悟空の大冒険

1967年にフジテレビ系列で放送された日本のテレビアニメ ウィキペディアから

悟空の大冒険』(ごくうのだいぼうけん)は、1967年1月7日から同年9月30日までフジテレビ系列で放送されていた日本テレビアニメカラー作品。

概要 悟空の大冒険, アニメ ...
悟空の大冒険
アニメ
原作 手塚治虫ぼくのそんごくう
総監督 杉井ギサブロー
音楽 宇野誠一郎
製作 虫プロダクション
放送局 フジテレビ系列
放送期間 1967年1月7日 - 1967年9月30日
話数 放送分全39話
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プロジェクト アニメ
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概要

要約
視点

手塚治虫が『西遊記』を元に描いた漫画作品『ぼくのそんごくう』を原作に、虫プロダクションがスラップスティックなギャグアニメとして作り上げたのが本作である。4シリーズ続いた『鉄腕アトム』(アニメ第1作)の後番組であり、引き続き明治製菓(現・明治)の一社提供で放送された。

キャラクターや話の内容が現代風にアレンジされており、三蔵法師天竺まで経典を取りに行くという基本設定を除いてほとんど作り替えている。登場人物も、竜子(たつこ)という女性キャラが追加されている[注釈 1]

当初は高い視聴率を稼ぎ、最高視聴率は1967年2月18日(土)に31.7%を記録している。しかし、同年4月に日本テレビ系列で同じ時間帯に『黄金バット』(読売テレビ製作)がスタートしてからは、視聴率の低下に苦しんだ[1]。その為に「妖怪連合シリーズ」などの路線変更が行われたが、後半の視聴率不振の盛り返しには至らず、3クール9か月(全39話分)で放映を終了した[注釈 2]

本放送当時に、内容が過激すぎてお蔵入りになったとされるエピソードが1つある[注釈 3]。これは本作のDVD-BOXに収録されている。

また、本放送時およびそれからあまり年月が経っていない頃の再放送時にはエンディング前に次週の予告クリップがあったが、後に使われなくなり、様々な事情で紛失してしまった模様[要説明]である。その為、幾つか現存している音声の一部はDVD-BOXに収録されている。また、1990年に発表された著作権法に基づく内容の22分のアニメ『悟空の著作権入門』が制作され、キャストは八戒役の滝口を除き一新されている。

パイロットフィルム

この作品にはパイロット版の『孫悟空が始まるよー 黄風大王の巻』がある(脚本は児童文学者の佐野美津男[2]。しかしその内容はのちのテレビ版とはかなり異なっており、たとえば、パイロット版において悟空が三蔵法師を呼ぶ際には「おっしょうさま」との呼称を用いるが(これは『ぼくのそんごくう』でも同様である)、本編では「坊さん」に変えられている[2]。またキャラに関しては、八戒は殆ど同じだが、孫悟空と竜子はやや背が高く、三蔵法師は『アトム』の田鷲警部に近く、沙悟浄に至っては全く異なっている[2]。演じる声優も悟空・三蔵法師・猪八戒がテレビ版とは違い、音楽担当も異なる。

なお、この内容変更に関しては、総監督の杉井ギサブローが、完成したパイロット版を見るなり「自分の作りたかった物はこれじゃない」と手塚治虫に直訴し、手塚から「なら好きなように作って良いから」と了解を得たためとのちに発言している[3]。一方、手塚治虫公式サイトにおける紹介では、小学校における試写で観衆の小学生から「悟空が優等生過ぎる」という理由で評価が芳しくなかったとされている[2]

キャスト

スタッフ

音楽

要約
視点

初期の『世界名作劇場』(当時は『カルピスまんが劇場』)で『ムーミン』、『アンデルセン物語』、『山ねずみロッキーチャック』の音楽を担当した宇野誠一郎がBGMを作・編曲し、ほとんどの主題歌・挿入歌の作・編曲も行ったほか、歌詞を手掛けた曲もある。

主な歌手は、いくつかの宇野作品で歌唱を担当したヤング・フレッシュ。その他、『ひょっこりひょうたん島』からは前川陽子[注釈 5]中山千夏、そして『アンデルセン物語』や『さるとびエッちゃん』でも宇野と組むことになる増山江威子が参加した。

主題歌

オープニングテーマ
「悟空の大冒険マーチ」(第1話 - 第39話)
作詞 - 吉岡治 / 作曲・編曲 - 宇野誠一郎 / 歌 - ヤング・フレッシュ
正規版(モノラル録音)はテイチク朝日ソノラマから発売。日本コロムビア音源(ステレオ録音)はセルフカバー版(歌 - ヤング・フレッシュ)で、歌い方が微妙に異なる。
この曲が使われているオープニング映像には、ラストで転んだ悟空のマント状が直立してタイトルロゴが映し出される演出があるが、本放送時にはタイトルではなく「提供(社紋)明治製菓」という提供クレジットが出た。提供クレジット付きはDVDに初収録された。
エンディングテーマ
「悟空が好き好き」(第1話 - 第25話)
作詞 - 吉岡治、宇野誠一郎 / 作曲・編曲 - 宇野誠一郎 / 歌 - ヤング・フレッシュ
正規版(モノラル録音)はテイチクと朝日ソノラマから発売。日本コロムビア音源(ステレオ録音)はセルフカバー版(歌 - ヤング・フレッシュ、アンサンブル・ファンタジア)で、歌い方や「かもね」というセリフの言い方が微妙に異なる。
「悟空音頭」(第26話 - 第39話)
作詞 - 井上ひさし / 作曲・編曲 - 宇野誠一郎 / 歌 - 中山千夏、ヤング・フレッシュ
再放送においてはエンディング映像が「悟空が好き好き」バージョンに統一されていたが、DVDで「悟空音頭」バージョンが復活した。なお、カートゥーン ネットワークで再放送された時には双方が使われた。

副主題歌は2000年代になってからテレビCMに流用されたりしている。例えば、「牛乳が好きな人のメグミルク」のCMでは、歌詞を「牛乳が好き」に変えて使っている(俗に言う「替え歌」である)[5][6]。歌手は井上鉄平(BAZRA[6]

挿入歌

「悟空がやってくる」
作詞 - 吉岡治 / 作曲 - 山崎唯 / 編曲 - 中村五郎 / 歌 - 山崎唯
竜子たつこのうた」
作詞・作曲・編曲 - 宇野誠一郎 / 歌 - 増山江威子

イメージソング

「レッツゴーボンダンス」
作詞・作曲・編曲 - 宇野誠一郎 / 歌 - 中山千夏、ヤング・フレッシュ
「レッツ!悟空ダンス」
作詞・作曲・編曲 - 宇野誠一郎 / 歌 - 前川陽子、ヤング・フレッシュ

各話リスト

  • サブタイトル読み上げは原則として近石真介ナレーターが担当するが、別の声優が担当する事もある[注釈 6]
さらに見る 話数, 放送日 ...
話数 放送日サブタイトル脚本演出登場妖怪
1 1967年
1月7日
悟空誕生鈴木良武出﨑統傲来国の王、箱天童子
2 1月14日キント雲はいただき西牧秀雄
3 1月21日坊さんナンバーワン波多正美混世魔王
4 1月28日宝の地図はペケペケ出﨑統盗賊団
5 2月4日雨に唄えば西牧秀雄カンカラ大臣
カミナリ大臣
6 2月11日銀糸仙人出﨑統銀糸仙人
7 2月18日ゴミまで愛して波多正美サンショウウオの化け物
8 2月25日博士は何にしびれたか山中恒西牧秀雄ドッカンコ博士
9 3月4日おかしな?おかしな?波多正美ギルド
10 3月11日ハートでいただき佐野美津男ミクロン
11 3月18日どっちもどっち!菅野昭彦西牧秀雄原始村の長オールド・グッド
現代町の長ニュー・ナイス
12 3月25日ぼくはコブコブよ!佐野美津男出﨑統コブコブ大王
13 4月1日王様はユウレイ山元護久波多正美狼男
14 4月8日カジババと40にんの盗賊佐野美津男出崎統カジババと盗賊団
15 4月15日あけてビックリ柳沢類寿
伊地知道明
北野英明美人国
16 4月22日5.9(ゴクウ)作戦山中恒高橋良輔プランクトンの怪物
17 4月29日奥様は妖怪佐野美津男西牧秀雄おもちゃ妖怪
18 5月6日ベロりベロベロ彦根範夫ベロリベロベロ
19 5月13日われらガードマン菅野昭彦北野英明モグラの親分
20 5月20日荒野の妖怪出﨑統マカロニィ
ガマーロ
コロンコ
21 5月27日プイプイ教の大魔神山元護久月岡貞夫プイプイ教
大魔神
22 6月3日妖怪連合シリーズ第1弾!ドラゴンの牙波多正美大王
ドラゴンの牙
大王のしもべ
23 6月10日 妖怪連合シリーズ第2弾!バラモンの足北野英明バラモンの足
24 6月17日 妖怪連合シリーズ第3弾!ヘラクレスの手勝井千賀雄ヘラクレスの手
25 6月24日妖怪連合シリーズ第4弾!ハネ一族の巻高橋良輔ハネ一族のオババ
ハネ一族の守護神
26 7月1日妖怪連合シリーズ第5弾!メデュウスの髪の毛片岡忠三メデュウスの髪の毛
27 7月8日妖怪連合シリーズ 第6の妖怪ハリケーン[注釈 7]平田敏夫ハリケーン
28 7月15日 妖怪連合シリーズ第7弾!妖怪連合のさいご西牧秀雄大王
合体妖怪
29 7月22日つらら大王の巻出﨑統つらら大王
のっぺらぼう
30 7月29日ガツガツムシャムシャの巻菅野昭彦平田敏夫カツカツ大王
ムシャムシャ女王
31 8月5日かげろうの谷北野英明怪物
32 8月12日火輪童子の巻西牧秀雄火輪童子
33 8月12日おいらゴウケツだい平田敏夫波多正美ギダーラ大臣
34 8月26日人喰いジャングル青獅子
白象
ワシ
35 9月2日霊感大王出﨑統霊感大王
36 9月9日おナカの中の中彦根範夫南京虫の化物
37 9月16日かぼちゃの化物高橋良輔かぼちゃの化物
のろわれた王様波多正美化猫
38 9月23日金角銀角の巻片岡忠三金角
銀角
39 9月30日あれが天竺の灯だ平田敏夫
映像特典 未放送ニセ札で世界はまわる出崎統
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放送局

ネット配信

2013年12月19日からYouTubeの「手塚プロダクション公式チャンネル」で、本作オープニングと話の前半部を無料配信していたが、2019年12月26日より、同チャンネルで第1話全てが無料配信されている。

いずれもOP映像は、ラストの提供クレジット部が番組タイトルに差し替えられ、サブタイトル表示部はブラックバックに話数とサブタイトルを記載したバージョンに差し替えられた。また第1話全話配信版の次回予告は、音声は存在するものの映像はないので、音声だけを配信している。

2022年5月17日からは同年7月19日まで、同チャンネルから全39話が期間限定無料配信された(第1話も先述配信分と共に並行配信)。今回も先述の第1話配信分同様、OPラストの提供クレジット部は番組タイトルに差し替えたが、次回予告は画像が存在する回(第10回・第12回ほか)はそのまま配信、逆に存在しない回は音声だけ配信となり、サブタイトル表示は第6話まではブラックバック、そして第7話からは通常バージョンになっている。

その後2023年4月14日から同年6月5日まで、そして2024年9月4日から同年11月15日まで、同チャンネルで全話無料配信が行われ、更に10月26日からは11月15日まで初の全39話まとめて無料配信が行われた(配信形態は前回と同じ)。

2025年2月27日から同チャンネルでオープニング映像が無料配信されたが、映像は提供クレジットを番組タイトルに差し替えたバージョン。また同年3月1日から同年3月8日まで、第18話「ベロリベロベロ」が無料配信された。

この他、2013年12月19日から『孫悟空がはじまるよー』、2017年12月25日から『悟空の著作権入門』が、いずれも同チャンネルより無料配信されている。

脚注

外部リンク

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