Nitto ATPファイナルズ(英: Nitto ATP Finals)は、トーナメント方式の国際テニス大会であるATPツアーのシーズン最終戦である。ATPレースなどによりシングルス8名、ダブルス8組が選出され年間王者を決定する。
ATPファイナルズ | |
---|---|
2023年ATPファイナルズ | |
ATPツアー | |
大会名 | Nitto ATPファイナルズ |
スポンサー | 日東電工 (2017–) |
開始年 | 1970年 |
開催地 |
イタリア トリノ (2021–2025) |
会場 | イナルピ・アリーナ |
カテゴリ | ATPファイナルズ |
サーフェス | ハード / 室内 |
ドロー | 8S / 8D |
賞金総額 | $15,000,000 (2023) |
最多優勝 | ノバク・ジョコビッチ (7回) |
前回優勝 | ノバク・ジョコビッチ |
公式サイト | |
NittoATPFinals.com |
このトーナメントは、他のATPツアーイベントでは見られない独自の形式を採用しており、プレイヤーは4人ずつ2つのグループに分けられ、それぞれ総当たり戦を行う。総当たり戦を勝ち抜いた各グループの上位2名が準決勝に進み、その後の決勝で優勝者を決める。
歴史
1970年に日本・東京都体育館で「ペプシ・グランプリ・マスターズ」(Pepsi Grand Prix Masters)として第1回大会が行われた。「ザ・マスターズ」(The Masters)とも言われ、この年以降、各国持ち回りで行われたが、1977年からはシングルスはアメリカ・ニューヨーク、ダブルスはイギリス・ロンドンで行われるようになる。以降はWTAツアー選手権との同時開催で行われた。
1990年に「ATPツアー世界選手権」(ATP Tour World Championships)に改称され、1999年までドイツのフランクフルトとハノーファーで行われていた。2000年の第31回大会から「テニス・マスターズ・カップ」(Tennis Masters Cup)という名称になり、2005年から2008年までは中国・上海の上海旗忠森林体育城テニスセンターで開催された。
2009年からはイギリス・ロンドンのO2アリーナで開催されるとともに、大会名称も「ATPワールドツアー・ファイナルズ」(ATP World Tour Finals)に変更された。2017年より「ATPファイナルズ」(ATP Finals)に改称し、ロンドンでの開催を2020年まで延長[1]。これと同時に、日東電工が新たなタイトルスポンサーとなった[1][2]。
出場資格
1月からの年間レースランキングを元に上位8人を選出。9位-20位の選手の中にグランドスラム優勝者が居た場合、8位の選手に替わって出場(2人以上いる場合ランキング上位の選手1人のみ出場)。[7][8]補欠は9位-20位の間で辞退者を除く上位2名が選出され、ラウンドロビンで出場選手がけがなどで棄権した場合に代わりに出場するが、出場しなくても賞金は与えられる。
レースランキングは1シーズンに出場した獲得ポイントの多い18大会分の合計ポイントで計算する。
大会方式
シングルスは8名、ダブルスは8組がグループAとグループBに4名(組)ずつ振り分けられる。振り分け方はレース・ランキングを参考に行われることが多い。
2つのグループ内で、「ラウンドロビン」と呼ばれる1次リーグを総当たり戦方式で行い、各グループの戦績上位2名および2組が準決勝に進出できる。準決勝の勝者は決勝に進出する。
試合形式
各グループでのラウンドロビンおよび準決勝はベスト・オブ3タイブレーク・セットで行われる。決勝は年によってはベスト・オブ5タイブレーク・セットで行われる事もあったが、2008年以降はベスト・オブ3タイブレーク・セットで行われている。
ポイント・賞金
(賞金は2021年大会のもの)[9]
ステージ | ポイント | シングルス | ダブルス(1) |
---|---|---|---|
補欠選手 | — | $93,000 | $33,000 |
試合出場 | — | $173,000 | $82,000 |
ラウンドロビン1勝につき | 200 | $173,000 | $33,000 |
準決勝で勝利 | 400 | $530,000 | $84,000 |
決勝で勝利 | 500 | $1,094,000 | $164,000 |
全勝優勝(2)(3) | 1,500 | $2,316,000 | $429,000 |
- (1) チームの賞金
- (2) ポイントはラウンドロビン3勝・準決勝で勝利・決勝で勝利の合計
- (3) 賞金は試合出場・ラウンドロビン3勝・準決勝で勝利・決勝で勝利の合計
大会歴代優勝者
シングルス
ダブルス
優勝回数ランキング
太字は現役選手
過去のシングルス出場者
年 | 欠場・棄権 | 交代選手1 | 交代選手2 |
---|---|---|---|
2024 | ジョコビッチ (6位) | ディミトロフ | チチパス |
2023 | チチパス (6位) | フルカチュ ( チチパスの代役) |
フリッツ |
2022 | アルカラス (1位) | ルーネ | フルカチュ |
2021 | チチパス (4位) ベレッティーニ (6位) |
シナー ( ベレッティーニの代役) |
ノリー ( チチパスの代役) |
2020 | フェデラー (5位) | ベレッティーニ | シャポバロフ |
2019 | バウティスタ・アグート | モンフィス | |
2018 | ナダル (2位) デル・ポトロ (4位) |
ハチャノフ | チョリッチ |
2017 | ナダル (1位) ワウリンカ (7位) |
カレーニョ・ブスタ ( ナダルの代役) |
クエリー |
2016 | モンフィス (6位) ナダル (8位) |
ゴファン ( モンフィスの代役) |
バウティスタ・アグート |
2015 | ガスケ | イスナー | |
2014 | ナダル (3位) ラオニッチ (8位) |
フェレール ( ラオニッチの代役) |
ロペス |
2013 | マリー (4位) | ツォンガ | ラオニッチ |
2012 | ナダル (4位) | ガスケ | アルマグロ |
2011 | マリー (3位) | ティプサレビッチ ( マリーの代役) |
アルマグロ |
2010 | ベルダスコ | ユージニー | |
2009 | ロディック (6位) | ツォンガ | リュビチッチ |
2008 | ナダル (1位) ロディック (6位) |
ステパネク ( ロディックの代役) |
キーファー |
2007 | ロブレド | チェラ | |
2006 | アンチッチ | ベルディハ | |
2005 | ナダル (2位) ロディック (3位) ヒューイット (4位) アガシ (5位) サフィン (10位) |
ゴンサレス ( アガシの代役) |
ヨハンソン |
2004 | カナス | ||
2003 | フィリプーシス |
ラウンドロビンのグループ名
2015年より、ラウンドロビンのグループの名称にかつての名選手の名前が付けられるようになった。なお、2019年よりダブルスのグループ名は1人となっている。
年 | シングルスA | シングルスB | ダブルスA | ダブルスB | 出典 |
---|---|---|---|---|---|
2024 | イリ・ナスターゼ | ジョン・ニューカム | ボブ・ブライアン | マイク・ブライアン | [10] |
2020 | 東京1970 | ロンドン2020 | ボブ・ブライアン | マイク・ブライアン | |
2019 | アンドレ・アガシ | ビョルン・ボルグ | マックス・ミルヌイ | ヨナス・ビョルクマン | |
2018 | グーガ・クエルテン | レイトン・ヒューイット | ノールズ / ネスター | ロドラ / サントロ | |
2017 | ピート・サンプラス | ボリス・ベッカー | ウッドブリッジ / ウッドフォード | エルティン / ハーフース | |
2016 | ジョン・マッケンロー | イワン・レンドル | フレミング / マッケンロー | エドベリ / ヤリード | |
2015 | スタン・スミス | イリ・ナスターゼ | アッシュ / スミス | フレミング / マッケンロー |
放送
2013年は、英国ではSky SportsとBBCが放送した[11]。他にキー局として米国のテニス・チャンネル、セルビアのB92、中東のアルジャジーラ、スペインのTVE、ブラジルのSporTV、日本のGAORAが各国で放送している[11]。
日本においては、GAORAが放映権を取得しており、2013年からシングルスの全試合完全生中継とダブルスの後日録画放送を実施している[11][12]。2014年大会では、錦織圭の日本人初のツアーファイナルズ出場を記念し、錦織出場の1次リーグ全3試合をBS放送のBS朝日が[13]、準決勝を地上波のテレビ朝日系列が生中継で放送した[14]。 2015年はNHKが地上波とBSの放映権を取得し、総合とBS1でシングルスを全試合完全生中継で放送した。2018年はWOWOWメンバーズオンデマンドとParaviが全試合完全生中継、NHK-BS1が一部の試合を完全生中継。2023年WOWOWメンバーズオンデマンド全試合完全生中継。
関連項目
脚注
外部リンク
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