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環望による日本の漫画作品 ウィキペディアから
『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』(Dance In The Vampire Bund)は、環望による日本の漫画作品。『月刊コミックフラッパー』(メディアファクトリー)において2006年1月号より2012年10月号まで連載[1]。
ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド | |||
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ジャンル | サスペンスホラーアクション | ||
漫画 | |||
作者 | 環望 | ||
出版社 | メディアファクトリー TOブックス(愛蔵版) | ||
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掲載誌 | 月刊コミックフラッパー | ||
レーベル | MFコミックス コロナコミックス(愛蔵版) | ||
発表号 | 2006年1月号 - 2012年10月号 | ||
発表期間 | 2005年12月 - 2012年9月5日[1] | ||
巻数 | 全14巻 全7巻(愛蔵版) | ||
話数 | 全82話 | ||
漫画:スカーレット オーダー スレッジハマーの追憶 | |||
作者 | 環望 | ||
出版社 | メディアファクトリー TOブックス(愛蔵版) | ||
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掲載誌 | 月刊コミックフラッパー | ||
レーベル | MFコミックス コロナコミックス(愛蔵版) | ||
発表号 | 2012年12月号 - 2013年12月号 | ||
発表期間 | 2012年11月5日[2] - 2013年11月5日 | ||
巻数 | 全3巻 全2巻(愛蔵版) | ||
漫画:スカーレット オーダー ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド2 | |||
作者 | 環望 | ||
出版社 | KADOKAWA TOブックス(愛蔵版) | ||
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掲載誌 | 月刊コミックフラッパー | ||
レーベル | MFコミックス コロナコミックス(愛蔵版) | ||
発表号 | 2014年1月号 - 2015年5月号 | ||
発表期間 | 2013年12月5日[3] - 2015年4月4日[4] | ||
巻数 | 全4巻 全2巻(愛蔵版) | ||
漫画:ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド エイジ オブ スカーレット オーダー | |||
作者 | 環望 | ||
出版社 | TOブックス | ||
掲載サイト | COMICコロナ→コロナEX | ||
レーベル | コロナコミックス | ||
発表期間 | COMICコロナ: 2018年5月28日[5] - 2022年3月3日 コロナEX: 2022年4月7日 - | ||
巻数 | 既刊17巻(2025年1月15日現在) | ||
アニメ | |||
原作 | 環望 | ||
監督 | 新房昭之 | ||
シリーズディレクター | 園田雅裕 | ||
シリーズ構成 | 吉野弘幸 | ||
脚本 | 吉野弘幸、横谷昌宏 | ||
キャラクターデザイン | 紺野直幸 | ||
音楽 | 土橋安騎夫 | ||
アニメーション制作 | シャフト | ||
製作 | ヴァンパイアバンド行政府 | ||
放送局 | 独立UHF局他(放送局参照) | ||
放送期間 | 2010年1月7日 - 4月1日 | ||
話数 | 全12話 | ||
テンプレート - ノート | |||
プロジェクト | 漫画・アニメ | ||
ポータル | 漫画・アニメ・ラジオ |
本項では続編の『スカーレット オーダー ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド2』(スカーレット オーダー ダンス イン ザ ヴァンパイアバンドツー)、『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド エイジ オブ スカーレット オーダー』、および外伝の『ダイブ イン ザ ヴァンパイアバンド』、『スカーレット オーダー スレッジハマーの追憶』(スカーレット オーダー スレッジハマーのついおく)についても併せて記述する。
東京湾沖の架空の人工都市ヴァンパイアバンドを舞台に、ヴァンパイアの女王ミナ・ツェペッシュとその従僕である人狼の少年、アキラの恋と戦いを描くアクション作品。ヴァンパイアが国民に秘密裏に日本政府から埋め立て地を買い取り、王国を建設するという基本設定に加え[注釈 1]、血を吸うことを拒む「牙なし」が登場するなど、既存の吸血鬼の概念に新たな解釈を加えたヴァンパイア像が話題となった。また、作者の環望が成人向け漫画で執筆していたということもあり、独特のタナトスとエロスに彩られた作品観が描かれている。サブタイトルは吸血鬼や人狼が登場する作品名(『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』、『悪徳学園』など)がオマージュとして用いられることが多い。
この作品におけるバンド (bund) とは、19世紀後半から20世紀前半にかけ上海に存在した租界地区、いわゆる外灘(ワイタン、ピンイン:Wàitān、がいたん)を指すとみられる。本来「bund」は築堤・埠頭を意味するインド起源の英単語であるが、かつての大英帝国植民地の多くが海沿いに存在したことから、租界地区そのものを「bund」と呼ぶこともあった。なお外灘とは「外国人の河岸」を意味する。
この作品はアメリカ、台湾、韓国、タイ、ドイツ、イタリア、フランス、スペインなど多国で出版されている。
『月刊コミックフラッパー』2009年8月号において、テレビアニメ化が発表され、2010年1月より放送された[6]。
2009年8月よりメディアファクトリー公式モバイルサイト「メディファク☆モバイル」にて、作者本人による外伝『ダイブ イン ザ ヴァンパイアバンド』第一部が配信。第二部は2012年12月よりpixivコミックに発表の場を変えて配信されていた。
2012年10月号で「第一部」が終了[1]。同年12月号より幕間劇とも言える「スレッジハマーの追憶」が連載されたのち[2]、2014年1月号から第二部「スカーレット オーダー ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド2」が開始されたが[3]、こちらは2015年5月号をもって終了した[4]。その後2018年5月28日よりTOブックス刊行のwebコミック雑誌comicコロナに掲載紙を移して第三部「 ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド A.S.O.」が開始され[5]、ニコニコ静画、pixivコミックを媒体として現在も掲載されているが、TOブックスが新たにコロナEXを公開したため最新話はそちらで掲載している。新連載に伴い、TOブックス・コロナコミックスより既作品の愛蔵版が刊行されている。
また、作者主催の同人誌において小説による外伝が多数発表されている。書き手は原作者本人ではなくその友人達であるが、全篇に渡り環による監修がなされている上、小説で描かれた人物や設定が度々本編に流用されているため、公式外伝と捉えて差し支えない。
普通の高校生活を送っていた鏑木アキラ。しかし彼には幼い頃に交わした盟約があった。それは夜の眷属の王・ヴァンパイアの女王に仕えるというものだった。アキラが17歳の誕生日を迎えるその日、アキラの前に現れたヴァンパイアの女王ミナ・ツェペッシュ。彼女はアキラに、日本に来た目的は、日本にヴァンパイア専用居住区=ヴァンパイアバンドを作ることだと告げる。ヴァンパイアの実在を知り激震する人間社会。そんな中、ミナ姫とアキラは誤解と齟齬を繰り返しながらも通じ合い、少しずつ心の距離を縮めていく。だがヴァンパイアの存在を忌避する人間社会、公主家の権益を欲する同族、ひいてはミナの婚約者であるヴァンパイア王家の三大公の巡らす陰謀に曝され、その絆を試されることになっていく。
三支族、そして謎の組織「テロメア」との戦いから七年…。日本はヴァンパイアバンドとの蜜月関係を維持しながらも国際的な孤立状態に陥っていた。
アメリカをはじめとするヨーロッパ諸国にボイコットされた東京オリンピックの開会式において新たに起きたテロ事件。来賓として訪れたミナ・ツェペッシュを人質にせんとしたテロリストだが、開会式その物がミナの仕掛けた罠だった。
そんな中、7年前崩落した富士風穴の奥底から「さぶろう」という謎の男の協力で行方不明だった牙なし300余名が帰還し、それに呼応するように東京埋め立て地の地下から発見された棺桶。ヴァンパイアの渇きを潤す「赤子魂(あかみたま)」と呼ぶ不思議な石が新たな謎を呼ぶ。
バンドからヴァンパイアたちが姿を消して半年後。アメリカでは自由教会に支配された影響でヴァンパイアというだけで抹殺の対象とされ、追いつめられた彼らは地下鉄道組織によって救援ポイントまで向かわなければならず、ミナ姫と縁があり、ヴァンパイアに偏見を持たないジェシカとスージーの母子も組織に協力していた。
真祖の血脈に連なる支族の一つ。北アメリカに施設を有しており、本拠地かは不明だがアマゾン・マナウス西方「チェーンスモーカーズフォレスト」に城を構えている。アニメ版ではサンスーシという名の巨大な船舶を所有している。
第一部以後、正体不明の敵による攻撃を受けており、勢力は減少している。
真祖の血脈に連なる支族の一つ。中国に領土を構える。A.S.Oではテロメアと手を結ぶ。大公家および上位者は食料として飼育した人間から血液を喫している。アニメ版では阿房宮という名の巨大な船舶を所有している。
真祖の血脈に連なる支族の一つ。ロシアに領土を構える。軍勢を率いてバンドに侵攻するが、イワノヴ自身は戦死。生き残りはベイオウルブズによる掃討戦にさらされるが、№2であるナボコフ将軍が偽ミナの情報を提供したことで降伏に近い形で和睦した。クレムリンという名の巨大な船舶を所有している。
イワノヴが討たれてからはナボコフ将軍を最上位者としてツェペッシュ家とは和睦し、シベリアに作られたコミューンで暮らしていたが、全住民が姿を消す。
便宜上、本項では、地の一族の夫人(生物学的には普通の人間)なども併記する。
人狼騎士団(ベイオウルブス)の精鋭達。狼少年(ウルフボーイズ)と呼ばれ、遊撃隊として活躍する。
レムスとロムルス、リロイとハインリヒ、ヒュンテとカミーユがそれぞれ「連理之枝」としてコンビを組む。ゴートとシンヴァもコンビを組んでいるが「連理之枝」ではない[8]。なお、彼らは「2代目」である。
「スレッジハマーの追憶」でレムスとロムルスは本編の10年前時点でベイオウルブズの一員として所属していたため、20代後半 - 30代前半と思われA.S.O.では2人の息子であるアーロン、キャルが登場している。2代目の彼らは在任期間も長かったが、年長の彼らは「結婚して子供もいる立場なのに、未だにボーイズと呼ばれるのはキツイ」と複雑なものがあったが、第一部終了後は3代目-4代目の編成と共にウルブズの重職に配置換えとなっている。
アキラ15歳の折、共にシベリアで試練の儀に参加した少年達。本来はアキラと共にミナの側近くを守る親衛隊(3代目ウルフボーイズ)を育てるべく集められたが、悲劇的な末路を辿った。各キャラクターの名前の由来は、三原順の漫画『はみだしっ子』の登場人物から。
武門として名高く、かつてイワノヴ家に仕えていたが、「ワルシャワの大粛清」の際にツェペッシュ公主家へと寝返ったため遺恨を残し、サーニンを除く当主一家が皆殺しにされるという悲劇に見舞われた(ただし長女タチアナは後に生還)。
地の一族の長老たちであり、アキラやユウヒはごく普通に接しているが、遊撃隊含め他の若手からは敬遠されている。
その理由は訓練と称して平気で骨を折る様な真似をするからだが、その実、自分の子や孫を戦で亡くしており、リロイたちに「長生きなんぞしても心配事が増えるだけ」とこぼしている。「ワルシャワの大粛清」以来の戦場をくぐり抜けた猛者揃いで、剣に固執する事無く「叩く、砕く、なぎ払う」の力技で敵を圧倒する。
彼らはミナの母・ルクレツィアより「薔薇の口づけ」を授かっており、年齢も(大雑把に言うと)四百歳を越える。揃いも揃って女好きの集団で(本人たち曰く、「英雄色を好む」)その方面に関してはデリカシーというモノが無い。 ネクロパレスでの戦いでローゼンマン部隊相手に奮闘するも全員が戦死した。A.S.O.にて南米を訪れたアキラによってスコットの大弓が回収されている。
A.S.O.12巻描き下ろしの特別編で「初代ウルフボーイズ」だったことが明かされた。10代当時は問題児の集団で、ルクレツィアの許へ行儀見習いに出されたが、悪さをした際の言い訳の法螺がひどすぎたのがチーム名の由来。
便宜上、本項では、初登場時には人間であったが後に人間ではなくなったキャラクターなども併記する。
作中でアキラ(暁)、由紀(後にジジ、クララ、あんな、ユウヒ)が通っている学校。その実態は将来的なバンド建設と牙なしの子弟たちに人間社会との交流の場を与える事を目的としてミナが設立した学校だった。その事実が明らかとなって以降も自主退学者はほとんど出ていないが、学費が他の私立校の5分の1という低額な上、生徒たちの保護者のほとんどがバンド建設のために集められた技術者・労働者であり、バンド建設の過程で多くの牙なしを始めとしたヴァンパイアと交流済みだったことが愛蔵版「スレッジハマーの追憶・上巻」収録の同人誌「schooldays」にて説明されている。
A.S.O.ではバンド水没によるクレイドルとの連絡途絶の際、文化祭の準備期間で学校にいた者が相当数いたことが判明している。
ヴァンパイアが通う事を前提としていながらミッション系という皮肉の利いた学校である。
登場したが、その立場が不明瞭な人物。
この節の加筆が望まれています。 |
いわゆる吸血鬼。石器時代から地上に存在しており、人間社会の影で生きていたが、バンドの設立を受けて公にその姿を現した。
基本的に不老であり身体能力や生命力も非常に高いが、日光を浴びたり[注釈 28]脳や心臓などの重要器官が激しい損傷を受けた場合は死亡して灰となる[注釈 29]。身体能力は子供でも人間のトップアスリートを軽く凌駕する。種族的な本能として自己破壊衝動を持ち、たとえ“自ら望んで”ヴァンパイア化したとしても長生きする者は多くない。そのため一定数以上に人口が増える事がないとされる。
吸血衝動は「なり立て」が特に強く、多くの場合、家族や隣人など近しい者が次の犠牲者となり、最初から吸血行為を拒む者は希である。また多くの生物がそうであるように、消耗が激しいと理性を無くして相手が誰であろうと吸血してしまう[注釈 30]。
味覚は人間とは異なり、血液以外の味は分からない。ただし、かつてのセキコが開発途中のスティグマ(後述)の不味さゆえに口直しに飴を舐めていたり、バーに酒が置いてある事から飲酒するヴァンパイアが居るらしい点など、かなり大きな個人差がある。また、喫煙するヴァンパイアは普通にいるため、匂いなどで血液以外の風味を感じる事は出来るようだ。味が判るかどうかは別にして、ヴァンパイアも普通の食物を食べる事自体は可能である。「牙なし」などの中にはノスタルジーから人間だった頃の好物を食べる者もおり[注釈 31]、セキコなどは多量の飴を摂取し続けた事で太ってさえいる事から、一応は通常の食物等から栄養を採る事が可能である事が判る[注釈 32]。
人間が血を吸われるとレトロウイルスの一種であるヴァンパイアウイルスに感染し、72時間で完全にヴァンパイア化する。ただし抗体ワクチンがあればそれを防ぐことができる(後述)。ヴァンパイアには絶対的なヒエラルキーが存在し、血を吸われた者は吸った者に、平民は貴族に、貴族は真祖たる王族には逆らえず命じられれば無条件で服従する[注釈 33]。
太陽の光を浴びたり、心臓を破壊されれば死んで(実際には心臓でなくとも、人間と同じように頭部や身体各所の急所を手酷く破壊されれば死に至る)灰になる点に関しては伝説におけるヴァンパイアと同じ性質を持っているが、それ以外の「流れる水を渡れない」「招待された事のない建物に入れない」「鏡に姿が映らない」「影がない」「自分の棺で眠らなければ回復が出来ない」「にんにくの臭いを嫌う」「十字架等の宗教的なシンボルを畏れる」等の、ステレオタイプの描写はない。伝説のようにオカルト的な由来を持つ不死の怪物ではなく、生物の一種である事が判る(セキコがダイエットに成功している事から、一応は代謝がある事が判っている)。「顕身」と呼ばれる自分固有の「真の姿」を見せる事が可能で高位のヴァンパイアは、伝説さながらの超能力を使う事が出来るが、顕身以外に皮膜状の翼を出す能力もある。
吸血によるウイルス感染の結果仲間を増やすが、その他にも通常の生殖行為で子孫を作る事が出来る。そうした真祖を含む生まれつきのヴァンパイア達は子供から大人まで成長する過程で「顕身能力に目覚め、行使する事」でヴァンパイアとして覚醒し、その後は成長ないし老化は停止する。
先天的、後天的を問わず、ヴァンパイア化した際の肉体年齢はその後の生活・人生に影響を与える。ハーヴェイの様に1歳になるかどうかの乳児ならば自力での体温調節もまともに出来ず、世話をする者が必要だし、デルマイユの様な老境に差し掛かった者は体力等も低下している。パイドパイパー(後述)によるヴァンパイアパンデミックの際には歯が全て抜け落ちてしまった老人がヴァンパイア化し、血を吸う事も出来ず行き倒れて病院に収容された。
狼の姿に変身することができる一族。いわゆる人狼だが、変身時に月齢の影響は受けない。変身の度合いは本人の意思で調節が利くらしく、身体の一部だけを獣化させる事に始まり、人型を維持した半人半獣の状態を経て、完全な狼そのものの姿にまでも変身可能である。ヴァンパイアほどではないがかなりの長寿を誇り、数百年は生きる[注釈 36]。
元々は太古のヴァンパイア帝国を支配していた真祖によって増えすぎたヴァンパイアを狩り立て適度に間引くために生み出された種族であり、狼の姿に変身すれば顕身したヴァンパイアでさえ逃れるのが難しい程の力を持っている。しかし「最初の人狼」が人間に組して反逆したことが切っ掛けで創造主から放逐され、放浪の果てに旧敵であったヴァンパイアを頼り、種族として主従関係を結ぶ。
ヴァンパイアウイルスに対する「自壊因子(アポトーシス)」が組みこまれており、ヴァンパイアに血を吸われても吸血鬼化せず、48時間以内に抗体ワクチンを接種しなければ、通常のヴァンパイア化する72時間を待たずして衰弱死する。
普通の人間の男性と同じく人間の女性と交わる事で子孫を作るが、地の一族としての能力は男性にのみ発現するため、タチアナなどの地の一族の男性と人間の女性の間に生まれた女性は普通の人間と変わりない。また、男性にも必ず因子が受け継がれるわけではなく『人狼の因子』が顕在化する時期にも個人差がある。通常は物心がつく頃に人狼化するようになり、まずは「変身しないように」しつけられる。必然的に男社会となるためか、基本思考が体育会系であり部署の違う者同士だと相手を揶揄しあうマウント合戦が始まることも多い。
女性に確実に人狼の因子を持つ男児を妊娠させる方法も存在するが、その方法が「人狼化した状態で女性と交わる事」であるため、女性にとっては精神的な苦痛を伴う。血脈の危機の場合など、緊急的な措置として行われる。その方法を採った場合、産まれてくる子供は最初から人狼の姿をしている。地の一族の子供を産む事は、女性の身体に非常に大きな負担をかける。アキラの母親は地の一族の男児を2人も産んだために、車椅子の生活を余儀なくされた。また、タチアナの母親はサーニンを出産した際に、人狼の姿で産まれてきた我が子を見て精神的に強い衝撃を受け、半ば廃人となってしまっている。これらの事から地の一族の男性には女性を尊び大切にする風潮がある[注釈 37]。まだ未熟な若手であるアーロンやキャルは「どんな容貌の女性であっても美点を見出す自信がある」と語るが、フィーからは駄目出しされている。
地の一族は人間の姿のままでも身体能力や五感が優れており(その分香辛料などの刺激物が苦手で、口に入れば少量の辛子程度でも悶絶する)高い回復力も持つが、銀に弱い。銀が体内に入れば大きなダメージを負うのは勿論、銀製品を直接身に着ける事すら出来ない。劇中で銀粉を浴びせられたアキラは一瞬のうちに皮膚が爛れ、前後不覚の状態に陥った。心臓を貫かれても再生する力を持つ事から作中で登場した人物の「古傷」は銀製の武器による物と思われる。人狼としての能力を発揮する獣化も発揮されるパワーや寒冷地等での適応力に対して通常時の10倍のカロリーを消費するなど燃費は悪い。通常時も常人の1.2倍の消費量であり、見た目を上回る大食い。
人狼の特質の内「自壊因子」「伴性遺伝」はヴァンパイアとの主従関係の成立と共に改変された物であるという説が存在し、かつて「ヴァンパイアの特質を獲得した人狼」や「女性の人狼」が存在していた事が示唆されていた。アーロンやキャルが人狼の形質を持って生まれる女性は1/5000といわれ数10年の間報告例がないなど、単純に希少であるとも発言している。
MFコミックスフラッパーシリーズ
コロナ・コミックス
2010年1月よりチバテレビほかU局系、AT-Xにて放送された[6]。ShowTimeとメディアファクトリーTVでは本編動画が配信されている。全12話。
第1話はオリジナルストーリーとなっており、原作者の環望が声優としてゲスト出演した。環は第8話にも出演しており、監督の新房昭之のファンということもあり、積極的にアニメのスタッフとコミュニケーションを取って制作に反映をもたらしている[38]。
原作で存在したパンチラなどのお色気描写はテレビ放送時には編集された。しかし発売されたDVD・BDではディレクターズカット版とされ、ミナの顕身した姿など、裸体の表現が規制の解かれたものとなっている。
各話のサブタイトルは吸血鬼や人狼が登場するホラー映画から取られている[39]。
話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
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#1 | プロムナイト | 吉野弘幸 | MEIMU | 龍輪直征 | 福世孝明 田中穣 高野晃久 |
#2 | ハウリング | 園田雅裕 | 安藤正浩 宮田奈保美 福世孝明 | ||
#3 | ティーン ウルフ | 園田雅裕 | 木村寛 | ||
#4 | インタビュー ウィズ ヴァンパイア | 鎌仲史陽 | 安藤正浩 福世孝明 | ||
#5 | シャドウ オブ ヴァンパイア | 羽多野浩平 | 森義博 | 小林利充 | |
#6 | フロム ダスク ティル ドーン | 鎌仲史陽 | 安藤正浩 松本文男 | ||
#7 | イノセント ブラッド | 中澤勇一 | 木村寛 | 中澤勇一 | |
#8 | ニア ダーク | 横谷昌宏 | 龍輪直征 | 鎌田均 岩崎安利 高野晃久 | |
#9 | ロストボーイ | 川原智弘 | 木村寛 | 福世孝明 安藤正浩 松本文男 | |
#10 | ワルプルギスの夜 | 吉野弘幸 | 田中雄一 | 森義博 | 鎌田均 小林利充 |
#11 | アンダーワールド | 小林智樹 | 鎌仲史陽 | 桝井一平 清水恵蔵 福世孝明 松本文男 | |
#12 | ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド | 羽多野浩平 | 鎌田均 福世孝明 |
第7話と8話の間には、新作カットを加えた総集編『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド 特別編〜Special Edition〜』が放送された。
放送地域 | 放送局 | 放送期間 | 放送日時 | 放送系列 | 備考 |
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日本全域 | AT-X | 2010年1月7日 - 4月1日 | 木曜 9:00 - 9:30 | CS放送 | 製作委員会参加 リピート放送あり |
千葉県 | チバテレビ | 2010年1月10日 - 4月4日 | 日曜 24:00 - 24:30 | 独立UHF局 | |
神奈川県 | テレビ神奈川 | 日曜 25:30 - 26:00 | |||
埼玉県 | テレ玉 | 2010年1月11日 - 4月5日 | 月曜 25:00 - 25:30 | ||
愛知県 | テレビ愛知 | 2010年1月12日 - 4月6日 | 火曜 25:28 - 25:58 | テレビ東京系列 | |
東京都 | TOKYO MX[注釈 42] | 火曜 25:30 - 26:00 | 独立UHF局 | ||
兵庫県 | サンテレビ | 2010年1月13日 - 4月7日 | 水曜 26:10 - 26:40 |
2010年1月からのテレビアニメ『ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド』放送開始に合わせて、メディファクラジオでラジオ番組が配信されていた。
コミックフラッパー掲載作品の幾つかとコラボしている。
上記以外にもドラマCD『SOUND COFFIN』において、『BRAVE10』『数学ガール』などといった『コミックフラッパー』掲載作品(2009年5月当時)への言及がある。『数学ガール』はアニメ版においても内容の一部が引用されている。
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