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沖縄県の市 ウィキペディアから
豊見城市(とみぐすくし、沖縄語: ティミグシク、トゥミグシク[1])は、沖縄本島南部に位置する沖縄県の市。2002年に島尻郡豊見城村から町とならずに、市制を施行した。
とみぐすくし 豊見城市 | |||||
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国 | 日本 | ||||
地方 | 九州地方 | ||||
都道府県 | 沖縄県 | ||||
市町村コード | 47212-3 | ||||
法人番号 | 5000020472123 | ||||
面積 |
19.33km2 | ||||
総人口 |
64,995人 [編集] (推計人口、2024年11月1日) | ||||
人口密度 | 3,362人/km2 | ||||
隣接自治体 | 那覇市、糸満市、島尻郡南風原町、八重瀬町 | ||||
市の木 | リュウキュウコクタン | ||||
市の花 | ブーゲンビリア | ||||
市の鳥 | クロツラヘラサギ | ||||
豊見城市役所 | |||||
市長 | 徳元次人 | ||||
所在地 |
〒901-0292 沖縄県豊見城市宜保一丁目1番地1 北緯26度10分38秒 東経127度40分53秒 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキプロジェクト |
沖縄県の県庁所在地でもある那覇市の南に隣接しているため、ベッドタウンとして人口が増加している。東洋経済新報社が調査した「成長力ランキング」で、2006年では全国1位となった。2008年の順位は3位、2009年は7位と下がったが、2010年に再び全国1位となった。市制を施行して以降、8年連続で上位10位以内を維持している[2]。
沖縄本島南部の西海岸に位置し、東シナ海に面している。東西に長い長方形をなしており、北は那覇市に隣接している。中部を饒波川が西流、のち北流して漫湖へ注ぐ。
瀬長集落から600m沖合に周囲1.5kmの瀬長島がある。戦前まで島内に小さな集落が形成されていたが、戦後は無人島になった。1946年に米軍に接収されたが、沖縄の本土復帰後の1977年に返還される。現在は橋がかかっており自動車での往来が可能で、釣りや潮干狩りの名所として知られるほか、海水浴場・キャンプ場や野球場などの娯楽施設が整備されている。
元は村制前の11村を引き継いだ11字を置いていた。しかし、1951年、分割により大幅に増加し、22字と倍増した。以下、村制当初の字と、1951年の分割後の字の変化を示す。ただし、保栄茂・翁長のみ変化していない。
豊見城市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 豊見城市の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 豊見城市
■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
豊見城市(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
市制施行前、豊見城村の事務所は、日本の町村で唯一「役所」を名乗っていた(通常は「役場」)。その根拠は、復帰前に沖縄で施行されていた市町村自治法(1953年立法第1号)の第4条「……又は市町村役所の位置を定め、若しくはこれを変更しようとするときは、条例でこれを定め、……」である。復帰後、豊見城村は日本の地方自治法に基づく村となったが、地方自治法には市町村の事務所をどう呼ぶかについて規定はない。
沖縄県の名字と同様、地名の読みが沖縄特有の読みから標準語化する流れを受けて「とみぐすく」でなく「とみしろ」が慣例として用いられることが多い。市立豊見城中学校の読みは「とみぐすく」であるが、市内の県立高校2校と市立豊見城小学校の読みは「とみしろ」である。ただ、琉球王国のグスク及び関連遺産群の世界遺産登録前後からは「ぐすく」の読みを再評価する気運も高まっている。
神話によると、琉球の国土は女神アマミキヨと男神シネリキヨによって造られた。そしてアマミキヨの子・南海大神加那志(ナンカイウフガミガナシ)によって、豊見城の村造りが始まったとされる。 南海大神加那志は、まず瀬長島に集落を造った。したがって豊見城発祥の地は瀬長島ということになる。そこに住む人々は半農半漁で生計を立てていた。 しかし、瀬長島は耕作に適した土地が少ないため、アマミキヨから数えて4代目の豊見城大神加那志が、耕作地を探して陸地へ渡った。そして現在の豊見城城跡近くに適地を見つけ、そこに居をすえて開墾を始める。 内陸での村造りも軌道に乗り、人口も徐々に増えてきた。しかし水田と畑を合わせても村の全人口を養うには足りなくなった。そこで人々は周辺へ移り住み、新たに嘉数、根差部、饒波、高安、長嶺、平良などの集落が生まれたといわれる。[4]
18世紀半ばに琉球王府によって編集された歴史書球陽によると、豊見城城主の汪応祖(わんおうそ)が中国に留学した際、龍船の競漕を見て感激し、帰国後に同様の船を造って漫湖で遊覧したのが始まりとされている。[4] また、『豊見城の王様 わんおうそ ハーリー由来物語』(PDF版)という絵本が非売品として豊見城商工会青年部まちづくり有志の会により2010年12月29日発行され、市内の学校図書館に数冊寄贈されている。また与根漁港祭りなどでも無料配布されている。[5]
豊見城市にも数カ所のグスクが存在する。豊見城グスクは字豊見城集落近くの丘の上にあり、後に南山王となる汪応祖(わんおうそ・おうおうそ)が築いた城といわれている。三山時代において重要な地位を占めていたが、後に琉球を統一する中山王・尚巴志の火攻めによって落城したとされる。[4]
土佐(現在の高知県)の漁師に生まれたジョン万次郎(中浜万次郎)は、14歳で漁に出て遭難し、捕鯨船に救助されてアメリカに渡った。日本に帰国後は日米和親条約の締結に貢献するなど、日米の懸け橋になった人物。 万次郎は帰国前の1851年、琉球に上陸するも、長期に渡って役人による尋問を受ける。しかしその間、万次郎は高安家を自由に出入りでき、琉球王府は料理人を遣わせて食事の世話をしたり酒も与えたという。 上陸から半年後、万次郎は高安家をはじめ村の人々と別れを惜しみつつ、日本へ向かった。 ジョン万次郎が高安家で手厚くもてなされたのは、琉球民が土佐に漂着した際温かく介護されたことへの琉球国王の返礼だったといわれる。万次郎の中浜家と高安家の交流はその後も続き、その縁で豊見城市と土佐清水市は姉妹都市となっている。[4]
豊見城村であった1976年(昭和51年)4月1日に村章を決定した[6]。その後、市制移行に合わせて平成14年4月1日より市章として引き継がれている[7]。
2002年(平成14年)の市制施行時、それまでの市中央部の上田地区(1958年(昭和33年)建築)より市南西部の翁長地区の庁舎に移転した。庁舎は閉店した大型家具店『ヨナシロ家具豊見城店』の建物を利用したもので、建築は1984年(昭和59年)である。当時、新庁舎建設を前提とする仮庁舎という形であり、2014年(平成26年)に市庁舎建設基本構想を策定している[8]。新庁舎は2018年(平成30年)頃に完成。2019年(平成31年)に引っ越し作業が完了し、市役所の運営を再開した。(その後は建物をそのまま利用した状態で、MEGAドン・キホーテ豊見城店となっている。)
2006年3月に現在の那覇市おもろまち(那覇新都心)に移転するまでNHK沖縄放送局の放送会館が市内高安(現在のNHK豊見城高安テレビ・FM放送所敷地内)にあった。
沖縄県内テレビ局全局とNHKラジオ・琉球放送(RBCiラジオ)の本送信所が市内3ヶ所にそれぞれ設置されている。
琉球バス交通、沖縄バス、那覇バス、東京バスおよびカリー観光の5社が運行する。琉球バス交通は国道331号線を通り那覇 - 糸満間を結ぶ糸満(高良)線、道の駅豊崎発着の那覇市・浦添市・宜野湾市方面の路線、豊見城市内一周線を運行する。沖縄バスは糸満(高良)線を琉球バス交通と共同運行する。那覇バスは県道7号線を通り那覇 - 糸満間を結ぶ路線や、那覇市と豊見城市を結ぶ路線を運行する。ほかに、那覇市内線(那覇バスが運行、均一運賃)の一部が豊見城市内の那覇市との市境付近を通っている。
2006年2月20日から琉球バスの浦添・宜野湾方面ゆきの一部のバス路線(4路線)が那覇バスターミナルから小禄地区を経由し市内我那覇まで延伸されたことにより、豊見城市と浦添市中心部・宜野湾市・琉球大学の直通移動が可能となった。琉球バス交通成立後の2008年8月1日より、市内の豊崎タウンに本社兼用の営業所が落成されたことにより、さらに同営業所付近の道の駅豊崎まで延長され、1路線しか停車しなかった市役所前に停車する路線が大幅に増えた。2021年にはさらに豊崎美らSUNビーチまで延長されている。
以前は、ほとんど那覇市と糸満市を結ぶ路線の途中経由区間でしかなかったが、2002年に市役所が移転したため既存のアクセスでは不便になったことより市内一周バスを運行したり、豊見城市内を起点として浦添市・宜野湾市への直通路線が開設されるなど、市内のバス事情も変わりつつある。
2020年にはカリー観光がイーアス沖縄豊崎への乗り入れを開始、2021年には発着点を瀬長島に変更した。また東京バスが市内に営業所を開設し沖縄県内において路線バスに参入、国際通り入口から那覇空港と瀬長島・イーアス沖縄豊崎を経由して糸満市方面へのバスを運行している。
2022年には沖縄バスも豊崎タウンに豊見城営業所を設置(那覇市にあった営業所・車庫を移転)、那覇バスターミナルを発着していた中・南部系統の一部便を営業所まで延長している。
※BT=バスターミナル
番号 | 路線名 | 運行会社 | 運行区間 | 市町村 | 豊見城市内の主な経由地 |
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那覇市 - 豊見城市 - 糸満市 | |||||
89 | 糸満(高良)線 | 琉球バス交通 沖縄バス |
那覇BT - 糸満BT | 那覇市 - 豊見城市 - 糸満市 | 国道331号(名嘉地、我那覇、伊良波、翁長) |
446 | 那覇糸満線 | 那覇バス | 那覇BT - 糸満営業所 | 豊見城、豊見城中学校前、保栄茂、豊見城団地 | |
TK02 | ウミカジライナー | 東京バス | 国際通り入口 - 糸満市役所 | 瀬長島ホテル前、あしびなー、イーアス沖縄豊崎 | |
豊崎美らSUNビーチ前起点(豊見城市 - 那覇市 - 各地) | |||||
55 | 牧港線 | 琉球バス交通 | 宜野湾出張所(終点) | 豊見城市 - 那覇市 - 浦添市 - 宜野湾市 | 豊見城市役所前、伊良波、冝保 |
56 | 浦添線 | 西原四丁目 真栄原(終点) | |||
88 | 宜野湾線 | 宜野湾出張所(終点) | |||
98 | 琉大(バイパス)線 | 琉大駐車場(終点) | 豊見城市 - 那覇市 - 浦添市 - 宜野湾市 - 西原町 | ||
256 | 浦添てだこ線 | てだこ浦西駅(終点) | 豊見城市 - 那覇市 - 浦添市 - 西原町 - 浦添市 | ||
豊見城営業所起点[注釈 2](豊見城市 - 那覇市 - 各地) | |||||
27 | 屋慶名線 | 沖縄バス | 屋慶名BT(終点) | 豊見城市 - 那覇市 - 浦添市 - 宜野湾市 - 北中城村 - 沖縄市 - うるま市 | あしびなー、伊良波 |
32 | コンベンションセンター線 | 真志喜駐車場(終点) | 豊見城市 - 那覇市 - 浦添市 - 宜野湾市 | ||
39 | 南城線 | 南城市役所BT(終点) | 豊見城市 - 那覇市 - 南風原町 - 与那原町 - 南城市 | ||
43 | 北谷線 | 北谷町役場(終点) | 豊見城市 - 那覇市 - 浦添市 - 宜野湾市 - 北谷町 | ||
87 | 赤嶺てだこ線 | 沖縄療育園前(終点) | 豊見城市 - 那覇市 - 浦添市 | ||
那覇市内線 | |||||
6 | 那覇おもろまち線 | 那覇バス | 那覇BT - おもろまち駅前広場 | 那覇市 - 豊見城市 - 那覇市 | 豊見城高校前 ※1日1往復のみ |
9 | 小禄石嶺線 | 具志営業所 - 石嶺営業所 | 松川入口 | ||
11 | 安岡宇栄原線 | ||||
17 | 石嶺(開南)線 | ||||
那覇市街地 - 豊見城市 | |||||
45 | 与根線 | 那覇バス | 三重城 - 具志営業所 | 那覇市 - 豊見城市 - 那覇市 | 高安、上田、座安、与根、瀬長 |
101 | 平和台安謝線 | 具志営業所 - 市場北口 | 那覇市 - 豊見城市 - 那覇市 - 浦添市 | 瀬長、名嘉地、我那覇、豊見城 | |
105 | 豊見城市内一周線 | 琉球バス交通 | 豊崎美らSUNビーチ前発着(一周) | 豊見城市 - 那覇市 - 豊見城市 | 豊見城市内各地 |
瀬長島ライナー | カリー観光 | おもろまち駅前 - 瀬長島 | 那覇市 - 豊見城市 | 瀬長島 | |
那覇空港 - 豊崎地区 | |||||
95 | 空港あしびなー線 | 那覇バス | 那覇空港 - イーアス沖縄豊崎 | 那覇市 - 豊見城市 | あしびなー、イーアス沖縄豊崎 |
955 | 空港OTS線 | 那覇空港 - OTS前 | OTS前 |
1920年(大正9年)5月に全線開業した馬車軌道。糸満街道沿いに敷設され、豊見城市内には地覇(名嘉地)、伊良波、座安、保栄茂、翁長に停車場があった。1939年(昭和14年)11月に廃止。
瀬長島の交通渋滞を解消し、観光拠点化を図るため、市が赤嶺駅-瀬長島-豊崎間でZipparなどの都市索道の導入を検討している[24][25]。
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