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沖縄県の市 ウィキペディアから
糸満市(いとまんし、沖縄語: イチュマン[1])は、沖縄本島の最南端に位置する沖縄県の市。沖縄戦の終戦地であり、本島最南端には平和記念資料館が設置されている。
いとまんし 糸満市 | |||||
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国 | 日本 | ||||
地方 | 九州地方 | ||||
都道府県 | 沖縄県 | ||||
市町村コード | 47210-7 | ||||
法人番号 | 5000020472107 | ||||
面積 |
46.60km2 | ||||
総人口 |
61,101人 [編集] (推計人口、2024年11月1日) | ||||
人口密度 | 1,311人/km2 | ||||
隣接自治体 | 豊見城市、島尻郡八重瀬町 | ||||
市の木 | ガジュマル | ||||
市の花 | 日日草 | ||||
市の花木 市の魚 |
ブーゲンビレア ハマフエフキ(方言名:タマン) | ||||
糸満市役所 | |||||
市長 | 當銘真栄 | ||||
所在地 |
〒901-0392 沖縄県糸満市潮崎町一丁目1番地 北緯26度07分25秒 東経127度39分57秒 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキプロジェクト |
沿岸部の糸満地区の住民は、「サバニ」と呼ばれるくり舟に乗り南洋各地へ出漁した糸満漁民で知られ、男は追込漁、女は漁行商に従事していた。漁業以外にも、内陸部では畑作を中心とした農業、畜産も盛んである。また那覇市に近く、近年は人口が増加し、都市化が著しい。戦後出漁海域が沖縄周辺に限られたが、1982年には大型船用の糸満漁港が完成、水産加工工場を立地するなど商工業の一中心として発達している。
伝統工芸に、琉球ガラス村に代表されるガラス工芸(琉球ガラス)や漆器がある。旧暦5月4日の糸満ハーレー(市内では糸満の他に喜屋武、名城地区でも行われる。他市町村はハーリーという)船競漕の海神祭、旧暦8月15日の大綱引きは五穀豊穣・無病息災を願う行事である。
市の南部の旧三和村一帯は沖縄戦最大の激戦地で、ひめゆりの塔、健児の塔などが建立し、その周辺は沖縄戦跡国定公園に指定されている。
地名の由来については諸説ある。1649年(慶安2年)の「絵図郷村帳」、翌年の「琉球国高極帳」では「いとまむ村」と表記されており、1713年(康煕52年)の「琉球国由来記」では「糸満村」となっている[2]。
宮良當壯は1925年(大正14年)に糸満を訪れた際に後述の玉城が挙げた「蟹」の話を聞いたが、自身はこの説は採らず、「イユ・トゥイ・アマミ」(魚捕海人部・いをとりあまべ)の約転であろうとしている[2]。
糸満町史の編集委員である玉城貫は、第一・優れたなどの意味を持つ「イト」と海人の「アマ」を合わせた言葉で「優れた漁師」という意味だとし、その他に挙げた「井戸を掘る際に糸を食べている蟹が現れたことから[3]」、「8人の異人が漂着した『エイトマン』から」および「糸満人の祖先は異人」、「『魚を取る人』という意味の『イヲトリアマベ』が転じたもの」などについては首肯できないとし、後の2021年2月にNHKのテレビ番組「日本人のおなまえ」で説のひとつとして紹介された「エイトマン説」[4]については、玉城は「学問を愚弄するもの」と切り捨てている[5]。
金関丈夫は、フィリピンからインドネシアにかけて見られる地名の命名規則(接頭語に「イ」「ディ」あるいは「ヅィ」をつけ語尾に「アン」をつける)からオーストロネシア語族の言語に由来するのではないかという説を唱えている[6]。
島尻層群を基盤岩とし、その上を琉球石灰岩が覆うという地形構造になっており、この島尻層群と琉球石灰岩からなる地域には、断層が縦横に走り、地集の境界あるいは急崖を形成する要因となっている。また、北西部の沿岸域の中心市街地と埋立地一帯は細かい粘土や砂などの沖積層からなっている。
土壌は地質構造の影響を受けており、島尻層群からなる地域には保水性のある肥よくな灰色のジャーガルが分布し、琉球石灰岩からなる地域には保水性に乏しい赤色の島尻マージが分布している。
島尻層群がみられる北部は、緩斜面と急斜面が織り成す比較的変化のある丘陵地形となっており、東部には標高168mの与座岳がある。それに対し、琉球石灰岩で覆われている中央部から南部は、石灰岩台地の平坦面が断層によって切断された傾動地塊となっており、瓦屋根を重ねたような南に緩やかな斜面、北に断層崖を持つ台地群からなる地形。そして、摩文仁の丘からは崖下にサンゴ礁が広がり、すばらしい眺めを堪能することができる。また、北西部の沖積層からなる埋立地と市街地は、平坦な低地を形成している。
東から西へ全長約10キロメートルの報得川が市を横切って流れている。
また、市の東シナ海と面する地域付近には、西崎運動公園がある。
もともと1町3村による合併で現在の市域となったため、4つの地域(糸満・兼城・高嶺・三和)に分かれるが、市制施行後の埋め立てで西崎や潮崎の新たな地域が誕生したため、これら埋立地域を糸満地域に入れる場合もある。また合併前の旧糸満町(糸満地域)がもともと兼城村から分離したため、地理的に近い西崎も加え兼城と糸満を1つの地域にすることもある。さらに、三和地域は戦後に真壁・摩文仁・喜屋武の3村の合併にできたため、場合によっては戦前の旧村単位に分けることもある。
住居表示は2000年以前に市制施行した沖縄本島内の市ではうるま市の旧具志川市同様(旧石川市では半分近く実施されている。なお2000年以降に市制施行した豊見城市や南城市ではすべて未実施)あまり行われていない(実施されているのは西崎の一部と西川町のみで1994年の1回のみ)。特に糸満地域は字糸満の番地が2400番台まであり、市街地であるため番地が1つ違うだけで場所が違うところもあるため、合併前の旧糸満町時代から8つの区(南・前端・新川・新島・新屋敷・上之平・西・町端)に分かれて地域活動しているものの、沖縄本島で同じ市街地形成で実施に積極的だった名護市の字名護・宮里地域とは違い、全く未実施である(土地区画整理が今でも行われているため、実施する状況には至っていない)。
原則的に小・中学校の校区は市街地である糸満・西崎・潮崎地区を除き、旧村単位の地域ごとに分かれているが市街地に近い照屋や真栄里、一部の集落では地理的関係から番地によって近い学校に通学させるところもある。
糸満(いとまん) 便宜上地域名に加えて1-8区と数字で呼ぶこともある。
西崎と西崎町に分かれているが、住居表示実施で「町」が取れているだけで基本的に同一地域であり、かつては郵便番号も西崎の「901-0305」と書けば西崎町でも届いたが2009年に西崎町のみ「901-0306」に変更された。
1丁目は1976年、2~3丁目は1981年、4丁目は1983年、5丁目は1984年発足。このうち1~2丁目の大半が1994年に住居表示実施された。なお、6丁目は2丁目の一部が独立した物であり、この時に完全に新設された。
1995年に埋立事業着手し、それ以後に町名設置が行われたものと思われるが、具体的な時期は不詳。
糸満市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 糸満市の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 糸満市
■緑色 ― 日本全国 | ■青色 ― 男性 ■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
糸満市(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
特記なき場合「平成28年版 第9回統計いとまん」による[10]。
代 | 氏名 | 就任 | 退任 | 備考 |
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1 | 伊敷喜蔵 | 1971年(昭和46年)12月1日 | 1977年(昭和52年)11月25日 | 早期辞職 |
2 | 上原重蔵 | 1977年(昭和52年)11月26日 | 1980年(昭和55年)5月19日 | 在任中に死去 |
3 | 下門律善 | 1980年(昭和55年)7月6日 | 1988年(昭和63年)7月5日 | |
4 | 上原宜成 | 1988年(昭和63年)7月6日 | 1996年(平成8年)7月5日 | |
5 | 上原博 | 1996年(平成8年)7月6日 | 2000年(平成12年)7月5日 | |
6 | 山里朝盛 | 2000年(平成12年)7月6日 | 2004年(平成16年)7月5日 | |
7 | 西平賀雄 | 2004年(平成16年)7月6日 | 2008年(平成20年)7月5日 | |
8 | 上原裕常 | 2008年(平成20年)7月6日 | 2016年(平成28年)7月5日 | |
9 | 上原昭 | 2016年(平成28年)7月6日 | 2020年(令和2年)7月5日 | |
10 | 當銘真栄 | 2020年(令和2年)7月6日[11] | 現職 |
(令和2年10月1日現在)
参照:“議員名簿一覧 糸満市”. 糸満市. 2020年10月1日閲覧。
琉球バス交通・沖縄バス・那覇バスおよび東京バスが運行している。
東京バスを除く3社の一般路線全路線が市中心部の糸満ロータリーバス停を経由する。
那覇市と糸満市を結ぶ路線(琉球バス交通・沖縄バスの終点は糸満バスターミナル、那覇バスの終点は糸満営業所、東京バスの終点は琉球ホテル&リゾート名城ビーチ[注 2]) | |||||
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番号 | 路線名 | 運行会社 | 起点 | 市町村 | 糸満市内の主な経由地 |
34 | 東風平線 | 沖縄バス | 那覇バスターミナル | 那覇市 - 南風原町 - 八重瀬町 - 糸満市 | 与座、照屋、糸満ロータリー |
35 | 志多伯線 | 賀数、照屋、糸満ロータリー | |||
89 | 糸満(高良)線 | 琉球バス交通 沖縄バス |
那覇バスターミナル | 那覇市 - 豊見城市 - 糸満市 | 阿波根、西崎(一部)、糸満ロータリー |
189 | 糸満空港線 | 琉球バス交通 | 那覇空港 | 那覇市 - 豊見城市 - 糸満市 | 道の駅いとまん、糸満ロータリー |
200 | 糸満おもろまち線 | 沖縄バス | おもろまち駅前広場 | 那覇市 - 南風原町 - 八重瀬町 - 糸満市 | 賀数、照屋、糸満ロータリー |
235 | 志多伯おもろまち線 | おもろまち駅前広場 | |||
334 | 国立劇場おきなわ線 | 沖縄バス | サンエーパルコシティ前 | 浦添市 - 那覇市 - 南風原町 - 八重瀬町 - 糸満市 | 与座、照屋、糸満ロータリー |
446 | 那覇糸満線 | 那覇バス | 那覇バスターミナル | 那覇市 - 豊見城市 - 糸満市 | 武富、賀数、座波、照屋、糸満ロータリー |
TK01 | ハーレーエクスプレス | 東京バス | 国際通り入口 | 那覇市 - (豊見城市:停車地なし) - 糸満市 | 道の駅いとまん、糸満市役所 |
TK02 | ウミカジライナー | 那覇市 - 豊見城市 - 糸満市 | 道の駅いとまん、サザンビーチホテル&リゾート沖縄、糸満市役所 | ||
TK03 | 琉球ホテルエアポートリムジン | 那覇空港 | 那覇市 - (豊見城市:停車地なし) - 糸満市 | (琉球ホテル&リゾート名城ビーチ のみ) | |
南城市と糸満市を結ぶ路線(起点は糸満バスターミナル) | |||||
番号 | 路線名 | 運行会社 | 終点 | 市町村 | 糸満市内の主な経由地 |
36 | 糸満 - 新里線 | 沖縄バス | 南城市役所 | 糸満市 - 八重瀬町 - 南城市 - 与那原町 - 南城市 | 糸満ロータリー、照屋、与座 |
南部支線(起点は糸満バスターミナル) | |||||
番号 | 路線名 | 運行会社 | 終点 | 市町村 | 糸満市内の主な経由地 |
81 | 西崎・向陽高校線 | 琉球バス交通 | 玉泉洞前 | 糸満市 - 八重瀬町 - 南城市 | 糸満ロータリー、照屋、真栄平 |
82 | 玉泉洞糸満線 | 糸満市 - 八重瀬町 - 南城市 | 糸満ロータリー、ひめゆりの塔、平和祈念堂入口 | ||
107 | 南部循環(真壁)線 | 糸満バスターミナル | 糸満市 | 糸満ロータリー、真壁、ひめゆりの塔、喜屋武、西崎 | |
108 | 南部循環(喜屋武)線 | 糸満ロータリー、西崎、喜屋武、ひめゆりの塔、真壁 |
デマンドバスの「いとちゃんmini」、コミュニティバスの「いとちゃんmini国吉線」がある。いずれも美ら島観光バスが運行する[12]。
那覇市などの他の自治体と同じく、1987年以降、水道水は全て沖縄県企業局からの受水で賄われており、配水管以外で糸満市固有の施設としては各所に配水池(タンク)とポンプ場を持つのみである。また、市内全域への完全給水が成されたのは2008年12月となっている。
かつては水源や上水道も市内で賄っていたが、市政に移行後しばらくの間は既存の井戸や湧水、雨水もしくは簡易水道などによる供給が続いていた[13]。1967年にようやく本格的な事業化に着手、1970年より給水が開始された。集団赤痢や度重なる断水に苦労しながらも[注 3]、徐々に水利は充実し、2009年現在、1999年の台風による停電による障害以降、水道部の年表においては特筆すべき障害は見られない。
管轄は糸満市水道部。基本料金は家庭用としては8m3まで1,131円、それ以降は20m3までは1m3あたり226円(2009年現在)。イメージキャラクターは「メーターくん」である[14]。
真栄里にあった沖縄県立南部病院は財政難や沖縄県立南部医療センター・こども医療センターの新設に伴い、民間に経営を移譲し医療法人友愛会 南部病院となったが、2020年8月に豊見城市上田の豊見城中央病院跡地へ移転し名称を「豊見城中央病院」へ変更した[15]。
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