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デルタフォース(英: Delta Force)は、第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊(英: 1st Special Forces Operational Detachment Delta/略称:1st SFOD-D)の通称であり、他に戦闘適応グループ(英: Combat Application Group:CAG)、フォートブラッグ特殊任務部隊(公文書上英: FORT BRAGG Special Mission Unit)、陸軍別動エレメント(英: Army Compartmented Element:ACE)等の名称があり、主に対テロ作戦を遂行するアメリカ陸軍の特殊部隊である。
第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊 | |
---|---|
デルタフォースのパッチ | |
創設 | 1977年11月27日 |
所属政体 | アメリカ合衆国 |
所属組織 | アメリカ陸軍 |
兵種/任務 | 特殊部隊 |
所在地 | ノースカロライナ州フォートブラッグ |
愛称 | デルタフォース(Delta Force) |
上級単位 | 統合特殊作戦コマンド |
戦歴 |
駐イラン米国大使館人質救出作戦 (イーグルクロー作戦) グレナダ侵攻 パナマ侵攻 湾岸戦争 ソマリア内戦 アフガニスタン侵攻(2001) イラク戦争 カイラ・ミューラー作戦 |
「デルタフォース」自体は通称だが、それをさらに省略しデルタと呼称することもある。なお、第1特殊作戦部隊デルタ分遣隊と訳される場合もある。 統合特殊作戦コマンドからはタスクフォース・グリーンとも呼称されている。
1977年11月19日にイギリス陸軍の特殊部隊SAS(特殊空挺部隊)内に存在するCRW Wing(対革命戦中隊(SASの各戦闘中隊が持ち回りで6ヶ月ごとに交代し担当する対テロ・人質救出専門部隊))をモデルにつくられた。 アメリカ陸軍には以前よりグリーンベレー(陸軍特殊部隊群)等の特殊部隊が存在したが、SASで訓練を受けたアメリカ陸軍のチャールズ・アルヴィン・ベックウィズ大佐が国防総省に対テロ部隊の必要性を提唱したのが、創設のきっかけである。
通常は四人一組で行動する[1]。近接戦闘等のほか、現地の語学に精通するなど頭脳面でも高い水準が要求される。演習時には他部隊の一般の兵士に容易に作戦内容を知られぬようにドイツ語やフランス語を使って作戦会議を行うなど、隊員の語学水準は非常に高い。
任務の中では民間人に偽装する必要もあるため、頭髪は他の部隊(アメリカ海兵隊や第75レンジャー連隊)に比べて自由度が高い。また、服装も任務の性質によっては必ずしも軍服を着るとは限らないようで、民間軍事会社の警備要員のように私服に近い服装に武装して任務に当たる写真が数点ある。
この特殊部隊もSASと同様に、世界各国の特殊部隊の模範になっており、米陸軍の情報支援活動、第75レンジャー連隊所属の連隊偵察中隊、米海軍の特殊戦開発グループ、米空軍の第24特殊戦術飛行隊と合わせて、米軍内でも極めて秘匿性の高いTier1の 特殊任務部隊(Special Mission Unit)となる。
デルタフォースの部隊名については、一部に「ベックウィズ大佐がベトナム戦争中に指揮していた『プロジェクト・デルタ』に由来する」とされることがあるが、これは誤解である。部隊名の由来について、創設者であり初代司令官だったベックウィズ大佐の回顧録をはじめ、いくつかの書籍には次のように記されている。
(新部隊を何と呼ぼうか、という問いに対して)第一特殊部隊作戦分隊=デルタと呼ぼうではありませんか。われわれのA分遣隊は大尉が指揮をとり、B分遣隊は少佐が、C分遣隊は中佐が指揮官です。ですから、D分遣隊は大佐が指揮官となっては、どうでしょう
(前略)デルタの名称はグリーンベレーの通常の用語から取られたものだった。
グリーンベレーでは、大尉に率いられる六つのアルファ分遣隊(Aチーム)が、少佐に率いられる中隊規模のブラボー分遣隊(Bチーム)を構成する。チャーリー分遣隊(Cチーム)は、中佐が指揮する大隊規模の部隊である。
第1特殊部隊作戦分遣隊は大佐に率いられ、通常の特殊部隊とは違い、イギリスのSASの中隊-小隊編成をお手本にして部隊が編成されているため、デルタ分遣隊という独自の名称が与えられたのである。
以上のことから、デルタフォースの名称は小隊相当のA・中隊相当のB・大隊相当のCの各分遣隊が既にあったためである。なお、グリスウォルドの言が事実なら、D分遣隊の隊員構成はどのレベルにも相当しない特殊な編成になっていたことになる。
ノースカロライナ州フォートブラッグの陸軍特殊作戦軍団基地の一角に本部が存在し、部隊の訓練は厳重な秘密の壁に守られている。施設には世界の最先端を行くとされる射撃場、水泳プール、潜水プールがあり、地下鉄や旅客機などあらゆる種類のテロを想定し造られた模擬訓練施設が存在するとされる。市街地での急襲や人質訓練には、「恐怖の館」が使用される。
「恐怖の館(House of Horror ハウス・オブ・ホラー)」はデルタフォースの訓練施設である。この施設は、各種テロ状況を実演できる一連の部屋のことで、人質救出やCQBの訓練に使用される。または、ここで奇襲攻撃戦術を学び、敵と味方、人質の区別を即座に行えるようにする。この恐怖の館はSASの訓練施設である「キリング・ハウス」を手本に造られたものである。
基本的な入隊資格は以下の通りであるが、アメリカ陸軍がデルタフォース関連の入隊条件を公表したことはない。
加えて、志願者が士官か下士官かで追加条件が変化する。
以上の条件を満たした者は1か月間の評価選抜課程、続いて6か月間のOTC(Operator Training Course/戦闘員訓練課程)へと進む。また、入隊後も最低18か月間はOJTの立場での勤務となる。
(アメリカ政府は公式に存在を認めていない)
アメリカ陸軍第1特殊部隊デルタ作戦分遣隊(通称:デルタフォース)は、米国内で自国のテロ対策の甘さや不備を指摘する声が多かったため、1977年11月19日に創設された。
同部隊は、以前から「陸軍全体から集めた精鋭による部隊」の必要性を訴えていたチャールズ・アルヴィン・ベックウィズ大佐によって編制された。当時すでに、陸軍にはグリーンベレー、海軍にはSEALsといった特殊部隊が存在しており、米国政府や軍上層部は新たな特殊部隊の創設には消極的な姿勢を見せていた。しかし、同年にソマリアのモガディッシュで起きたルフトハンザ航空181便ハイジャック事件におけるドイツの警察系特殊部隊GSG-9(ドイツ連邦国境警備隊第9部隊)の活躍に衝撃を受けた政府は、1960年代前半に、英陸軍のSASに1年間交換勤務した経験を持つベックウィズ大佐に「対テロ専門特殊部隊」の編成を命じたのである。ベックウィズ大佐は英第22SAS連隊での勤務経験を活かし、SASを手本としデルタフォースを創設した。実際にデルタとSASを比べると、組織構成から部隊の性質、訓練プログラムに至るまで酷似している。
1980年4月、イランで発生したイランアメリカ大使館人質事件において、デルタフォースが実行した作戦「イーグルクロー作戦」が失敗し、今まで秘匿が貫かれてきたデルタフォースの存在が明るみに出る事になった。その後、この失敗を教訓とし、軍上層部は改めて強靭な組織作りを進めた。
1981年、JSOC(統合特殊作戦コマンド)、そして、1987年にU.S.SOCOM(アメリカ特殊作戦軍)を設立した。このSOCOMには陸軍・海軍・空軍及び海兵隊の各特殊部隊を統括するに至る。結果、デルタフォースもSOCOMの指揮下に置かれ、その一方、国防総省直轄の組織として機能するようになる。
職名 | 氏名 | 階級 | 在任期間 |
---|---|---|---|
司令官 | Charles A. Beckwith | 大佐 | 1977〜1980 |
James R. Paschall | 1980〜1982 | ||
Sherman H. Williford | 1982〜1985 | ||
William F. Garrison | 1985〜1989 | ||
Peter J. Schoomaker | 1989〜1992 | ||
William G. Boykin | 1992〜1994 | ||
Bernard J. McCabe, Jr. | 1994〜1996 | ||
Eldon A. Bargewell | 1996〜1998 | ||
Gary L. Harrell | 1998〜2000 | ||
James H. Schwitters | 2000〜2002 | ||
Ronald Russell | 2002〜2003 | ||
Bennet S. Sacolick | 2003〜2005 | ||
Austin S. Miller | 2005〜2007 | ||
Mark W. Erwin | 2007〜2009 | ||
Mark J. O'Neil | 2009〜2011 | ||
??? | 2011〜2013 | ||
Christopher T. Donahue | 2013〜2015 | ||
??? | 2015〜2017 | ||
??? | 2017〜2019 | ||
??? | 2019〜2021 | ||
??? | 2021〜2023 | ||
??? | 2023〜 |
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