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