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『キングダム ハーツ バース バイ スリープ』(KINGDOM HEARTS Birth by Sleep、略称: BbS、KHBbS)は、2010年1月9日にスクウェア・エニックスより発売されたPlayStation Portable用コンピュータゲーム。
ジャンル | アクションRPG |
---|---|
対応機種 | PlayStation Portable |
開発元 | スクウェア・エニックス |
発売元 | スクウェア・エニックス |
プロデューサー |
パトリック・チェン 吉本よういち |
ディレクター |
野村哲也 安江泰 |
シナリオ |
野村哲也 岡勝 渡辺大祐 |
音楽 |
下村陽子 石元丈晴 関戸剛 |
美術 |
野村哲也 藤本武史 |
シリーズ | キングダム ハーツ シリーズ |
人数 | 1 - 6人 |
メディア | UMD 1枚 |
発売日 | 2010年1月9日 |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
売上本数 | 約77万本[1] |
その他 |
メモリースティックDuo対応 アドホックモード対応 データインストール対応 容量 200/400/600MB |
ディズニーとスクウェア・エニックスのコラボレーション作品である『キングダム ハーツ シリーズ』の一作で、東京ゲームショウ2007において、シリーズ新プロジェクトの一つとして『キングダム ハーツ コーデッド』『キングダム ハーツ 358/2 Days』と同時発表された。『キングダム ハーツII ファイナル ミックス+』(の2枚組のうちの一つ『キングダム ハーツII ファイナル ミックス』)のシークレットムービー「Birth by sleep」をサブタイトルに冠している通り、このムービーで提示された謎を明かす作品。ストーリーは第一作『キングダム ハーツ』の10年前と、シリーズ中で最も過去のものとなり、シリーズに登場する様々なキャラクターの過去の姿や『KH』の時点で崩壊していたワールドが登場するのも特徴。
PSPの性能と容量を生かし、PS2版『キングダム ハーツII』に近い操作性やグラフィック、イベントシーンの量など、前述の同時発表された3作の中では本流の『KH』に最も近い作品である。また本作のコンセプトの一つが「進化した『KH』」[2]であり、基本的なインターフェースは『KH2』をベースとしてバトルや成長のシステムには新たな要素が加えられている。ディレクター・野村哲也は「ソラが主人公でないからナンバリングをつけなかっただけで、ボリュームや密度の濃さはPS2の時と大差ない」と語っている[3]。また、『KH』『KH2』と同様に、追加要素を加えた英語音声版『ファイナル ミックス』が発売されている(後述)。
開発は『Re:チェイン オブ メモリーズ』(Re:COM)を開発したスクウェア・エニックス大阪開発部。開発は早くから始まっていたものの、『Re:COM』のリメイクを担当することが決まり本作は一時中断となっていた。その後システムなどの全面的な見直しが行われ、その結果同時発表された『358/2 Days』『コーデッド』の中では最初に開発が始まりながら、最後に発売される作品となった。
『COM』のゲームボーイアドバンスSPや『358/2 Days』のニンテンドーDSiと同じく、本作も野村によるオリジナルデザインのPSP-3000を同梱した限定版が発売された。限定版を含め発売初週で51万本を売り上げ、PSP用ソフトの初週実績としては歴代3位(当時)を記録した[4]。また、2012年12月6日に廉価版「アルティメットヒッツ」が発売されている。
2014年に発売されたPS3用ソフト『キングダム ハーツ HD 2.5 リミックス』には、『ファイナル ミックス』版がHDリマスターされて収録されている(音声は日本語)。元がPSP用のゲームだったものをPS3で出すにあたり、多岐に渡り変更が加えられている。詳細は当該項目を参照のこと。
主人公はテラ、ヴェントゥス、アクアの3人で、シナリオもそれぞれ3本独立して存在する。ゲームの序盤に操作するキャラクターを選択し、そのキャラクターのシナリオを進めていくことになるのだが、巡る世界は共通でも主人公によって出会う人物や訪れる場所、戦うボスキャラクター等が異なっており、全てのシナリオをクリアすることでストーリーの全容が明らかになる構成をとっている。セーブデータは個別に作られるが、1つのシステムファイルによって管理されており、クリアすることで総合的な進行度が表示される。
また、各キャラクターのシナリオ中には「ゼアノートレポート」というアイテムがそれぞれ異なる種類が手に入る。これをキャラクターごとに全種集めた状態で各シナリオのラストボスを倒してエンディングを迎えると、本作の最後の戦いが描かれる「ラストエピソード」がプレイ可能になる。
これまでのシリーズのバトルスタイルを踏襲しながらコマンドを自由にカスタマイズ出来るようになっており、戦略の自由度が広がっている。システムの変化に伴いコマンド欄はデッキコマンド3つと「たたかう」コマンドで構成されている。
バトルにおける「技」に該当するコマンドに成長要素、カスタマイズ要素、収集要素を持たせたようなシステムが特徴。ディレクターの野村曰く、『COM』『すばらしきこのせかい』を経て発展させたシステムで、「やっと完成形に近いシステムが出来上がった」とのこと[5]。
ボードゲーム形式のミニゲーム。プレイすることによってコマンドのレベルを上げたり、レアなバトルコマンドやシュートロックコマンドを入手することも可能。ルールやシステムは『いただきストリート』にかなり近い。
『358/2 Days』のようにマルチプレイが可能なワールド。協力してアリーナミッションを攻略するアリーナモード、プレイヤー同士で対戦するVSアリーナモード、コマンドボード、ランブルレーシングの4つのモードがある。ソロプレイ用のオフラインも存在する。ゲームによって得られるメダルはメダルショップで景品と交換できる。
条件を満たして「ラストエピソード」をクリアすると、『KH』『KHII』同様にシークレットムービーが見られる。タイトルは「Blank Points」。従来は次回作の予告的なフルCGの高画質ムービーだったが今作では通常のカットシーンと同じムービーであり、内容も以降の展開への伏線を張りつつ物語を締めるエピローグ的なものとなっている。
『キングダム ハーツ バース バイ スリープ ファイナル ミックス』(KINGDOM HEARTS Birth by Sleep FINAL MIX)は、海外版『バース バイ スリープ』をベースとして追加要素を搭載した英語音声版。2011年1月20日発売。2010年9月16日に正式に発表され、これは北米版と欧州版の発売からわずか1週間ほどでのタイミングであった。海外版で追加された追加要素の他に、さらなる『ファイナル ミックス』版独自の新要素が加わっている。
なお、初回生産特典として、「DDFFキャラクターデータダウンロードカード」が封入。これに記されたプロダクトコードにより、『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』において『KH』のコスチュームのクラウドが使用可能になる。
選ばれし者のみが手にする「キーブレード」とキーブレードを操る「キーブレード使い」、そしてキーブレード使いを導く「キーブレードマスター」。『キングダム ハーツ』の物語が始まる10年前、テラ、ヴェントゥス、アクアの3人はキーブレードマスターを目指し、師であるマスター・エラクゥスの元、「旅立ちの地」で修行の日々を送っていた。テラとアクアのマスター承認に際し、執り行われた承認試験を発端に3人の運命は大きく動き出す。
マスター・エラクゥスと招かれたマスター・ゼアノートの立ち会いで行われた承認試験は、アクアのみ承認という結果に終わる。試験後、ゼアノートは己の闇を指摘され思い悩むテラに「心の闇を消すのではなく力で制せ」と助言を与え、直後に失踪し連絡が途絶える。それに前後して元キーブレードマスターであるイェン・シッドの連絡を受けて、光のプリンセスたちが「生命に精通しない者・アンヴァース」の脅威に晒されていることを知ったエラクゥスは、テラとアクアにアンヴァースの討伐と失踪したゼアノートの捜索を命じる。一方ヴェントゥスは、突如現れた仮面を被った謎の少年ヴァニタスの「二度とテラと会えなくなる」という言葉を聞き、任務に発つテラを追って禁を犯して外の世界へ飛び出す。ヴェントゥスを追うようにアクアも出発するが、彼女には任務の他に「テラが闇に堕ちないよう監視する」役目も与えられていた。
3人はそれぞれアンヴァースを倒しながら世界を回る。テラはマレフィセントに利用され、オーロラ姫の心を奪うことに加担してしまった自責の念から闇に屈しない力を手に入れることを決意。その後、再会したゼアノートから、ヴェントゥスの心からヴァニタスを生み出してしまったという過ちを知らされ、ヴァニタスを倒すべく行動する。ヴェントゥスはテラに会えないことで不安を募らせた末にヴァニタスと遭遇。圧倒的な力の差に追い詰められるもミッキーに救われ、友達になる。そしてアクアは見え隠れするテラの闇の痕跡と、耳を貸さないヴェントゥスの変わりぶりに苦悩しつつレイディアントガーデンに辿り着き、アンヴァースに襲われていた少女・カイリを居合わせたミッキーと共に助ける。やがて、このレイディアントガーデンの地で3人は再会を果たすも、テラはアクアがエラクゥスの命令で自分を監視していたこと、そして彼女に「闇に近づき過ぎているのでは」と指摘されたことにショックを受け、2人を置いて立ち去る。直後、アクアの指摘通りテラは怪しい男ブライグからゼアノートを救うべく闇の力を使ってしまい絶望するが、ゼアノートによって弟子へと迎えられ、その思想へと傾倒していく。アクアはヴァニタスと遭遇し、その狙いがヴェントゥスであると知る。ヴェントゥスを戦いに巻き込まないために置き去りにしてアクアは去っていき、残されたヴェントゥスは落ち込むが、新たな友達との出会いによって改めて親友を追うことを決意する。
3人はその後もそれぞれの足で各地を巡る。やがてテラはデスティニーアイランドで2人の子供ソラとリクと出会い、大切なものを守る力を求めるリクに継承の儀を行う。友とのすれ違いに思い悩んでいたアクアも2人と出会い、リクが道に迷いそうになったらソラが助けるように言った。一方、ヴェントゥスはミッキーを助けに行った荒野でゼアノートに遭遇。ゼアノートは純粋な光であるヴェントゥスと純粋な闇であるヴァニタスの衝突により「χ(キー)ブレード」を誕生させるという思惑を語り、全てを知って旅立ちの地にヴェントゥスを閉じ込めていたエラクゥスを問い質すように告げる。旅立ちの地に飛ばされたヴェントゥスはエラクゥスを問い詰めるが、ゼアノートの狙いを知ったエラクゥスはヴェントゥスを封印するべくキーブレードを向け、そこにテラが駆けつける。ヴェントゥスを守るためにエラクゥスに戦いを挑んだテラだが、全ては彼を闇に落とすというゼアノートの策略であり、敗れて疲弊していたエラクゥスを亡き者にしたゼアノートは旅立ちの地を破壊してテラを「キーブレード墓場」へと誘う。真実を知ったヴェントゥスもヴァニタスや自身の運命との決着を付けるべくキーブレード墓場へ向かい、イェン・シッドに師の訃報を聞かされたアクアもテラを追ってキーブレード墓場を目指す。
古の「キーブレード戦争」の地・キーブレード墓場で3人は合流する。そこに現れたゼアノートとヴァニタスとの壮絶な戦いが始まった。テラは怒りから心を闇に染めてゼアノートを打ち破るも、最初からゼアノートは老いた体を捨て、若く屈強なテラの肉体を奪うことを目論んでいたのだ。その思惑通り闇に染まったテラはゼアノートの器となってしまい、身体を乗っ取ったテラ=ゼアノートは悠々と去ろうとするが、テラの思念が宿った鎧が立ち塞がる。一方、アクアはヴァニタスの不意打ちに倒れ、怒ったヴェントゥスはヴァニタスを破るが、これもヴェントゥスとの融合を果たす策略であった。アンヴァースとは純粋な闇であるヴァニタスの感情から生まれた存在であり、3人の成長を促すべく世界に撒かれたのであった。そして意図通り強くなったヴェントゥスの心はヴァニタスに取り込まれ、χブレードが完成してしまう。アクアは駆けつけたミッキーに助けられ、共にヴァニタスと戦うも追い詰められる。しかし友との絆の力で反撃し、辛うじてχブレードの切先を砕く。そして精神世界で目覚めたヴェントゥスは死闘の末にヴァニタスを倒し、χブレードも消滅する。しかし、自身の心から作り出されたχブレードを破壊した代償で、ヴェントゥスもまた醒めない眠りに就く。χブレード消滅の余波にキーブレード墓場は呑まれていき、テラの思念に敗れたテラ=ゼアノートも巻き込まれる。そしてテラの思念が宿った鎧は、その場に留まるのだった。
異空の回廊を漂っていたアクアとヴェントゥスはミッキーに助けられるが、ヴェントゥスは目覚めずテラも行方不明だった。アクアは旅立ちの地の秘密の仕掛けを作動させ、「忘却の城」へと変異させる。起動者であるアクア以外は何者も決して立ち入れない「目覚めの部屋」にヴェントゥスを残し、テラを探しに発ったアクアは、レイディアントガーデンでテラを再会する。しかし彼はテラ=ゼアノートであった。アクアはテラを取り戻すべく最後の戦いを挑むが、尚も抵抗を続けるテラの心を追い出すべくテラ=ゼアノートは自らにキーブレードを刺し、その身体は闇へと落ちていく。追い掛けたアクアは自身と引き換えにテラ=ゼアノートを光の世界へ戻し、闇の世界へとただ一人落ちていった。地上ではこのショックで記憶を失ったテラ=ゼアノートが賢者アンセムによって助けられており、その横にはアクアの鎧とキーブレードだけが残されていた。そして眠りに就くヴェントゥスの傷付いた心は、かつて互いに心を補い合っていたソラと再会し、再び同化する。
それから10年もの時が流れたが、アクアは時間の概念の無い闇の世界を果てしなく彷徨っていた。その末に、ある人物と出会う。彼が言うには、光の世界は何度も闇に呑まれそうになったが、その度にキーブレードを手にした少年に救われたという。その少年の名「ソラ」を聞いたアクアは涙を流した。そしてデスティニーアイランドでは、王様の手紙を受け取ったソラが「自分につながるすべて」を取り戻すべく、新たな旅の支度を始めていた。
オリジナル版キャスト(日本語) / 『ファイナル ミックス』版キャスト(英語)の順。
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